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越境



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【この小説が収録されている参考書籍】
越境 (Hayakawa novels)
越境 (ハヤカワepi文庫)

越境の評価: 4.23/5点 レビュー 13件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.23pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全13件 1~13 1/1ページ
No.13:
(1pt)

いわばカケラの愛も無い

本が売れないご時世にわざわざこの様な本の新刊が欲しくて、まだかまだかと待ちわびて本日やっと届き開封したところ、カバーのみならず裏表紙ごと明らかに粗雑に扱って痕がついたと考えざるを得ないぜんめんに至る折り傷。
二度とAmazonで注文しないぞという気持ちにも成る。

扱い方に愛が無い。ほんの少しの愛も感じない。本をこの様に扱い、この様な本を平然と売るAmazonが多売のみを追求して聳え立つ姿が見て取れる。

読みたくて仕方ないから今回は泣き寝入りするが、覚えておいて欲しい。
本を注文する者は中身のデータが欲しいんじゃないんだ。
本自体が欲しいのだ。
越境 (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:越境 (ハヤカワepi文庫)より
4151200568
No.12:
(5pt)

この本に出会えて良かった

"世界には名前などない。山や山脈や沙漠の名前は地図上にあるだけだ。われわれは迷子にならないようにとそれらに名前をつける。しかしわれわれが名前をつくったこと自体すでに迷子になっているからだ。世界は迷子になることがない。迷子になるのはわれわれ人間だ。そして名前をつくりそれを世界に当てはめるのがわれわれ自身である以上それらの名前がわれわれを救うことはあり得ない。名前がわれわれにもう一度道を見つけてくれることはあり得ない。"

作中でいちばんゾッときた一節です。この哲学的な重みが心に染み渡ります。
狼を解放するために果たした惨劇から始まって終わりまで続く冷たい負の空気と、厳かでズシリと質量を持った精神性が見事な化学反応を起こして読む者の心に確実な何かを刻みつけます。
越境 (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:越境 (ハヤカワepi文庫)より
4151200568
No.11:
(3pt)

復讐するは我にあり

他のコーマック・マッカーシーの作品にくらべるとおとなしめの感じがします。
前半の展開なら後半は親を殺したインデァアンを探し出して復讐するほうが物語としておもしろいしコーマック・マッカーシー的だと思います。
越境 (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:越境 (ハヤカワepi文庫)より
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No.10:
(4pt)

もっと広く知られてほしい

とは言っても気軽に人に勧められない
内容的に需要があるとは思うがカタい
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4151200568
No.9:
(5pt)

こっちの方が、

「馬」より長く話は飛ぶが、より核心に迫る無駄なきボリューム。
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4151200568
No.8:
(5pt)

爽やかで心に残る美しいシーンの数々

とにかく物凄い。

主人公の哀しい人生を
数々の死で表現する。

主人公、ビリー・パーハムは国境を越えることで
人生を知る。

世界を
詩と哲学で表現している傑作。
越境 (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:越境 (ハヤカワepi文庫)より
4151200568
No.7:
(5pt)

3度の “越境”を課せられたビリーの残酷な青春冒険譚

現代アメリカ文学の巨匠コーマック・マッカーシーの<国境三部作(ボーダー・トリロジー)>の第2作。1作目の『すべての美しい馬』とは時代も登場人物も異なった別の物語である。といっても、少年ビリー・バーハムがメキシコへ3度も“越境”し、苦難に満ちた冒険をするという、物語の枠組みでは共通している。

時代は前作をさかのぼること約10年。1940年から44年にかけて。両親と弟と一緒にニュー・メキシコの牧場で暮らす、当時16才のビリーは、森の伐採によって餌と仲間を失い、紛れ込んで罠にかかった牝狼を故郷のメキシコに連れ帰ろうと、家族には何も告げずにひとり馬に乗って不法に“越境”する。これだけで物語の約3分の1を占めるのだが、緊密な構成と迫力のある文章で読者を圧倒し、それだけで完成度の高い「動物文学」となっている。ところがマッカーシーは、さらに2度の“越境”をビリーに課してゆく。

当初の目論見に挫折した彼が帰郷すると、牧場は泥棒に襲われ、両親が殺され、馬が全部盗まれていた。ビリーは馬を取り返すべく、生き残った弟のビリーを連れて2度目の“越境”をする。3度目の“越境”は、徴兵検査に不合格になり、兵士への道を閉ざされたビリーが、前回はぐれた弟を捜し求めるためだった。

