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百年法
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百年法の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.07pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全175件 81~100 5/9ページ
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「上」「下」を読んでの感想。 当著書のテーマは、人間が永遠の『生』を受けたら である。 長生きするとしたら、もう50年、100年位であれば 長生きしたいと思うが、 1,000年、10,000年生きるとすれば、どうだろう? 単に生きるのではなく、不老となると、 20歳を過ぎれば、自分自身は何も変わらなくなる。 変わるのは、子供や孫の家族が変わるくらい。 その子供や孫も、20歳を過ぎれば、 見た目は自分と同じになり、変化が無くなる。 自宅と会社の往復、ほぼ同じ毎日を 1,000年、10,000年も続けられるだろうか? 著書でも触れているが、 死があるから生が輝く、死があるから生を大切にする、 死と生は同じだ。 例えば、サクラが永遠に咲いたら、どうだろう? 今よりもありがたさは減ってしまい、 わざわざ見に行ったりするだろうか? 不老不死になったらどうなるか、をシミュレーションしており、 不老不死は悪影響をもたらすという理由から、百年法を制定している。 不老不死になったら、100年後に死ななければならないとするが、 中には100年を迎える前に、自ら死を選ぶ者も現れる。 やはり、何年も生きるとなると、耐えれない人も出て来るだろう。 『生』の大切さを、改めて考えさせられる作品。 | ||||
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傑作SF。すでに3回読みましたが結末を知っている再読にも耐え得る内容です。 各章の移変わり・場面展開が巧みで、映像を見ているようでした。 数多い人物が描写される中で、高い教育受けていない社会の底辺層に属するであろう女性たちの話し方がいささか前時代的、というかステレオタイプに感じられました。 が、名作とされるSFの中でも人物描写に物足りなさを覚える作品は少なくありませんので、そこはこの作品の本質にはあまり関係が無いように思います。 不死の技術が衰退する(というか完全に絶えるのでしょうが)理由が少々御都合主義的ではありますが、リアリティを欠く程ではありません。 少なくとも、読んでよかったと思える本でした。 | ||||
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永遠に生きられる事が可能になった世界がとてもリアルで、そんな世界に生きてるかのような錯覚をおこす。読み進めば進むほど、生と死とは何か、幸せとは何かを考えさせられた。政治的な難しい内容も読みやすく、その人の深い心情まで読み取ることができ、とても面白かった!!!! | ||||
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人間が不老になれば、病死する可能性はかなり下がり、平均寿命が大幅に伸びる。人によっては、寿命がほぼ無限になるかもしれない。 その結果、人口の増加による食糧不足や、世代交代が遅れることによる社会の停滞などの問題が生じるだろう。 そこで、不老の恩恵は享受させつつ、世代交代を促すために制定されたのが百年法ということか。 しかし、国家が国民を殺すことが許されることが、凶悪犯人を死刑にする場合以外にもあってよいのか? この小説がフィクションであることは十分承知しているつもりだが、それにしても、『長生きしたら死刑になる法律』が国民投票で可決 されたというストーリーには納得がいかない。 | ||||
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不老長寿(不老不死ではない)社会を実現するため国民に施した施術が、結果として国民を病死させたという皮肉なストーリーが面白い。 現実の世界で国民が不老になれば、重い病気になる可能性は低くなるし、いつまでもバリバリ働けるから、医療・介護・年金などの負担は大幅に軽減されるだろう。 しかし、そうした問題に代って、現在は予想もできない重大な問題が発生するかもしれない。人が老化しない社会は、必ずしもバラ色の社会ではないと思う。 天皇に関する記述が全くないのは、この物語に天皇を登場させた場合、天皇は不老の施術を受けたのか、なぜ施術を受けた(受けなかった)のか、天皇も100年経てば死ななければならないのか、天皇制が廃止されていたのならその理由等を書かなければならなくなり、天皇制談義になってしまって、物語の趣旨から外れるからではないかと思う。 | ||||
