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リオ: 警視庁強行犯係・樋口顕
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リオ: 警視庁強行犯係・樋口顕の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.76pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全34件 21~34 2/2ページ
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殺人事件の容疑者となった少女Aをとりまく大人たちの思いを刑事目線で描いた小説。 犯人は?! 登場人物は少ないけれど、彼らの心理がよく伝わってくる。 | ||||
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警視庁強行犯係・樋口顕シリーズの第一弾です。第三弾「ビート」、第二弾「朱夏」、そして本書と逆に読んでしまいました。やはりシリーズものは回を重ねるほどに完成されていくのだなあということが逆に読んでみて返ってよくわかります。主人公の樋口顕は決してヒーロータイプではありません。ワーカホリックぎみな中年男、妻を愛しているが多くの日本人家庭と同じく愛情表現は控えめ、というより愛情表現は皆無に等しい。一人娘を愛しているが娘が自分をどう見ているか気になる40歳。仕事上も上司や部下の自分に対する評価がどうなのかが気になり、ときどきそんなことをうじうじ気にしている自分がイヤになる。そんな強行犯係係長(ハンチョウ)樋口顕が普通にカッコイイ! | ||||
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全共闘世代に対して、そのすぐ下の世代である樋口さんの反発がくどいくらいに 出てくるのが、さらにそのずっと下のバブル世代の自分にはピンと来ませんが、 ただの人情デカでなく、娘と同年代の美人女子高生に魅かれ、とまどうところが かえって誠実な人柄に思え、好感が持てる主人公です。 1996年出版時には大ブームだったアダルトチルドレン(AC)と共依存(本 書ではこの用語は出てきません)が主要なファクターなのですが、「結局誰にで も当てはまる」ということが明らかとなった後には、すっかり廃れた概念なの で、時代を感じます。 それを割り引いても、容疑者とされたリオには”せつなさ”を感じ、樋口さんに 共感出来たような感覚で読了しました。 樋口・氏家の”相棒”感も、ありふれた凸凹コンビじゃなくて、実際ありそう なリアリティが良かったです。 | ||||
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2008年の今、警察小説は大流行だ。 今野敏の再評価も、そのことに起因しているのだろう。 でもちょっと待って。 警察小説って刑事が主人公なら警察小説なのか、 警察が舞台なら警察小説なのか。 警察小説の定義がはっきりしないまま、警察小説という言葉だけが 一人歩きしている。 私が思うに、 本当の意味で警察小説と呼べるのは横山秀夫のものだけだ。 あの濃密な小説こそ、警察小説と呼ぶにふさわしい。 そこで本書だが、 確かに主人公は刑事、舞台とも警察である。 しかし、小説から伝わってくる空気が軽い。 キャラ立てもちょっと強引で、正直下手だと思う。 ただ、共感する部分は多々ある。 全共闘世代への総括もそうだし、 取調べとは容疑者の話を聞くことというのもそうだ。 解説に、10年前の作品だが、今読むほうが面白いとある。 まさにそうだろう。 結局総合すると、横山秀夫が好きな人には薦めないが、 いわゆる警察小説が好きな人には、 割りとまともな警察小説ということでおすすめである。 私自身は、このシリーズはもう一冊読んでもいいかなぁとおもう。 | ||||
