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ナイフ
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ナイフの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.01pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全90件 21~40 2/5ページ
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『ナイフ』は、5つの短編からなる作品集で、うち4作品はいじめを背景としている。いじめを受けている子供たち、そしてその家族に寄り添うように重松さんは語りかけてくる。子供の気持ち、親の気持ちそれぞれが理解できてしまうので、私は穏やかではない。挟み撃ちの状態で、琴線を鳴らされまくったようである。 いじめの描写があまりに露骨なので、読み進めるのに躊躇いを感じてしまうシーンがある。いたたまれなくなってしまうのだ。だからこそ、読み終わったときに、心に響くものを残してくれるのだと思う。 作品の中でいじめそのものが解決されるわけではない。現実もそういうものだろう。最後に出てきたのが希望というほど明るいものではなくても、小さな気づきがあれば今より少しは良くなる。悲惨さに終始するわけではではないが、突然、ドラマチックな幸せがもたらされるわけでもない。一歩だけでも前に進む勇気を与えてくれる。『ナイフ』はそんな作品集である。 ■ナイフ 私の妻が、中学生の息子 真司がいじめられていることに気づいた。真司のことで心を傷める妻は、目を背ける私をなじるようになる。自身の弱さとずるさを悟った私は、ふとしたきっかけで折り畳み式ナイフを手に入れてから、真司を守ることを決意する。 ・・・ いじめを受けている子を持つ父親の気持ちがせつない。強い男に憧れながらそうなれなかった父親と、いじめに立ち向かおうとする息子。息子の背中を見ながら、父親としての自分の強さに思い至るシーンは、美しさすらある。 ■エビスくん 小学校最後の秋、ぼくのクラスに転校生エビスくんがやってきた。エビスくんは、ぼくの親友になり、そしてぼくを毎日いじめるようになる。身体が大きいエビスくんに、クラスの皆は遠巻きに見ているだけだ。そして、抵抗しないぼくに、皆、愛想を尽かしはじめてしまうのだった。 ・・・ 入院している妹に生きる希望を与えるため、ぼくはエビスさまにあわせてやると約束する。いじめられても、なおエビスくんを嫌いになれないでいるぼくは、意を決して、エビスくんに妹との面会をお願いする。ぼくとエビスくん、そして妹の交差する思いにすっかり感激してしまった。 締めくくりは、15年後に開かれた同窓会だ。ここでのぼくのモノローグが素晴らしい。気がゆるんでいたら泣いてしまっただろう。 その他の収録作品は、ワニとハブとひょうたん池で/キャッチボール日和/ビター・スィート・ホーム | ||||
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中学生のときに読んだので、もう内容はあまりおぼえていないです。 私は、小学生のときにいじめをしていました。中学生の時も直接いじめをすることはしなくても、周りのいじめを助けることはしなかったです。 そのような自分だからか、この本の読後に、すごく後悔の気持ちになり、涙が出ました。 本の内容とは程度の差があれ、いじめをしていた自分を許せなくなりました。いじめられている被害者とその家族の気持ちがわかったのだと思います。 TVでいじめ自殺とかのニュースが流れることよりも、いじめの凄惨さがわかったような気がしました。 なぜ、推薦図書に〜というレビューがありましたが、これを読んで、すこしでもいじめられている側の気持ちを理解して欲しいからではないだろうかと私は思います。 当時の私はこれを読んでから、罪悪感から、自分のことをイやなひどい人間だと感じはじめ生きる気力をなくしてしまいました。 しかし、いじめられている側の気持ちがわからなかったのならば、もっと人をいじめて生きていただろうとも思います。 読み手に、ここまで感じさせる作者の力量は素晴らしいと思います。 ただ、上述したことがトラウマになっているので、もう二度と読むことはないでしょう。 重松清の名前の本をみかける度、「ああ、ナイフの人か。またイヤな思いしたくないから、この人の本は読むのやめとこ」と、作品うんぬんよりも作者自体を受け付けなくなってしまいました(笑 | ||||
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様々な「いじめ」に対峙している人々の、心境や対抗方法、そしてその結果を描写している連作的短編集です。 こういった問題を取り上げる際にありがちな、陰湿で救い様の無い表現や心理描写は極力押さえられており、意図的にライトな感の文章で構成されているように感じます。しかし、その軽さが却って「いじめ」という事象に対する事の重大さを浮き彫りにしているような感じがして、興味深く読み進める事が出来ました。 「いじめ」という動機はとても軽薄で短絡的な行いであり、仕掛けている側は事の重大さに気づく事が少ない。やられた側で無いとこの痛みは解らない、という事をメッセージとして投げ掛けています。 虐められている側は、回りの心配や干渉、そして同情を極度に嫌う為に、この問題が表面化しづらく、その為に認知されにくいんだと痛感しました。被害者が被害を自ら隠してしまう。これはとても不幸な事ですね。 「人間は人間をいじめるもの」とても嫌な気分ですが、そう考えると決していじめは無くならない。もし、そうなった時、人はその子供に「人をいじめてはいけない」とか、「なぜいじめはなくならない」と説くよりも、いざいじめにあった時の具体的対処方法や精神論を教えていくほうが、有効的なのかな?と感じました。 | ||||