本書は、第1作の『すべての美しい馬』を質・量ともにはるかにしのぐ大作だが、マッカーシーは、ビリーにこれでもかというような苛酷な試練を与え続ける。最期にすべてを失ってしまったビリー。ここでいう“越境”とは、人間社会の日常から、メキシコという世界の奥深い秘密が現れる底知れぬ闇の迷宮とでもいうべき<幻想空間>への“越境”ともいえる。そういう意味では、本書は、本筋とは関係の無い、差し挟まれる3つの寓話的物語も含めて哲学的・形而上的な物語となっている。

本書は、エンタメ色をまったく排したビリーの残酷な青春小説であるが、マッカーシーが3作目の『平原の町』でどのようにこの三部作の決着をつけるのか興味深いところである。
越境 (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:越境 (ハヤカワepi文庫)より
4151200568
No.6:
(2pt)

後半が長く、退屈、不明な展開

物語りは1940年代のメキシコ国境にほど近いアメリカ。
罠にかかったメキシコから侵入してきたとおもわれる狼をメキシコ側に返そうと馬に跨り、「越境」するビリー少年。
家に帰ると家はもぬけの殻。弟のボイドを残し、家族は惨殺、馬を盗まれたと知る。
再び馬とともに流浪の旅にでるビリー…。
これは一少年の流浪の旅の物語りである。
孤独な存在にからめていかようにも解釈、深読みができそうだが、正直、狼との越境の話しの部分、前半1/3で止めておけば佳作な短編小説になっていたはず。
後半の物語りの存在が、わからない。長くて退屈。
さまざまな出会い、出来事が挿入されているが、それらがどのようにつながり、物語のカギとなっているかも不明。
久しぶりに退屈な小説だった。
越境 (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:越境 (ハヤカワepi文庫)より
4151200568
No.5:
(5pt)

魂を変容させる物語

果てしなく荒野をさまよう主人公の、終わりなき受難の物語。
舞台は現代アメリカ-メキシコであるが、ラストまで読めばこれが実は神学的な物語であることに気づくだろう。
読む前と読んだ後とで、あなたの魂の形は変わっている。
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4151200568
No.4:
(5pt)

少年と牝狼の美しく、そして切ない交流

ずっと、読みたくて探していたんだけど、文庫化されたので、すぐに読み始めたが、分厚い小説にも関わらず、あっという間に読み終えてしまった。

『すべての美しい馬』同様、アメリカの荒野を描く小説。
最初の章の主人公の少年と牝狼との関わりは、今まで読んだどの小説の動物が出てくるシーンよりも美しい。

さらに、主人公が、メキシコとの国境を超えるたびに出会う人々との会話はマッカーシーらしい世界観、宇宙観が色濃く出ていて、とても読みごたえがある。

乾いた筆致で描くメキシコの荒野で主人公が経験する様々な出来事は、ある種の宗教的な受難の様相を呈し、作者がそこに込めた思いを強く感じる。

平原三部作と言われる残りの一作、『平原の町』も読みたいんだけど、なかなか入手できない。これも文庫化されないかなぁ。
越境 (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:越境 (ハヤカワepi文庫)より
4151200568
No.3:
(5pt)

最高の純文学

わたしは純文学なるものが嫌いだ。
しかし本書だけは別だ。純文学ながら、美しい文章と壮絶なる展開で否応なしにぐいっと引き込まれてしまう。
著者のコンマのすくない文章も慣れれば、魅力と化してしまうわけだ。
マッカーシーの文章を読まずに、海外文学好きを公言できないだろう。
純文学史上最高傑作にして、マッカーシーの到達点。
著者がノーベル文学賞を受賞してもなんら不思議はないだろう。
早川書房から近刊であると聞く「ブラッド・メリディアン」の翻訳を待ちたいわけだ。
越境 (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:越境 (ハヤカワepi文庫)より
4151200568
No.2:
(5pt)

限りなく貴重な作品

どうやっても手に入りそうもないので、杉並区立高円寺図書館で借りて読んだ。ちょっと時間がかかり、2週間を越えてしまい申し訳ありませんでした。しかし、このような素晴らしい本が、おそらくコーマック・マッカーシーの国境三部作の中でも最も感動を与える作品であると思えるこの本が一般に手に入らないというのは、間違っている。心の底から再版を希望します。
越境 (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:越境 (ハヤカワepi文庫)より
4151200568
No.1:
(5pt)

長く心に残る傑作

少年が狼と別れる場面を何度読み返してもその度、深く心が揺さぶられる。しかし、少年と狼の旅は、本書のほんのはじまりのエピソードにすぎない。いくつもの印象的なエピソードと劇的な展開、ただの一頁も気が抜けない大長編で、読み終えるころにはどっと疲れる。しかし読み終えることが出来た人なら、きっと続編の「平原の町」も読まずにいられなくなるだろう。
越境 (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:越境 (ハヤカワepi文庫)より
4151200568

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