そして誰もいなくなった
評判
そして誰もいなくなったの評価:
4.32/5点 レビュー 439件。 S ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全487件 81〜100 5/25ページ
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そして誰もいなくなったの評価:
4.32/5点 レビュー 439件。 S ランク
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読書好きの交流サイト「読書メーター」の中でも、驚異の登録者数 17,559、感想コメント数 3,411ですからね。作品の登録者数が1万人を上回るのは、日本人作家では村上春樹さんくらいじゃないですか。
なので、面白いだろうということは読む前から、あるていど予測はしていましたが。
まず事件の舞台となるシチュエーションが素晴らしい。北大西洋の荒波が打ち寄せる英国デボン州沖の孤島と瀟洒な大邸宅・・・・。
各自もっともらしい理由つきメッセージを受けて孤島の館に招待された、年齢も職業もバラバラな8人の男女。(すでに島の館に雇われていた執事のロジャーズ夫妻を入れて合計10人)
そして初日の夕べ、執事夫妻の懇切なおもてなしによって全員が素晴らしい晩餐を堪能し、会話もはずみ、食後の美味しいコーヒーを味わったあと、食堂が一瞬不思議な静寂につつまれたところで・・・・
《その静けさを破って、だしぬけに〈声〉が響いた。人間の声とは思えない、よく通る声が、前ぶれもなく、いきなり・・・・・・・・
エドワード・ジョージ・アームストロング、一九二五年三月十四日に、ルイーザ・メアリー・クリースを死に至らせたのは、あなただ。
エミリー・キャロライン・ブレント、一九百三十一年十一月五日に、ビアトリス・テイラーを死に追いやったのは、あなただ。
ウィリアム・ヘンリー・ブロア、一九二八年十月十日に、・・・・・・・・》(本文68ページ)
こうしてお楽しみのあとに突如、執事夫妻をふくむ10人全員の罪状が告発されます。レコードにあらかじめ録音されていた〈声〉が流れてきたことが後で分かるんですが、それにしてもこの部分はゾッとしました。
いったい誰が何のためにこんな悪戯を?と招待客たちは、にわかに色めき立つ。
このシーン (晩餐) の前に、招待客の一人である若い女性体育教師ヴェラが、自室としてあてがわれた部屋壁の額に入れられた詩 (童謡)「10人の兵隊さん」を読むところもハッとしますが、夕食後の告発シーンのほうが衝撃は大きいです。
その後、じっさいに1人また1人と殺されて (→同時にダイニングテーブルに飾られた小さな陶器の兵隊さん (10体) の数も減って) いきます。
しかし、孤島の館に全員がそろうまでの導入部が数十ページあるとはいえ、本作をちょうど半分 (200ページちかく) まで読んだ時点で、殺された人数は3人ですよ。
このあと謎解き (エピローグ) の前まで150ページしかないのに、あと7人も (無事に) 死ねるの?と、残りページの少ないことに不安を覚えつつ、さらに読み進むと・・・・。
なんと、犠牲者の人数が4人、5人、6人・・・・と増えるにつれて、残された招待客たちは心理的に追い詰められ、お互い同士を疑い出し、半狂乱になって行き、死者の出るスピードがズンズンと加速度的に速くなるではないか。ちなみに、こちらの読むスピードも後半は加速度的に速くなって、ページをめくる手がどうにも止まらなくなっています。
このあたり、人間心理の弱点を突いた作者クリスティーの緻密な計算が光っているなあ、と感服しました。
比較的若い屈強な男性3人が、島のなかをどんなにしらみつぶしに探しまくっても、この島には最初の10人以外、誰もいないんです。だから、人数が減れば減るほど、残った人間のなかに恐るべき殺人鬼がいる‼と思うと、お互いどうし殺気立って、もう平常心を保つどころではない。
巻末の解説で赤川次郎氏が『そして誰もいなくなった』のことを「永遠の目標」と絶賛しているのも、うなずけます。