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パレード
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パレードの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.76pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全32件 1~20 1/2ページ
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コレは結構好き嫌いが分かれるのは世代が関係するかもしれません。 私自身2000年代前半に東京でシェアハウスで生活していたので、この小説の様なリアルとモラトリアムの間の様な空気感を懐かしく感じて読めますが、古臭いと感じる人の気持ちもわかります。2024年に久しぶりに読んだら少し恥ずかしいセリフや言い回しがノイズになりました。 また、ラストは初めて読んだ当初はもう少し鮮やかな印象があったのですが、今回再読するとあのラストを活かすには余りにも伏線が弱いと感じざるを得ません、あの頃はそれほど伏線を仕込む小説も今ほどはなかったのでしょうか?今ならもう少し上手く仕上がってたように思います。 とは言え、確かにあの頃の空気感をよく表現できており、いまとは違いエモに走らない群像劇はある世代にとっては確かにリアルであったとは言えます。 | ||||
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〇 この作者のパークライフが良いと思ったので手に取った。 〇 凝った造りの小説だなというのが最初の印象。こんな話はあり得ないだろうというのがその次に来た感じ。いや待てよ、若い人たちの陰の部分を描くことで時代を描いているのかもしれないな、というのが最後の結論である。 〇 同じアパートの5人の住人ひとりひとりが他の住人について語るという形式をとることによって、現代の若者の群像が浮かび上がる。彼らは多彩な背景を持ち性格も様々だが、同居人の凶行を何となく知りながら見て見ぬふりをするそんな希薄な人間関係を結ぶ人たちである。現代の若者はそんなものなのだと作者は言いたいようでもあり、最後に凶行を止めに入ることで、根底には深い思いやりがあり相互につながっているのだと言いたいようでもある。どちらなのだろう? 〇 小説制作技術として見るとおもしろい。第一に、アパートの住人の人間関係について、5人の住人それぞれの口で語らせていることだが、これはひとりの人物が平面的になるのを回避して深みと奥行きを生んでいる。第二に、住人によって紹介される多くのエピソードがそれぞれが孤立しているように見えて、ちょっとしたイメージ(例えば、甲州街道、ザッピング、120分テープなど)によって、お互いに喚起しあうように仕組まれている。第三に、最後に通り魔事件犯人の種明かしがされることによって、それまでは孤立したエピソードの緊張に欠ける羅列のように見えていた物語が急にかっちりとした構成を持つ全体像をみせるという仕組みになっている。 〇 楽しめた。 | ||||
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様々な内面を持ちながら普通に生きる若者たちを描く筆力は筆者ならではですが、問題の大きさに対して中途半端な小説に終わった感があります。 | ||||
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どんでん返しのある小説として紹介されてて確かにオチが読めなかったのでそこは良かったです。 しかしながら釈然としない。もうちょっと釈然としたかった。 「見て見ぬふりするのは優しさじゃなくて自己防衛かな」とわからないなりに思いました。 | ||||
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うーん、結論からいえば読んでよかったと思える作品でした。 あくまで個人の意見ですが、いまひとつしっくりとこない部分があったかなーと思います。 調べてみると出版されたのが2002年なんですね。この本が書かれてから15年ほど経っているわけですが、ここにしっくりこなかった理由がありそうです。 この小説の肝であるルームシェア、それにまつわる人間関係ですが、2000年初めと現在では事情が違ってきているというのもあるかもしれません。悲しいかな、今ではこの小説でゾクッとくるものが当たり前になりつつある時代です。 | ||||
