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(短編集)
半七捕物帳 1
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半七捕物帳 1の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.66pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全29件 1~20 1/2ページ
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・問答を避けてる素振りが見えた。 ・油断しないような目付きをして ・口数を聞かないように努めているのは何故だろう。 ・冷淡に構えている ・鈍い人間ではない ・不安らしくこちらを見返っているらしかった。 岡っ引の経験がなす業なのだろう。半七は一眼で相手も心持ちを見抜く。年齢、商売や誰に仕えているか、親子・家族関係、住所などや、一言二言会話を交わすだけで、相手の見抜く。 犯人でなければ、犯人を知っている。あるいは、何かを隠している。嘘をついていることを次々と言いあて、真相に迫っていく。 まあ、江戸っ子だから気が短いと言うところもあるんだろう。テレビの1時間時代劇のごとく、べらんめえ調で解決していく。現代ドラマでこれをやると嫌味でしかないが、幕末の江戸が舞台であり、全て許される気がする。 大正に書かれたものなのに古さを感じないのは、岡本綺堂さんの筆力と言うところだろう。 | ||||
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江戸時代に活躍した半七という岡っ引きが、昔手掛けた事件を語り・・・というお話。 捕り物帳というジャンルは、テレビの時代劇でよく観ましたが、小説は恥ずかしながら、この作品が初めてでした。結果からゆうと、非常に面白かったです。 原書で英語の小説を読めて、翻案小説も書けたという著者の才人振りから、創作でも独創的な推理小説をかけたらしいです。 また、著者は実際の江戸の文化を知るか、知っている人から、色々聞けたりもしたらしいので、時代の考察も優れているという理由で、我々が体験できない江戸の時代を疑似体験できる時代小説にもなっております。 怪談からの翻案からの作品も多いという事で、いまならホラー扱いになるかもしれない作品や、ポーの作品から影響を受けたらしい作品もあり、バラエティ豊かな時代推理小説にもなっていると思いました。 時代小説と捕り物帳の嚆矢となった連作集。是非ご一読を。 | ||||
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まったく読んだことがなかったのですが、最初の第一作からして想像と違いました。いわゆる推理小説ではなくて、江戸情緒の中の人情噺という要素が強いようです。あとがきにおいて、そういう捉え方はよろしくないと解説されていましたが、一般読者としてはやはりそういう印象。ただし、縛りというか約束として、事件の発生とそれの謎解きという筋は必ず通す、というものがあるという理解ですね。謎解きも、読者が自力では溶けるものはほぼなく、「こういうことだったんですよ」という解説を楽しむ趣の謎解きです。一部「ううん、それはなさそうだなあ」というのもある一方で、「これは深いな、よくできている」」というのもあり、なるほどシリーズとして読み続けたくなる気持ちがよくわかりました。 | ||||
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「捕物帳は、推理的興味を、主にした小説ではない。江戸の風物詩をえがくのが、狙いなのであって、いわば『季の文学』なのだ」という説に対して、都築道夫は、困ったものだという感想を解説で述べている。しかし残念なことに、わたしは半七捕物帳の面白さのメインは、江戸の情緒を味わえるところだと思っている。 そんな情緒や風物詩を味わうに加えて、本シリーズの江戸は幕末だから、同時代の京では尊王攘夷が吹き荒れて、新撰組が活躍した時代に重なってくる。「その時、京では」なんて考えながら、読むのがおもしろい。 実際の処、謎解きを興味の中心に読むと、わたしがこれまでに齧った範囲では、半七に限らず、捕物帳はどれであっても大したことはないし、拍子抜けするものも多い。大体において、本家ホームズ譚でも謎解きで感心させられるものは僅かだし、興味の少なくない割合はビクトリア時代の情緒を味わえるところだと思う。 