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数多ある警察小説に登場する人物像、例えば、我が道を行く刑事や職人気質の刑事(悪くいえば偏屈)の対極にあるような性格を持つ人物を主人公にとした警察小説。且つ主人公は警察組織の中で冷や飯を食っているのではなく、ある程度順調に出世の階段を登っている。しかも、上司のその能力を正当に評価された上でのことだ。 しかし、その主人公樋口は、自分に対する他人の評価と自分自身が下す自分に対する評価のギャップに悩む。自分はただの八方美人であり他人(特に上司から)過大評価されていると悩むのである。そんな樋口がそんな自分の性格に悩みながらも、捜査方針に疑問を持ち自ら動いて事件を解決する。 この小説には推理の要素はあるものの、それが主題ではなく樋口という人物を描くことが目的なのだろう。だから、この作品では彼が何故このような人物となったのかという理由が繰り返し描かれる。 著者はそれを「全共闘前後」という世代に求め、樋口に何か出来事がある度に何度も語らせるのだが、正直どちらの世代でもない私にはとにかくクドかった。 また、穿った読み方をすれば、リアルに書かれているように感じられても、実際のところは樋口という人物が警察組織の中で認められるということはあり得ないことであり、著者はその事実を知っているが故に何度も何度も樋口の性格を説明(言い換えれば言い訳)してしまったのでは?とも感じてしまった。 批判的なことばかり書いてしまったが、シリーズ物の主人公として樋口という人間は魅力的だと思うとともに他の作品も読んでみたいと思った。シリーズの他の作品も本作と同じようにクドければ興ざめなのだが、スッキリとしたものであれば魅力的な作品になっているような気がする。 | ||||
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『隠蔽捜査』などで最近、円熟味を増した作家・今野敏の警察小説。 誠実なA型タイプの警視庁捜査官・樋口顕の活躍を描いたシリーズの第一作目です。 登場人物が魅力的で、また警察小説でありながら、ホームドラマ的要素もあり、一級のエンターテイメント小説として大いに楽しめると思います。 本書では、随所に、団塊(全共闘)世代への批判が織り込まれており、それに共感できる人にとっては特におすすめです。 私自身は、全共闘世代の無責任な考え方に触れること多いので、多いに共感できました。ただ、そうした世代論に興味がない方には、少々くどく感じられるかもしれません。 本書で描かれる連続殺人事件の被疑者として、リオという少女が登場します。リオは大変な美少女として描かれます。この美少女の描写や彼女に対する主人公・樋口の思い入れが、男性の視点で描かれるので、女性にとっては、すこしリアリティが感じられないかもしれません。 その点で、本書は、女性でも楽しめると思いますが、若干、男性の読者のほうが楽しめるかなと思います。 文章はクセがなく、読みやすいです。また文庫本ながら文字が大きい点でも読みやすくていいです。 | ||||
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これまで警察ものの小説は、主人公が強く、たくましく、どこか熱い男の場合が多い。 ドラマや映画でも活躍する刑事のほとんどがそうだ。 樋口はちょっとこれまでの小説の主人公たちとはちょっと違うところも新鮮。 自分への過大評価に恐縮し、どこか自信がなさげ、しかも周りにあまり本音を洩らさない。 どこか軟弱なイメージもあるが、いざというときは沈着冷静。 刑事だけど身近にも感じるそんな主人公。 淡々とストーリーが進むようにも感じたが、それはストーリーがしっかりしているからこそだろう。第二弾、第三弾も続けて読みたくなった。 | ||||
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警視庁強行犯第三係長 樋口警部補が主人公。 荻窪署の捜査本部に出張し、殺人事件の重要参考人の女子高生の行方をさがすことになります。 (私は、いつでも人の反応を気にしすぎるのだ……) と自嘲しながら慎重に仕事を進める樋口に対して、 警視庁では「間違いのない仕事をする」と高い評価をしています。 出張のため荻久保署の署員とは初対面となるので、 緊張して捜査の書類になかなか身が入らなかったり、 自分の発言が言外に取られなかったかどうかを気にしたり……。 仕事をしていくうえで、多くの人が気にかけているそういった心情が 作中に吐露され、筋が展開していくのですが、 その樋口の気遣いは仕事の関係者に良く受け止められて円滑に捜査が進んでいく様子が 小気味良く書かれています。 「相手に気をつかって顔色をうかがいながら」 という主人公は推理小説にはめづらしいタイプですが、その真面目さや慎重さが事件の解決にそのまま役立っていく様子が面白かったです。 | ||||
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展開が面白くどんどん読み進められました。結末はちょっとありがちな感じもしますが、それまでの過程がよかったです。 | ||||
