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バイロケーション



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【この小説が収録されている参考書籍】
バイロケーション (角川ホラー文庫)

バイロケーションの評価: 3.46/5点 レビュー 26件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.46pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全26件 1~20 1/2ページ
12>>
No.26:
(5pt)

面白い!

ホラーと言うよりサスペンス・ミステリーの感じだが、良く書けていると思う(上から目線の意見で申し訳ない)。年に何度も読む一冊です。
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No.25:
(3pt)

結構良かった。

日本ホラー小説賞を受賞した作品だが、メフィスト賞受賞作ぽさもあると思う。このような手法の作品は、よく、映像化不可能などと言われるのだが、
内容がドッペルゲンガー(バイロケーション)だけに、水川あさみ主演で映画化するさいやりやすかっただろう。
結末はちょっとせつない感じである。謎解き、ストーリーの転がし方、結末のせつなさ、全てがデビュー作にしては、上出来ではないだろうか。
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No.24:
(4pt)

個人的には納得の結末

オチに驚愕とかそういった類のものではないが、結末には感嘆させられた。疑問が残る部分も多少あるけど、人の真理をうまく捉えてるなーと。化け物の類より一番怖いのはやはり人間。そういう意味で秀逸なホラー作品だと思う。
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No.23:
(1pt)

何故こんなに高評価なんだろう

序盤は真面目な小説風に始まったのに、すぐに力尽きてラノベっぽくなる。
最近最低限の小説の作法を守れていない作品が多いのが悲しいです。
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No.22:
(5pt)

ホラーいや、小説の概念を超える素晴らしい作品。

この作品を読み終えてまず思うのは、これは単なるホラーではな断じて無い!という素晴らしい作品でした。

ホラー=恐怖、残虐、暴力、流血、殺戮。これが所謂、ホラーの定義となるのではないでしょうか。

特に最近はこの傾向が強い、と感じる。しかしながらこの作品にはこの定義は当てはまらない。

それが「ホラーだろ!!」といには、あまりにも陳腐で安っぽい。それを思い知らせてくれた作品でした。

ストーリーを語ると自分のつたない表現ではこの物語を台無しにしかねないので敢えて触れたく無い。

しかし、矢張り最後はその選択を選ぶのか・・・・・・・。読み終えて思わずそう口していた。

今、こうしてレビューを書いていると悲しく、切なくなる。少なくとも素直にそう思う。

今まで読んだホラー小説いや、今まで読んだ本の中にこんな気持ちにさせられる物語があったかな?

そう、そんな素晴らしい作品でした。是非、この作品を読んで欲しいと今、強く思う作品です。
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No.21:
(3pt)

困るなぁ、こういうの

面白いかっていうと、大変面白い。
傑作かというとアラが目立つ。
困るなぁ、こういうの。

欠点は多いと思う。
文章はもう一頑張りしたい。
形容表現が安直なのはともかく、
この設定で視点がぶれるのはちょっといただけない。
視点の問題を整理するだけで、テーマが際だつと思う。
趣味の問題だが、
「それは言えない」が多発されるストーリーテリングにも不満がたまる。

一番気になったのは、記憶の設定。
ネタバレになるので、あまり説明できないけれど、
消えるんだから、連続性はおかしくないかなぁ。
リセットされるのが自然な気がする。
「仕様です」って言われてもなぁ。
それじゃバイロケって何よ、っていう気持ちになる。

そのあたりを気にしなければ、かなり楽しめる。

それでも、多少の問題は目をつぶろう、と思うほど圧倒的には思えない。
結局、存在の不確かさの末に、
「その時、あなたはどうするか」にいきつくわけだけれど、
主人公が自分という存在と真剣に向き合った感じがしない。
それが読後感の軽さにつながっているように思う。

では、何が面白かったんだろう。
たぶん、ありえない設定を「ある」と思わせる力だと思う。
そこに生まれるスリルをきちんととらえて物語にしているところ。
それがこの著者の優れた力なのかなぁ。
それだけに、せっかくそこまでやったんだから、
もうちょっと頑張れ、と思ってしまうのかもしれない。
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No.20:
(2pt)

ややこしややこし

これが大賞?
なんかの間違い?
それくらい作家としても
アイディアも月並み。
映画化されるというから、もっと驚き。変なの。
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No.19:
(2pt)

うーん

文章やプロットが稚拙なので直ぐにタネが分かってしまうんですよね。
ミスリードもへたくそだし。残念
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No.18:
(1pt)

映画を観る前に!