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面白いけど、傑作ではない。最後の解説にも書いてあるように一気に読ませる構成はすごい。ただ、テーマが陳腐で浅いのがもったいない。ガジェットはSFテイストなんだけど、作者がSF慣れしてないんだろうな。せっかくのガジェットを生かしきれていない。「HAVI」の設定がいい加減だからセットであるはずの「百年法」がインチキくさい。そしてとってつけたような「SMOC」が唐突すぎて、クーデターと大統領の死が同時に重なるクライマックスがイマイチ盛り上がらない。 最初「百年法」は「憲法9条」の暗喩かと思っていたので、「百年法凍結」をめぐる国民投票あたりは面白かったんだけど、読見進めていくごとになんとも薄い歴史改変小説を読んでいる印象に代わっていった。 とはいうものの、普通に楽しめたエンタメ小説であったのは確か。SFとしてはつまらない。作者の次回作に期待したい。 | ||||
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(本レビューは、上巻のみの内容に関して、上巻のみ読んだ時点でのものです) 本書は、SFあるいはシミュレーション小説としても十分エンターテイメント性を有しており、約400頁の上巻を読んでも、全く飽きることも疲れることもなく、むしろ、下巻を読みたいという気持ちでいっぱいだ。 しかしながら、本書を単なるSFあるいはシミュレーション小説だけに止めることなく、作品に散りばめられた含意や寓意を読み取ってこそ、本書の真の価値に迫ることが出来るのではないだろうか。 一例を上げるなら、 「原爆を6発落とされて敗北し」「共和国となった日本」という設定からは、戦後の日本人が精神的支柱とした存在つまり皇室が失われていることが読み取れる。当時の日本人の中で永遠の象徴であった存在を失いながら、日本共和国は奇跡の復興を遂げている。そこでは、永遠の象徴に代わり、個々の国民が実質的な不死を手に入れているということを考え合わせると、この設定の重さが分かるのではないか。 「阿那谷童仁」という名前は、読み方を変えることで、アナグラム的な複数の意味が浮かび上がるのではないか。この点は、「秋水」という苗字(注:名前ではない)の登場人物の役割と重ね合わせると、一層深みを増してくるだろう。 気まぐれな大衆のデモ、右顧左眄する政権などは、単行本執筆当時の民主党政権下の日本を射抜くところだ。しかし、それを単なる時事ネタで終わらせないところが、著者の大きさだろう。含意や寓意は一つではない。一つの暗喩が視点を変えることで、複数のことを指しているのではないかと意識することで、本書は単なる社会だけでなく、個々の人生観にまで訴える力を持っていることに気付くだろう。 本書は、4部構成で、異なる時間を描き、トータルでは百年近い21世紀の日本を描いている。クロニクルという言葉に相応しく、こうした大きな流れを描き出しているところでは、「嫌われ松子の生涯」を彷彿とさせる。 (下巻のレビューに続きます) | ||||
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下巻は、第3部・第4部から構成されるが、上巻とは一変して、2098年を舞台の大半にして、政治サスペンスの色合いが途中までは強くなる。正直に言えば、上巻での緻密な設定は脇に置かれた感じの”一気読み”一直線な部分には、やや興ざめした。しかし、そこから著者が読者に向けたストレートなメッセージが打ちだされる終盤に至り、己の不明を恥じた。 不老不死の薬、国家が国民の命を奪う法律、低賃金労働者でも呑気に暮らせる制度、力強い指導者や国家権力。 本作品の設定は、敢えて現実にはあり得ない内容とすることで、実は現代日本と私たちひとりひとりが直面する問題・人生を問うていることが、最後に改めて実感される。 ある人物がある人物に語ったことを引用したい。「ライフラインと物流は、国を動かす両輪である。この二つが機能する限り、国が死ぬことはない。宗教や思想、主義、哲学、生き甲斐、人生観、価値観、そういった精神的なものは、国民一人一人だけに任せておけばよい。」 敢えて、独裁との批判を受けた者だからこそ、この言葉は読者の心に強く響く。本書の発行前後に、独裁志向をにやにや笑って語る方や、国民に任せるべき精神を優先する方が、私達の次の選択肢とならざるを得なくなった。