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ルー=ガルー 忌避すべき狼
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【この小説が収録されている参考書籍】
ルー=ガルー 忌避すべき狼の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.06pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全51件 21~40 2/3ページ
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隙の無い世界観の組み立ては流石と思ったのですが… どれほど支離滅裂な事件にもしつこいまでに論理を積み立てて解析し、納得させる、 あの緻密さは稀釈されてしまっているなあと感じました。 京極さん自身、そう意識して書かれたのかもしれませんが、どうも落としどころで落ち切れなかった。 いつもの京極というものがある方には余計にそう感じられるかもしれません。 その代わりに後半のテンポ良く大胆に展開していくストーリーによる疾走感は爽快でした。 相性の問題もあるかとは思いますが、 京極作品のうちでは分量的にも軽めなので読みやすい作品です。 | ||||
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自分がこの作品を知ったのはコミック(完全版ではナイ)が最初でした。本屋で偶然見つけ購入し、そして読んでいくうちに、ドップリとルー=ガルーにはまりました。 そして今回、小説版を購入しました。 コミックでは簡略化されていた精神描写の部分を「あ、こういう事か〜」と思う所が多々あったり、作品の深さにまた魅入ったりと楽しく読めています。 まぁ、自分がこういう作品とか好きって事もありますが みなさんも是非、読んでみて読んでみて下さい | ||||
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作品そのものの完成度については、他の京極作品と同様に十分満足度の得られる物。 京極好きならば、読んで色々と考える所はあっても、楽しめると思う。 しかし、完成度の高さが面白さには直結しない事もある。 無機質な社会、無機質な思考の人間、そこに生きる有機質な人間と有機質な思考の 対峙が各所にある為、社会を徹底的に無機質にしつつも、その本質が有機質である事を 語らねばならず、この部分の完成度が全編に跳ね返って読む側を撥ねつけている様に思えた。 その偽善的な世界を突き崩していく面白さが十分にあるのだが、作品の8割を世界の 構築の為に費やさねばならず、読み手が愉しむ事が出来ない(その様な世界観なのだから それであっているのだが) 人間には情念があり、それは計算出来る物ではないのだが、それを故意に封じ込める事も 出来るという書き手の危機感と警句が作中にちりばめられており、読者としてもそれを 共感出来るので、後半は面白いのだが、そこに至るまでのストレスが半端ではない。 しかしその通り、この物語の内包する問題は現実に実在している問題で、この物語に 内包されるストレス自体は、現実に今の私達が悩まされている問題そのものでもあると思う。 人はいつから、自分の頭で考える事をやめてしまったのだろうか。 この作品での京極は、己の世界観を読者に提示しながらも、それを文字の羅列という データとしては鵜呑みにせずに、読者自身の頭でよく考えろと言っている様にも思える。 おそらく、これはとても面白い作品だ、と評されるのも望んではなく、本当にあなたは 自分の頭でこの作品を面白いと感じているのですか? と問い続けている様にも感じた。 故にこの作品を評するにあたって、星4つ以上をつけるのは作者の本意でも無いように 思えた。まぁ星という数値データでの判断こそが忌むべきシステムなのだと思ってしまう 時点で、自分はこの作品に影響されてしまっている。 良くもない悪くもない。あなたという有機質の脳味噌と感情を持った読者自身が この作品を良いと思うのならそれは良いし、悪いと思うならそれも正しい。 管理された数値データなど、指標にはしない事が望ましい。 | ||||
