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死の扉
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【この小説が収録されている参考書籍】
死の扉の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.21pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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レオ・ブルースといえばビーフ巡査部長シリーズを思い浮かべるが、本書はビーフシリーズの終了後に書かれた歴史教師:キャロラス・ディーンのシリーズ一作目。 因業ババアと警官が犠牲になった二重殺人事件が発生するが、ババアに恨みを持つ容疑者が大勢いて、犯人の目星がつかない、というスト-リー。 正直言って、メインのアイデアについては、現代の読者ならば途中で見当がつくだろうと思う。 とはいえ、そのアイデアに付随するいくつかの謎に対する解決はなかなかよくできている。 また、いくつかの場面について、当初読者に植え付けられた印象がディーンの推理によって一変することもあり、なかなか巧緻な構成。 ただし、ストーリは基本的に容疑者への尋問によって展開されていくので、やや起伏がなく地味な印象だが、多彩な登場人物が描き分けられ、読者がなるべく退屈しないような配慮がなされている。 適度なユーモアもあり、古典的なミステリーが好きな方なら十分に楽しめると思います。 | ||||
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被害者となっても仕方がなさそうな人物が殺され、殺人の動機がある人物たちが次から次へと登場し、この中の誰かが犯人だけどわかるかい?みたいな内容のミステリーであります。 探偵役は歴史教師で、相棒役はトテモ少年とは思えないタメグチを叩く生徒。このほか普段は教師の仕事以外のことに口を出す(素人探偵業)ことについてクドクドとイヤミを言うくせに、大円団の場にはなぜか居合わせてしまう校長先生など、登場人物のキャラクターがなによりわかりやすい。 内容的には、あっという驚愕感に満ちたところは正直言ってありませんでして、この本にしてもかなり前半のところで、理屈ではなくカンで「怪しいぞぉ」と思える人物がいて、実際そのとおりだったときには些か拍子抜けもしました・・・が、シリーズ化になっていれば次も読んでみようかなー、という気にはさせられるものでありました。 | ||||
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金貸し老婆が殺されるというシチュエーションも、捜査過程も、解決シーンもオーソドックスな内容で奇をてらったものではない。よって強烈な印象は残さないが、ディーンやその教え子プリグリーが捜査途中で出会う人々が個性的でテンポもよく、読後はどことなくユーモラスと一種の爽やかささえ感じる。最近の重厚なミステリは血なまぐさい猟奇的なシーンが多かったり、逆にコージーミステリは恋愛など謎解き以外の部分に比重が置かれすぎている作品が多かったりするが、このような作品を読むとほっとします。表紙のデザインもいい。他のブルース作品も是非、翻訳して欲しいです。 | ||||
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いいね!!と致しましたがもっと文庫本で読みたいのですが!!? ☆評価は5。東京創元社御中!! 取り急ぎ・・続けて出ると思ってたのですが、出ない、・・。残念!! | ||||
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文庫本1冊920円?高ぁ!って思う人がいるかもしれない。 本書は今迄希少価値がついており古本で万単位のつく価格で 販売されているのをしばしば見た。そんな中再版はとても嬉しいものである。 本書は キャロラス'ディーンというハイスクールの先生(40歳、結婚歴有り、妻死別)が素人探偵となり クラスのやんちゃ坊主ルーパート'ブリグリー(16歳)に協力してもらいながら事件を解決する、、。 このレビューを見ている女子でもし腐の心があれば先生と生徒ってあやしい、、と考えてしまうかもしれない。 (明智小五郎と小林少年みたく) この著者は同性愛容疑で起訴された経歴を持っており、警察と裁判で揉まれた最中に キャロラス'ディーンシリーズを執筆した様でまさに筋金入りとも言えます。 1955年に書かれた推理小説だけあって読み尽くした人にとって あー犯人はこいつだな、、と早い段階で気づいてしまうと思います、 (事実私はそうでした。) 複雑なドロドロした人間関係の推理小説を求める人にはオススメできませんが。 ですが犯人を導くために聞き込みを主としているところも まさに古典推理小説、、推理小説の原点だと思い私は最後迄楽しく読むことができました。 | ||||