そして江戸情緒を味わえる点において、数ある捕物帳ものの元祖でもあり、書かれた時期が他のものよりも江戸の世に近い半七捕物帳は、他の同類から一頭抜きんでているは間違いないだろう。 だから上の説は、決して半七捕物帳を貶めるものでないし、困る必要もさらさらない。 というわけで、わたしは時代小説として捕物帳を読んでいるが、個々の話は、どうしても謎解きの結末に影響されてしまうので、個々の短篇が面白いかどうかと問われると、正直どれも下駄を履かせて★★★がよいところなのだが、全体を通じて★★★★にしてしまいたくなるそんな作品集である。 細かい事だがついでに。 本書では、明らかに女性の三人称を「かれ」としている。 「かのじょ」を使うようになったのはいつ頃からだろう。まだ読んでいない高嶋俊男のエッセイのどこかに書かれていることを期待しておこうw | ||||
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これ2冊分の値段で全巻セットが購入できるなら、 2022/04/21時点でこの商品の存在価値ってあるのかな、と。 | ||||
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時代物好きなので色々読んでますが、江戸の風俗や習慣/暮らし/言葉遣いなど時代考証してるのか?本当か?と思える作品が最近多くて。。。この作家の作品なら江戸そのままとは言わなくとも近いものがあると良いな(楽しいな)と思い購入。売りに推理って書いてありますが、推理って程のものではないです。作品としてはさらっとしてますがなかなか良いです。一話一話が短いのも良い。私としては若い頃に朱引外に在住していたと言うこともあり、池上本門寺なんか出てくると嬉しい。時代物好きなら読んで損はないと思うな! (このレビューは4巻目を読んでいるところで書いてます。6巻目まで既に注文した。) | ||||
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新装版なので活字が大きくなって読みやすい。 | ||||
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幕末に活躍した御用聞きの昔話を、30年ほど後の明治28年頃に聞き書きで 記したという体裁なのだが、出版されたのは大正6年というから、設定から 云えば、さらに30年ほど後のことになる、、。 ちょっと込み入ったこの設定は、今から遡って考えれば、戦前の話をバブルの 頃の時代感覚で記したようなものだろうか。 どうして時代設定を江戸時代のままにして、書かなかったのだろう? 老人の昔話という体裁にこだわったのは、なぜなのか? 少なからず、気になる、、。 それはともかく、聞き書きという体裁なので、江戸時代の風俗、ことばや 言い回しが生き生きと描かれているのは、興味深いところだ。 向島や千住にカワウソが棲んでいたり、見世物で猿が芝居をやっていたり (文字通りの猿芝居!?)、果てはその猿が悪さをして島送りになったり、 江戸時代は結構、面白い。 | ||||
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洗練された、今読んでも新鮮な文体や、江戸文化風俗考証の白眉云々は、他の方に譲るとして。 半七親分は銭を投げない! 特徴的な服装もしていない! 頭搔いたりといった妙な癖も無い! 昭和生まれの我々世代や、それ以降の読者の目には、半七という人物が「キャラが立っていない平凡な探偵」と映る事でしょう(いい探偵って、そもそもそうなのでは?)。 しかし恐らく初版の段階では、十分にキャラが立っていたと思われます。 「正義の」岡っ引き。 大正6年の段階では、まだまだ本物の岡っ引きを知っている人間が、多く居たと考えられます。 彼等の思う「リアルな」岡っ引きは、恐らく「社会にぶら下がって甘い汁を吸う、ダニみたいな連中」。 だからこそ「正義の岡っ引き」で、十分なインパクトが在った事でしょう。 半七が変えてしまったのです。 岡っ引き=正義に。 そして自分自身の打ち建てた「業績」の結果、銭形平次や伝七、金田一耕助、果てはコナン君の陰に隠れてしまう事となりました。 ミッキー・〇ウスが一時期、ドナ〇ド・ダックに人気で脅かされたのに似ています。 諸行無常。 だから言います。 判る人にだけ解りゃあいいやい! | ||||
