虐殺器官

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評判

虐殺器官の評価:

4.03/5点 レビュー 369件。 B ランク

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平均点4.03pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全747件 41〜60 3/38ページ
No.707
(5pt)

罪も痛みも喪った世界

神の打倒により罪は消え、テクノロジーにより戦争の痛みすら消え、全てはシステムに取り込まれる。そういった近代の流れの果てには人間は幼児的にならざるをえないという鋭い洞察が込められた作品。タイトルにもある「虐殺器官」も絡め、人間の自由意志や主体性すらも揺るがす凄みが作品を貫徹している。表面的には希望も何もなく、少年兵のような冷徹で幼児的な視点で、過酷で凄惨な現実を淡々と描く。構成としてはドストエフスキーの「悪霊」に似ているといえるが、作者は神を提示する事はない。もはや神の亡骸すらも風化したというのが作者の洞察だろう。そして神に代わる何らかの処方箋すら提示されない。では神を打倒し、無意識にシステムに支配される人間には何の希望があるのか。どこに向かえばいいのか。罰を願う事、痛みを願う事、あるいは破滅する事だけだろうか。この作品は現代の答えの出ない難題に向き合いながらも、随所にシステムへの小さな反抗をちりばめている。幼い主人公が大人びて見える瞬間がある。現代に何か希望があるとしたら、そういった一瞬の光明に過ぎないのかも知れない。
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.706
(2pt)

良く分からなかった

SFというとディストピアであっても、主人公の強さとか未知の何かへの期待とかセンスオブワンダーとか、とにかく胸にくるような何かがあると思っていた

本作にそれなない

色々な設定が流れていった。人工筋肉や識別や、精神マスクみたいなもの。それがアメリカや紛争地域や日本という現実の地名と紐づいているのでリアリティはあった。近未来の管理社会、ディストピアみたいな世界観を描きたかったのかなと思う
読み始めるとグロテスクだったし、それに何も感じないように調整された主人公、亡母の影、そして正体不明の敵と「お! マジでこれ面白そう!」と思った。主人公が根暗すぎて、「え? こいつの経歴で特殊部隊に入ることも、目指そうとするのもおかしくない?」とは思ったが、(そう言うのもあるのかな…)と思った。たぶん、主人公や周囲の人間が、当たり前のように受け入れてるから気になりにくかったのだと思う

初期設定は気にしない。あまりに不快感があるものでなければ

ヒロインらしき人物が出てきて、それから敵役も出てきて、主人公が絶体絶命に追いやられる…良かった。結構無理くりな感じもしたが、まぁ良いと思った

しかし最後らへんの流れが「???」という感じだった。というのも敵役と武力で衝突はしたが、気持ちの面で衝突しておらず、なんか流れで終わってしまった印象があるからだ。
「せっかくマザコン設定あるんだから、亡母からの遺言受けて敵役と対峙する流れで良く無い?」と思った。序盤から最後までの亡母に対する粘着質な回想はなんだったのかと思った

材料はあって調理の腕もしっかりして、あとは皿に盛り付けるだけだったのに、そのままゴミ箱に突っ込まれた印象があった

アメリカの覇権主義を批判するならランボーみたいな戦争帰りのPTSD書けば良かったのでは? そっちの方が、安寧を貪る市民への批判にも繋げられるし

複雑な設定を現実世界に被せて「ところがどっこいこれが現実! これが現実!」ってされた気持ち。そんなに現実見たければノンフィクション作家になれば良かったのに。

ドラえもんの道具で破壊活動する二次創作書く人みたいだなとも思った

読んで良かったと思わないし、今後この人の作品を読むこともないだろう

不快感はあまりなくスラスラ読めはしたが、「え? そう…」みたいな作品だったので星2
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.705
(2pt)

良く分からなかった

SFというとディストピアであっても、主人公の強さとか未知の何かへの期待とかセンスオブワンダーとか、とにかく胸にくるような何かがあると思っていた

本作にそれなない

色々な設定が流れていった。人工筋肉や識別や、精神マスクみたいなもの。それがアメリカや紛争地域や日本という現実の地名と紐づいているのでリアリティはあった。近未来の管理社会、ディストピアみたいな世界観を描きたかったのかなと思う
読み始めるとグロテスクだったし、それに何も感じないように調整された主人公、亡母の影、そして正体不明の敵と「お! マジでこれ面白そう!」と思った。主人公が根暗すぎて、「え? こいつの経歴で特殊部隊に入ることも、目指そうとするのもおかしくない?」とは思ったが、(そう言うのもあるのかな…)と思った。たぶん、主人公や周囲の人間が、当たり前のように受け入れてるから気になりにくかったのだと思う