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文末の解説で川上弘美が「こわい小説」と表現している。私には、敢えてそれに付言すると、「訳の分からないこわさ」ということになるだろうか。 4人の若者、途中から5人になるが、マンションの一部屋で同居している。その5人がそれぞれ一人称で、自分を語り、他の4人を語るという 構成になっている。どこにでもいると言えば、それまでの「今どきの若者たち」である。年長者からそれぞれ不安定で、将来へのビジョンもないと 言われそうな5人だが、別に悪人にも見えない。ただ、作者の吉田修一は、「怒り」と同じような仕掛けを入れてくる。5人の何気ない会話で、 最近近所で女性が襲われる事件が相次いでいることが触れられる。だが、犯人探しや、謎解きが進むわけでない。相変わらず、5人の日常が 描かれていくだけだ。最後の第五章までは。第五章での事件に触れることは、ネタバレにはなるだろう。だが、それに触れたとして、この作品の 「意図」が分かるとも思えない。読後、私もこの作品については、理解できないこわさを抱えたままになる。不条理などという言葉で片付けると 全てが見えなくなる。とは言え、もう少し読者にも「分からせてやる」気持ちが合っても良かったのでないかと、私は思っている。 | ||||
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最初の良介や琴ちゃんのやり取りくらいまでは、同じ作者の青春小説「横道世之介」を思わせる、トホホな和みを感じさせる内容なのですが、だんだん趣きが変わって行って、最期にはとんでも無いオチが待っています。 皆んなどこまで解ってたの?解っているのに、望まない妊娠について相談したりしてたの? 小説だからこそ力技で、納得させてるけど他の手法でこのオチをオチとして表現するのは難しいだろうと思って映画も怖いもの見たさでチェックしたけど、案の定上手くいっているとは思えなかった。 でも、読み物としては面白く読んで、読み終わると同時に又読み直してしまいました。 | ||||
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今ってこの感じが普通だと思う。 書かれた内容に時代が追い付いたような気がした。 ナイフを持ってる人間がいても、その切先が自分に向かなければ無関心。 自分が傷つかず安穏と過ごせるなら、他人の抱えた闇なんて知らない。 そう思ってしまう自分が一番怖いのかもしれない。 | ||||
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おもしろい! こんな日常は普通にあり得るようなリアルなストリーです。 | ||||
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吉田修一さんの本は何冊か読みましたが、同性愛者の話が多いですね。このパレードに登場する少年も新宿で体を売って生計を立てていることになっています。一般人からすれば、そのような事が良くあることのようには思えず、ちょっとリアリティーを感じません。 若い人たちが2LDKのマンションに同居しているという設定はとても面白いのですが、一番落ち着いて、しっかりしていると認められていた一人が突然ストーカーと変わるところが唐突でよく理解できない。前ふりとしてそのストーカーの話題が少しは出てくるが、そんな事よりも日常生活の話題の方に読者の注目を集めていて、突然夜道を歩いている女性に危害を加えるシーンになっているのは、著者の作戦なんですかね。それを高く評価していた、川上未映子さんの書評も読みましたが、やはり人の好みはそれぞれという事ですかね。 被害者の女性は顔を潰されてしまうのだが、犯人がなぜそのような事をするのかについては何の示唆も無く、腑に落ちない。理由もないのにそんな事をする人間がたくさんいるとも思えない、リアリティーに欠ける。 ストーリーに拘る私としては、たったそれだけの話に、何でこんな長い話が必要だったのかという気がします。 | ||||
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不思議な関係性で同居してる男女5人の物語、それぞれの語りで始まる 淡々とした内容であるがぱっとしない日常に埋没したような人々を描き だす手法はうまい、しかし最終章の意外な結末含めなぜか共感できない というのが読後の感想である。 | ||||
