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機龍警察 自爆条項
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【この小説が収録されている参考書籍】
機龍警察 自爆条項の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.59pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全40件 21~40 2/2ページ
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テロリストである<詩人>キリアン・クインと剛腕で鬼才の沖津特捜部長が、頭脳戦を繰り広げる。駒となって立ち回る部下たちの奮闘と苦悩と誇り。緻密に描き出されていて読みごたえがある。 ライザには死以外の安息がないのか。しかしそれは意外な形で、ライザをつつみこむ。 | ||||
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ライザ、マクブレイドの生い立ちと、IRFとの因縁が掘り起こされる。東京で起きた物語は、いったん舞台を日本から移し、アイルランドで展開する。死神の二つ名が負う過去。現実を少し先取りしたような国際テロ組織の暗躍。しびれる物語だ。 | ||||
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近未来のSF的な設定がゆえに,この本をためらう読者も多いと思います.私もそうでした.しかしこの本,とにかく一読して欲しい.一度読み始めたら次のページが気になって仕方がない.こんな経験は久しぶりでした.お勧めです. 国際色豊かな登場人物.ストーリーの半分はイギリス,それも北アイルランド.さらにはSF的な設定.日本人が書くとどこかに無理が生じそうな物語ですが,最初から最後まで一度も滞ることなく読ませる力があります.ド派手な戦闘,そして警察小説としての設定も,さらには最後まで引っ張る謎もあり,伏線も見事に効いている.うまい作家だと思います. 欲を言えば,もう少し警官たちの活躍を描いて欲しかった.地道な警察活動と戦闘シーンがもっと調和できれば,作品としては完璧だと思います.楽しい時間を過ごさせていただきました.こんな本を日本人が書く時代が来たんですね.これを読めるのは僕らだけなんだ.実に幸せ. | ||||
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機龍警察第2作。第1作はそれなりに面白かったが読んだのがシリーズのオープニングとしてまあまあかなと、それほど評価は高くなかった。本作はそれほど期待をしないで読んだのだが、大変な衝撃を受けた。本作では警視庁の機甲兵装機龍兵(ドラグーン)搭乗員ライザ・ラードナーの物語となる。ライザの過去と現在が交互に並行して語られる構成と彼女の過去と現在の事件の因縁が丁寧に描かれている。海外の描写は翻訳もの読んでいるように違和感がなく作者の力量を感じる。おそらく取材や参考文献も丁寧あたっているのだろう。その意味で本作は翻訳されて海外でどのような評価を受けるか知りたいと思わせるものを持っている。 ストーリーもラストに向かって過去と現在の因果関係のピースがぴったりおさまり、なおかつミステリーの要素も盛り込まれている。謎解きだけでなく最後にしっかりクライマックスも用意されており、結末もよい。現時点ですでに第3作を読み終えているが、シリーズが進むにつれて盛り上がる点も素晴らしい。また、機龍兵搭乗員がなぜ元日本人傭兵とアイルランドの元テロリストとロシア警察の元警官なのかもしっかり描かれているのもよい。 まだインサイドストーリーネタは残っているので今後の展開が楽しみである。 | ||||
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IRA IRFなどの歴史について行くのにちょっと 戸惑うが、それが頭に入ると、後は続きが気になって止まらなくなります。 | ||||
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どちらの小説も現在の警察小説の延長で読むとすれば、つまらないSF小説であるかもしれませんが、米軍が開発中のパワードスーツや介護用パワードスーツなどの開発状況を見れば、非常に近未来の世界であると思います。ただし、犯罪者が軍事用パワードスーツを着用するから警察も対応してパワードスーツ要員を保有するのは、犯罪者が10式戦車を警察の装甲車両に対抗させるために使用するみたいで、設定が少しおかしいです。ソマリヤやザイールではあるまいし、犯罪者集団と警察機構が軍事的エスカレーションを起こすとすれば、パワードスーツや戦闘車両の装備拡大をするのではなく、テロの被害を極大化するほうが安上がりでしょうから。 しかし、娯楽小説としては面白いです。 | ||||
