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螺鈿迷宮
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螺鈿迷宮の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.07pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全88件 41~60 3/5ページ
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巻末の解説(吉野 仁氏)にもあるけれど、一連の作品によって “シム・シティ”などのシミュレーション・ゲームのように、街 の存在を読者がかなり具体的にイメージでき、且つ物語に入り込 むことができるのがすごい! これによって、厚生労働省は別として、実在の誰を糾弾すること も無く医療問題や命についての現場の本音を聴くことができたよ うに思います。 また、“海堂ワールド”の中でも極めて重要な、街のルーツや、 他の作品では会話の中にしか出てこない“氷姫”の登場もあり、 ようやく重要なピースが埋まったなぁ…という感慨に浸っており ます。 もし、(ほとんどいないと思うけれど)食わず嫌いで海堂作品を 敬遠している人がいたなら、この作品から入ることをおすすめし ます。 | ||||
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チームバチスタと同じ桜宮市の終末期医療病院での事件。主人公の医学生がひょんなことからボランティアとして入り込んだ病院は恐ろしいところだった。謎の美人姉妹医師、どんどん亡くなる患者。そして医学生にも生命の危機が・・・。 スティーブンキングのようなホラー感覚もある。一方で、現在日本での終末期医療の課題も指摘する。濃いキャラ設定、戦前からの病院の建物と秘密の部屋。舞台設定からラストシーンまですべて王道のサスペンスである。ただリアリティはかけてるかも。踊る・・・やアマルフィみたいに織田裕二がでてきそうなエンターテイメントとして楽しむのがよい。 | ||||
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桜宮市の監察医制度、末期医療を担っていたでんでん虫こと碧水院病院の闇を描くホラー作品。入院患者の死がの頻発する病院に潜入することになったグータラ医学生の主人公が、末期医療、検死、検案という「死」を見つめる医療を体験しながら、医療を見つめ直してゆく。また、この病院に隠された過去の事件、自殺幇助、安楽死問題など内容は重いが、白鳥、姫宮コンビが引っ掻き回すことで海堂エンタメとして、楽しく読ませてもらった。日本の監察医制度のお些末さ、政治家・官僚の怠慢による大罪がまたひとつ明らかになった.死因不明社会のもたらす未来にAIを導入することに奔走する作者の強い思いが結実した良作。ややフィクション性が強く、現実感に乏しいのが残念。 | ||||
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諸氏の指摘にもありましたが氏の作品は登場人物やロケーション、事件そのものも連動し1冊抜けると主要人物の人物像さえ不明瞭になるということになります。 しかもストーリー展開自体も複雑に組み合わさり地道な学習同様に飛ばすと全然分からないで高見に連れて行かれるパラドックス状態に陥ります。 優秀とは言えない落第医学6年生?に同級生の地方紙記者から市内の主に終末医療を受け持っている病院への潜入調査が依頼された。 病院への潜入取材を素人は勿論、記者が行うのは不可能。そこで幼馴染みの医学生が医療ボランティアとして潜入するところから話は進む。 途中の展開や骨格になる動機や手法にかなり強引さを見受けるもののテンポ良く進む展開に飲み込まれていき、終盤になると人の命とはなんなのか、終末医療とはなにか?ひとの寿命は誰が決めるのか?などと非常に重たい疑問を投げかけてきます。 ここに著者らしい医療行政への問題提起である週末患者の金銭的、精神的ケア。そして受け容れる病院の負担への配慮(具体的には診療ポイント)など「ジェネラルルージュの凱旋」で救急救命が背負う根源的問題と根を同じにする問題を世間に読者に行政に投げつけています。 作品として問題点を指摘するなら敢えて「チーム・バチスタの栄光」「ナイチンゲールの沈黙」「ジェネラルルージュの凱旋」「螺鈿迷宮」を四部作と呼ぶならミステリーファンとして眺めると同じ期間2週間〜1ヶ月の間に全ての作品が同時進行で流れており登場人物も行き来する。