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猿猴
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猿猴の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.29pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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『蓬莱洞の研究』など著者の一連の洞窟ものの系譜と、猿田彦伝承にまつわる伝承と民俗学、『聖徳太子訳未来記』に記された予言、ヒロインがずっと聞き続けたシャンバラの声など、さまざまのラインがからみあって、これまでヒトに追い落とされてきた「猿族」のリベンジが・・という、壮大な規模の物語。 登山が趣味であったヒロイン伊佐奈美江は、猿神の禁止した日に、真白山にのぼって吹雪で流産、翌年の同じ日には、仲間と同じ山にのぼって、得体の知れない不気味な猿のミイラを封じた土仏たちのおさめられた洞窟で、突然「猿神」に取り憑かれた男のせいで妊娠……というのが発端です。 生まれた子どもをうばいとった猿女会という教団が暗躍、子どもを取り戻したい奈美江に力を貸す埋蔵金発掘マニアの男たち、そして民俗学に造詣の深い探偵、岩波。彼らに後押しされて、「聖母」奈美江は、神話の地出雲から、孫悟空の故郷中国へ・・・教団は野人と呼ばれる猿人を操り、幻の猿族のシャンバラを探し求め、ついに明かされる謎、そして驚愕のどんでん返し・・・ この著者がもてるかぎりの奇想をすべて繰り出して織り上げた究極のSF叙事詩というべきでしょうか。最後までさきが読めず、どうしても本をおくことができずに読み終えました。一見、小さな家庭の主婦の気まぐれから始まったようなこの物語が、人類史をゆるがす大陰謀へとふくらんでゆく見事さと、著者がこれまで他の小説で十分に培ってきた濃い人物描写、神話伝承の絡ませかた、洞窟探険の迫力、そうしたディテールのリアリティにも感服しました。 「渾身の」と本の背にありますが、まさに著者にとって渾身の入魂の一作ではないかと思います。 | ||||
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