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前作では姿の過去が語られましたが、本作はライザの物語です。かなり克明に、そして詩情豊かに、残酷に彼女の過去が語られます。それは、その部分だけで一冊の本になるほどです。でも、逆に言うと、上下2冊のプロットとしては、やや冗長に感じられるかも知れません。しかし、作者は膨大な資料を手際良くストーリーに生かしているとも感じました。また、ドラグーンによる戦闘シーンは、割合的には少ないと感じました。でも「機龍警察」シリーズとしては読み応えがありますし、今後の展開を理解する上でも必読の書だと思います。ファンになったひとには、ですが。 | ||||
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シリーズ第二弾の本書は、ドラグーンの三人のオペレーターのうちのひとり、ライザ・ラードナー警部を中心として話が進みます。〈死神〉と呼ばれるに至った経緯が詳しく語られます。ただ、彼女の過去のエピソードが、割と本編の早い段階から始まり、なかなか終わりません。小説内時間での「現在」が、やや長めに放置されるので、プロットとしては好みが別れる所かもしれません。前作では姿警部の過去について詳しく書かれましたが、作品自体が一冊だったので、バランスが保たれていました。本書は上下巻と言うことで、作者としてもかなり綿密な文学的な趣向を凝らしています。ただ、ややもすると、その思い入れがややセンチメンタルに感じてしまうかもしれません。 少しぶちあけると、ドラグーンの戦闘シーンは少なめです。ですから本書に、前作の様なダイナミックなアクションを過度に期待すると物足りなさを感じるかも知れません。 とはいえ、作者の緻密な人物描写や、魅力的なキャラクター達の活躍は存分に楽しめます。 私はとても満足しました。 ただ、この次の作品では、三人のうちの残る一人であるオズノフ警部の過去が語られる様ですが、個人の要望としてはソコソコの掘り下げかたでお願いしたい気持ちです。 しかし、作者としては丁寧に一人ずつ掘り下げたいのでしようし、また、その力量も十分に持っていると思うので、こちらもじっくりと付き合おうと思っています。 | ||||
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シリーズ二作目ですが…私は本書で初めてこの作品の世界に触れました。 ある方が読書会で「パトレイバーですよ」と語っていたのですが、それは或る 意味正しく、或る意味違うというのが読後の感想。 ・確かに警視庁に人型ロボットが配備されていて ・その長は超キレ者で(昼行燈ではない後藤さんだ) ・しかし、組織自体は警察全体からは心良く思われていない ここら辺は正しい部分でしょう。でも、後は良い意味で別物。 特に話の運び方(伏線の張り方、何よりも副題が最大の伏線だ)&主要キャラの心情 (ヒロインであるライザの過去と今、そして未来へと続く終結部…それぞれの場面の 心の機微を凄く丁寧に描いている)の描き方は読者を一気に本書の世界観へと引き込みます。 これは筆者がアニメの世界で脚本を書きまくってきた故の筆力と感じた次第です。 話運びとキャラの描き方が良い分、機甲兵装(いわゆるロボット)や戦闘シーンについては (十分なレベルに達しているとは思います。絵がしっかり浮かぶから。それでも…)少し物足りない 感じを受けたのです(アクションで読ませるのではなく、話やキャラで読ませるのだ、という 考え方もありえるでしょうが)。 折角、魅力的なものを用意したのだから、そこについても読ませて、いや魅せて欲しかったと 思うのです。 | ||||
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アイルランド紛争を舞台にシリーズ登場人物のライザの過去を丁寧に描きながら、東京を舞台にしたハイスピード・近未来警察アクションが展開される。 ハードカバでー450ページとボリュームあるが、文章のテンポが良く、ページを繰る手は止まらない。 タイトル副題の自爆条項の意味するとろこが、見事にパズルのラストピースになっており、ストリーテリングの達者さには感心する。 本作をきっかけに、アイルランド紛争史を読んでみよう思う。 なお、作中のパワードスーツと銃器のドンパチアクションは本作の魅力の一つではあるが、マニアにはやや甘口かもしれない。そういう向きには、あくまで人間ドラマの脇役としてとらえ、その辺はさらっと読み飛ばすと良いかもしれない。 | ||||
