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ラブレス
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ラブレスの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.49pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全80件 21~40 2/4ページ
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出会えてよかったと思える小説です。 大切な一冊になりました。 自分は道産子で小説の舞台を訪れたことも住んだこともこともありますが そこの気候や空気を肌で感じるくらい物語に引き込まれます。 | ||||
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ラブレスどころか愛がいっぱいあるじゃないですか。人間は生きてさえいれば不幸なんてないんだって思わせる力強さと勢いがあります。素晴らしい。見事です。 | ||||
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桜木さんの作品に出てくる女性は逞しすぎてドライで見方によっては 男にとって都合の良い女じゃないか、ともとれる。 どんな結果であれ主人公は選んだ結果を受け止めている だからただ怒り、辛い悲しいだけで終わっていない この作品に出てくる女性が逞しすぎるのは 時代背景もあり、そうでないと生きていけなかったからだろうけども。 百合江は第一子の父親に逃げられ未婚の母となり、 はじめて結婚した夫は金に女にだらしないマザコン夫だった。 借金のカタに働らかせられ、愛娘を勝手に売られ、離婚。 怒り涙し愛になれなかったものを諦め、一縷の希望を胸の奥底に沈め生きていく 人間は何の言っても所詮手前勝手な「いきもの」なのだと悟り。 売られてしまった子供が幸せになっているのを知ると、もうそれでよいと 名乗りもあげぬまま旅立とうとする親としての無償の愛情、人としての自立心も覗かせる 老衰、一番愛した男に見送られる、この最期は生き抜いたことに対する作者のご褒美だろうか | ||||
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北海道東部に育った二人の姉妹とその子供たちを中心に描くヒューマン物語。 幸せを掴もうともがき、やはり、つかめずに流されてしまう人理不尽さを、幼少期から最期まで実にドラマチックに描いた力作。 誰しもがこの世に生を受け、選んでいるようで、ただ流されていくしかない人生を歩む。 そんなこの作家のモチーフが余すところなく詰め込まれている。 桜木柴乃さんの作品は、どの作品も好きなのだが、敢えて言えば、これが一番。 | ||||
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序章において百合江が危篤状態で手に握りしめている位牌という 伏線を置いた事でミステリーにもなっています。 この伏線によりラストの描写に涙が溢れ止まらなくなりました。 読み終わってから数日間、やや放心状態。 百合江は極貧も不幸も絶望もはねつけるというより、 今日、明日を生きるという事に必死で、おそらく幸せとか不幸とか そうした一般的な尺度を持っていません。 そしてそれは仏教哲学に似ており、私にとっても生きる上での 指標のように思いました。大切な人達に贈りたくなる作品です。 宗太郎に会えたことが自分のことのように嬉しくなりました。 一家の歴史も描きつつ、登場人物ひとりひとりも浮き彫りにしいます。 尚且つ、物語のあちこちに挿入される楽曲で昭和という時代にも ノスタルジーを深く感じさせられました。大人の純愛は言葉は悪いけど演歌 のようにも思いました(良い意味で)。 忘れられない作品になるでしょう。これから桜木紫乃さんの作品を もっと読みたいです。ホテルローヤルも、もう一度読み直して みようと思います。本当に迂闊でした。素晴らしい作家さんですね。 | ||||
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テレビは見ないから家にない。 YouTubeで見つけたドラマのストーリーが凝っていて、 原作を探したら、この作家の「凍原」だった。 で、迷いつつ最初にこの作品を読むことにした。 正解。 世の中に翻弄されて生きていく百合江。 したたかでめげない、前向きなのがいい。 おもしろかった。 つぎに読むのは「氷平線」かなぁ。 | ||||
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・登場人物の関係が読んでいる途中でちと分からなくなることがある。あれ、これ誰の娘だっけ?従姉妹同士だっけ、それとも姉妹だっけ…みたいに。もうすこし登場人物を減らした方がよくはなかっただろうか? ・歯切れよく書いたつもりのト書きが、逆にキレの悪さに繋がっている。例えば小説書きの娘時代のエピソード、あるいはセリフから文学をなりわいにするような資質が見えてこない。 ・祖母のハギ、年を取ってから多少読み書きが出来る様になったらしいが、実際、年配者の学習能力には限界がある。読みは出来ても、書けないと思う。置き手紙は無理だろう。 あら探しは以上。 基本的に桜木は釧路舞台の小説を書くことが多いが、この小説が最も釧路らしさ道東らしさが出ていたと思う(私は行ったことないが)。他の作品だと、どうしても釧路で事件の起こる必然性とか、土地柄とか滲み出るものを感じない。 それから、ストーリーの中身から、かなり作者自身の人間としての奥の深さを感じさせる。実際は違うのかも知れないが、読者にそう思わせるだけでも成功だろう。 で、何よりも一気読み出来たことを評価したい。故に☆4。 | ||||