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都会に暮らす若者の群像劇。各章ごとに一人称で登場人物を描くことで、それぞれのキャラクターが際立ち、物語に引き込まれます。映像化を最初に想定して小説を書いているのかも知れません。巷にありそうな物語が、恐怖に裏打ちされたものだと知る衝撃に「やられた」と思いました。 | ||||
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あるマンションで共同生活することとなった5人それぞれの視点をリレーしつつ 彼らの日常が描かれます。 展開は作品のはじめから一貫した調子で、単にいろんな日常の出来事を通じて、各人物の内面が語られるパートが続きます。 そして終章でガラっと変わり、途端に終了 僕は最初読み終わったとき、終章の展開に対し「なぜそういうことをするのか」と、単にかなりムカつきました。 それで、理不尽さを解消するため、とりあえず「怖い」「ゾクッとする」等のいろんなレビューを読みました。 この小説には実に多くの伏線が周到に張られていたことを知り 自分がまんまと(伏線を)読み過ごしてしまったことに吃驚し 解釈次第では、成る程、登場人物の「ペルソナ」は登場人物同士だけでなく、読者である自分自身にも向けられていたのだ、 作中の人物の共同生活を神の視点で眺めているつもりだった自分(読者)が 実は登場人物に観察されていた感を覚えました。 そういう文脈で読み返すと、人物の印象が180度変わります。 「あ〜なるほどね。たしかにね〜。ゾックとするね〜」と思いましたが、やっぱり怖くないです。 リアルじゃないからです。 設定自体は現実にありえなくもないとは思います。 破天荒な若者同士が集まって生活する。 自分の内面は曝け出さずに、相手に応じて自分を自然に演出する。 このこと自体は別に心理学的にごく普通に観察されることで、怖くもなんともありません。 ただ「怖い」「ゾクッとする」文脈で読み返してみると、テッド・バンディなんかう◯こと言わんばかりに、登場人物たちの演出ぶりが完璧すぎるのです。 ただ一人、もう一歩足を踏み出せなかった人物を除いて。 この小説が不気味だと思う所以は、登場人物のほぼ全員が、「極端なまでにそれを徹底しきれている」ことにあります。 しかしそれは同時に、「サイコパスのトップエリートばかりが集まって、たがいに欺き合いながら快活な生活するようなもの」です。 リアルからかけ離れていて、結局創作なんだと思うことになりました。 それはそれで(そういうプロットだから)構わないし、描ききる筆力には驚きます。 さはあれ、読み進めているうちに、村上春樹と、(比較的ライトな作品における)村上龍を足して2で割ったような感じの展開(小気味よすぎる綺麗すぎる展開、あらゆる価値を単に傍観しているような冷たさ、グロそのものを描いた単なるグロ)に 若干うんざりしました。 というのも 僕は吉田さんの作品の「悪人」の重さと清々しさに感動して他の著書を読み始めたので、正直「悪人」に比べると格調がガタ落ちしている感を味わったからです。 少し吉田さんの印象が変わってしまいました。 | ||||
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最初に映画を観て、その衝撃的なラストに原作を読んでみようと思った。読み終わった感想は、やはり唐突過ぎるラストに違和感を感じることである。登場人物の中で定職について一番まともな直輝がなぜあのようなことをするのか理由がわからない。理由が無いからこそ怖いのであれば、性格が破綻しているか、それを示唆する行動が描かれてしかるべきだと思う。そこの描写が無いから唐突なのだ。 登場人物の浮遊感はうまく描写されていて、底なしの孤独感も感じられるが、お互いにお互いのエリアに踏み込まないということを際立たせるためのラストであるなら失敗だと思う。小説か映画かといえば映画のほうを勧めたい。ラストに直輝を一斉に見る登場人物の視線は何かを語っている。 | ||||
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えーっ、この程度で怖いの? が、最初の感想。提出された唯一の不穏に予定調和的に登場人物が絡まっていった。まぁ、最後の犠牲者は文面からいっておそらく死んでいるのだろうが、文芸なのに期待し過ぎたか? もっともそうはいっても構成に無駄はないし、話自体も面白い。特に青年男娼とおこげの人物造詣が上手いのは作者の好みか性格か? | ||||