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面白かったです。一気に読みました。上下を一緒に買わないと、すぐに読めないので。 | ||||
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機龍警察第2作。第1作はそれなりに面白かったが読んだのがシリーズのオープニングとしてまあまあかなと、それほど評価は高くなかった。本作はそれほど期待をしないで読んだのだが、大変な衝撃を受けた。本作では警視庁の機甲兵装機龍兵(ドラグーン)搭乗員ライザ・ラードナーの物語となる。ライザの過去と現在が交互に並行して語られる構成と彼女の過去と現在の事件の因縁が丁寧に描かれている。海外の描写は翻訳もの読んでいるように違和感がなく作者の力量を感じる。おそらく取材や参考文献も丁寧あたっているのだろう。その意味で本作は翻訳されて海外でどのような評価を受けるか知りたいと思わせるものを持っている。 ストーリーもラストに向かって過去と現在の因果関係のピースがぴったりおさまり、なおかつミステリーの要素も盛り込まれている。謎解きだけでなく最後にしっかりクライマックスも用意されており、結末もよい。現時点ですでに第3作を読み終えているが、シリーズが進むにつれて盛り上がる点も素晴らしい。また、機龍兵搭乗員がなぜ元日本人傭兵とアイルランドの元テロリストとロシア警察の元警官なのかもしっかり描かれているのもよい。 まだインサイドストーリーネタは残っているので今後の展開が楽しみである。 | ||||
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他のレビュワーの方も言うように、本作が本シリーズ 三作中で最も面白く読めました。何より、龍機兵搭乗要 員ライザの宿業が、オペレーター緑の孤独との対比で、 端的に書き込まれていたからです。『暗黒市場』での、同 ユーリのそれに比べてもより悲劇の求心度が高かったよ うに感じました。 ところで、本シリーズを新しい警察小説と評する向きが あり(『読売新聞』2012.11.17)、本書の解説でも千街 晶之が同主旨のことを書いています。実際、他の警察小 説と同様に警察組織のセクショナリズムが語られ、敵へ の内通も示唆されています。しかし、本シリーズの眼目は 題名にあるよう、機甲兵装同士による激烈な戦闘の記述 にあります。その限りでは、「68年のカウンターカルチャ ーの記憶を意識的無意識的に継承する」(笠井潔『テロル の現象学 新版』)とされる日本のサブカルチャーの系譜 で考えた方がよいと思います。つまり、その流れの中に 立つ書き手が、たまたま警察小説に手を染めたと、わた しは考えています。 そして、その行き着く先は・・?作者の想像力の行方 は見当もつきませんが、すっかりマンネリ化してしまっ た『新宿鮫』のようにだけはならぬよう願っています。 | ||||
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1作目から3作目まで、一気に読みました。私は、この2作目が最高だと思います。この世に、なぜ、殺戮と裏切りが存在するのか。人間の愚かさ。どうしようもない闇。でも、生きるしかない。とてつもなく、重い問いかけです。 | ||||
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この下巻で、ライザが組織を抜けた真相やテロリスト側の真の狙い、クセのある新キャラの登場。 そして上巻で張られた伏線が、沖津特捜部長の推理と捜査員の地道な努力により収束してゆく 怒涛の展開がグイグイと繰り広げられます。もう現代に話が戻ってからは、本を閉じることが 出来なくなりました。 個人的には、前作より機甲兵装のバトルシーンが、読んでいてより解り易くなった印象を受けました。 ところで、ネットでの批評を見ると、この作品を「パトレイバーや攻殻機動隊と似ている」という 人が結構いますが、この作品の重心はやはり「警察小説」の部分にあり、また作者が最終的に描きたい ものも、それら2作品とは全く別のものだと思います。 まだまだ謎は多いし、彼らが対峙する闇は今作で想像以上に深く大きものであることが解りました。 しかし、だからからと言ってこの「自爆条項」が中途半端に終っているという事はありません。 物語として実にしっくりとくる形で締めくくられています。 | ||||
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大変な力作です。読む方にも、ある程度の心身の準備が必要かもしれません。 今まで読んだ警察もので、最高の死者数です。 | ||||
