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警視庁草紙
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【この小説が収録されている参考書籍】
警視庁草紙の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.76pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全38件 1~20 1/2ページ
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黎明期の警察トップ・川路利良&その部下たちと、元江戸南町奉行&元同心による知恵比べ・騙しあいを描く、著者の明治シリーズ代表作とされる連作短編集です。 同じく川路が登場する「明治断頭台」と比べるとミステリー色は弱めで、特に上巻前半はドタバタ活劇寄りの作品が多くなっています。 しかし第7話「幻燈煉瓦街」あたりから、虚実ないまぜで奇想天外な物語に、「西南戦争」に続く史実が絡み合って俄然面白さが増してきます。 「幻燈煉瓦街」における銀座の街並みの描写は幻想的で美しいですし、最終話での気球による脱出シーンはまるでルパン三世のようで楽しく、また最終盤の抜刀隊出立場面は男たちの矜持が心に迫り、とても感動的なラストとなっていて思わず感涙してしまいます。 物語全体を通して、明治初期の人々の暮らしぶりや風俗、街並みの生々しい描写がとても魅力的です。残酷で凄惨なシーンがところどころ登場するため、女性を中心に苦手な方もいらっしゃるでしょうが、とても面白い小説なのでおすすめです。 | ||||
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という事を信頼するスジから聞いたため読むことにしました。 以前に忍法帖は結構読んでいたのですが、明治モノを読むのは今回が初めてです。 めちゃくちゃ面白いです。 歴史に詳しくない方でも知っている、明治維新の立役者が絶妙な距離感で出ていて、 それがかえって存在感を際立たせるような演出になっています。 明治維新というどちらかというとポジティブに描かれがちな一連の出来事に対して、 倒されれる側となった幕府の下級武士たちとその家族が実際どういう状況になったのか、 本当のことは分かりませんが、これを読むとすごくリアルに感じられます。 これからほかのやつも随時読んでみようと思います。 | ||||
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初代警視総監川路利良を先頭に近代化を進める警視庁と元南町奉行駒井相模守、元同心、元岡っ引の知恵と力を駆使した対決。川路利良、駒井相模守、大久保利通、岩倉具視、一葉、山田浅右衛門、三遊亭円朝らを巻き込んで奇怪な事件は謎を生む。実在の人物と架空の人物が銀座煉瓦街を駆けめぐる! | ||||
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警視庁vs元江戸南町奉行所の面々。明暗を分ける時代の流れ。広沢真臣、黒田清隆、井上馨、森鴎外、高橋お伝、皇女和宮、清水次郎長などなど多彩な人物を巻き込む怪事件をめぐり知恵くらべは続く。華やかな明治の舞台うらに流れる去りゆくものたちの悲哀。 | ||||
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小説としても楽しいし、当時の人物の立ち位置も見えてきて、とても参考になります。 | ||||
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時代物は面白いです、岩手県の尾去沢鉱山に行って来ましたが明治時代の井上薫さんの悪行を見て来ましたがいろいろ 書かれていて面白方です | ||||
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西郷隆盛が下野する場面から始まり西南の役が起こるまでの間に起こる18の事件を描く明治小説。元南町奉行の面々と警視庁とが虚々実々の駆け引きを繰り広げながら敗者や弱者の哀愁が描かれていく。名作との評判に期待して読んだが今一つわざとらしさが目立ち冗長感を禁じえなかった。 第一話「明治牡丹灯籠」、第七話「幻燈煉瓦街」、第八話「数寄屋橋門外の変」、第九話「最後の牢奉行」は密室殺人事件であり謎解きミステリとしても面白い。特に第一話は結末の意外性も見事。 第三話「人も獣も天地の虫」では大がかりな隠し娼婦の取締りにより元旗本や御家人の娘たちが伝馬町の牢に入れられてしまう。元同心の千羽兵四郎は内縁の妻のお蝶からその牢破りを頼まれる。とても不可能と思われたが寄席五林亭の席亭、青木弥太郎がとんでもない作戦を思い付く。冒頭で登場する二人の巡査が最後に感動的な見せ場を作る。 なお、本編に登場するお辰は第六話「残月剣士伝」と下巻の第十三話「妖恋高橋お伝」にも登場する。 忍法帖シリーズほどではないが全編が奇想天外な展開で読者を楽しませてくれるがその分コミカルでおとぎ話のような童話的雰囲気があり登場人物も物語を進める上での駒の一つという感があり人間としての現実感が乏しくやや興ざめであった。 | ||||