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京極堂こと中禅寺秋彦が主人公の百鬼夜行シリーズが好きなので、京極夏彦氏がどんな近未来作品を書いたのかと興味を持ち、購入してみた。 途中までは、メインである少女4人(葉月・歩未・美緒・麗猫)が少女達を襲う連続殺人犯をつきとめるべく謎を解明していく作品なのかな?と思っていたのだが、結局全て読み終えてみると謎自体はシンプルなもので、むしろ作品の世界観やテーマ、そして終盤のアクションシーンこそがこの作品の売りではないかと思った。 こう書くと、「じゃあ、殺人犯探しは簡単でつまらないのか」と思われるかもしれないが、そんな事はなく、予想外の事実にかなりの衝撃を受け、引き込まれた。 人が人を殺す動機とはどういうものかという点をいろんなキャラの視点から多面的に描いているところが面白い。 ただ、一つ一つの章が短い割には、章が切り替わる度に葉月ら少女達とカウンセラーである静枝達の視点が切り替わるのが少し読みづらかった。 それに、少女達がさらわれて殺された理由に関しては、ちょっとこの作品の世界観に合ってない感じがするし、人によってはかなりの不快感を持つかもしれない。 それでも、個人的には葉月ら4人の少女達のキャラクター性が好きなので、物語の中盤から終盤にかけてはかなり楽しめる作品だった。 | ||||
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なんでしょう。 悪くは無いんです。お話としては、面白くないわけじゃない。文章力のある作家さんだなあ、とも思います。 でも、なぜか、京極夏彦の本じゃない気がします。 公募で設定やらキャラクターやら募集したせいでしょうか。なんとなく全体の世界観が散漫で、入り込めないのです。 京極堂の世界観を期待していると、肩透かしを食らわされるような。 読者層を想定してのことなのでしょうか。文体もライトノベル的になっていて、わかりやすいのですが、いつもの京極堂の「味」が薄い。 せっかく京極夏彦の書くSFなのですから、あの、こちらを圧倒するかのような語り口で独自の世界観を作って欲しかった。 今後に期待をこめて、辛口の評価にさせてもらいます。 | ||||
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2030年頃の日本を舞台にした、あの「妖怪小説家」京極夏彦の近未来SF小説。連続殺人事件に巻き込まれる少女たちを主人公とした物語。 相変わらずの弁当箱本である。筋は比較的単純で、ちょっと読書に慣れた人なら、半分も読めば「カラクリ」は見えてしまうし、動機に至っては、いくつか想定した中でもっとも単純な理由であった。だから犯人探しのミステリーとしては平易な部類に入り、読書の楽しみは専ら、如何に展開するかということに尽きた。そして、それは文句なく素晴らしい。 とても勝ち目のない難敵を相手に少女が絶望的な戦いを挑む、という設定は、標準的なオタクの標準的な好みであると思う。細かい点も含めてどうもこの作品にはその臭いがすると思っていたら、これは雑誌「アニメージュ」などから読者のアイディアを募集し、さまざまに反映させた双方向小説なのだそうだ。もちろんそれは悪いことなどでなく、数多の意見を取り入れてこれだけの作品を物した作者の力量には脱帽するしかない。前半、なかなか物語が動き出さないけれど、これを我慢して読むのも読書の楽しみだろう。 唯一私が不審に思ったのは、「前巷説百物語」でも感じた偽善臭である。本書を含めて多数の残虐行為を描いていながら、一切の殺人は悪などと繰り返し作中人物に言わせている作者は、これを一種の免罪符にしているつもりだろうか。他人の人生を身勝手に・不条理に・残酷に奪った人の、その人生を守る必要を私は感じない。人を殺めることを楽しいと感じる人がいるのも医学的に事実だ。ヒューマニズムは相対的な原則に過ぎない。この作者はさまざまに理屈をこねるが、ごく平均的な感性を持つ人が生理的におかしいと感じることは、やはり大抵の場合おかしいのではないか(「ごく平均的」とは何を指すのか、などという議論は無意味である)。 | ||||
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最初の方は世界観が分からず、ただ読んでいるだけだったのですが、200ページあたりからぐいぐい引き込まれ、一気に読みました!犯人に驚きでした。これはおすすめです。 | ||||
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「京極夏彦」ときけばそれだけで読みたくなる人とそうでない人がいます。 読みたくなくなる人にお薦めしたい作品。 タイトル、装丁、近未来設定。妖怪はいませんが狼がいます。読めば骨子は京極夏彦。 少女たちの稀薄さと生死の曖昧さ、けれど確かに存在する境界線。 言葉も選ばれ、書き手の横暴さや不躾さががありません。 男の人がえがく「少女」は普遍です。 | ||||