これが189円でスプリットが180円!
映画を観る前に2冊を一気読み!

映画を観に行く気がなくなりました。

安物買いの・・・
残念でした。
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No.17:
(3pt)
【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[]  ネタバレを表示する

一読の価値はある

私はなんの事前知識も持たずに読んだ。
叙述トリックものなのかもしれないし、ファンタジーやSFなのかもしれない。
読みだすと次が気になり止まらなかった。といっても、100%面白いかというと、そういうことでもない。いったい自分がなぜ、こんな稚拙な会話劇に引き込まれて止められなくなっているのか、それが自分でも理解できず、よくわからない不安を胸に抱いたままページをめくる羽目になった。とにかく、登場人物の「それは言えない」というセリフの多さには辟易した。文句はいっぱいある。それなのに、最後まで読まずにはいられないという不思議な作品である。つまり、初期のやや稚拙な作品とはいえ、すでに著者の才能がそこに現れだしているからなのだろう。

バイロケーションとはなにか。これまで語られてきたようなありきたりのドッペルゲンガーではない。
バイロケーションに設定された定義は物語の後半で明らかになるのだが、私もない頭でいろいろ考えてみた。
ドッペルゲンガーではダメなのか。あるいは多重人格。あるいはお互いに見知らぬ双子。
いや、どれも既出でしっくりこないであろう。バイロケーションは「新設定」であり、バイロケーションゆえの悲劇といえるだろう。

リライトよりも当然のことながら文章が稚拙だが、やはり才能は隠せないものなのだな、と思わされる。
私はリライトの書評でバカミスのようにバカSFというジャンルを構築しているのではないかみたいなことを
褒めているつもりで書いたのだが、理解されなかったようだ。

だがこの著者は早晩、西澤保彦を超えるこれはやられた感満載の傑作を生み出すような気がしてならない。
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No.16:
(4pt)

後味

ホラーをエンターテイメントとして楽しむなら、後味は悪い方がいい意味で余韻が残る。そこに救いは不要だから。最初から読者を惑わすつもりの書き方は、斬新さを演出してると言うより、逆説的な予想を結論付けていよう。題材から主人公の目線で物語を紡いでいるように見せているが、読み手にはそうではないという予測をたてさせる手法は、過去に例があったようにも思われる。
後味の苦い良作であることは間違いないが、ストーリーテラーを別角度にしたらまた新しいテラー(terror)が描かれる可能性が、垣間見えよう。
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No.15:
(4pt)

せつないSFミステリー

古典をのぞいて初めてkindleで読んだ長編小説。
数日かけて楽しみながら読むつもりでしたが、展開が気になって一晩で読んでしまいました。
読みやすい文章、着いて行きやすい話で、伏線も回収されますからミステリー好きにおススメします。
「鏡に映らないならカメラにも映らないはず。映ったというのは嘘で、何かの伏線?」
と考えながら読んでいましたが、そこは単なる設定の問題でした。

前半は謎解き中心ですが、後半は本当の意味での問題解決とは何かが争点に。
ヒロインが夫との平凡な結婚生活をどれだけ愛しているかが強調されていた理由がわかります。
正当派ミステリー的なハッピーエンドを期待してしまいましたが、これはホラー小説なんですよね。
登場人物に強く感情移入してしまった人たちから
「自分だったらこう書いた!」「他にやり方があっただろ、ふざけんな!」
と低評価をつけられそうな気がします。
しかし自分であって自分ではない人物に人生を乗っ取られていくことの怖さが、この話の肝なのでしょう。
そういう意味では加納が本当に気の毒でした。合掌。
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No.14:
(3pt)

ご都合主義の設定

バイロケーションは本人と区別できないからトラブルになる。他人に言っても信用してもらえない。この問題をどのように解決するか−。
これが物語の目的であったはずなのに、読み進めて行くと、本物は鏡に映るがバイロケーションは映らない、などバイロケーションと本人の違いを軸にしてストーリーが進みます。 ・・・そんな明確な違いがあるなら世間に簡単にバイロケーションの存在を世間に認めさせることができて問題は解決するのに。作者はこの設定がおかしいと思わなかったのでしょうか?
また詳しくは書けませんが最終的なトリックに関しても同様のもので、作者はどんでん返しの展開を狙ったのでしょうが前提を崩してしまうオチのため、「そんな設定があるなら最初からうまく解決する方法はいくらでもあったろうに・・・」と、結局最後まで納得できないまま終わりました。
賞を受賞しているだけあって、文章はそれなりにまとまっており暇つぶし程度にはなります。私はセールで200円で購入したので納得できます。正価で購入していたら後悔していたでしょう。
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No.13:
(2pt)