しかし4作品もあるものだから中心人物である白鳥が重複する時間が存在するとしか思えない。 やはり4作を同じ登場人物でテーマを変えて描くしわ寄せは現れている。 しかしそれを差し引いても筆者はデビュー作から既に4部作の複雑に絡み合った連作の構想を持ち実現して見せた。 この実力だけで文壇の近代詩を飾る優秀な作家と呼べる。 そして本書はバチスタやジェネラルファンには比較的不評を買ったナイチンゲールよりも更に深い精神世界と医療問題に爆弾を投げかけている。 一部の方には理解以前に唾棄すべき思想だと感じるかも知れませんが、現役で医者を続けている筆者が描くからには専門作家のそれより投げかける疑問と爆弾は重い。 筆者のこれから歩んでいく道が楽しいになる作品です。 | ||||
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海堂作品は最近読み始めたが,これまで出版順に『チーム・バチスタの栄光』と『ナイチンゲ−ルの沈黙』を読破していた.そのため,本作で姫宮こと“氷姫”が登場した時には,非常に嬉しかった.というのは,前2作では,白鳥のドジな部下として,名前と噂しか出ていないが,神秘的で興味を惹かれる人物設定だったからである. 本作ではその姫宮の人となりが明らかとなった.彼女は頭脳明晰だが,運動神経がまったくといっていいほどなく,潜入捜査官としては,役立たずの存在である.しかし,要所で素晴らしい働きをして,主人公の天満や上司の白鳥の役に立っている.なかなか憎い人物設定である. 著者が本作で最も世間に問いたいことは,厚生労働省の医療行政における終末医療への対応のお粗末さである.処女作『チーム・バチスタの栄光』では,Ai(Autopsy imaging)という死亡時画像病理診断の必要性について主張していた.著者の著作を通じて,日本政府が医療行政への対応を誤ってきたかが窺い知ることができる.今後とも著者の作品から目が離せない. | ||||
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人物の中身の描写やすかっと気持ち良く割り切れる方法論を愛して海堂ワールドに参加した人がこけるとしたら、ナイチンゲールかこれかだと思う。 論理的に構築された展開というよりむしろ、心理的だったり表層的だったり。 登場人物が個々として書かれているというよりもむしろ、事件の被害者としてのまとまりとして描かれていたり。 誰の視点で物語をとらえていいのか、誰に肩入れして読んだらいいのかわからずに、 結局最後まで寄りかかるべきものが見付からずに、立ちっぱなしで足が痺れたみたいな読後感。 最初の田口・白鳥コンビがインパクトがありすぎて、そうしてそのラインだと期待していた姫宮があまりに個性を描かれなさすぎて、 だからあたしは軸足を定められずに揺れつづけ、酔ってしまうのですよ。 螺鈿迷宮。 そうか、螺鈿だからか。 読者は引きずられて進む。 ぐるぐる巻きのきらきら階段を永遠に降りていくように、ぐるぐるぐるぐる、ふわふわと。 | ||||
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人物の中身の描写やすかっと気持ち良く割り切れる方法論を愛して海堂ワールドに参加した人がこけるとしたら、ナイチンゲールかこれかだと思う。 論理的に構築された展開というよりむしろ、心理的だったり表層的だったり。 登場人物が個々として書かれているというよりもむしろ、事件の被害者としてのまとまりとして描かれていたり。 誰の視点で物語をとらえていいのか、誰に肩入れして読んだらいいのかわからずに、 結局最後まで寄りかかるべきものが見付からずに、立ちっぱなしで足が痺れたみたいな読後感。 最初の田口・白鳥コンビがインパクトがありすぎて、そうしてそのラインだと期待していた姫宮があまりに個性を描かれなさすぎて、 だからあたしは軸足を定められずに揺れつづけ、酔ってしまうのですよ。 螺鈿迷宮。 そう、ぐるぐる巻きの階段を永遠に降りていくように、ぐるぐるぐるぐる、ふわふわと。 | ||||
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留年を重ねている無気力な医学生・大吉は 幼馴染の葉子の策略で、桜宮病院へ取材のため潜入することに。 病院、老人介護センター、ホスピス施設、宗教施設が一体になった 桜宮病院と双子・病院碧翠病院は、はじめ画期的な病院に見えた。 しかしなぜかやたらと死亡者が多く。。。 「チームバチスタの栄光」シリーズの番外編的お話。 時系列でいうと「ナイチンゲールの沈黙」「ジェネラル・ルージュの凱旋」の後。 特に「ナイチンゲールの沈黙」の登場人物とはかなり関わりが深く 名前だけ登場していた人物も、ここでは登場。 シリーズのメインキャラで考えると、 これまで話にだけ登場していた白鳥の部下・氷姫が登場。 医療問題としては、終末医療について詳しく描かれています。 | ||||