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名前は聞いていたが、やはり埋もれていた名作だった。 古き良き本格ミステリーが全盛だったころの息吹が伝わってくる。ストーリー的にちょっとどうかと思う部分もあったが、全体的な構成、結末に向けての収束力はすばらしい。 未訳がたくさんあるようなので、ぜひブルースの他作品も読んでみたくなった。 海外本格ミステリーが好きな方にはぜひおすすめ。 | ||||
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本格ミステリー黄金時代に四十年近くの長きに渡って活躍した英国の実力派推理作家ブルースの忘れられかけていた創元推理文庫刊の名作が遂に新訳で復刊されました。この本は私自身正直言って記憶から抜け落ちて完全に忘れていました。近年「もう多分生きている内には読めない運命なのだろうな」と諦めていた本が続々と復刊されている現状は本当に嬉しくて幸福な時代だなあとつくづく思います。本書は著者が創造した名探偵ビーフ巡査部長と並ぶもう一人の名探偵の歴史教師キャロラス・ディーン物の第一長編とあって並々ならぬ意気込みが感じられる気合の入った高い完成度の傑作だと思います。 イギリスの小さな町ニューミンスターの小間物店で深夜に守銭奴の様な店主エミリーと巡回中だったスラッパー巡査が相次いで殺される。町のパブリック・スクールで歴史教師を務めるキャロラス・ディーンは元来推理に関心が深く、悪童の生徒プリグリーからも後押しされて理論を実践すべく殺人事件の調査に挑戦し、早速関係者に聞き込みを開始するのだった。 本書の推理はミステリー初心者の方にとっては相当に厄介な代物でしょうが、でも重要な事とそうでない事を取捨選択して行く方法を学びながら(それだけでは駄目で閃きと想像力が必要なのですが)、著者の仕掛ける巧緻な企みはとても勉強になるのではないかと思います。この大胆な複合技のトリックは推理作家が生涯で一度は使いたがる類の玄人好みの非常に魅力的な物だと思います。推理以外の部分では恋愛の要素は皆無ですが、そのユーモラスでふざけた雰囲気が絶品です。ペット救出劇の内幕やミステリー好きのおやじさんが語るチェスタトンのブラウン神父への駄目出し等々は微笑ましいですし、やはり悪ガキのルーパート・プリグリーの言動が愉快で、ディーンも今回の事件を自分が解決出来るかを賭けの対象にしているのを知りながらとがめずに寛容なのも良いムードだと思いますし、推理の出来不出来に関係なく学園小説としてだけでも読みたい気持ちにさせてくれます。 ミステリーの場合は内容のアウトラインは紹介出来ても全貌を書くのは絶対に御法度ですから、ミステリー関連の書物で名のみ触れられていた本書を完訳で読めたのは本当に良かったと思います。私的には著者はもっと読まれるべき作家だと思っていますので、全作はとても無理でもせめて評価の高い代表作だけでも今後紹介して頂けます様にと願います。 | ||||
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かつて清水俊二訳で紹介され名のみ高かったディーン物の第一作。 著者の別シリーズ、ビーフ部長刑事物の大胆な構成や過剰なまでのトリッキーさは見られないが、起伏に富んだ展開が楽しめる端正な本格物。 微苦笑を誘うユーモア溢れる筆致、そして何よりミステリへの愛情を感じさせる佳品。 読後タイトルに込められた意味にもニヤリとさせられる。 続刊希望の好シリーズ。 | ||||
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ある夜、二重殺人が発生、警察と素人探偵のキャロラス・ディーンが捜査を始める、というストーリーの本格推理小説。 この手の古典的推理小説だと時間が経過したせいで、多少経年劣化を免れない物も多いですが、この小説の場合も些か古めかしく感じる所もありますが、謎の設定やプロットがよく出来ている為、割と飽きずに最後まで読めました。まぁ前半部分で誰が怪しいかなんとなく判ってしまうのが私のような読みすぎのスレた読者の性か。 古めかしいと書いた部分では容疑者が警官でもない歴史教師の主人公の探偵に尋問されてスラスラ回答する所に時代を感じました(今はありえないであろうと思いますが)。 何れにしろ、この手の新訳復刊はとてもありがたい。次はヘレン・ユースティスの「水平線の男」とリリアン・デ・ラ・トアの「消えたエリザベス」だぁ。 | ||||
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まずは創元推理文庫では名のみ知る存在だった本作が再刊された事を素直に喜びたい。 近年紹介されたビーフ巡査のシリーズで、再評価著しいレオ・ブルースですが、本作はもう一つのシリーズであるディーン物で、趣向を凝らしたビーフ物に比べると、やや地味な作風ながら、結末にクリスティを思わせる伏線回収の妙を味わえる美点を備えています。 読む前は、初刊からほぼ半世紀を経てるだけに、内容が名前倒れとなっていないかと、一抹不安を抱きましたが、全編に漂うユーモアも楽しく期待に違わぬ内容でした。 主役のディーンが良識派でやや没個性的なのを除けば、脇役のキャラクターが立っていて、もっと読んでみたいシリーズだと思いました。 ディーン物は未訳なのが、あと二十編もありますので、是非とも創元さんには、続刊をお願いします。 | ||||
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