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女3世代にわたる凄絶な人生を描いた大河小説である。 昭和初期の北海道が舞台であり、杉山百合江を中心とした周囲の人物の孤独や貧困からくる人間の弱さを最後まで描ききっている。 あまりの悲惨さに読む手が止まることもあった。 自分とは相当にかけ離れた境遇に登場人物との目線が全く合わなかったがそれでも先が気になって仕方がなかった。 とても映像化は不可能だろう。本作品の持つ圧倒的な力は文章でなければ伝わらない。 2017.4.13 読了34冊目 | ||||
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桜木紫乃の小説は文庫が出るたびに読んでますが、期待通り面白かったです。 | ||||
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ホテルローヤルを先に読んで、次にラブレスを読みました。 ホテルローヤルは直木賞とって、ラブレスは直木賞候補だった。 なんでこっちが賞とれなかったのかしら?両方読んだ人はだいたいこっちのほうがすばらしいって評価だと思うんですが。 他の候補作との相性なんでしょうか?ラブレスを後に発表してたら受賞したかもしれませんね。 とにかく素晴らしい作品で、読み終わったあと、現実に帰ってくるのに時間がかかった。 まだちょっと、自分が北海道の雪の中にいる感じがする。 タイトルがラブレスというのが損してると思います。 ちょっと軽くて、月9のドラマタイトルみたい。なんか今売り出し中の若手イケメン俳優が出てきそう・・・。 私の感想としては「レス」なのは母と娘の間の愛がないってことなんだと思いました。 それでも、女は子供を産んで、またその子も子供を産んで・・・ 女は子供に対して愛情がなくても妊娠してしまうし、産まなくてはならないし、育てなくてはならない。 死ぬまで、子に対する愛情が持てなくても子供を死なせないように、必死で育てて、生きて、愛について考える余裕なんかなくて、こんなもんなんだと思いながら死んでゆくってことなんじゃないかな。 | ||||
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桜木 紫乃の作品は「水平線」で惚れた。 この作品も面白かったけど、「水平線」に入っている凝縮された力のある作品群の鋭く強い輝きには及ばない。 ぜひ「水平線」を読んでほしい。 | ||||
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道東を舞台にした姉妹ふたりの一代記なので登場人物は多岐にわたることになり、そのため登場人物の関連が多少コンフュージングなるかもしれない。 ただ、主題となっているのは、流れる(あるいは、流される)運命を宿命のように選んでしまう姉妹の姉、百合江で、彼女を中心に物語は回り、副流として妹の里実の人生が描かれている。 読むとすぐに解ることは、このお話が、北海道、とりわけ道東以外の地域に舞台を置きかえるとほとんど成立しないということです。 物語は昭和25年頃から始まり、そして現在にまで至る。 著者は、北海道の道東の開拓村に根を張ろうとして、内地から入植した夫婦の終わりのない悲惨な状況を説明しつつ、その夫婦の子供である二人の娘、百合江と里実の一生を丁寧で緻密な筆で綴っている。 この物語の登場人物たちの誰一人にも、安易なハッピー・エンドはない。 「結局、当時の開拓民、そして、その子供達は、前に向かって1日1日、必死でその瞬間を生きるしか術がなかった」 と達観したような著者の視線を感じる。 その中に、安っぽいテレビドラマのような、甘い救いのようなものが込む余地はない。 著者の冷徹ともいえる目を通して、多くの登場人物達が生き生きと動いている。 直木賞(ホテルローヤル)を取るひとつ前の作品ですが、この作品ですっきり受賞させるべきだったと思うくらい、読み応えのある長編でした。 道東の現実の歴史に長く触れてきたであろう著者以外では、おそらく書くことができなかった物語でしょう。 作品に出てくる、『丸三鶴屋デパート』、『泉屋』、『金平館』 の名前は道東出身者なら馴染みの実在名詞で、この物語のリアリティーさに一役買っている。 | ||||
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最後、駅のホームの椅子で声上げて泣いた私はカッコ悪いっす…笑 | ||||
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ストーリーと人物の心情描写がすばらしく 作品にのめりこんでしまいました。 忘れられない一冊になりました。 | ||||
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道東の極貧家庭に生まれた女性、 百合江の人生が軸になっています。 桜木さんは好きな作家です。 ほとんどの作品を読んでいますが、 特に本作は、ガッツリと心をつかまれて、強く、深く引き込まれていく物語です。 途中、娘を探すくだりでは、さすがにつらくて、読むことができませんでした。 「あとのことは、あとから考える」 そうやって自分を静かに貫く百合江の姿に 最後は涙してしまいました。 間違いなく 読みごたえのある力作です。 | ||||
