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螺鈿迷宮
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螺鈿迷宮の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.07pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全88件 81~88 5/5ページ
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バチスタが爽快な医学ミステリーだったとすると本作は、著者の思いがつまった医学+サスペンスという感じがしました。ナイチンゲールは特異過ぎてちよっと肩透かしだったけど、本作はそれよりは良かったです。この3作は読者によって評価が大きく分かれるだろうと思いました。ミステリー重視かつ、ひくいどりのキャラのきわだだせかたを選ぶ人は本作はあわないでしょう。本作はなんいうか重苦しい感じがします。軽快なテンポでつづられるわけではありません。テーマを重視した作風になっていると思います。本作は本作でこの作風が好きな人も多いと思います。多くの言葉で語られる心象風景と医療の光と闇をめぐる攻防など読み応えがありました。なんとなく途中で犯人のめぼしがつきやすいつくりになっていますが、うまく書かれていて、最後まで一気に読んでいきました。またこの作者はいろいろな印象的な登場人物を作り出すのに長けています。特にナイチンゲール以降顕著なのが、人生を達観したような重厚な人物が出てきます。これはバチスタにはなかった存在です。そのため作品に重みが出てきました。終わり方は、続編を期待させるものですが、難しそうですね。がんばってください。 | ||||
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医療を問題として扱う時は、それなりの覚悟がいると思う。生と死をコントロールするなんてとんでもないことだと思うし、この世の中でとても傲慢な事だと思う。はっきりいうとお姉さんが自殺する要因が今一つこじつけているようで、また娘の死でおかしくなる母親も確かにいるがしかし自分の旦那が医者なら、そんな悲しみの修羅場はいくらでも見ているだろうし、あそこまでいくかな?たとえば、愛する人を失うと一生懸命に治療にあたってくれたお医者さんでも、もしかしたら医療ミスしているのではないかと疑いたくなる、もしかしたら、他のお医者さんだったら助けてくれたかもしれない、と思うのが人情なくらいケアフルに扱わなければいけないテーマなので、「白い巨塔」までもいかなくてもいいが、もう少しシリアスに書いてほしかったなと想いました。 | ||||
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私の思う「ミステリーらしいミステリー」とは、現実的な話が進行する中に作者の仕組んだ巧いトリックが影のように縫い込まれており、最後の最後で読者が見事にうっちゃりを決められてほぞをかむようなもの。文章の最後にしてやったりと薄笑いを浮かべる作者の横顔を思わず思い浮かべる様なもの。という勝手な思い込みからすると、まだやっぱりミステリーと呼ぶには、抵抗がある。(私の思い込みは探偵小説と限って呼ぶべきか?) これは、作者が何を言いたいかが優先している小説であると思う。医学がくそったれの学問であるという台詞にはある種の共感を覚えて、思わず拍手してしまった。きれいごとで割り切れない医学の闇、きれいごとでふたをしてある医学の数々の矛盾や問題点に論が及んでいるののも大変に面白い。もっとあるでしょう、もっとえぐり出してほしいと思っている。 その一方で、桜宮病院でのできごとは、少々ぶっ飛んでいる。桜宮家の生死を扱う感覚は医学教育の倫理的鉄則を完全に踏みにじっている。現実にそのような医師が3人もあつまったら恐怖である。また、場面のそこここに劇画的効果大な場面が埋め込まれている。作者の美的センス炸裂なのだが、少々現実離れして耽美的である。さらに、その劇画的場面効果のとばっちりを受けてか、私の大好きな白鳥大先生の強烈な個性と会話がかすんでしまったのは、ちょっと悔しい。 問題点をえぐり出しながら、小説としても完成度を高めていくのは、難しい事に違いない。が、続きを書くぞっといった終わり方、第四作もきっと目が離せない。是非今後の展開で、チームバチスタの白鳥先生の会話とスピードを再現して見せてほしいものである。また、氷姫の才能、更なる活躍が期待出来そう。海堂先生、期待してます。 | ||||
