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(短編集)
ノエル: a story of stories
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ノエル: a story of storiesの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.86pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全21件 1~20 1/2ページ
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童話と現実の話が、交互に続く、物語に、人が生きる意味を読み続けていくと静かに問いかけてくる、傑作 | ||||
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趣味で物語を書いてる自分は、いいことを聞いた気持ちになった。 現実とお話の行き来に違和感がないし、絵本のお話のときは字体も変わるので、読みにくさは感じなかった。 話はトントン進まないけど、読み終えたらほとんどの登場人物たちに愛着が沸いた。 幼い頃や思春期の頃の気持ちを、優しく受け入れてくれる感じがした。 | ||||
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「光の箱」、「暗がりの子供」及び「物語の夕暮れ」の3つの中編から構成される<童話(読み聞かせ)>をモチーフとした連作中編集。三編は卯月圭介という名の童話作家を通して細い線で繋がっている。本作の「epilogue」でこの三編の繋がりが強調されるが、これは作者の書き方次第でどうとでもなる事なので、帯にある様な「驚異的技巧」という印象とは程遠い。なお、各編は<地の文>と<童話>(必ずしも卯月圭介作とは限らない)とが混在しており、<童話>の方に作者の主張が込められている場合が多い点が特徴でもある。 三編を通じて作者が訴えている点は、人生は気持ちの持ち方次第で道を開き得る事、例え自分自身の人生が他人の役に立っていないと思っていても、何かしらの縁で充分他人の役に立っている(から生きて行く価値がある)事である。ごもっともではあるが、この種の"正論"を言うために、この様な全体構成にする必然性があったか否か相当に疑問である。感動が素直に伝わって来ないという恨みがある。副題の「a story of stories」は卯月圭介を含む孤独な登場人物達が孤独を癒すために次々と生み出した(妄想に近い)<童話>を纏めた物語という意味なのだろう。 例えば、クリスマス(ソング)をモチーフとした冒頭の「光の箱」は、上述の卯月圭介とかつての恋人との子供時代の回想と現在とを対比させた作品だが、<地の文>には面白みがない。一方、<童話>の中で、サンタがトナカイに言う「わし達が毎年配っているのは、名前がないもので、人々はこれを幸せとか、愛とか、喜びとか、思い出と呼ぶ」との言辞が印象的。非常に素直な心温まる言葉で、本作の意匠(作者(あるいは見知らぬ誰か)=幸せを運ぶサンタ)をそのまま表現している。全体構成などに凝らずに、もっと率直に言葉を連ねれば(いっそ、全体を<童話>にしてしまうという手もあったかと思う)、作者の意匠が良く伝わったかと思うと残念である。 | ||||
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・ 光の箱 童話作家の圭介。現在の世界と、圭介が書いた童話が入り交じりながら、物語は進行する。 圭介は、子供の頃貧乏を理由にいじめられていた。そんな中、同級生の弥生と出会い、一緒に一冊の絵本を作る。 2人は同じ高校に進学し、付き合うようになる。その高校で、圭介は夏美という生徒と友達になる。弥生と夏美は友達で、夏美と圭介が友達になったことも知っていたのだが、ある時、圭介を取られるのではないかという気持ちから、とんでもないことをしてしまう。そのことは、圭介と弥生だけの秘密になる。そして、弥生の側からの真実も語られる。 そして現在、2人は同窓会へと向かう。果たして、圭介と弥生の人生の行方は・・・ ・ 暗がりの子供 前作とつながっている。主人公の莉子が図書館から借りてきた絵本が、圭介と弥生が作った本だったのだ。 しかし莉子は、その本をバスの中に置いてきてしまう。そこで、ノートに自分で考えた続きの話を書いていくのだ。その物語の声は、莉子の考えを恐ろしい方向へと誘導するが、莉子はその内なる声に従ってしまうのか・・・? ・ 物語の夕暮れ 子供たちにボランティアで自分が作った話の読み聞かせをしている与沢さん。