本書は100年先のことを話すが、問うているのは現在の私達であると、そこは外して欲しくない。(本書の発行は、民主党政権が断末魔と化した2012年末。その後の救世主か?独裁者か?という総理閣下の是非はさておくとして、著者の彗眼は評価しておきたい) しかし、本書はそうした硬いところだけでなく、魅力ある人物が脇をしめている。脇の脇のある登場人物が、意外な形で下巻にも登場しての他の登場人物とみせる巧い掛け合いは、怒涛の展開一本としない上手い添え物。また、終盤最大のドンデン返しを起こす、意外な二人のその後の生き方は、本書を単なるヒーロー劇にしない深いものだ。 なお、上巻時点での感想のひとつとして、本書の世界には天皇制がないこと、それは終戦前後に何らかの出来事があったのではと書いた。 しかし、下巻において、内務省とは別に、警察を所管する保安省が戦前からあって、内務省とライバル関係にあるとの設定が出てくる。実際の戦前の日本には、内務省が国家警察も一元的に掌握し、強い支配力を有していた。したがって、本作においては、戦前の日本にも架空の部分があるので、天皇制自体が(少なくとも近代国家となって以降)存在していないという、つまり、天皇陛下万歳!とか皇室を心のよりどころにするというメンタリティも記憶もないのが、本作の日本共和国なのかもしれない。(とりあえず、取り戻す過去がない国というのは、アイロニーあるアナロジーとして興味深い) | ||||
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読み終えて、本書の主人公は未来の日本と日本人だったのだと理解する。そして、未来の日本の再生を描いた物語だったのだ。不老化処置を受けた国民は百年後に死を迎え入れなければならないという『百年法』を巡る壮大なドラマがついに完結。 いきなり2048年の日本を舞台に始まった近未来SFのような突飛な設定の物語は我々に様々な問題を見せてくれるだけではなく、最後には希望の光までも見せてくれた。これだけ大きなスケールの物語を最後まで楽しませてくれる山田宗樹の手腕はお見事。 | ||||
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物語は、いきなり2048年から始まる。近未来SFのような幕開けなのだが、テーマは非常に深刻である。 不老化処置を受けた国民は百年後に死を迎え入れなければならないという『百年法』巡る政治の舞台と、それに翻弄される人びと… 最初は山田宗樹作品としては、あまりに突飛な設定に戸惑いを覚えるのだが、読み進むうちに現実味を帯びて来る。それだけ物語の設定が素晴らしく、ストーリー展開も非常に面白いのである。 現代日本でも高齢化は国の財政負担を増大させると同時に核家族化による孤独死など深刻な社会問題になっている。本書に描かれる不老化技術が浸透する未来の日本は、まるで現代日本の高齢化問題をディフォルメしているかのようだ。 下巻では果たしてどのような結末が待っているのだろうか… | ||||
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人類が死を克服して不老不死が可能になる近未来SFだけど,だったら百年法などという些末なことを描くんじゃなくて,もっと本質的なことを書いてほしい。死を克服するということは人類史上で,たとえば火の使用とか言葉を使うようになったなどに匹敵する大進歩だと思うけど,登場人物の精神構造は現在の人類とそんなに変わってない。なので大きなテーマを扱っている割には薄っぺらな感じがしました。 単細胞生物にいわゆる死は存在しないわけで,死というのは生物が獲得した進化という側面もあり,それをある意味チャラにするわけだから,思いがけない反作用があると思います。その辺を描くと深いものになったのでは。 山田宗樹さんは大好きで,「ジバク」とか「天使の代理人」は面白く読みました。百年法みたいなご都合主義の近未来小説は有■とかに任せとけばいいと思いました。 | ||||
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これはおもしろいSFです。 超高齢化社会で引き起こされるであろう問題が、次々に明らかになっていきます。 これはSFの世界なのか?現実なのか?考えさせられる一冊です。 | ||||
