紙の月

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評判

紙の月の評価:

3.79/5点 レビュー 162件。 B ランク

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平均点3.79pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全317件 301〜317 16/16ページ
No.17
(5pt)

切ない・・・

誰もが、この本の中に登場する様々な人物の要素を持ちえていて、共感する部分が多いのではないかと感じました。真面目でごく普通にきちんと育った娘・・・そういった女性が、日々の結婚生活の中で少しづつ澱をためてゆき、ほんの少しのきっかけから、次第次第にずれてゆき、気づいたときには、元に戻れなくなっていたという、誰もが、陥る可能性のあることなんだよと示唆されているように感じました。
紙の月 (ハルキ文庫 か 8-2) Amazon書評・レビュー: 紙の月 (ハルキ文庫 か 8-2)より
4758438455
No.16
(5pt)

切ない・・・

誰もが、この本の中に登場する様々な人物の要素を持ちえていて、共感する部分が多いのではないかと感じました。真面目でごく普通にきちんと育った娘・・・そういった女性が、日々の結婚生活の中で少しづつ澱をためてゆき、ほんの少しのきっかけから、次第次第にずれてゆき、気づいたときには、元に戻れなくなっていたという、誰もが、陥る可能性のあることなんだよと示唆されているように感じました。
紙の月 Amazon書評・レビュー: 紙の月より
4758411905
No.15
(5pt)

日常から破滅へ。一気に流れる恐ろしい物語

伊藤素子のあの1億円横領事件をモチーフにしたこの小説、抑圧された主人公の心の移ろいと破滅に向かってひたひたと進行していく様が
わかり易い文体でスリリングに描かれており、私は非常に面白くて一気に読破しました。
穏やかな家庭の主婦でありながら夫の言動から抑え込まれた感情を持ったひとりの主婦が保険会社にパート勤務をします。
営業を担当し努力を重ねて顧客に可愛がられるようになり、成績を上げ成績優秀な保険レディに変わって行く過程で、
年下で映画監督を夢見る貧乏学生との出会いがありその男への複雑な感情が愛情に変わって行きながら、
どんどん破滅への道を辿って行く。
彼女は若い頃から正義感が強くボランティア活動にも積極的に参加していた事が
結果的にはその貧乏学生を救い上げようとする感情の基になってしまいます。
どこか怯えたように毎日を過ごしていた主人公は、徐々に考え方まで変わって行き
顧客から預かったお金に手をつけて行く。
そこからの転落過程の心の描写が非常に上手く、一気に読ませられます。
これは非常に怖い物語。
誰もがこの主人公のようになり得る、“つまずく”題材は日常に潜んでいる…という事を思わせる
不気味な怖さを持った物語です。
紙の月 (ハルキ文庫 か 8-2) Amazon書評・レビュー: 紙の月 (ハルキ文庫 か 8-2)より
4758438455
No.14
(5pt)

日常から破滅へ。一気に流れる恐ろしい物語

伊藤素子のあの1億円横領事件をモチーフにしたこの小説、抑圧された主人公の心の移ろいと破滅に向かってひたひたと進行していく様が
わかり易い文体でスリリングに描かれており、私は非常に面白くて一気に読破しました。
穏やかな家庭の主婦でありながら夫の言動から抑え込まれた感情を持ったひとりの主婦が保険会社にパート勤務をします。
営業を担当し努力を重ねて顧客に可愛がられるようになり、成績を上げ成績優秀な保険レディに変わって行く過程で、
年下で映画監督を夢見る貧乏学生との出会いがありその男への複雑な感情が愛情に変わって行きながら、
どんどん破滅への道を辿って行く。
彼女は若い頃から正義感が強くボランティア活動にも積極的に参加していた事が
結果的にはその貧乏学生を救い上げようとする感情の基になってしまいます。
どこか怯えたように毎日を過ごしていた主人公は、徐々に考え方まで変わって行き
顧客から預かったお金に手をつけて行く。
そこからの転落過程の心の描写が非常に上手く、一気に読ませられます。
これは非常に怖い物語。
誰もがこの主人公のようになり得る、“つまずく”題材は日常に潜んでいる…という事を思わせる
不気味な怖さを持った物語です。
紙の月 Amazon書評・レビュー: 紙の月より
4758411905
No.13
(4pt)