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人間描写に重きをおくストーリー運びはベテランの職人技ともいえます。 ですので安心して人間を味わいながら話しの流れに身を任すことができます。 複数のジャンルを同時期に書き分けてしまう力量が彼の過小評価に繋がっているの だと思います。読み手はむしろ他ジャンルの作品は別人の作と考えるのが正解でしょう。 本編の主人公は1955年生まれで私の十歳年上。彼は自分の世代を団塊の世代と、 私達新人類世代に挟まれた失われた世代だと位置付けています。しかし初出から十年、 私は主人公と同年代になり本編に出会いました。なんという偶然!本好きには堪らない瞬間でした。 だからでしょうか、主人公の団塊世代論に共感しました。彼は現在の荒れた社会の 遠因を四半世紀前の学園紛争の主役だった団塊の世代と確信しています。 「その時代に青春を過ごしたひどく無責任な圧倒的多数の若者たち。彼らが今、 暴走や暴力に明け暮れたり、ブルセラショップでパンツを売ったりしている子供た ちの親になっている。」 と彼から、いささか手厳しく評されています。どうして今までこういう視点 が注目されなかったのか考えてみました。団塊の世代及び団塊ジュニアの世代は 常に世の中の多数派で消費の核になっています。団塊世代の責任を指摘することは 多数の消費者セグメントを敵にまわす事を意味します。常に顧客の目に晒されてい る資本主義社会でマスコミがそれをするのは自殺行為と言えるでしょう。 それゆえ団塊くんたちは数にものをいわせて甘やかしされ続けています。団塊世代 とジュニアの尻拭いさせられる世代はもっと彼らを厳しい目で評価するべきなので はないでしょうか。 | ||||
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これもまた、 『このミステリーがすごい』の上位だった作家の作品。 ハードボイルドな警察描写が多いなか、 主人公・樋口はちょっと違う。 周りの目を気にしすぎ、 自分に自信がなく、 いつも控えめな刑事。 弱気な自分とは違って、 なぜか周りの評価が高い。 最後の最後に遠慮がちに発言する彼の一言は、 奥ゆかしく、考え深く、 冷静沈着、という評価となる。 そんな彼が担当した殺人事件の重要参考人は、 美人女子高生。 樋口はなぜか、彼女に惹かれていく 論理的な推理を楽しむというより、 ドラマを楽しむ感じ。 登場人物と、その関係。 樋口の“弱さ”の描写が絶妙で、 ついつい感情移入してしまう。 最後の妻の樋口評価が、 良い落ちで、 これまた良かった。 この作家の他作品も読んでみたいと思いました。 | ||||
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捜査もの、探偵ものと言うと、どうもリアリティのないやたら強かったり、賢かったり、もてたり。 当たり前的な生活臭も弱さもみえない、スーパマンか、ダーティ過ぎるかだったような気がする。 それが、横山秀夫あたりで、これはちょっと欧米にはない、日本の警察を扱ったモノだなぁと感心 する小説があらわれたような気がする。 この今野敏も偶然手に取ったものだったが、これまた横山同様、とってもリアルで、警察人も一個 の人間なんだと言う感じがとても良く伝わる。人間としての、勤め人としての警察人の心情がとて も共感を呼び身近に感じる。 もちろんだからと言って、心情一辺倒なら、それは私小説でしょ、と言うことになるけど、本書は その意味で、謎解き、捜査物としても十分に練られた面白い作風でした。題材がとてもイマ風と言 うか、これも実にありそうな都会の女子高生を主題にしつつ周囲に問題を抱えるオトナを配してい る。とてもとてもリアルで、悲しいオトナの孤独がよくあらわれている。 これはまた楽しみの作家を見つけることができた。うれしいな。 | ||||
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警察小説なるものを初体験。とてもドキドキ楽しめました。 人物の描写も感情から背景までとても興味が続々わき、止まらずに読むことが出来ました。 | ||||
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期待せずに読んだのにすごく面白い! 樋口警部補の頼りなげな性格に共感しました。 作者の今野さんの人間観察・表現がリアルすぎて すごい。 | ||||
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