もうすぐ、それも辞める予定である。この話も、圭介とつながっている。与沢が生まれ育った家に、現在圭介が住んでいるのだ。現在の与沢と昔の思い出とが交互に描かれる。 与沢が住んでいるマンションのベランダで、彼はベランダの水滴に映る風景が、故郷の景色にそっくりなことを発見する。そして彼は、圭介に故郷の祭り囃子を電話で聞かせてくれるように頼む。ノスタルジーに浸る与沢。 そして、現実なのか作り話なのかはっきりしないまま、物語はフェードアウトしていく―。 最後にエピローグ。今までの物語がすべてつながり、納得できると共に、暖かみのあるエピローグである。 ショッキングな場面もあるが、全体としてはうまく3つのパートをつなげた長編ミステリーとなっている。物語の持つ力を十分に感じさせてくれる小説である。 | ||||
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3話の短編集。 主人公は、それぞれ異なる。 ただし、卯月圭介という童謡作家が、 主人公であったり脇役として登場する。 3話とも、とても物悲しい設定と展開である。 そこに、卯月が描いた童謡が織り込まれながら 物語は進んでいく。 そして、悲しい最後を迎えると思いきや、 一転、主人公が救われる内容である。 全編を覆う物悲しさが少なければ、 もっと安らかに読めたはずである。 ラストは、心温まる内容であって 本当に良かった。 | ||||
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【内容(ネタバレ禁止!)】 全く関係のない3人、しかも世代も離れた3人の日常の切ない思いがつながる、という感動のストーリー 【ささった言葉】 ・「わたしたちが配っているのは、オモチャでもお菓子でも、お金でもありません。オモチャはやがて飽きてしまいます。お菓子はやがてなくなってしまいます。お金は人をみにくくさせます。そんなものは人間にとって必要のない、まったく必要のないものなのです。人間にとって本当に必要なものは、本当に大切なものは、いつまでも飽きることのない何か。いつまでもなくならない何か。そして、自分がこの世に一人ぼっちではないということを信じさせてくれる何かなのです。もし、わたしたちが配っているこのプレゼントがなかったなら、人間は、生まれて死ぬ、ただそれだけの生き物でしかなかったことでしょう。憎み合って、戦って、自分だけが生き延びようとする、ただそれだけの生き物でしかなかったことでしょう。だから、わたしたちはみんなにプレゼントを配るのです。わたしたちが配っているこのプレゼントには、ちゃんとした名前がありません。名前なんて必要ないからです。人々はこれを、幸せとか、愛とか、驚きとか、喜びとか、思い出と呼んでいます。」 ・そういえば、祭りが近い。 ・「野菜ってのはね、人の足音が好きなんだ。毎日ちゃんと、みんなが行ってやんないと駄目なんだよ」 ・眩しくも暗くもない、美しい世界の上を、かぶと虫は真っ直ぐに飛んで行った。かつて自分が照らしていたものたちに、照らしてもらいながら、どこまでも飛んで行った。 ・それでも、人は生きていかなければならない。 ・まだ物語をつくったことのない人は、つくってみなさい。何でもいいからつくっていなさい。そうすれば強くなれるから。いつかつらいことがあっても、きっと平気でいられるから。(中略)自分でつくる物語は、必ず自分の望む方向へ進んでくれるものだから。 ・手つかずの、まっさら一日が、いま生まれようとしているのだった。 【感想と教訓】 人間の感動を描くのに、これほど哀しい話が必要なのか? 切なすぎる話ばかりが続く。これでもか、これでもか、というほどに…目を背けたくなる。それはまさに自分自身の真実。そして逃れられない現実。。。 ーもう生きていてもしょうがないー その向こうにしか人間の感動なんてないんだ、という指摘は哀しすぎる。 でも、そうなのかもしれない。 せめて、それが最後に残されているのだ、と思えるだけでもありがたい。 儚い命、その大切さを痛感した、それができた、泣いた、それが全てだ。 | ||||
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この小説は私には感動がありませんでした。3つの小説が最後につながるのですがあまりかんどうせずに終わりました。 | ||||