ドッペルゲンガーもバイロケーションもありきたり

題材はありきたりで、目を見張るような物じゃない。
そのうえ文章が洗練されてるわけでもないから、どこか冗長的で、無駄が多く感じる。

たとえば冒頭から続く、ありきたりな自己紹介と夫とのなれそめ。
こんな説明をいきなり最初に持ってきて、しかも誰だって知っているようなエピソードをクドクドと書くなんて……。
もう少し、気の利く編集者さんに代わってもらった方がいいのでは?

日本映画orドラマ(アイドルを出してファンから金を巻き上げるだけの作品)を好むような人には最適だろうけど、
「面白いものをもっと知りたい!」という人にはむかない作品だと思う。
ワクワクさせる要素が少ないし、スゴいと唸らせるような文体でもないからだ。
ドッペルゲンガーものなんて、今さらどうして扱うんだろうか……。
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No.12:
(4pt)

芸術家の「個性」を脅かされる恐怖

自分が2人いるという、使い古されたテーマ、ですが、、見せ方が斬新で一気に読みました。

各所に散らばる謎も魅力的だし、何より主人公をさえない画家志望にしたところで、
「もう一人」に対する嫌悪感、恐怖感に説得力が出てると思いました。
芸術家の売りである自分だけの「個性(笑)」が揺さぶられ、主人公が心理的に追い詰められていく部分は、確かに怖いです。

私自身の経歴が主人公とかなり近かったので、共感する部分が多いせいか、恐怖感がありました。

一般的に言えば、たしかにホラーというよりサスペンス寄りですが、
絵を描いたり音楽作ったことのある人にとっては、身に覚えのある心理描写が多く、間違いなくホラー作品でしょう。
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No.11:
(5pt)

先が気になって気になって

夜更かしをして一気に読みました。

面白かった!!

角川ホラー大賞は『パラサイト・イブ』だったり『黒い家』だったり、初期の作品はすごく良かったけど、『ジュリエット』以降なんだかつまらなくなってしまいはなれてたんだけど、これは読んで良かった。

新たなドッペルゲンガ―像を提唱する本作品は、オチは序盤に想像できてしまうんだけど、読ませる文章で仕上げていて、ページをめくる手がとまらない。ひょっとすると貴志先生クラスかも。
勝手な想像だけど、めちゃめちゃ文才があってひょいひょい書いているわけじゃなくて、苦しんでしっかりと編み出しているような文章。

しっかりと楽しめたエンターテイメントでした。
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No.10:
(3pt)

アイデアだけでもかなりおもしろい

自分と全く同じ外見のもう一人を見かけてしまうというのがドッペルゲンガーで都市伝説の一つである。

ドッペルゲンガーと同じように外見は同じでランダムに出現するが、違う点は出現した時の服装も全く同じで記憶も共有している。

ドッペルゲンガーを発展させたようなこれらの設定やアイデアだけでも興味深く面白かった。

ただ、ラストで主人公についての真相が明かされるが、細部についてがイマイチわかりずらかった。

また、会の人間同士でプライバシーはあまり探らないという設定のためか、登場人物の内面や背景についてあまり描かれなかったのでキャラクターとしての魅力をあまり感じなかった。

会員はみな大小さまざまな被害を受け、バイロケーションを憎み消したいと感じている。 そんなバイロケーションに対する感情が、作品全体としてホラー的な雰囲気を感じさせる。

もう一人に対してさまざまな折り合いを付けるが、ラストでの主人公が取ったもう一人への感情や折り合いには締めとして作品をよく表しながらも後味の悪さを少し残すものとなっている。
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No.9:
(3pt)

前半はおもしろかったが

ちょっと話の展開が強引かなと感じた。
バイロケーション被害者の会を作って
みんなで対策を考えようって所はおもしろかったのだが
その主催者である飯塚(金持ちで権力者)を便利に使い過ぎている。
殺人しても揉み消せるとか、うーん。

あと謎解きもいまいちピンと来なかった。
オリジナルの方が次々と殺されて行くのだが
真相がショボいので、この展開いらなかっただろと思ってしまう。
ホラー要素が足りないから無理矢理いれたって感じがします。
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No.8:
(5pt)

次回作を待ってます!