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終末医療の最先端として注目を集めていた桜宮病院。 だが潜入取材を試みていた医大生・大吉は、 病院の死亡者の多さに驚いていた。 おどろおどろしい雰囲気でしたが、きっぱりミステリとしても 驚かされる展開でした。 「チームバチスタの栄光」のシリーズとしては 白鳥とその部下・氷姫が登場。 田口先生もちょっとだけ登場しています。 「チームバチスタ」事件の影響が深く事件にかかわったお話で 綺麗にまとめあげられた「チームバチスタ」事件の爪痕を考えさせられるお話でした。 | ||||
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終末期医療の問題に焦点を当てた小説。 白鳥・田口コンビが活躍するシリーズのスピンオフで、設定している時期としては、 『チームバチスタ』のあと、若干『ナイチンゲール』と平行した時期。 本編に比べると、著者の思いと言うか、主張がかなり色濃く反映されていて、 医療の問題について、小説を愉しみながらも頭に強烈な印象として残っている。 本編は、白鳥が出てくるまでのグダグダした感覚があまり好きではない。 (だからこそ、白鳥が出てきた後の爽快感が増大するのだが) 一方、この本は、主人公の天馬をはじめ、キャラクタが躍動的で、魅力的。 本編より一気に引きこまれて読んでしまった。 | ||||
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終末期医療の問題に焦点を当てた小説。 白鳥・田口コンビが活躍するシリーズのスピンオフで、設定している時期としては、 『チームバチスタ』のあと、若干『ナイチンゲール』と平行した時期。 本編に比べると、著者の思いと言うか、主張がかなり色濃く反映されていて、 医療の問題について、小説を愉しみながらも頭に強烈な印象として残っている。 本編は、白鳥が出てくるまでのグダグダした感覚があまり好きではない。 (だからこそ、白鳥が出てきた後の爽快感が増大するのだが) 一方、この本は、主人公の天馬をはじめ、キャラクタが躍動的で、魅力的。 本編より一気に引きこまれて読んでしまった。 | ||||
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ジェネラルルージュで看護師見習いをした氷姫こと姫宮が登場。 ミスドミノらしさを全開。 一連のシリーズを読んでいるので、知っている人物が活躍(?)する様子は面白い。 読んでいない人からすると、きっと怪しくもあり変な人たちと見えるのだろうな。 バチスタシリーズの東城大学と同じ町の桜宮病院が今回の舞台。 壮大な一連のシリーズ。ストーリーの盛り上がりはいまいちだけど、シリーズのつながりで☆4つ。 | ||||
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病理専門医である海堂氏が小説を通じて、医療の実態を訴えている。 本小説の中で書かれている終末期医療、死亡時医学検索といった儲からない医療は大学病院ではやりたがらず、地元のお妾病院に回しているという箇所は、おそらく現代医療の問題点であろう。 小説を通じて、医療の実態を垣間見ることができる。 物語としては、おなじみの「白鳥」が上巻から登場、バチスタ、ナイチンゲールでは名前しか登場していなかった「姫宮」も登場する。 下巻はこれから読むので、上巻のコメントはこれまで。 | ||||
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ロジカルモンスター白鳥が大活躍!? 皮膚科の医者として治療・診断をしてしまうのが恐ろしい。 しかも、これまで口先の喧嘩で負けたことがないのに、コテンパンに負けてしまうのも新鮮。 ただ、これまでの白鳥と少しキャラが違って感じてしまいました。 話し口調ももっと強烈で自分勝手だったのに、少しまともな役人にみえた。そこが残念。 これまでの一連のシリーズは、それぞれが別のストーリーなのに、どこかで絡み合っていたので、今回の話が今後どのようにつながっていくのか期待です。 | ||||