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第十話「痴女の用心棒」、第十一話「春愁 雁のゆくえ」、第十二話「天皇お庭番」の三作は明治四年(本編の四年半前)に実際に起きた参議広沢真臣の暗殺事件が背景となっている。第十話では広沢の愛妾おかねを巡るドタバタ喜劇の中でおかねの夫、千馬武雄が殺される。この真犯人は第十二話で再度登場する。第十一話はやや錯綜しているが若干十四歳の森鴎外(林太郎)が登場する。小説「雁」を思わせるエピソードが物悲しい。第十二話では広沢参議暗殺事件の犯人たちが「闇の中の声」として登場。忍法帖のようなお庭番同士の攻防戦になるかと思いきや意表を突く急展開のラストが見事。 広沢参議暗殺事件は明治の最大の迷宮事件とのことだが、第十話では隅のご隠居こと元南町奉行の駒井相模守が意外な真相を推理しており、それが第十二話につながっているのが興味深い。 第十四話「東京神風連」では元会津藩士、永岡敬次郎らの陰謀がテーマであるが、からくり儀右衛門による軽気球の実験のエピソードが描かれる。これが最終話「泣く子も黙る抜刀隊」の仕掛けとして再度行われる。 第十六話「皇女の駅馬車」、第十七話「川路大警視」、第十八話「泣く子も黙る抜刀隊」は一連の続きものとなっているが、熊坂長庵による贋札事件を絡めた奇想天外な展開となっている。 全体的に密度が高いのであるが、残念ながらそれが逆に物語としては冗長であるように思われ読み進めるのはやや苦労した。 | ||||
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時は明治の初頭…。西郷隆盛が薩摩に帰るときからこの作品は始まる。 そうして、登場する人物は、時に其の明治の初期の有名人物であったり、あるいはまた、昭和の動乱に主役として登場するものの若き日であったり…。 どこまでが実でどこまでが虚なのか、その虚実入り混じった皮一枚の作品世界に浸ることも楽しい。 ネタ晴らしにならない程度に書いておくが、さすがは山田風太郎。きっちりとカタストロフィーのかたはつけてくれる。 | ||||
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様々な素性の者が登場する。人生紆余曲折を経て、各々明治の世に自らの生き甲斐を見つける。終わりが近づくにつれ話が盛り上がる。 | ||||
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明治時代の香りがする。勉強する為に小説を読んでいるわけではないのだが、いろいろ明治時代についての勉強になる。例えば死刑に処せられた人数だが、明治六年で九百四十六人だったとか(人の命が軽い)。岩倉具視暗殺時、夜間で暗かったので闇に紛れて助かったとか(東京都心でもこの頃は夜はガス灯で暗かった)などなど。幕末史とかその時代を生きていた人に詳しくない人はこの小説の面白さが半減してしまうかもしれない。 全14巻あるみたいなので全巻読もうと思っています。 | ||||
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「魔界転生」「妖説太閤記」とともに、作者が自選ベスト3に選ぶ力作。とんでもない密度の娯楽小説です。(特に上巻) たとえば第一話「明治牡丹灯籠」ではオリキャラの主人公たちがある事件の嫌疑をかけられた三遊亭円朝(実在の落語家)を助けるのですが、 その事件が円朝作品の「怪談牡丹灯龍」をなぞった密室殺人であり、さらにその疑いを円朝自身が寄席で「怪談牡丹灯籠」を発表することによって晴らす、 という趣向になっています。 つまり、山風作品が円朝作品に取り込まれ、さらに円朝作品の元ネタになっているという、ウロボロスの蛇のような構造になっているわけです。 さらに第一話を読んでいくと、しれっと三河町の半七が実在人物として登場します。 このお話では実在の人物だけでなく他人様の作品のキャラも出て来ますよ、という作者の合図です。 一話ごとにこのような趣向を凝らした短編、全十八話で構成されています。 この作品は独立して読める短編を数珠つなぎにした連作短編ですが、ある話のチョイ役が別の話では意外な役割を努めたり、モブかと思われた人間が歴史上の人物だったり、二百人を超えるであろう実在架空の人物たちが入り乱れる中、縦横に複線が張り巡らしてあるので全く油断出来ません。 さらに前述のように短編自体が三遊亭円朝のパロディだったり、森鴎外のパロディだったりします。 架空の事件を解くだけでなく中には歴史推理、明治維新史上の未解決事件を解決するものもあったりします。 これだけのアイデアを一作にぶち込んだのは、明治時代を舞台とした時代小説が発表前までほとんど無かったからでしょう。 全く新しい分野を自分が開拓する、読者に受け入れられなければこの一作で打ち止めになるかもしれない、そんな気持ちで書かれたものだと思います。 幸い、山風の明治物はこの後も書き継がれますが、ここまでの密度の作品はこれ以後ありません。 問題があるとすれば、溢れんばかりの趣向を読み解く力が読者にあるかどうかでしょう。 噛めば噛むほど味が出る、スルメのような小説です。 | ||||
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読みながら、これはドラマ化映画化されたら、さぞ面白いだろうとワクワクしました。 後で知ったことは、NHKでドラマ化されたという話しですが、見逃してしまい残念です。音楽はCOBAさんと知り、ますます惜しい、と思いました。DVDも存在しないので、特に人気を博したわけではないのか、あるいは、明治という時代は余り好まれる時代背景ではないのかもしれないですね。 上巻は最高ですよ。下巻で少しだるくなります。無理があるというか。最後が私好みではありませんでした。 山田風太郎は映像化に適した作品を沢山書かれたアーティストさんです。発想が個性的で独自(ユニーク)で、文章力は卓越し、会話が面白く、現代の人気作家さんは足元にも及ばないですね。 | ||||
