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007/ダイヤモンドは永遠に
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007/ダイヤモンドは永遠にの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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いつも、良いものをありがとうございます。非常に良い、美品でした。 | ||||
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「ジェームズ・ボンド」シリーズの第4作。第1作から第3作までのボンドの敵役はソ連だが、本作の敵役は米国ネヴァダ州のラス・ヴェガスを根城にするマフィア「スパングルド一味」だ。はじめソ連のスメルシュに比べればマフィアなんぞ取るに足らないとあなどっていたボンドが、クライマックスでかなり痛い目に遭うのが面白い。スパイ小説というよりはパルプ・フィクションのようなザラザラした手触りの作品だ。 悪玉は、スパングルド一味の首領「セラフィモ・スバング」と、その弟の「ルーファス・B・セイ」「ABC」こと「ジャック・スバング」。西部劇かぶれのセラフィモ・スバングは、ラス・ヴェガス郊外のゴースト・タウン「スペクターヴィル」を町ごと買い取って改修し、手下たちを住まわせる。作者イアン・ランカスター・フレミングは「スペクター」という言葉がお気に入りだったようで、第5作『ロシアから愛をこめて』に登場するソ連の暗号機が「スペクター」なら、第9作『サンダーボール作戦』と第10作『女王陛下の007』と第12作『007は二度死ぬ』に登場する国際犯罪組織も「スペクター」だ。 カウボーイ・スタイルで決めたセラフィモ・スバングは、クラシック蒸気機関車「キャノンボール号」の運転を愉しむ。自らが創業したスコティッシュ・アメリカン投資会社を通じて米国の鉄道債券に投資し、鉄道事業の発展に貢献したロバート・フレミングは、その自慢話を孫のイアンによくしたという。このため鉄道に強い興味を持っていたイアンは、第2作『死ぬのは奴らだ』や第7作『ゴールドフィンガー』ではシーボード・エア・ライン鉄道、『ロシアから愛をこめて』ではシンプロン・オリエント急行、第13作『黄金の銃をもつ男』ではジャマイカの砂糖黍積み出し用の狭軌鉄道を登場させている。日本では小田急線がお好みだったとか。 セラフィモ・スバングはラス・ヴェガスでカジノ・ホテル「王冠ホテル」を経営。法人税や個人所得税のないネヴァダ州に眼を着けたマフィアが、犯罪で稼いだ金を投資して砂漠のど真ん中にラス・ヴェガスを建設したのは、紛れもない事実だ。 ロンドンのダイヤモンド館の副社長に収まったジャック・スバングは、英領シェラ・レオネから、仏領ギアナ、ダカール、フランス、英国を経て、米国に至るダイヤモンド密輸ルートを仕切る。 ただ、シリーズの他の作品に比べて、本作の悪玉の登場シーンは少なめだ。 秘密情報機関(SIS)長官「M」にダイヤモンド密輸ルートを断てと命じられたボンドは、運び屋「ピーター・フランクス」になりすまして一味に浸透。王冠ホテルのブラック・ジャックのディーラーでときどき密輸を手伝う「ティファニー・ケイス」から、ロンドンでダイヤモンドを隠したゴルフ・ボールを受け取る。「舐めるんじゃないわよ」という強気の仮面の下に、傷つきやすい女の顔を垣間見せるティファニーのキャラクターの造形が、秀逸だ。 ロンドンからニュー・ヨークにゴルフ・ボールを運んだボンドは、ダイヤモンド館のニュー・ヨーク支店でスパングルド一味の幹部の「日かげのトリー」こと「マイケル・トリー」から報酬を受け取って、サラトガ競馬場の八百長レースでその金を増やす方法を教えられる。 支店を出ると、旧友「フェリックス・ライター」と再会。『死ぬのは奴らだ』で鮫に右腕と左脚を食いちぎられたライターは、中央情報局(CIA)の予備役に回されてピンカートン探偵社に再就職。今は八百長競馬の調査を担当していた。ライターとともにサラトガ・スプリングズに赴いたボンドは、八百長を阻止する。 トリーから今度は王冠ホテルのいかさまブラック・ジャックで元手を増やせと指示されて、ラス・ヴェガスに飛ぶ。ティファニーと再会してブラック・ジャックで5000ドルを手にする。さらに、それをルーレットに賭けてまんまと5万ドルに増やす。 