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卯一・ハギ夫婦が,百合江と3人の弟たちが住む標茶の開拓村の家では,電気もなく,風呂には1週間に1回しか入らないという生活だった。卯一は酔って暴力を振るい,ハギは文盲で暗い顔をしている。そこに,夕張の良家に預けられていた里実が戻ってきた。里実は,開拓村の臭い生活を露骨に嫌い,誰とも馴染むことはなかった。 やがて,百合江は旅芸人の一座に弟子入りして全国をどさ回りし,理恵を生む。里実は,裕福な理髪店の嫁になり,小夜子を育てる。 百合江の「波乱万丈の人生」が中心ストーリーになっているが,その背景には,ハギ・百合江・理恵という女3代の「開拓者一族の生き様」が描かれていて,最後まで読む手を止めることができなかった。百合江と理恵,里実と小夜子の2組の「母娘」がなぜ不仲なのか,「セルロイドの着せ替え人形」で遊んでいた少女はどうなったのか,百合江と関わった男たちがその後どうなったのか,そういう諸々の事実が,少しずつ明らかになっていくラストシーンには,ボロボロと泣かされてしまった。 ≪理恵には開拓者の血が流れている。小夜子にはないものだ。その血は祖母から百合江へと受け継がれ,生まれた場所で骨になることにさほどの執着心を持たない。それでいて今いる場所を否定も肯定もしない。どこへ向かうのも,風のなすままだ。理恵が祖母と心を通わせることができたのも,開拓者の気質を受け継いでいるせいなのだろう。からりと明るく次の場所へ向かい,あっさりと昨日を捨てることができる。捨てた昨日を,決して惜しんだりはしない。≫(272頁) | ||||
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個人的に「硝子の葦」よりもよみごたえのある一冊でした。桜木さんの小説にありがちな、身もふたもない不幸な女性が主人公。 しかし、そんな中で、要所要所に自分の力になってくれる人たちに恵まれて、力強く生き人生を全うした百合江に勇気をもらいました。 里実やハギや綾子、理恵など、彼女を取り巻く周りの人たちの様々な人生を同時に垣間見ることもでき、とても凝縮された中身の濃い一冊だったと思います。 北海道の開拓小屋、というのが、遠く離れた私には全く想像のできない世界でしたが、私の母の若い頃は、こういった生活をしている人たちが実際にいたのだなぁと興味を持って読みました。決して幸せとは言えない百合江の人生でしたが、本人は自分を不幸だと思っていない。何があっても、強く前だけを向いて生きて行く。要は気持ちの持ち方で、こういう生き方もあるんだと思いました。最期を好きだった人に看取ってもらえる・・・それだけでも、とても素敵なことですよね。 | ||||
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関西だったらど根性の浪花節。北海道だったらなんと言うのだろう。描かれるのは、ちあきなおみの劇場や寅さんで描かれるような懐かしい昭和の旅芸人の世界。天童荒太のような後半に加速度的に生と死が反比例する感じとは違って、細く長く確実に最後の時を迎える。ああ、最後に駆けつけたのはユッコちゃんと耳元で優しく囁く宗太郎でよかった。二人は長い時を経て再び結ばれた。幼い時の綾子は美空ひばり、都はるみ、藤圭子、、、はたまた、エディット・ピアフか。歌うために生まれてきた女。登場人物はみんな正直で嘘がない。北海道の自然の厳しさと人々の息遣い。決して貧困ではない。時代に合わせてしたたかに生き抜く女の一生がここにはあった。有吉佐和子とか、山崎豊子の女の一代記とは一味違う。現代を生きる今が旬の作家らしい心地よい疾走感のある小説だった。 | ||||
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奔放な生き方をした姉、堅実な生き方をした妹。しかし、どちらも様々な問題にぶち当たり、60年以上生きていました。北の大地に生きる女たちが互いに支え合ったり、傷つけあったりしながらも生きている逞しさに涙が溢れました。その逞しさは、根性やポジティブ・シンキングといった嫌味なものではなく、「現実を受け入れる」という、とてもあっさりとしたやり方。現実社会でも、困難にぶつかった時多くの人がこうして生きてるのではないか?というリアリティがあります。 主観的にみて「間違っているのではないか?」という選択肢や、人としての醜い行動や感情が赤裸々に描かれてる割に後味が悪くないのは、作中の人物がそう考える、あるいは行動する理由を「その人にとっては出来る限りの思考・行動だった。そうした人の心が愛おしい」と理解する、優しさが示されているからだと思います。 | ||||
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過去と現在を移動しながら、人間関係が複雑に交錯し、上手に伏線が仕込まれる、というような感じで、途中から先が気になってぐいぐい引き込まれてしまいました。 よく練られた構成、とでも言えば良いのでしょうか。 昭和一桁生まれの私自身の母や、私が小さいときに離婚していなくなった同じく昭和一桁の父も、田舎で生まれていろいろあったようで、そんなことを想うと泣けてしまって・・・ ネタバレになるので詳しく書けませんが、百合江さんが何を想って位牌を握りしめていたのか、そんなことを読後にいろいろ考えてしまい、こんなに後まで引っ張られる本は久しぶりでした。 良書です。 | ||||
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