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童話作家が描いた童話と、ストーリーがリンクしながらつながっていく物語。 物語の中の話と童話がうまく交錯していて、次の展開を期待させる構成になっているのがよかった。どの物語も主人公は悲しみと切なさを抱えているが、それを童話で楽しいもの、忘れられないものに変えていこうという明るい感じが好きだった。 個人的には「暗がりの子ども」が好きだった。王女様のために用意した空を飛ぶための宝物は何なのか、莉子と真子はどうなっていくのか、ドキドキしながら読んだ。 3つの物語はどれも関連しており、最後はきれいにまとまっていた。カブトムシと蛍の童話もよく考えられていたと思うが、最後の「物語の夕暮れ」がくどくて読みにくいように感じた。 全部読み終わったあと、最初のプロローグをみると、なるほどと納得できる展開が待っている。 | ||||
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小学中学と貧乏ゆえにいじめられていた少年が童話作家になる話、生まれつき片足の膝が十分曲がらない女の子の、もうすぐ生まれる妹の方に関心が向いている母親に対する心情を綴った物語、それに、妻を亡くした子供のいない元小学校教諭がまだ生き続ける意味を見出せないでいる話、の3話が入っています。各々関係する部分があり、時間の経過は、概ね1、2、3の順で、先の2話は、3番目の物語の要素となっていますので、著者が書きたかったのは最後の物語だったのではないかと思います。 先の2話を読み終えた時点では特段の感動は覚えず、わたしには道尾さんのベストはやはり「ラットマン」だよ、とかと思いつつ3話目に進んだのですが、それはそれは心を揺さぶられるとても切ない物語でした。 読み終えた今、ベストは「ノエル」に代わりました、はっきりと。 | ||||
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小さな光の箱。その小さな箱の光を見つけられる人はやっぱり幸せなのですね。 日本では何かと派手な雰囲気のある年末ですが、”神様”とか、大きな目に見えない”力”を考えてみる季節がクリスマス。 理屈ではあり得ないことも起こるのが奇跡。そんな、奇跡は自分の間近にもある、と思わせてくれる物語です。 嫌な事とか、落ち込むような日々も、もっと大きな視点で見れば決して絶望的ではない、ということを確信させてくれるような気がしました。 | ||||
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この先は・・・?とはやる心をときめかせて読み進めたけれど、私にはさっぱり解らなかった。 あれ、圭介は死んだんじゃなかったの? と思ったけれど、弥生と結婚したりしていて、童話との コラボレーションと共に頭にも心にも沈んで行かなかった。読後の感想はガッカリ!ファンの読者を失う 、と思いました。ごめんなさい。 | ||||
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迅速な手配有難うございました。早速使用させていただきました。 | ||||
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子供の頃から物語が好きで その事を思い出すことができました。 でも、今の自分はこの登場人物のように強くも、優しくもなれないでしょう。ですが、この本がもたらす読後感が、疑似的に私を強く、優しい人間にしてくれました。辛い境遇にある方がこれを読み、この主人公たちのように優しくなれたなら、その方は素晴らしい方だと思います。 私も自分を見つめる手始めに、物語をかいてみようかな~何て、思いましたw ★を一つ減らした理由をあげるなら、[童話]の部分が読みにくいこと。 子供向けなので漢字が少ないため、大人には大変読みにくいです。文字を一つ一つ追いながら読んだので、疑似的に子供になりながら読みました。 それと、子供向けのファンタジーを読んだことがない方には、[童話]の長さに辟易するかもしれないですね。私は当時の自分を思い出すのに、一役かってくれた大事な部分でありますがw | ||||
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道尾氏の作品は読んだことがありませんが、テレビでインタビューされている番組を見て、 この作品に興味を持ちました。病気が治ったら、いちばんに読んで見たいと思います。 | ||||
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物語にいつも勇気をもらっている自分であるし、 物語のチカラについては、考える機会を持っている自分だが、 この作品は、あまりにも、そのことについて直截的ではないだろうか。 物語は、ファンタジーだけではないと思う。 物語の中に童話を組み込み、 また、最後に、それぞれをつなぎあわせる。 技術的にはいいのだろうが、入り込めなかった。 王様のブランチ で紹介されていたが、 対象がちがったのかな・・・ | ||||