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賞の選考でよく見かける重松清さんの選評はよく読んでいます。文は結構好きです。 ただ本作においては何だか無理して中学生を書いているようでリアリティを感じることができなかったです。 | ||||
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どうしてこの本がこんなに評価が高い本なのかがわかりません。 某教育雑誌に「子供に読んで欲しい本」と紹介されていたので、 読んでみましたが、いじめの描写があまりにも強烈で 読んだ後、暗い気持ちになりました。 ただ、もし自分の子供がこんないじめにあったら、 親子で乗り越えられるのか考えさせられる本でもありました。 でもこの本は好きではありませんでした。 | ||||
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いじめることもいじめられることもほとんどなかった私にとって、この小説を読んで、いじめの苦しみとか人間関係の難しさを強く思い知らされたことは衝撃的であった。いじめとは日常的に繰り返され、順々にいろんな人にやってくる、昨日笑っていたやつが今日は泣いている。しかし、それでも人は死のうと思ったりするものの、誰かにすがり、生にしがみついていく。だれもが心の奥に生きていくための芯の炎があるのではないだろうか、そんなことを強く感じさせられた一冊であった。 | ||||
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“いじめ”をテーマにした短編集。読み進めるごとに心が抉られていく様な感じになりますが、読み終わった後は不思議な爽快感があります。 氏の親友(相棒)を失ったエピソードを知り、耐え難い状況であっても「生き抜く事」へのメッセージが散見される理由が少しわかった様な気がします。 | ||||
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子供が育つということについて、子供も、母親も、父親もみんな常に一生懸命だ。 一生懸命だからなのだからなのだろうか?優秀な子供を持つ親に憧れる。 しかし、その家の教育が自分の家にそのまま当てはまることは無い。 それでも、自分の家庭だけが何かを間違っている気分になるのはどうしてだ? それを父親の責任にしてみたり母親に原因があるとしてみたりする。 お互いに間違もするし、失敗もする。それを認め、話合っていろいろ考えていくことに意義があるのではないだろうか? 本書の中で「ビタースウィートホーム」に最も共感した。よくここまでそれぞれの心理描写を描くことができる。 教育の悩みは尽きないが、こういう作品に癒される気がする。 | ||||
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やや期待して読んだのが間違いだった。 小学生や中学生と彼らを取り巻く大人たちの、ある意味おどろおどろしい人間の世界が描かれている。 正直、どの作品もいじめやモンスターペアレント(?)などを題材にしてはいるが、リアリティがどれだけあるのかわからない。結局、落としどころが良く分からない。別にハッピーエンドを求めるわけではないが、救いの無い作品群。 プラスになるもの、参考になるものなどほとんど無い。 読後感はとても悪い。 だから同じような「いじめ」にさらされている子供や保護者の方が読んだとしても拍子抜け。 | ||||
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ずいぶん前に読んでの感想なので、もしも思い違いだったら申し訳ない。 私は、この重松清さんの描く人物と言うのは、行動しない人たちだなという印象を持っている。 『疾走』を読んだときも感じたし、この本を読んだときも感じた。 ヒーローと言うのは、愚かであれ、賢くあれ、兎も角行動をするからヒーローなのだ。 しかしこの人の小説のヒーローは行動していない。 現実に翻弄されているだけである。 なぜそういう話が評価されるのか私には分からない。 いや、ちゃんと行動しているよ、と言う方は、コメントを付けてください。 | ||||
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いじめに関する、わりと短いお話が入っている。 読み進めると、心と胃が痛くなる。 でもきっと、現実はもっと悲惨で、哀しくて、怖いのだろうと思う。 親はサインを見極めたいが、子供は凄惨なコミュニティすら無くすのを怖がり、親に隠れて嘘をついてごまかして明るく振る舞って、見つからないようにしている。 だって、解決なんてしないし、あがけばあがくほど終わりが遠ざかっちゃうから。 この本の年代の子供たちがこれを読んで、どう思うんだろう。共感したり安心できたりするんだろうか。 | ||||
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この作品は、小中高生や教育関係者に非常に人気が高い作品である。 しかし、それほどの傑作であろうか? 確かに、緻密な文章で書かれていてテスト問題にはしやすく、一見いじめの現状を写し出しているかのように見える。 しかし、いじめ問題の現状とはずいぶんかけ離れている気がする。 文章がいささか甘いような軽いような気がする。 本当のいじめとは、ナイフで書かれているものよりも想像以上に過酷なのではないかと感じた。 | ||||