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京極夏彦さんの作品なのにとても軽く読めました。 表紙にだいたい登場人物(この絵は誰だとか)が予想できるイラストが使われていて、中身に会話がかなり多いので漫画を読んでいるような感覚でした。特に後半のアクション(?)シーン。 前半では、登場する少女たちと同じ年代だからかもしれませんが、歩未のような゛独特の雰囲気をもっていて馴れ合わない゛存在に何となく惹かれる葉月に感情移入して読んでしまいました。 作中のカウンセラーの「なぜ人を殺してはいけないのか」に対する答えはいままで言われた中で一番納得できるものでした。 | ||||
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京極堂シリーズをある程度読めたので読んでみました。舞台が未来になっても京極は京極でした。 読者の声を反映させた未来像だったらしいですけど、 現実味があるようなないような、不思議な未来で 想像力を程よく刺激されて、楽しめました。 作中にあげられる議題や思考もやっぱり京極って感じで 妖怪以外でも彼の作品は面白い!と改めて感じられました。 彼の作品を読んだことない人でも十分楽しめるかと思われます。 かなり長いですけど、価値アリな一冊です(・∀・) | ||||
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『百鬼夜行-陰』に収録されている短編の未来の話。 しかも、意図したのかたまたまなのかは知りませんが、 京極堂シリーズの主要メンバーにそっくりな女の子が出てきます。 特に、中禅寺→歩未 榎木津→美緒 は性格がまんまです。 ストーリーの方も面白かったです。 分厚い本だけど、京極堂シリーズの用に難しいところが全く無い というか、薀蓄が一切ないので驚くほどスラスラ読めました。 思ってたより良かったです。 | ||||
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いきなり近未来小説。 出てくるのはほとんど少女。でも、京極堂シリーズの面々とだぶって見える…。京極堂シリーズでも名言や決め台詞は数あれど、 こちらの世界でも、そ~だったのか!!発言多数。人を殺すのはなぜいけないのか。 秩序内に生きることはアウトローと同じく命がけである。 占いとは本来…数々の命題を明快に解き明かす京極節、健在。 | ||||
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最初はなんだか違和感を感じました。 京極堂作品で感じていた、最初からひきこまれるというカンジがこの作品にはどうも感じられなくて「あれれ?」と。 でも、読み進めていくうちに、特に後半の辺りからのテンポの良さは、買って失敗じゃなかったかなとホっとさせてもらえましたよ~。 読者や雑誌等の企画で募集されたものからアイディアがくみ込まれているという事を事前に理解していれば、もっと落ち着いて楽しめたかもしれません。 なので、星は4つにさせていただきました。 | ||||
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人が人を殺す時には、動機が重要だ。推理小説の醍醐味は、いかに謎を構築するかというトリックのテクニカルな側面と同時に、同様の重要なのが、「なぜ、殺したのか?」という心理的、動機の側面です。この近未来SF小説も京極ワールドとしてはとても他の作品に似ていて、とりわけ『魍魎の匣』とは、同型のような印象を受ける。それは作者が、この登場人物の殺人の動機を同じものとして描いているからだと思う。読者のアイディアを使うというめずらしい手法を使った小説だが、近未来を描くと、どうしても閉塞的な管理社会が連想されてしまうらしい。20世紀から近未来は、暗いものという暗黙の了解があるようだ。ハックスレーの『すばらしい新世界』やオーウェル『1984』、日本では栗本薫の『レダ』、映画ではアンドリューニコルの『ガタカ』等など、ディストピアが好きな人にはお薦めの作品です。 僕とりわけ『レダ』と似ている気がした。遺伝子操作と人工授精システムによる家族制度の崩壊と家族の束縛からの自由、それに伴うコミュニケーションの個人化。そうした世界を所与のものとして生きる子供達が、どうなっていくのか。ただ良くも悪くも京極作品なので、あの冗長さが好きかどうかでも大きく評価は分かれると思います。 | ||||