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ずいぶん前に小説を読んで、最近映画版も観ました。 初めて小説で読んだ時、正直、全く驚きもしなかったし怖いとも思いませんでした。 つまらない訳ではないけど、「何も感じないお話だな」と。 皆さんのレビューでの解説を読んで「なるほど、そーゆーことを表しているのか、そこが怖いのか」などと頭ではわかるのですが、心にはすっと入ってこない、なんだかモヤモヤした気分でした。 しばらくして映画が公開され、もう一度映像で観れば何かわかるかしら?と観てみたものの、やっぱり何も感じませんでした。 みなさんの評価は軒並み高いし、解説されいる内容もわかるし、決してつまらない作品ではないのだけど、自分の気持ちとしてはなんだかしっくりこない。 なぜだろう? と、考えた時、気づきました。 この、「なにも感じない。」 ことこそが、リアルなんだと。 自分自身が小説の彼等と同じだから、なにも不自然に感じないんだと。 小説の中で描かれている怖さに、違和感を感じない。 なぜなら自分自身が、登場人物のひとりだから。 これほどのリアルはないな、と思いました。 | ||||
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身近にルームシェアしてる友達が居る身としては、 生活の描写や、それぞれのやり取りに思い当たる節が多かったです。 けれど友人たちは「話したいことを話してる」ので、それが大きな違いだな、と思いました。 この小説に出て来る登場人物は、決められた役割に沿って、慎重に空気を読んで、 最大公約数の話をしている、そんな印象を受けます。 作中、とある事件が同時進行していくんですが、話が進んで行くうち、 「もうこのまま思わせぶりに、事件は未解決のまま終わればいいのに」と思っていました。 あの終わらせ方は、問題のすり替えというか、どこか真摯じゃないと思います。 良介の、車が綺麗に並んで進む話だとか、琴ちゃんの過去、 それぞれのエピソードが面白かっただけに、妙な落とし方で勿体ないと思いました。 | ||||
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私は、本書のレビューを見て興味を持ち、読み始めました。 最初のうちは、男女5人の共同生活がダラダラと書かれている。 しかし、最終章を読んだ後には、そのダラダラと書かれていた 共同生活がとてつもなく怖ろしいものに一変する・・・ って感じのレビューを見てたので、最終章に起こるなにかを もの凄い期待していたのだが、期待し過ぎたが故に、「あれっ、 こんなもんか?」と期待外れになってしまった。 著者も言っていたことだが、数回読めば、また、違ったおもしろさ が出てくるとは思う。時間があれば、最初から読み直してみたいと は思う。 | ||||
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人と人とのつながりのなかで、近すぎない関係の中で生まれる「無関心」。 同じ空間を共にし、兄弟のように接して軽口を叩いても、彼らのあいだには、心地いい無関心が流れている。 でも、そんな無関心は、実は心地いいものなんかではない。 とても、恐ろしいものだ。 登場人物の年齢層は10代〜20代。 主人公の彼らはそれぞれ闇を抱えていて、どこかしら私たちとつながる部分を抱えているようにも思える。 けれど、この小説に描かれている人物は、あまりにも軽く、薄っぺらいし、陳腐だと思う。 ゲームの設定のように現実感が無い。 少なくとも私はこの小説の登場人物のように、現実感のない、心の触れ合いのない人間関係は築けない。 全く共感できなかった。 だから、もしこの小説が現代の若者を揶揄しているなら、私は「違う」と言いたい。 こんなにも、触れ合いのない、つめたい外面だけの関係など、いらない。 読み進むのが苦痛なわけではなかったが、読後は不快だった。 ひとつのメッセージ性を持った小説であるとは思う。上手いやり方でそれを浮かび上がらせているとも思う。 けれど、陳腐な寸劇を見ているような、入り込めない現実味の無さが、私には合わない小説だった。 | ||||
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最初の印象と最後の印象があまりにも違いすぎる。 私はこの本を笑いながら読んでいた。 文体のセンスが良く、ユーモアに溢れ、気持ちのいい空気だった。 あれはないだろう。 ああいうのを想像してはいなかった。 | ||||
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