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江戸から明治の混沌とした時代に士族階級がどのように生き延びたかを背景に事件が次々起こる。時々陰惨で嫌になる時もあるが、それより歴史の裏面を想像する面白さがある。 | ||||
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山田風太郎の“明治もの”は秀作ぞろいで外れなし。 「警視庁草紙」はその明治ものの第一作であり、文句なしの最高作、さらに言えば風太郎全作品中の最高傑作と思う。 一話完結の短篇18話をつなぎ合わせて一本にした長編だが、主人公は共通。連鎖式と呼ばれる風太郎独特の形式だ。 時代設定は動乱収まらない幕末から明治10年まで。 風太郎は史実に基づくスキャンダルを大量に盛り込み、綺羅星のごとき実在キャラクターで裏打ちしながら、その隙間でフィクションの壮大な物語を多種多様に紡いでいく。 その狙いは、混乱を極める“いかがわしい明治”をトータルに描くことだったのではないか。主人公はいるが、本当の主人公は明治初期という時代そのものだと思う。 物語を推進するのは二人の実在キャラ、「正」の元南町奉行・駒井相模守、「邪」の警視庁大警視・川路利良。もう一人、前面に出てくるのが南町奉行の同心だった千波兵四郎という創作キャラで、これは相模守の若い分身だ(相模守は年寄りでアクティブな活躍ができない)。 物語は新体制に違和感を抱く相模守+仙波と新体制を裏から支える川路の、いろいろな事件をめぐる駆け引き・対立を軸に展開する。 三人が絡む18のエピソード(スキャンダル)はこんなことがあったのかという驚きに満ちており、どれもとてつもなく面白い。 中でも強烈なのは“毒婦”高橋お伝、大久保利通暗殺犯・長連豪(ちょう・つらたけ)、首切り浅右衛門という気の遠くなるような組み合わせの一篇「妖恋高橋お伝」だろう。風太郎以外では書けない凄まじいオチが待っている。 吉田松陰の絶筆に絡む「吉五郎流恨録」は、フィクションとしか思えない話が史実と知って、ほとんど卒倒するところだった。 物語の結末は唐突で違和感が残る。それまで警視庁をおちょくり川路と対立してきた千波が、その川路が西郷反乱軍を鎮圧するため組織した警視庁抜刀隊に入る。納得しがたい展開で、解説の説明も苦しい。 しかし風太郎の物語は主要な登場人物が死に絶えなければ終わらない。それが風太郎の世界観だ。だから仙波をただ死なせるために九州へ向かわせる。 遠征軍が銀座煉瓦街を行進し熊本へ向け出征するシーンは、美しいエンディングが持ち味の風太郎作品中でも屈指の描写だ。動きがあり音があり、色彩にあふれてしかも限りなく哀しい。見事というほかない。 | ||||
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私はすごく気に入った品にしかレビューを書かないので、星4つですが、とてもいい本だと思っています。 これより面白い小説は、なかなかありません。 抱腹絶倒エンターテインメント小説なので、いわゆる歴史物の胡散臭さ苦手な人でも、楽しめると思います。 また、こんなに恰好いいラストも、なかなかありません。 上巻の最後の方や下巻の最初の方でちょっと眠くなってしまった方も、そこはこらえて、最後まで読み切ることをおすすめします。全部読んだ上でのこのラストシーンは、うなります。 最後におまけですが、現代の私たちが夏目漱石の『坊ちゃん』を楽しむには、先にこの本を読んでおくといいんじゃないかと思います。 明治の新政府側の人と旧幕側の人の感情はなるほどこんなものだったのかもしれないなと思って読む『坊ちゃん』は、以前に読んだときよりも、もっと哀愁ある素敵な作品に感じられました。 | ||||
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山田風太郎は忍法ものが有名だが、私はこれらの明治ものも大好きだ。登場人物には有名人、無名人が取り混ぜてあわられるが、物語の脇役的な存在として、誰も知る人物が頻繁に登場する。夏目漱石、樋口一葉、森外、幸田露伴などなど。おもわず、にやりとさせられる。 | ||||
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時代考証もしっかりしていて、、あの混沌とした時代の捕物帖として出色。続きを探している。 | ||||
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西南の役直前の明治を舞台にしたお話し。 いろんな人物をさりげな~く登場させる手法は賛否両論あるのだろうが、ちょっと歴史をかじったことのある人なら、ふーん、と思うところが多いのではないだろうか。上下二巻で結構なボリュームではあるけれど、多分一気に読めます。読んで損はない一作だと思います。 | ||||
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警察への皮肉を効かせた、半七捕物帳現代版というところか。半七捕物帳より面白い。 | ||||
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