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小説の舞台がシュールで、登場人物も劇画的。また、ミステリーとしてのリアリティーや緊迫感がないため、残念ながら「チームバチスタ・・・」ほど読後の充足感は得られなかった。 「現代医療の枠組みの中で患者主体の医療を真摯に行うと、反体制化せざるを得ないんだ」という現在の医療行政の弊害を認知している白鳥が自己批判してしまう結果になり、当然だがキャラクターが縮んでしまった。 テーマを掘り下げれば、白鳥のコンセプトが揺らがざるを得ないだろう。 シリーズ化しそうなので、次回作を一応読んでみたいと思う。 | ||||
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物語全体に漂う暗さと謎、タイトルにもなっている「迷宮」を彷徨うドキドキ感を堪能できる1冊。子供の頃に読んだ冒険活劇のような興奮を活字で味わう楽しさがある。 「チーム・バチスタの栄光」から3作目。少しずつ物語がつながっており、次回作もあるような雰囲気があり、早くも楽しみになっている。 | ||||
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文章表現は相変わらずウマイし、話も面白いと感じた…個人的には、作者の三作品のなかで、一番好きである… もちろん白鳥は前作、前々作より強烈ではないし、途中、何かラブコメの様な感じがする箇所があったので、そこは微妙であるけれど…三作品のなかで一番良くまとまっているんじゃないかなと思う… 氷姫が登場したが…まあ納得というか、こんな感じだろうと思った通りで意外性が無かった… まだまだこのシリーズは続きそうな感じがするので作者には頑張ってもらいたい。 | ||||
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例によって小説としては面白い。初登場の氷姫はキャラがやや類型的に過ぎるし、白鳥はパワーダウンしていると言われた前作よりもさらに完全パワーダウンしているのが減点対象。また、田口と白鳥の掛け合い漫才の代わりに氷姫との掛け合いを期待している向きにもちょっと物足りなさを感じると思う。 扱いとしてはバチスタシリーズの外伝になるのであろうか? で、前作もそうだったがすでにミステリーの範疇はかなり逸脱している。古典的探偵小説の概念は捨て去って読んだ方が良いし、だからと言ってハードボイルドというわけでもない。 そう言った問題点を除いて純粋にエンターテインメント小説としてみたときには、文章にも引き込む力があるし、構成も良くできている。ふざけた調子で書いてはいるが、筆者の出したテーマは3作共通で重いものがあり、その点も高く評価できると思う。 しかし・・・、年2作の小説ってよほど速筆なのか、暇なのか・・・。普通は勤務医が書けるペースではないよな(苦笑) | ||||
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前2作とタイトルのつけ方は違うし、登場人物は違うしで、別シリーズなのか なと思ってしまいますが、ご心配なく。白鳥はちゃんと出てきます。しかも、 前2作では登場人物の会話にしか登場していなかった、最強の部下"氷姫"とと もに。 読み終わっての感想は、いや〜ここまでやるかって感じ。何か、ぶっ飛んじゃ ってます。1作目は端正なミステリだったのに、2作目でちょっとスーパーナ チュラルなテイストが加わり、そしてこの3作目ではとうとう・・・・。ネタバレ になるので詳しくは言えませんが、綾辻行人の館シリーズの最新作を髣髴とさ せるような(あれほどぶっ飛んではいませんけどね)。処女作は賞を取るため に手堅くまとめたけれど、ホントはこれが俺の書きたいものだって開き直った 感じ。 キャラが立っていること、文章がうまいこと、ストーリー作りが巧みなことは 前2作同様。その上に上記のような作者の思い入れが加わっているのでパワー 全開、ぐいぐいと読ませます。最後のクライマックスも迫力満点。最後の最後 も余韻があっていい。 あの「ぶっ飛び」を受け入れられるかどうか、ミステリとしてどう見るかで評 価は大きく分かれるでしょうね。私は花丸満点、「傑作」と言っておきます。 | ||||
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