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浅草浅草寺の境内には「半七塚」という碑がある。1949年の日本作家クラブの 設立直後に同会が岡本綺堂を顕彰して建てたものである。当時の理事長は 「銭形平次」シリーズの著者野村胡堂。だから半七は日本の大衆文学の原点である といっていい。 半七捕物帳全68話。大正6年(1917年)から20年間に渡って書き綴られた。 第1話はちょうど今から100年前。でも内容は少しも古くなってない。まるで昨日 執筆したかと思うほどのなめらかなフィーリング。ちなみに、 〇 私が読んでいるいま 2019年 〇 作品の発表時 戦前(1917-1937年) 〇 作品に登場する半七老人は 1890年(明治20年)ころ 〇 半七老人の思い出話の舞台 幕末(1840-1870年) といった多層構造になっている。いまはすっかり引退して子猫をひざにのんびり 余生を送っている半七が、若い頃自分が手掛けた事件(手柄話や失敗話)を新聞 記者に話して聞かせるという趣向である。 学校では教えてくれないことも、丁寧に岡本綺堂は説明してくれる。例えば、 江戸の捕物の仕組み。与力や、同心、岡っ引き、手先、下っぴきの役割分担。 給金がどうなっていたか?テレビによく出てくる自身番や番太郎の運営体制は? そのあたりをさりげなくさらっと教えてくれるのである。だからこの本は interesting(面白い)と同時にinstructive(勉強になる)。 作家の都築道夫が『なめくじ長屋捕物さわぎ』という捕物帳を書いているが、 参考にしたのは『半七捕物帳』と久生十蘭『顎十郎捕物帳』。これらの本を読むと 江戸時代の雰囲気にスーッと入っていけるそうである。読んでて確かにそう思う。 半七老人が、文明開化の明治になって江戸の風物や自然が失われて残念だとよく 嘆く。私たちは、さらにその後80年、震災も、戦災も、高度成長期もいろいろ あってさらに江戸の風趣は失われているはずだ。 この本を読めば一面おだやかで、一面不条理な江戸時代に触れることができる。 | ||||
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コナン・ドイルの「シャーロックホームズ」に影響を受けて、日本でも作られ始めた「探偵小説」「推理小説」 江戸川乱歩、横溝正史等の有名な作家を数多く輩出しましたが、いわゆる「捕物」小説の始祖がこの岡本綺堂。 単純に現代(といっても当時の)を舞台にした探偵小説も悪くありませんが、綺堂の「江戸時代を舞台にした探偵小説」という発想は斬新であり大変魅力的です。 その後、野村胡堂の「銭形平次捕物控」、佐々木味津三の「右門捕物帖」等、数々の捕物小説が生まれましたが、綺堂の半七捕物帳は、その驚異的な江戸文化に対する知識と、格調高さで「別格」だと思っています。 読者は、探偵小説的な「推理」「犯人捜し」もさることながら、その物語自体の魅力、楽しさ、そして細密に描かれる江戸の情緒に惹かれてゆきます。 銭形平治やむっつり右門のように「天才的」でも「超人的」ではないが、観察眼にすぐれ人の心理を読むのに優れた半七は素晴らしく魅力的な人物です。 また、子分達や常磐津の師匠をしている妹等の脇役も、ごく普通の江戸庶民ながら、とても生き生きとしています。 「投げ銭」等のテレビ受けする必殺技や「決め台詞」がないので(笑)なかなかテレビシリーズ化はされませんが(それでも何度かあるようです)、本当はこういう落ち着いた「大人の時代劇」を渇望している層も少なくないのではないでしょうか・・・・・。 個人的には、この収録作のなかでは、「犯人」が意外な(笑)「半鐘の怪」がとても気に入っています。 普段の行状のせいで嫌疑をかけられ、ひどい目にあったイタズラ小僧の権太郎も、事件後は町内の人に可愛がられ、やがて立派な職人になったという「ハッピーエンド」も心が温まる良い作品です。 各話が比較的短いので、気軽に読めるのも半七捕物帳の魅力です。 「時代小説はなんか重くて・・・・」と敬遠しがちな方にも気軽に読んで頂きたいと思います。 | ||||
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ドラマのイメージが強く、この分野は敬遠していた。 実際に読んでみると、綺堂の作品集の中でも代表的な短編集 であると痛感した。 | ||||
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元祖捕物帳の作品です。 著者が幕末〜明治期に生きた人物なので、資料をもとにした想像だけでは描写しきれない時代の息吹を感じられる名作時代小説ですね。 私は何度も読み返していますが、飽きがこないのは江戸のリアリズムを作品の中に感じられるからだと思っています。 | ||||