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文庫化されたので、機龍警察のシリーズ1から一気読みしました。 ライザの過去と、現在が、互い違いの章で織りあわされて、 静かな筆致の過去の章と、事件を前に騒々しい現在の章が、 それぞれに人間模様を交えながら、しかし熱くならずに 書かれているタッチは大好きです。 私は、アクションシーンは不慣れだし、知識もないので 論評と言うほどのことはないですが、まるで子供の頃に 戻ったかのように興奮したり、それ以外のエスピオナージュ的な シーンとか、警察シーンとか、それぞれにすごく楽しめるし、 何より、このシリーズは登場人物の人間が描かれているのが すばらしい。 次に9月にはシリーズ第3弾が出るそうです。 買ってしまいそうです。 | ||||
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時間軸は現在と過去、空間軸は、東京と中近東、アイルランドとスケールが一気に広がって壮大な物語に放り込まれる。 だが、一瞬たりとも退屈させられないのは、洗練された読みやすさのためか、一つ一つの物語の密度と丁寧さのためか。文章のシャープさ、気持ちよさもさらに熟していた。 ライザの過去を描いた第二章は、もう小説を読んでいるというより映画を観ている感覚に近い。 なぜ若いアイルランドの女性がテロリストになったか、なれたかを、「200の羊より一匹の豹」とイスラムで言う素質の描写や、この世の地獄とも思えるテロリスト訓練場面などから描いてゆく様は秀逸。その場の湿度や匂いまでしてきそうな情景が連動された。 後の章を読み進めるなかでもその時の情感がじんわり想起され、効いてきた。異国を旅した旅情を思い出すようにふいに。 第四章もライザの過去。早く次を読み進めたいのに、自分の速さではそれに追いつかない焦燥感を久々に味わえた。 後半はエンターテイメントの連続。 捜査をチェスの局面に見立てて推理する沖津の思考の場面はなぜこんなにワクワクするのか。 そして物語の核心へ・・・ 新たなキャラクターも物語の絶妙なスパイスになっている。 曽我部は個人的には岸部一徳を思い浮かべながら読んでいた。 この人が2重にも3重にも罠の仕組まれた沼に、情報という餌を放り込んで、上級官僚達をコントロールしようとするしたたかさ、粘着性、腹黒さ!?は、ほんとおもしろくて楽しんだ部分。 | ||||
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二巻目はヒロインである元テロリストのライザを中心にした物語だ。物語がやっと動きだした、というより、前作が大まかな登場人物の紹介でしかない。一巻目を読んで、二巻目がただ凡庸な政治ドラマやアクションを展開してお茶を濁すようであれば二巻目のレビューはたぶん書かなかった。 今作で展開されるのは、国際的な陰謀の中で展開されるライザの物語。 ライザの過去がしつこく綴られる。ほんと、しつこい程に。正直冗長だし、第二章など過去回想に過去回想が重なり、読んでいて時系列が混乱した。またクライマックスの襲撃シーンも敵味方が入り乱れて少々混乱する。もう少し整理すればいいのに。 タイトル「自爆条項」が意味する非情な内容も明らかにされる。 それに何の躊躇もなく同意するライザの救いようのない内面が示される。 しかしすべての不満はラストのシーンで報われる。 不思議な読後感だった。ライザと緑が和解する訳でもないし、ライザが本当に救われることなど有り得ないとわかっているのに。だがそれでも、読んだ後爽やかな気分になった。 細かい所を云えばキリがない。だがライザにしっかり感情移入出来るようであれば、確実に感動するだろう。三巻を熱望しています。 | ||||
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前作と変わらぬ引き締まった文体ながら、今度は自在に流れるように綴られて、物語の進行と読み手の想像をたやすくしている。 人、組織、モノがリアルに描き込まれて、実在の世の中のように複雑な物語空間が動き出す。しかもそこに特有の緊張感が張り詰めている。 新刊案内には「活劇」とあるが、活劇の枠を越えて一般性を持つ。格が違う。 犯罪によって止まる時間。止まった時間に張り付いて徐々に遠のいていく死者達の像。生きる者の孤独(32頁)。 「憎悪の相似がそこにある。己の罪が無限に連なって見える世界。永遠に抜け出せぬ罪の連鎖だ。」(76頁)。罪の暗闇へのまなざし。 中でも第二章は、極限の葛藤と懊悩を見事に言語化していて、素晴らしいと思う。 一人一人が心の底にしまい、背負う憎悪と罪。それを矜持に転ずる力動。力が絡み、もつれ、破壊し、世界を動かす。 自由とは何か。 本当の裏切り者とは何か。 作品世界が大きく動きはじめたと感じる。連作が発展することに期待したい。 月村了衛『機龍警察 自爆条項』 早川書房 二0一一年九月二十五日 初版発行 | ||||
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