誰にもある、満たされないもの

逃亡劇ではなく、逃亡にいたる過程がていねいに描かれています。
主人公の梅澤梨花にとって、1億円の横領は目的ではなく結果。引き返せない道にたたずむ自分に気が付き、歩み続けるしかない。そういうせつなさであり、やるせなさであり、理由なき理由が書き込まれているのは、角田さんの巧さですね。周辺に、梅澤梨花と過去に接点をもった男女のミニストーリーが描かれ、平行して進む。それぞれの共通点は、満たされないものに対する抗いであり、逃避なのだと思います。その手段として、横領であったり、浪費であったり、倹約であったりと、お金の存在絡ませていますが、そこに、誰にもある満たされないもの、のリアリティがあるように思います。
紙の月 (ハルキ文庫 か 8-2) Amazon書評・レビュー: 紙の月 (ハルキ文庫 か 8-2)より
4758438455
No.12
(4pt)

誰にもある、満たされないもの

逃亡劇ではなく、逃亡にいたる過程がていねいに描かれています。
主人公の梅澤梨花にとって、1億円の横領は目的ではなく結果。引き返せない道にたたずむ自分に気が付き、歩み続けるしかない。そういうせつなさであり、やるせなさであり、理由なき理由が書き込まれているのは、角田さんの巧さですね。周辺に、梅澤梨花と過去に接点をもった男女のミニストーリーが描かれ、平行して進む。それぞれの共通点は、満たされないものに対する抗いであり、逃避なのだと思います。その手段として、横領であったり、浪費であったり、倹約であったりと、お金の存在絡ませていますが、そこに、誰にもある満たされないもの、のリアリティがあるように思います。
紙の月 Amazon書評・レビュー: 紙の月より
4758411905
No.11
(5pt)

「梅澤梨花(41歳)」を体感する313頁

帯書きは「梅澤梨花(41歳)が1億円を横領した。梨花は海外へ逃亡する。彼女は果たして逃げ切れるのか?」とあり、タイでの梨花の話から始まる。

しかし、「彼女は果たして逃げ切れるのか?」という点に、本書の「スリリングで、狂おしいまでの切実な」内容はない。
その後は、梨花と過去のある時期に接点のあった複数の同世代の者達の現在が描かれていく。
その別々の現在が、ぼんやりと ゆっくりと しかし 確実に絡み合う螺旋が 次第にラストへと上り詰めていくところにこそ、本書の感じるべきところがある。
その絡み合いを、彼女達の心理描写から感じるか、ちょっとした台詞や描写が重複する点から気付いていくのか、いずれにしても、その絡み合いを感じるならば、本書の終盤は正に角田光代ならではの、濃厚なものとして堪能できるだろう。そして、「紙の月」というタイトルの妙、この何でもない言葉の組み合わせにどれだけの人間の心の果てるなき深さがあることか・・・

それにしても、角田光代は、比較的ドライな描写から、次第にネットリと纏わりつくものを読者に感じさせるのが上手い。「梅澤梨花(41歳)」という、実体のある一人の女性が、いつしか、人が誰もが心のどこかに抱えるものの集合名詞のように転じていくところは、同世代の女性にはどう感じられるのだろう。

あと、時代時代の風俗描写もそうだが、チェンマイやバンコクの描写は、さすが旅好きの作者の面目躍如というべき活き活きとしたもので、これがものすごく最後に効いている。
紙の月 (ハルキ文庫 か 8-2) Amazon書評・レビュー: 紙の月 (ハルキ文庫 か 8-2)より
4758438455
No.10
(5pt)

「梅澤梨花(41歳)」を体感する313頁

帯書きは「梅澤梨花(41歳)が1億円を横領した。梨花は海外へ逃亡する。彼女は果たして逃げ切れるのか?」とあり、タイでの梨花の話から始まる。

しかし、「彼女は果たして逃げ切れるのか?」という点に、本書の「スリリングで、狂おしいまでの切実な」内容はない。
その後は、梨花と過去のある時期に接点のあった複数の同世代の者達の現在が描かれていく。
その別々の現在が、ぼんやりと ゆっくりと しかし 確実に絡み合う螺旋が 次第にラストへと上り詰めていくところにこそ、本書の感じるべきところがある。
その絡み合いを、彼女達の心理描写から感じるか、ちょっとした台詞や描写が重複する点から気付いていくのか、いずれにしても、その絡み合いを感じるならば、本書の終盤は正に角田光代ならではの、濃厚なものとして堪能できるだろう。

