■スポンサードリンク
ナイフ
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
ナイフの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.01pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全90件 81~90 5/5ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
重松清の作品集のうち,とくに好きな一冊がナイフだ。なかでも「エビスくん」は,みんなに是非一度読んでほしい。主人公の少年は,ケンカがからっきしだめである。学校でも弱いがゆえに辛いことも多々ある。クラスでもとりわけ暴力的で気むずかしいエビスくんの,必殺のキックをたびたびあびてしまう。でも,少年は学校生活も,エビスくんも大好きだ。生きていること,毎日の生活,瞬間瞬間がいとおしくてならない。すべてが,とても美しく見える。なぜか。少年には先天的に重い病を抱えたいもうとがいる。かれは可憐で,可愛いいもうとが,なにより大切でならない。幼いいもうとの,いつ途切れるともしれない生命を,愛してやまない。だから,少年はいもうとを思うあまり,みずからも末期の目を獲得してしまったのだ。夕べには終わるかもしれない,いもうとのまなざしで,すべてをみている。だから,少年の目に,世界が美しく映えるのだ。このときのことを述懐して少年は言う。あのとき,僕は世界に恋をしていた,と。いもうと思いの少年も素敵だし,エビスくんと少年の奇妙な友情も心に残る。重松作品のマイ・ベストである。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
作者は現代の普通の家庭を描くことが、とてもうまい人だと思います。この作品では、いじめの問題が全面に採り上げられています。中には、凄惨なリンチの様子に、思わず気分が悪くなったり、また結局いじめは終わらない現実にがっかりしたりするような場面もありました。しかし、なんとかして家族を大事にしたいと、最後はみなが取り組む様子が救いだったと思います。閉鎖的な学校という場所に閉じ込められた子供たちは、親が思う以上にストレスを感じたり、辛い日常と向かい合っているのでしょう。でも、最後には相手を思いやる心を感じ取れたらいいなと思いました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
重松清はうまい。「エイジ」もそうだったが小学生や中学生や高校生のときの視点・感じ方・考え方を失っていない。 経験体験は違っていても、あの頃の思いが鮮烈によみがえってくるような思いに何度もとらわれた。そういう思いを思い出させてくれる稀有な作家の一人だと思う。中短編集である本作品の底流には、「いじめ」の話がある。凄惨なほどの状況も描いている。でも作品中、解決は呈示されない。それが現実だから。中島みゆきの「ファイト」を思い出した。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ワニとハブ。この二つは密接に関係して、少女を救いの道に向けていく。 表題作よりも、「ワニとハブ・・・」の方が重く感じられます。 授業の中で読み聞かせているのですが、生徒の真剣な目に圧倒されそうです。 心に訴える作品を若い世代に伝えていくこと。同世代の人生を自分に重ねさせること。こういうことの積み重ねが大切だと感じています。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この人の言葉は平易である。丁寧である。それだけにストレートに伝わってくる。 この本は「イジメ」というものをまっすぐ捉えた作品だと思う。それも、一つの視点にとどまることなく、あらゆる立場から、あらゆる状況を見つめている。偽善者でもなく、被害者でもなく。これは、「イジメ」に関わる格闘と再生を描ききった作品である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
5つのいじめを描いた短編集。幸せで、そのくせもろい家庭、親子、夫婦の微妙な世界がリアルに描かれている。 「エビスくん」では泣いてしまった。入院している妹のために、いじめられながらも懇願する「ぼく」の姿が痛ましくて、健気で、涙が止まらなかった。重松清の作品は、どこかあたたかくて好きだ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
私がはじめて重松清さんに出会ったのは、NHKの「にんげんゆうゆう」でした。その番組の中で重松さんは「いじめの根本」の様な話をされていたと記憶しています。そこで、よしこの人の本を読んでみようと思い、生まれて初めて「読書」に挑戦してみました。すると、どうでしょう「本」にのめり込み、楽しくて楽しくて!特にこの「ナイフ」や「半パンデイズ」等は、子供の素直な心やその大切さを教え、おとなのエゴを考える。そんな作品だと感じました。真に子供のことを見つめて欲しい・・教育者の方々に是非読んでいただきたい作品です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この本の中の短編のどの主人公は誰もが「いじめ」という事実に直面している。それは、直接いじめにあっていたり、自分の子供がいじめにあっていたり、過去にいじめられた経験があったり・・・。まさにこの本のキーワードは「いじめ」なのである。 けれど、この本が伝えてくるのは「いじめはしてはいけない。」とか、「どうやったらいじめがなくなるか。」とかそういうことではない。もっと、広く客観的に書かれている。読むといろいろなことを感じ、わかる。いじめられている人、いじめてる人、そしてそのまわりの人々。細かな心理描写からたくさんの気持ちが読みとれ、一編終わるごとにため息がでる思いがする。 ちょうど「いじめ」の一番近くにいる人たち、中高生の人には特に呼んで欲しい一冊です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
私も昔、いじめられていたときがありました。この本を読んでいると昔を思い出しました。いじめは今に始まったものではありません。ではどうして今いじめで自殺する人が増えているのでしょう、それは,誰にも頼れず一人で耐えきらないといけない誰にも相談できない世の中になったからです。それと,いじめはなくなりませんそれはいじめていると楽しいからです。みんないじめと言うのはゲーム感覚で遊んでいるだけなのですだから,自殺されても気にせず次の標的を探すだけです。だから自殺したり,登校拒否をしていたりするのは無意味です。 私はこの本を,いじめられている人,いじめている人の両方に読んでほしいと思っています | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
私はこの本で初めて「いじめ」というものがひどく厄介で、 侮れないものだということを知りました。 「ナイフ」に描かれている「いじめ」と私の知っているそれとは明らかに次元が違 う。 ヘンな言い方をすれば「いじめ」が既に「文化」になっていいる。 現在のいじめの環境の中にもしも入っていけば、 僕のちっちゃな「自尊心」やら「正義感」などは、簡単にへし折られる可能性が高い、と思う。 この本の凄いところは、そういう現実を私にも分かるように描ききり、 なおかつ「希望」を見せているというところでしょう。 特に冒頭の鰐と少女の物語。彼女の決して人に頼らない孤独な闘い。 それは端から見ていて、歯がゆくもあり、凛々しくもある。「いじめ」を素材にしながら、一人の少女の成長物語にもなっている。 今の「いじめ」を知らない大人にこそ、この本を読んでもらいたい。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!