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HAVI(HIVの"もじり"だろう)という不老不死技術の開発及び「百年法」という法律の制定・施行というSF的設定を用いた、現在の日本で進む超高齢化(百年という限定を付ければ不老不死=超々高齢)少子化社会やアメリカ依存の無能・無責任の政治家達等に対する風刺小説なのだが、大部の割には内容に乏しい印象を受けた。風刺対象は明解ではあるが、「死があってこそ生が輝く」、「永遠なる生は死と同一」等の言説は紀元前数千年前から言われて来た事であって、何を今更という感を拭えなかった。そして何より、本作は物語として詰まらないのである。 登場する政治家、官僚、一般庶民達は皆類型的だし(ただし、実年齢100歳以上の女性が20歳の女性として振舞う様はシュールである)、彼らに纏わるエピソードもまた類型的である。特に、上巻において、国民投票によって「百年法」の初の施行がいったん凍結され、5年後に再施行されるのだが、この間の賛成・反対の両派の激しい攻防、これに関する倫理・社会・経済的論考が本作の白眉だと思うのだが、これを回想シーンでアッサリと済ませる作者の神経が全く理解出来なかった。警鐘を鳴らす、あるいは物語を紡ぐという姿勢が全く感じられないのである。これなら短編で済ませても良かったとさえ思う(事実、筒井は本作とほぼ同テーマの短編を数十年前に発表している)。超高齢化少子化社会の本質的問題は、「高齢者vs若者」の世代間対立だと思うのだが、下巻において、これが「施行拒否者(=超々高齢者)vs政府」の構図に変質している点にも違和感を覚えた。そして、この攻防がテロ・クーデターや権力内闘争を扱ったこれまた陳腐なものなのである。 少なくても、作者には現代の超高齢化少子化社会への対処案の1つでも示唆して欲しかった所(ラストは現実の社会問題と遊離している)。エンターテインメントでもなければ、有意義な警鐘・啓蒙の意匠を持たない風刺SF小説にどれだけの意義があるのか疑問を覚えさせる凡作だと思った。 | ||||
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大変重くしかもある意味現実的なテーマを扱っていて、面白く読ませていただきました。 ただ、途中不自然に場面が切り替わったり、略されていたりして???という感じを持ちました。 山田さんのものをはじめて呼んだのでそう感じただけなのかもしれませんが・・・。 | ||||
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永遠の若さを保てるようになればなったで国家は衰退する・・・ それを防ぐには100年目の死。 SFではありますが、 少子高齢化がどんどん進む現代とリンクする部分が多々あり、 読んでいて結構現実味がありました。 死・・・寿命についてじっくりと考えるきっかけになるかもと思います。 | ||||
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永遠の若さを保てるようになればなったで国家は衰退する・・・ それを防ぐには100年目の死。 SFではありますが、 少子高齢化がどんどん進む現代とリンクする部分が多々あり、 読んでいて結構現実味がありました。 死・・・寿命についてじっくりと考えるきっかけになるかもと思います。 | ||||
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死ぬことに恐怖を感じるのが普通であろうが、幼年時から「日々の身体的苦痛を伴う病気」におかされている場合などうなるんだろう?と考えてしましました。 もしくは精神面での病気で生きる事を放棄する場合も「死ぬ場所」には入れるのかな…。 いずれにせよ「合法的に自分が生きる時間を選べる」「死亡時に苦痛が伴わない」事はぜひとも実現して欲しい、と思考が広がりました。 | ||||
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廃止せざるを得ない状況になってしまったのには正直、オチはそっちか…と思わざるを得なかったのですが、上下巻一気に読みました。 読後、山田氏作で「病人が駆逐される」タイプのお話が読みたいな~、書いてくれないかな~…などと埒もない事を考えてしまってました。 | ||||
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近未来の出来事で、いかにもありそうな事だと思った。 永遠の命はともかく、安楽死のやり方は現実に実行できそうな内容だ。 段階の世代が80台に突入する前に検討してほしい。 | ||||
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なにをかいてもネタバレになりそうなので、読んでみてください! | ||||
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