それにしても、角田光代は、比較的ドライな描写から、次第にネットリと纏わりつくものを読者に感じさせるのが上手い。「梅澤梨花(41歳)」という、実体のある一人の女性が、いつしか、人が誰もが心のどこかに抱えるものの集合名詞のように転じていくところは、同世代の女性にはどう感じられるのだろう。
紙の月 Amazon書評・レビュー: 紙の月より
4758411905
No.9
(4pt)

お金と心の、不思議な関係

あいかわらず巧いです。主人公が少しずつおかしくなっていく様子が、これでもかこれでもかというくらい丁寧に綿密に描かれています。私はまともな経済観念をもっている自信があるのに、読んでいくうちに主人公の狂気に引きずられそうになるような恐怖を覚えました。最後まで読んだら、もしかして私も道を踏み外してしまうかも…と。彼女は完全におかしいと理性ではわかっているのに、他人事ではないという切実さ。

お金って、時にはほんとうに不思議な魔物だなと、あらためて感じました。お金に支配されることもある、人の心もまた不思議。そんな大きなテーマをこれだけ執拗に描く力量に、いつもながら感服です。

ですが「対岸の彼女」「八日目の蝉」のような読後感ではないので、★は1つ減らしました、ごめんなさい。
紙の月 (ハルキ文庫 か 8-2) Amazon書評・レビュー: 紙の月 (ハルキ文庫 か 8-2)より
4758438455
No.8
(4pt)

お金と心の、不思議な関係

あいかわらず巧いです。主人公が少しずつおかしくなっていく様子が、これでもかこれでもかというくらい丁寧に綿密に描かれています。私はまともな経済観念をもっている自信があるのに、読んでいくうちに主人公の狂気に引きずられそうになるような恐怖を覚えました。最後まで読んだら、もしかして私も道を踏み外してしまうかも…と。彼女は完全におかしいと理性ではわかっているのに、他人事ではないという切実さ。お金って、時にはほんとうに不思議な魔物だなと、あらためて感じました。お金に支配されることもある、人の心もまた不思議。そんな大きなテーマをこれだけ執拗に描く力量に、いつもながら感服です。
ですが「対岸の彼女」「八日目の蝉」のような読後感ではないので、★は1つ減らしました、ごめんなさい。
紙の月 Amazon書評・レビュー: 紙の月より
4758411905
No.7
(2pt)

駄作です

新聞の書評で購入してみましたが完全な駄作です。売らんがための書評と見られます。主人公の女性もその若い恋人も全く実態感がありません。
これは作者の社会、人生経験が乏しく、無理やり構築した人物像だからでしょう。せっかく高い本を買ったのだからと眠い目をこすりながら読み続けましたが、半分ほど進んだところでとうとう本を投げ出しました。そして最後の章へジャンプしました。
極めてありきたりなエンディングが待っていました。
紙の月 (ハルキ文庫 か 8-2) Amazon書評・レビュー: 紙の月 (ハルキ文庫 か 8-2)より
4758438455
No.6
(2pt)

駄作です

新聞の書評で購入してみましたが完全な駄作です。売らんがための書評と見られます。主人公の女性もその若い恋人も全く実態感がありません。
これは作者の社会、人生経験が乏しく、無理やり構築した人物像だからでしょう。せっかく高い本を買ったのだからと眠い目をこすりながら読み続けましたが、半分ほど進んだところでとうとう本を投げ出しました。そして最後の章へジャンプしました。
極めてありきたりなエンディングが待っていました。
紙の月 Amazon書評・レビュー: 紙の月より
4758411905
No.5
(4pt)

日常と大罪は意外に近くにある…かも。

角田光代さんは好きな作家の1人です。 歯車がほんの少しずれてしまったことで、大きく踏み外してしまう、そんな人間誰にでも起こりうる事を書いてくれる、貴重な作家さんだと思います。 億単位の金額を横領してしまった女性の話ですが、少しずつタガがはずれてしまう心理がとても共感できて、怖いくらいでした。 ストーリーは梨花目線の他に、他者目線で描かれている章があるのですが、欲を言えば貢がれている男性目線の章も欲しかったかも。 あとはラストがちょっとスッキリできないのでマイナス星ひとつ。 でもヒリヒリする感じ、切なくて痛くて空々しくないリアリティ抜群の心理描写、さすがだと思います。
紙の月 (ハルキ文庫 か 8-2) Amazon書評・レビュー: 紙の月 (ハルキ文庫 か 8-2)より
4758438455
No.4
(4pt)