だが、本物のフランクスがロンドン首都警察に拘留されていることが発覚して、ボンドはスペクターヴィルで同性愛の殺し屋「ウィント」と「キッド」に拷問される。ティファニーに助けられて鉄道を保線用のハンドカーで逃げ出すが、キャノンボール号で追われる。ポイントを切り替えてキャノンボール号を支線に追いやり、それと同時にセラフィモ・スバングを射殺する。 スパングルド一味の報復を避けて、ボンドとティファニーはニュー・ヨークで豪華客船クィーン・エリザベス号に乗り込んで、ひと安心。ところが、出航直前に駆け込み乗船した「ウィント」と「キッド」に、大西洋上でティファニーが襲われてしまう。危機に気づいたボンドは、窓から客室に突入して2人を射殺し、ティファニーを救出する。 密輸ルートをさかのぼりながら共犯者たちの口を封じていくジャック・スバングをシェラ・レオネで待ち伏せて、機関砲でヘリコプターもろとも撃墜する。 『ロシアから愛をこめて』で、ティファニーはロンドンでボンドと数か月間暮したが、米国大使館付き武官の海兵隊少佐と出会って米国に帰国したと述べられている。 『ゴールドフィンガー』で、スパングルド一味は米国政府の金塊保管所「フォート・ノックス」襲撃に加担するが、最後には首謀者「オーリック・ゴールドフィンガー」に裏切られて、首領「ジャック・ストラップ」を射殺されてしまう。『黄金の銃をもつ男』では、スパングルド一味の「ルビー・ロトコッフ」(こちらは首領ではないかもしれない)が、ソ連・キューバ・マフィアの共同出資に1人反対して、キューバの殺し屋「フランシスコ・『ピストルズ』・スカラマンガ」に射殺されてしまう。 『ダイヤモンドは永遠に』執筆のきっかけは、『ザ・サンデー・タイムズ』に掲載されたシェラ・レオネにおけるダイヤモンド密輸についての記事をフレミングが読んだことだ。イートン校の同窓生でデ・ビアス社の重役だったフィリップ・ブラウンリッグを通じてコンタクトを取り、英国保安機関(SS)の元総監で退官後はデ・ビアス社で国際ダイヤモンド保安機構(IDSO)を創設したパーシー・ジョセフ・シリトー卿(本作中に名前だけ登場する)にインタヴュー。また、第二次世界大戦中フレミングが出向していた英国保全調整部(BSC)の元部長ウィリアム・サミュエル・スティーヴンソン卿に、サラトガ・スプリングズに関する記事を送られて興味を持った(本作の第10章でボンドはライターに差し出しされた『ワシントン・ポスト』の記事を読むが、スティーヴンソンからフレミングに送られたのはこの記事かもしれない)。1954年7月23日の晩にロンドンを英国海外航空会社(BOAC)機で発って、ニュー・ヨークで『ザ・サンデー・タイムズ』の仕事を片付けた。8月に友人のアイヴァー・フェリックス・C・ブライスやアーネスト・L・キュニオとともにサラトガ・スプリングズを訪れて競馬や泥浴を体験した。ブライスはフレミングと1917年にコーンウォールの海岸で出会い、イートン校で再会し、BSCでも一緒に働いたので、親友といってよかった(「フェリックス・ライター」のフェリックスはブライスのミドルネームからとっている)。キュニオも戦略事務局(OSS)の一員としてBSCとの連絡係を務め、フレミングとは1942年以来のつきあいだった(本作中にピンカートン探偵社覆面調査員「アーニー・クレオ」として登場する)。キュニオとともにロス・アンジェルス警察本部の情報部を訪問したフレミングは、ジェームズ・ハミルトン警部にインタヴューしてマフィアについて取材している。ロスからラス・ヴェガスに飛び、サンズ・ホテルに宿泊してオーナーのジャック・エントラッパー(本作中に「ジャック・インストラッター」として名前だけ登場する)にインタヴューしている。 本作の題名『ダイヤモンドは永遠に』はいうまでもなくデ・ビアス社のキャッチコピー「ダイヤモンドは永遠の輝き」からとっている。 本作出版後にシリトーから元部下ジョン・コラードを紹介されたフレミングは、1957年4月13日から1週間にわたってタンジールのエル・ミンザ・ホテルでインタヴューして、『ザ・サンデー・タイムズ』に記事を連載。のちに単行本『ダイヤモンド密輸作戦』にまとめてジョナサン・ケープ社から出版している(作品中ではコラードを「ジョン・ブライズ」の仮名で呼んでいる)。 | ||||
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映画のウィラードも登場せず、ティファニーもウィント&キッドも小説では遥かに魅力的なキャラとして描かれていて楽しめました。 個人的には前3作程盛り上がりもなく淡々と読み終えちゃったような気がしないでもないですが、相変わらずマカロニウエスタンばりにズタボロにされたりもしてスリリングでハードなボンドの活躍に痺れます。 | ||||
