■スポンサードリンク
おやすみなさい、ホームズさん
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
おやすみなさい、ホームズさんの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
アイリーン・アドラーがらみの女性作家によるホームズ・パスティーシュというといくつか思いつくし、その他の理由もあって買うのを躊躇していましたが、立ち読みしてなかなかよかったので購入し一読。 プロローグ的な1894年のホームズ+ワトスンの会話のあと、1881年のペネロピー・ハクスリーという家がなくなった中産-上階層24歳の女性の視点で物語が進みます。 この後も時々ホームズ+ワトスン視点の物語が挟まりますが、メインは彼女。彼女がアイリーン・アドラーというちょっと年下でオペラ歌手でコソ泥の、行動力にあふれた女性に出会ってから始まる、不思議な物語。 ロンドンにはこんな女性が何千何万いたであろうに、なぜアイリーンがネル(ペネロピー)を選んだかの理由は不明。なぜだろう? そうそう、ジェファスン・ホープという御者との出会いと彼の罪、そして死を、こういう角度で見ると、それはそれで悲しいですね。 メインの話は、<ゾーン・オブ・ダイヤモンド>探索というオリジナルストーリーを絡め、ホームズという不思議な諮問探偵との邂逅と因縁、ゴドフリー・ノートンという法廷弁護士との出会い、アイリーンの東欧への旅。前半はそこまで。なかなか見事なパスティーシュです。 そして、物語は後半へ。あの「王」はどんな人物に描かれるかな。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
実在・虚構入り乱れた登場人物の中で、個人的に注目したのはアントニン・ドヴォルザークでしょうか。チェコ国民楽派の作曲家として名を残す人物ですが、彼を介してアイリーンの活躍の場が広がり、そしてボヘミア皇太子との出会いとなります。 このあたりの歴史的整合性(当時ボヘミアに王位はあったっけ? など)はともかく、彼が王となったときなぜアイリーンは彼から逃亡しなければならなかったのか、の説明が見事。そして「聖典」で有名な本の題名の台詞へと至る。なるほど、こう来たか。 しかし語り手のネル(ペネロピー)は、残酷なまでに主役にいいところを奪われますね。本人はどう思っていたんだろう。そしてこの結末は誰が楽しいのだろう。 うーむ。 ところで、すべてを「聖典」の立場から見るなら、あのシーン、つまり最後の男装の麗人のシーンがなぜ必要だったのかをこれほどうまく説明できることに賛辞を送るべきでしょうね。どのシーンかって? むろん、これ。 “Good-night, Mister Sherlock Holmes” There were several people on the pavement at the time, but the greeting appeared to come from a slim youth in an ulster who had hurried by. (原本"A Scandal in Bohemia"より) | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ホームズのパスティーシュ、アイリーン・アドラーものは是非また読みたい | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ドイル『ボヘミアの醜聞』のスピンオフ。 女性の自立なんて「とんでもない」時代、その自由闊達さと冴える知恵と気転を武器に美貌のアイリーン・アドラーが活躍するさまを、"牧師の娘"ペネロピーがワトスンよろしく相棒の視点で綴った実録物語となっている。 緋色の研究(緋色の習作)のあの復讐者の登場は、序盤の嬉しいサプライズだ。 女探偵(ただし副業)として、アメリカ宝石商ティファニー氏よりマリーアントワネットの秘宝「ゾーン・オブ・ダイヤモンド」の探索を持ちかけられたアイリーン。 ティファニー氏をバックに社交界に華麗にデビューし、オスカー・ワイルドら英文学・演劇界の著名人、ロンドンを賑わすボヘミアの音楽家アントニーン・ドヴォルザークの後押しを得てメジャー歌手への階段を駆け上る姿は、なるほど、逞しい。 そして、あの名探偵との邂逅。面白くないわけがない。 「ヴィクトリア朝推理冒険大活劇」の宣伝文句は大げさだと思うが。 後に良き伴侶となる法廷弁護士ゴドフリー・ノートン氏。その人柄はとても魅力的だし、「ゾーン・オブ・ダイヤモンド」の消失にからませて本書のキーパーソンとした手腕はなかなかのものだと想う。 なかでも上巻p198~199にかけての「幼少期のゴードン氏の決意」が印象に残った。 「ぼくの哀れな家族にとっての真の幻の宝はなんなのか教えましょうか?」 ■ 個人的にはドヴォルザークがロンドンでアイリーンの才能を見抜き、ミラノ、ワルシャワ、そして運命のプラハへと導くくだりが印象に残った。スラブ舞曲とユモレスクが身近に思えてきたぞ。 ■ 下巻はボヘミア、プラハに舞台を移す。皇太子の求愛が危険な執着へと変化ヘンゲするおどろおどろしい感情が目を引く。 オーストリア=ハンガリー二重帝国の軛への反発が強まる中、ボヘミア王室は、プラハの愛国者の罠を見破ったアイリーンに対し仇を持って返す 王侯貴族に特有の性質と追っ手を振り切り、ロンドンへ逃げ帰ったアイリーンとペネロピーを暖かく迎える男性とは……。 男はかくあるべし。 そして煙幕に包まれるサーペンタイン・アベニュー、『ボヘミアの醜聞』へ! パリが舞台(サラ・ベルナール!)の続編も気になります。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
創造小説だけど、沢山の要素(女性の自立、策謀などなど)がもりこまれていておもしろい。 ただし、推理はやはり本家が一番。推理も確かにあみこまれているが、少し無理やりっぽいかも。 それにしても登場したのはたった一話だけなのに、映画にしろ、小説にしろ、その人間像がここまで膨むのは、ミステリアスで魅力的なアイリーン・アドラーだからこそなのかもしれない。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!