ドッペルゲンガーの小説を読んだことが無かったので、バイロケーションという設定のどこが具体的に新しいのか正直分からないのだが、終盤に入った段階で、このドラマを作る上でこの設定が無くてはならないものだったと気づく。大きなオチに当る部分(と考えていたもの)が中盤に仄めかされてしまうので、「え、なんで?」と思っていたが、最後の全てが明らかになる所では、緻密に組み立てられた斬新なドラマならではの驚きがてんこ盛りで舌を巻いた。間抜けなほど口をあんぐりと開けていたように思う。とても楽しめた。ただ、ちょっと最後だけに偏りすぎてバタバタした感じはするが…。20代の新人がこれだけの作品を書いたことに驚く。「今後大化けしそう」とのホラー小説大賞選者の意見があったが、おそらくその通りになるだろう。次の作品を首を長くして待ちたい。
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No.7:
(5pt)

同じであるハズなのに同じでなくなってゆく皮肉さ

◆ 個人的に良くなかった点

構成上仕方の無い事なんですが秘密主義で煮え切らない主要人物に、読者であ
る私の方にフラストレーションが溜まりました。最後には、「秘密」は明かさ
れる事になるのですが、今度は主人公の「自らを滅ぼしてまでも憎い相手を葬
ろうとする」強情さに、苦いモノを感じてしまいました。しかし、これも意図
されたものであり、この話の骨子であるため欠点とは言えないかもしれません。

あくまで私の「良くなかった点」です。個人的感情として救って欲しかったな、
という思いがしました。それと、おそらく「己の不確かさ」に恐怖を感じない
人には、まったく怖くない内容ですね。

◆ 個人的に良かった点

アイデアが素晴らしいと思いましたね。

一方は、たった一つの望みすら叶えられず困窮し、鬱屈し、卑屈になってゆく
者。そして一方は、些細な幸運で困窮を抜けだし、認められ、希望を持つよう
になって行く者。

この二つの「状態」が両立している状態から崩壊するまで、そしてその微妙な
バランスを解きほぐし解決しようとする者の「策」や、解決の方法を示唆する
者達の苦悩と決着。ストーリーは非常によく練られています。

それに加えて「同じように困窮しているはずの者が、自分をさしおいて認めら
れ、幸せになって行くことに対する羨望や憎しみ」など、人である以上抑えが
たい負感情を、ストーリーにうまく噛み合わせています。

「無駄に高いプライド」という主人公の吐露のあたり、愚かさや憐れさ、悲哀
すら感じます。総じて「怖さ」を重視する日本ホラー小説大賞でなかったなら、
大賞として銘打った作品として読んでも満足できるのではないかと思います。

◆ 以下、ネタバレになります

最後、主人公が落ちて行く時「もう一人の私も、私を殺すだろう」と気付くシ
ーンがあります。それは「幸福を半分にする事に耐えられない」という内容が、
全編にわたってちょくちょく出てくるのはここに集約されていると言う事なん
でしょうが、非常に皮肉ですよね。物悲しい。

幸福を半分にする事が許せないから、幸福な自分も惨めな自分を殺すだろう。

しかしそれは「不幸な自分から見た幸福な自分」であって、物語中で出てくる
すでに『差異』になってしまっている。不幸な『私』は、幸福な『私』を理解
する事なく死んでゆく。

逆に、もう一方の『私』は、幸福を分けようとしていますもんね。穿ってみれ
ば、己自身の幸福だけでなく夫の幸福を願ったからでしょう。
『別人』になってからの、この心理的平行線。申し分なく伝わってきました。

「己主体の視野で別の己を許さない」矮小なプライドと頑固さで破滅に向かう
事と、「己以外の視野で別の己を許容」する事。同一人物の『平行線』はほん
の些細な幸運が発端ですが、バイロケーションでない「普通人」もいかように
も変われるんでは? という事も暗示しているのではないでしょうか。
飯塚が言うように。
バイロケーション (角川ホラー文庫)Amazon書評・レビュー:バイロケーション (角川ホラー文庫)より
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