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映画007シリーズはとても好きで全巻DVDも持っていますが映画はこの「ダイヤモンドは永遠に」が一番苦手でした、、、(次に苦手なのは「ムーンレイカー」) どちらの作品も原作は全然違います。 両方共ジェームスが終盤ボロボロになります。。原作はギリギリで勝つんですね。 映画の華やかながらゆったりしたアクションでは無く原作は地味ながらもハラハラするところが多いです。 話を読んでいくとジェームスの顔が「ティモシー・ダルトン」か「ダニエル・クレイグ」がぴったり合うような気がします。 創元推理文庫さんには権利を取得して頂いて全巻復刻していただきたいシリーズです。 大半はハヤカワ文庫が持っていますが再販されていないので、、、、。 | ||||
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過去詠んだ作品に出会えてうれしく読みました やはり井上一夫さんの訳がいいです | ||||
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同名映画の原作ということになっているが、中身はまったく別物なので、原案というべき。 ストーリーが違うのはもちろん、秘密兵器も出てこない。もっぱら拳銃(ベレッタ)と腕っぷしで片をつける。ボンドもさることながら、相手役の女性(映画ではボンドガールという)がまたいい。 | ||||
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つい最近までダイヤモンドは南アフリカの鉱山を押さえていたデ・ビアス社が価格から供給量まで完全にコントロールしていました。自身の鉱山以外のダイヤ原石は全て買い上げ、デ・ビアスを通さないとダイヤの原石は手に入らないという状況を作り出していました。このことはダイヤモンド・シンジケートと呼ばれ、本作の背景となっています。 その後ロシア・中国・オーストラリア等で埋蔵量の豊富なダイヤモンド鉱山が発見され、さすがのデ・ビアスも全てを買い取ることは難しくなり、以前のような完全なコントロールはできなくなってきたようです。ルイ・ヴィトン・グループがデ・ビアス・ブランドのジュエリーを発売した時には、とうとうデ・ビアスもルイ・ヴィトン傘下に入ったのかと思いましたが、そんな単純な話ではありませんでした。デ・ビアスはそんな半端な会社じゃないですね。 フレミングはデ・ビアスを中心としたダイヤ・モンド・シンジケートについてのルポルタージュも書いています。本作ではその時のネタを使っているようです。全盛期のデ・ビアスの世界を垣間見れます。 ちなみにタイトルの「ダイヤモンドは永遠に」はデ・ビアス社のマーケティング担当者が考えたキャッチ・コピーです。原文は"Diamonds Are Forever"で、日本のコマーシャルでは「ダイヤモンドは永遠の輝き」と言っていました。「婚約指輪は給料の3ヶ月分」とも言っていましたね。 | ||||
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映画本編とはまったく違うリアルなダイヤモンド密輸を描いた本作。 まずシリーズ第二作で瀕死の重症を負ったフィリックス・ライターの復活は非常にうれしい。彼とボンドとの久々の会話や、諜報活動は面白い。 そして今回のヒロイン、ティファニー・ケイスはとにかく魅力的!今までの作品に出たヒロインとは違うアクの強いキャラクターで、かなり個性的だ。 中盤少しばかりだれるものの、最後の船上におけるボンドと殺し屋コンビとの決戦は見もの。本作中でもかなり手に汗握る描写がされていて、素晴らしかった。 | ||||
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映画ではショーンコネリー降板後の1回限りの再登場となった 作品で、やたら派手なアクションが目立ちますが、原作はダイヤ モンド密輸ルートを追って、最後はアメリカのギャング団に行き 着く冒険活劇です。地味だけど、面白い! 映画とは違うジェイムズ・ボンドを知ってほしい。 | ||||
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