日常と大罪は意外に近くにある…かも。

角田光代さんは好きな作家の1人です。 歯車がほんの少しずれてしまったことで、大きく踏み外してしまう、そんな人間誰にでも起こりうる事を書いてくれる、貴重な作家さんだと思います。 億単位の金額を横領してしまった女性の話ですが、少しずつタガがはずれてしまう心理がとても共感できて、怖いくらいでした。 ストーリーは梨花目線の他に、他者目線で描かれている章があるのですが、欲を言えば貢がれている男性目線の章も欲しかったかも。 あとはラストがちょっとスッキリできないのでマイナス星ひとつ。 でもヒリヒリする感じ、切なくて痛くて空々しくないリアリティ抜群の心理描写、さすがだと思います。
紙の月 Amazon書評・レビュー: 紙の月より
4758411905
No.3
(4pt)

表紙は切ないホームドラマみたいだが中は地獄である。

桐野夏生?と思わせる展開。しかしそれはそれで良い。
この人は「蝉」以降信頼出来る作家になったと思う。
日常のふとしたキッカケで壊れてゆく女性の心理状態を描かせると今ピカイチなんではないか。
若い男にのめり,金銭感覚を失うこの主人公を男性作家が描いたらきっと性描写が引くほど濃密で露骨過ぎ,女性がアホみたいな性奴隷になったりするんだろうが,そんな展開じゃないしその辺の表現も抑制がきいててリアル。

壊れる動機付けは愛欲とか物欲とかそんな単純なことではなく,その心の闇はとても説明出来ない,ましてや他人では理解出来ない,いや本人すらわかっていないのだがそれは曖昧でいて激しい飢餓感を伴うもの。
そのあたりの心理描写がすごい臨場感でヤバイ影響力あり,私など男であり主人公に共鳴する部分など微塵もないのに主人公のボーダーレス感が移ってメンタルがダークに。
その位吸引力が凄いってことだけど結構人によっては「よくある話普通だな」とか思うかも。でもちょっとでも主人公と同じ部分がある女性だったら尋常でなく落ち込むので読まない方が吉かも。
表紙は切ないホームドラマみたいだが中は地獄である。

私にはクセになる毒だが。
紙の月 (ハルキ文庫 か 8-2) Amazon書評・レビュー: 紙の月 (ハルキ文庫 か 8-2)より
4758438455
No.2
(4pt)

表紙は切ないホームドラマみたいだが中は地獄である。

桐野夏生?と思わせる展開。しかしそれはそれで良い。
この人は「蝉」以降信頼出来る作家になったと思う。
日常のふとしたキッカケで壊れてゆく女性の心理状態を描かせると今ピカイチなんではないか。
若い男にのめり,金銭感覚を失うこの主人公を男性作家が描いたらきっと性描写が引くほど濃密で露骨過ぎ,女性がアホみたいな性奴隷になったりするんだろうが,そんな展開じゃないしその辺の表現も抑制がきいててリアル。

壊れる動機付けは愛欲とか物欲とかそんな単純なことではなく,その心の闇はとても説明出来ない,ましてや他人では理解出来ない,いや本人すらわかっていないのだがそれは曖昧でいて激しい飢餓感を伴うもの。
そのあたりの心理描写がすごい臨場感でヤバイ影響力あり,私など男であり主人公に共鳴する部分など微塵もないのに主人公のボーダーレス感が移ってメンタルがダークに。
その位吸引力が凄いってことだけど結構人によっては「よくある話普通だな」とか思うかも。でもちょっとでも主人公と同じ部分がある女性だったら尋常でなく落ち込むので読まない方が吉かも。
表紙は切ないホームドラマみたいだが中は地獄である。

私にはクセになる毒だが。
紙の月 Amazon書評・レビュー: 紙の月より
4758411905
No.1
(4pt)

ヒリヒリする感触がよい

桐野夏生?と思わせる展開。しかしそれはそれで良い。
この人は「蝉」以降信頼出来る作家になったと思う。
荒涼とした心理描写やヒリヒリするような緊張感が心地いい。
ふとしたキッカケで壊れてゆく女性の危うさを描かせると今ピカイチなんではないか。男性作家で同じ話だと性描写が露骨過ぎて長く,女性が性奴隷になったりするんだろうが,その辺の表現に抑制がきいてて逆にリアル。

決して楽しくなく読んでて気持ちが沈むけどクセになる毒。
紙の月 Amazon書評・レビュー: 紙の月より
4758411905