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捕物帳というジャンルの先駆けになった本。 明治の時代に、新聞記者をしている主人公が、 隠居した老人の昔話--元腕利きの岡っ引きで、江戸の現役時代に 数々の難題を解決した捕物劇--を聞く形式で、各話独立している。 基本的に色恋沙汰絡みの事件が多いが、 お化け・川獺・化け猫など怪談話の定番も数々登場して面白い。 江戸末期から街の様子が生き生きと詳細に描かれていて、楽しい。 第一話掲載は大正六(1917)年なので、約100年も昔の本だが、 読んでみて古臭さは全くなく、現代小説と言われても分からない程だ。 | ||||
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捕物帳の元祖と言われる作品。はじめて読みましたがあっさりとした感想です。最近のミステリー小説って結構グロかったり、こんがらがったりする感じがあるんですが、これは全然そういう意味であっさりしています。スマートというか。半七親分がさらっと謎を解いてしまう辺りもなんともさわやかです。 | ||||
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「岡本綺堂」を久しぶりに読みたくなり、どうせならと 全く読んだことのない有名シリーズ、1巻目を購入。 商品の状態は良かったです。 江戸の雰囲気も感じられてのんびり読むにはいい買い物でした。 | ||||
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半七老人の過去の手柄話。 なかなかおもしろかった。 古い感じがしない。 | ||||
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今巷で溢れている安物の捕物帳の出発点がこれ。捕物帳の現在の作品は、原点はこれだけ濃いのに、時代が下るにつれ段々薄まっていくといった感じ。時代劇フェアと銘打ち、泣かせりゃいいだろ的な内容で捕物帳の特売はやめて欲しい。 この作品が生まれた経緯は著者がホームズ物を読んでそれを江戸時代に置き換えて書いたという有名な話がありますが、「謎解きはこのあたりでおしまいにしましょうかね。」と半七が言いだすと、いつも「しまった〜またここまで読んでわからなかった〜。」と頭を抱えます。つまり日本における「読者への挑戦状」の原点でもありますね。 江戸のお話なのに江戸末期の日本各地の風習もエピソードごとに現れ、現在私の住んでいる地域のことも取り上げられた回もあり、その点でもおもしろい。 | ||||
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都筑道夫が敬愛し、また「なめくじ長屋シリーズ」執筆に際して最も参考にした捕物帖。 綺堂は本シリーズを、ホームズ譚をお手本として執筆したらしい。 確かに、ホームズの諸作を読むと、本捕物帖との共通点というか、同じ空気を感じる。 ホームズ譚ではヴィクトリア期のロンドンであり、本シリーズでは江戸である。 いずれも、街があってこそのミステリ、秩序があってこそのミステリである、ということを理解している。 そして、本作は捕物帖であるだけに、江戸の四季、風物、イベント等が、ストーリーに織り込まれている。 もちろん、都筑「なめくじ〜」とは、まったく毛色の違う正当派の捕物帖である。 岡っ引き、下っ引き、同心といった、いわゆる警察組織が中心となって捜査探索が進行する。 しかし、最終的には半七の個人プレーで事件が解決することが多い。 また、時代小説であるため、怪談風味のストーリーもある。 まるで、かつてのテレビドラマ「ザ・ガードマン」における怪談シリーズのように、これはなかなかに嬉しい。 人々が怪異を信じていた江戸時代に、その怪異を論理的に解明することの魅力。 そのクリアカットな明快さ。 各話が少々短くて、物足りないのだけが難点である、まさに捕物帖のお手本といえるものである。 | ||||
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どうも股立ちに手をおいているような居住まいがあるのです。 そのことが好きなひとと、そうでないひととがあるでしょう。 一時期出版がとだえていて、古本屋さんで集められる限り集めて読んだものです。 平次はもともと時代設定はおおざっぱで、半七は年表にすると若干矛盾あり。 もうひとつ何かを挙げるとすれば、いうまでもなく鞍馬天狗です。 これはご一新ののちまで話がつづきます。 | ||||
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