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道尾さんの作品は好きだし、レビューも良かったので、読んでみたのですが、私には不向きでした。 この作品はa story of stories と題名にもあるように、本筋の話の中に絵本というか童話のような 話がいくつかあります。 しかも、割と長めだし、3章の中では半分以上を占めています。 童話やファンタジーとは性が合わない私にとっては、拷問であり、結局最後まで読破する事が出来ませんでした。 本題部分だけ読んでも良かったのですが、多分、童話に何かキーになる要素があると感じたし、 それでは、作者の意図から外れてしまうと思い、あえて、途中でリタイヤしました。 もう少し短めの童話だったらがんばれたのですが・・。残念です。 とはいえ、童話を読むことも好きという方なら、きっと楽しめることでしょう。 | ||||
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童話作家を中心に、三つのストーリーが三つの童話とリンクして展開する。 プロローグの童話は、初めは全く意味がわからない。 一つずつストーリーがひもとかれ、だんだんわかってくる。 一話目と二話目には、仕掛けがあって面白い。というか、はらはらする。 三つのストーリーは、少しずつ登場人物が関係して、広がりを見せる。 そして、それぞれの物語は、実はまだ終わらない。 だってサンタクロースも、空飛ぶ王女も、かぶとむしも、まだまだどこかへ飛んでいくではないか。 まだまだ続くそれぞれのストーリーが、少しずつはみ出して他のストーリーにつながっていくように、 やがて実際のこの現実にもつながってくる気がする。 エピローグを、全くの部外者の視点で描いたところは、さすが直木賞作家の工夫。 | ||||
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優しい気持ちになれる作品です 道尾さんの作品はいつもいい意味での裏切りがあり、最後までどきどきわくわく | ||||
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チェーン・ストーリーと銘打つ通り、3つの物語がうまくつながっていた。さらにその物語の中に、また物語があって、それぞれ数多くの伏線が張り巡らされており、最後に、想像を覆されるような奇跡の結末を迎えることとなるのだ。まさに、道尾マジック全開といえるような作品だったと思う。 物語の中には、優しさも溢れていて、読後は温かい気持ちに包まれていた。特にカブトムシの話など、作中に散りばめられた童話が、いずれも示唆に富んでいて素晴らしかった。 どうしてもこの著者の作品を読むと、先々きっとミステリアスな展開が待っているの違いない、と予測してしまう。だが、それがいい意味で裏切られて、ラストは読者を優しく美しい世界にいざなってくれる。こうしたストーリー展開としたのは、著者の狙いでもあるのだろうが、私自身、見事にしてやられたような気がする。そして、帯にも書かれていた通り、「物語の力」というものをしかと実感したのだった。 理不尽な暴力から逃れるために絵本づくりをはじめた中学生、妹の誕生と祖母の病で人生に不安を抱える少女、妻の死によって生きがいを失った元教師。こうした孤独ともいえる状況に置かれた人々が登場するのだが、著者の描くそれぞれの人物は、いずれも優しく、強さも持っている。そして、物語を通して、人と人とがつながっいていき、互いが影響を受け合い、最後は、皆が良い方向へと変わっていく。というように、これは、すべての人たちの人生を肯定的にとらえた、誠に明るく、かつ清々しい物語なのだ。悲惨な現実があっても、必ずその先には光がある。そんなふうに考えさせられ、勇気も与えられる小説だった。 この作品を読んで、著者が描くこれまでのようなミステリー仕立てのものもいいが、このような純文学的な小説もいいな、と強く感じた次第である。 | ||||
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作中作もあわせて十の物語で構成された、まさにA story of stories!! 「物語の夕暮れ」のみ小説新潮で既読でしたが、一冊の本として読むと全く新しい物語に感じられました。物語のもつ力の凄さを改めて感じることができた作品でした。 | ||||
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