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もう手の施しようがない状態の人達が嬉々として働く終末医療先端施設. ここの描写を読みながら,生長らえさせてもらってるのか,生かされているのか良く分からない様な状態で息を引き取った自分の祖母を思い出し,可能であればこういった施設に入ってもらいたかったな,と思ったのは結局素人考え.何故元気に働いていた(あるいは働けた)という種明かしに至って,レビュータイトルの言葉にたどり着いた. 結局,ユートピアなんてフィクションの中にすら存在しなかった訳だが,それでも(法的には兎も角)これが悪い事なのかは私には判断できそうにもない. | ||||
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終末期医療について書かれている。 死に際の医療は儲からない。 それを上手くビジネスにもなるように入院から火葬場までオールインワンとなる 施設が物語の中に登場する。なかなか奇抜な設定だが、作者のこめたメッセージ は深いのだろう。 死因と治療が適切だったことを確かめるために死亡時の解剖が必要である。 めぐりめぐってそれが後の医療にとても重要なものなのだと語られる。 新たなキャラクターが多く登場するが、そのほとんどが初めて会う顔ではな い。その中でも姫宮については、満を持しての登場となる。 本作品では、彼女と白鳥とのやりとりが楽しい。読み物としても十分な手応えが ある。 | ||||
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天馬大吉というおめでたい名前の落ちこぼれ医学生が 幼馴染の記者別宮から桜宮病院に潜入して欲しいと 依頼を受ける。 ボランティアの名目で病院に向かった天馬だが、姫宮と 出合い、怪我をしてしまい患者様になってしまう。 不自然な死亡が続き、天馬はそれとなく探りを入れる。 謎ばかりの病院で、看護師もあまり見かけない。 病院の中で何が行われているか、ワクワクドキドキ します。 章立ても短いのでグイグイ引きこまれていきます。 | ||||
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天馬君の人のよさもあって病院内部の謎が少しずつ 改名されていきます。 ここにきて白鳥の存在がとにかく面白いですね。 この下巻は勢いもあって、息もつけないくらいの 展開を見せてくれます。 上巻がやや退屈なので、上下に分ける必要はなかった ように思います。 そして真実と天満君との繋がり。ここは読ませましたね。 なかなかのものです。 | ||||
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文庫化されてすぐ買い、一日で読み切りました。そのぐらい面白かったです♪ 今回は非常に話のテンポが良く読んでいて飽きが来なかったです。 このシリーズでどんどん文庫化されて欲しいです!! | ||||
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現実の医療業界の問題を内容に織り込む小説を書くこの著者は、ここでは「終末期医療」の問題を取り上げていますが、読者にただ単にその存在を認識させるだけでなく、その裏に潜む「闇」の根の深さを認識させられるような描かれ方をしています。 そのため、小説自体は上下通して比較的短時間で読み終わったものの、その「問題」の重さはしっかりと受けとめることができました。 また、ミステリーとしても、上巻から数々の「謎」を読者に提示し、「この先どうやって謎が明らかにされるんだろう」と読者を引き込む力がありますし、伏線の張り巡らし方もバランスがいいです。 現実の医療業界の問題点を、主軸をぶれさせることなくミステリーと融合させている、その完成度が今までで一番高いと感じます。 また、キャラクターの面からみると、『チーム・バチスタの栄光』『ナイチンゲールの沈黙』で、田口・白鳥コンビのやりとりの面白さを楽しんだ方々にとっては、こちらはそのコンビのやりとりはなく、田口自体、ほとんど出てこないため、いささかの寂しさを覚えるかもしれません。 しかし、その2作で名前は出ていた「氷姫」がついにここで登場します。切れ者なのか、天然なのかわからないそのキャラクターは、田口、白鳥にはない不思議な存在感。一読の価値ありです。 | ||||
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