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イジメには「ナイフ」のように、本人の努力とまわりの力添えでなんとかなる場合がある。 実際、私(高校3年男子)はクラス中からハブや私物を隠される、靴の中に画ビョウ、と体験した。 結局は無視し続け、一人だけこちらに付いてくれた友人にまわりを抑えてもらい一人で首謀者3人を叩きのめすことで落ち着いた。 これはかなり極端な例になってしまったが、こうなるとやはりその首謀者がイジメに遭うわけなのです。 そのような経験もあり、私には非常にリアルに感じられました。 「嘔吐なんかするのかな」などと思わないでいただきたい。胃炎になりますし、潰瘍だってできる場合もあります。 本人はじゃれてるつもりでも被害者にとっては、洒落になってない場合もあります。 恐ろしいのが、作中にもあった教師や親のノープランでの介入なのだと身に染む思いで読ませていただきました。 ここ数年のインターネットの普及によって陰湿化は進んではいますが、「あぁ、こう言うのあったな」と思える作品でした。 | ||||
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タイトル作含む5作の短編集。 どれもイジメが軸となっている。 イジメと言えば暗くジメッとしたイメージが強い。 目をそらすことなく、そのような世界が描かれているものの、 どの作品も、爽やかなエンディングを迎える。一部の作品では、 思わず、感動して涙があふれそうになるくらい。 文庫版、作品だけでなく、 筆者のあとがきも、お勧めです。 こちらでは、涙があふれそうになったのではなく、あふれてしまいました。 | ||||
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少年少女が主人公。 行われているのは 悪質なイジメ。 私の知ってるイジメより 陰湿で陰険。 これが、今のイジメなの? って、思った。 不思議と 大人の社会は偽善で 満ち溢れていて ここまで、あからさまなのは 少ないんじゃないだろうか。 そんな考えの私は 幸せなんだろうか。 面白いとかってより 何か、つい、考えてしまう。 「いい解決方法あるのに」 なんて簡単に言えないけど。 | ||||
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子供が中学生ぐらいになったら、こんな現実が待ち受けているのかとちょっと心配になる。 いじめに打ち勝って欲しい親、現実を受け入れて何とか生きる子供。 切ないんだけど、シゲマツの小説って背景に青空を感じてしまう。 読後感がすがすがしいというのとは違って、やっぱり青空。 何もかも包み込んでしまう青空。 今、わが子はまだ父親と手をつなぐことに抵抗がないみたいだが、 もうそろそろかなぁ。 いつまで手をつないでくれるんだろう。 | ||||
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この本大好きです 私はこの本を読む前「きよしこ」という本を読んだんですけど 「きよしこ」もよくて、重松清さんの本が好きになりました 「ナイフ」はいじめについてのことなどが 何話もあり、つらいとか、悲しいとか色々な気持ちが描けていて 子どもの気持ちがわかっているから、私も共感できるところがありました いじめのことについて、深く考えられるお話です | ||||
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「きみの友だち」、「きよしこ」、「卒業」、「小さき者へ」・・・切ないけど、読んだ後は心が温かくなる話だった。 でも、この「ナイフ」は今まで読んできた重松清さんの作品とは違う。陰湿で卑怯ないじめに対して生徒とその親が闘う話しである。 文字が目に飛び込んでくる度に、怒りと悔しさでいっぱいになる。こんないじめが許されて良いわけがない。いじめている奴らを片っ端から殴り倒してやりたいという衝動に駆られる。 これは小説だからと自分に言い聞かせても、この世のどこかで同じようなことが起きているのかと思うと、やはりやりきれない気持ちになる。 章の中の少年に負けるな、逃げるなと言いたくなる。 気が付くと自分と同じように怒りを募らせる人が、この章の中の父親として存在している。 違った。負けても良いんだ。逃げても良いんだ。そういうのもありなんだって、思い知らされた。 僕の妻は、この本を読もうとしません。残酷だからだと。きれいな物を見るだけではなく、残酷なこともあるのだと知ることも大切だと思う。 それを知らないから、簡単に人をいじめてしまうのだと思う。 でも、妻はいつかこの本を読むような気がする。何となくそんな気がします。 僕は、この本を今の中高生に読んでもらいたいと思う。読んだ後、どんな風に感じたなどは期待していない。そういうこともあるのだと知ってほしい。 | ||||
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重松清さんの小説は全て読ませていただいております。 どれも、これも人間世界をとてもリアルに表現していらっしゃって どの作品も、ぞくぞくしながら読ませていただいております。 | ||||
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重松清の短編集。 ・ワニとハブとひょうたん池で ・ナイフ ・キャッチボール日和 ・エビスくん ・ビタースィート・ホーム の五編が収録されています。 坪田譲治文学賞受賞作。 重松さんの作品の中で比べても、ペシミスティックな雰囲気が濃い。家族、いじめ、相棒、というキーワードでまとめられていると言えると思うけれども、実は陰のテーマとして「弱さ」もあるんじゃないだろうか。 今作の主人公は、弱い親と、弱いなりに誇りを持とうとする子供、という構図が多い。 裏を返せば子供は誇りだけでやっていけるが、親になると暮らしを立てなくてはならない。その過程で抜け落ちてしまうものは何か、と考えた方がいいんだろう。 読んでいて苦しくなる作品だと思うので、そういうものだと心の準備をしてページを開いた方が良いと思います。 | ||||
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