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京極さんの本はどれもとてもおもしろい。そして、人生に大切なウマイひとことが必ずおりこまれている。人生訓;人間の生き方についての教えである。 しかし、どれも厚くてよほどの本好きでなければ、読破できないようなものが多い。しーーかし、これは、とても読みやすい!! ぜひぜひ、本離れしてきている若い皆様方に読んでいただきたい。バトルロワイヤルを読めたのなら、これもきっと読めるはず。 そして、こっちのほうが断然、あなたのこれからの生き方に必要な大切な なにかを得ることができることまちがいありません。 若い人のみならず、京極さんの作品を途中で挫折してしまった方々にも オススメです。京極ワールドへようこそ!! | ||||
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相変わらず分厚くて肩が凝るけど,面白くって気にならない。犯罪,死,生についての深い論理が読めて唸る一方で, 青春ものとしても楽しい読み応え抜群の一冊。あと,ガメラ好きにもたまりません。 | ||||
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「どすこい」が楽しめた人、お勧めです。特に前半。 ”カウンセラー(女性)のツッコミ/毒舌”と言ったら通じることでしょう。ちゃんと真面目なストーリーにもなっています。一文一文が良かったです。 近未来像を一般から公募したことを後で知りました。内容紹介にある、 「募集した様々なアイデアが京極氏の物語をどのように輝かせるのか。」のとおり、本当に輝いてました。でも、後半は映画化を意識しすぎかな。 | ||||
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未来の世界の設定が細かすぎる、とっつきにくいとは少々思ったものの全体的な印象はすごく面白かったです。 京極作品の象徴であるかのごとく滅茶苦茶分厚いんですが、それにしたってだらだら文を伸ばしてるんじゃなくて寧ろ、人と人との交流が希薄である世界観を表すかのように簡素な文。それでいて中身は詰まってる!少女達のやりとりが徐々に人間らしいものになっていく過程とか本当素晴らしかったです。歩未の「けもののような」スマートな格好良さも印象的でした。難点は本が傷みやすい(表紙も中の紙も)ところですかね。ハードカバーにして欲しかった…。 | ||||
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舞台は日本とは書かれていませんが近未来。 でも「近」とは言えど文明はかなり進んでいます。 すべてがデータ化され数値化され管理されている世界。 それが全てで真実。 主人公はそんな時代に育った14歳の少女達。 みんなモニタを見て毎日を過ごし、人と接触することは、 定期的にあるコミュニケーション研修のときのみという児童がほとんど。そんな世界と子ども達を中心に物語りは進んでいきます。私は半分まではちょこちょこ読んでました。 長いなー無謀だったかなーと思いつつ。ファンタジーなので、 その世の中の仕組みに関する記述が長い長い…。がんばれ。一つの連続殺人事件を大筋に、14歳の少女たち側とそのカウンセラーや刑事など大人側と二つの視点を交互に描写していて、後半になるにつれその二つが絡み合い、それまで真実だったものが真実でなくなり、さてさて…。途中はともかく、半分以降は一気に読めました。読み終わった後には おもしろいっという満足感と、キャラへの愛情が…。星を一個減らしたのは長いから読みにくいかなという理由からです。 読む価値あり。 | ||||
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他の方のレビューになかったので。。京極堂の妖怪シリーズと絶妙に繋がってます。 『魍魎の匣』の●●の出てくる話『鬼一口』(『百鬼夜行―陰』に収録)のあの人が実は…。。 この2編を読んでると、最後のあの人の台詞の意味がよくわかると思いますよ。あとあゆみの家の周りの描写にも、オヤと思うはずです。痛快な少女活劇なだけでなく、妖怪シリーズとの見事なリンクが嬉しかった作品です。面白かった! | ||||
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