初期設定は気にしない。あまりに不快感があるものでなければ

ヒロインらしき人物が出てきて、それから敵役も出てきて、主人公が絶体絶命に追いやられる…良かった。結構無理くりな感じもしたが、まぁ良いと思った

しかし最後らへんの流れが「???」という感じだった。というのも敵役と武力で衝突はしたが、気持ちの面で衝突しておらず、なんか流れで終わってしまった印象があるからだ。
「せっかくマザコン設定あるんだから、亡母からの遺言受けて敵役と対峙する流れで良く無い?」と思った。序盤から最後までの亡母に対する粘着質な回想はなんだったのかと思った

材料はあって調理の腕もしっかりして、あとは皿に盛り付けるだけだったのに、そのままゴミ箱に突っ込まれた印象があった

アメリカの覇権主義を批判するならランボーみたいな戦争帰りのPTSD書けば良かったのでは? そっちの方が、安寧を貪る市民への批判にも繋げられるし

複雑な設定を現実世界に被せて「ところがどっこいこれが現実! これが現実!」ってされた気持ち。そんなに現実見たければノンフィクション作家になれば良かったのに。

ドラえもんの道具で破壊活動する二次創作書く人みたいだなとも思った

読んで良かったと思わないし、今後この人の作品を読むこともないだろう

不快感はあまりなくスラスラ読めはしたが、「え? そう…」みたいな作品だったので星2
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.704
(1pt)

クラシックといえるほど古くはないし、今読まなきゃというほど最新でもない

評価の高いSFということで読みましたが
2023時点で、『9.11』後の世界観のお話はさすがに古く感じる
SFというには、近未来感も科学的という感じもしない
それでもまだ「途中」までは「目的」が明確になるまではサスペンスとして読めました
明らかになる中盤以降はグダグダ
物語の設定が荒唐無稽な上に、主人公が突然日和って物語が進まなくなる
アメリカ人の設定なのに、感覚的には2000年代の日本人、めちゃくちゃウエット

期待していたSFと違う 物語に全く共感できませんでした
今読んで点数高くつける人は偉い!
絶対に読んどけっていうSF小説というのは無理があるとおもいました
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.703
(1pt)

クラシックといえるほど古くはないし、今読まなきゃというほど最新でもない

評価の高いSFということで読みましたが
2023時点で、『9.11』後の世界観のお話はさすがに古く感じる
SFというには、近未来感も科学的という感じもしない
それでもまだ「途中」までは「目的」が明確になるまではサスペンスとして読めました
明らかになる中盤以降はグダグダ
物語の設定が荒唐無稽な上に、主人公が突然日和って物語が進まなくなる
アメリカ人の設定なのに、感覚的には2000年代の日本人、めちゃくちゃウエット

期待していたSFと違う 物語に全く共感できませんでした
今読んで点数高くつける人は偉い!
絶対に読んどけっていうSF小説というのは無理があるとおもいました
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.702
(3pt)

偏差値が高い中二、、ぽい印象

だいぶ前に読んだため、記憶が不鮮明ですが、語られるほどでもなかった覚えが有る。
要は、著者が夭折したため聖典か遺言かの様に崇め奉られてしまい、読む側の心の問題と、この先 熟成された作品が読めない口惜しさに根差した希望的な好評価が寡聞に影響した傾向が有るのではなかろうか?
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.701
(3pt)

偏差値が高い中二、、ぽい印象

だいぶ前に読んだため、記憶が不鮮明ですが、語られるほどでもなかった覚えが有る。
要は、著者が夭折したため聖典か遺言かの様に崇め奉られてしまい、読む側の心の問題と、この先 熟成された作品が読めない口惜しさに根差した希望的な好評価が寡聞に影響した傾向が有るのではなかろうか?
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.700
(4pt)

ウエットandナイーブ

ウエットandナイーブ。
読者に形容を突起する力をもっている。
静かに沈没していく船に乗っている心境だった。いずれくる窒息を予感して息苦しい感じだった。
そんな形容が浮かんでくることばの力。

読むと気鬱になった。
この気鬱しうる若々しい力こそ、20代-30代前半の作者の作品だなあと思って調べたら、作者33歳デビュー作にして、早世34歳という、峻烈さだった。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.699
(4pt)

ウエットandナイーブ

ウエットandナイーブ。
読者に形容を突起する力をもっている。
静かに沈没していく船に乗っている心境だった。いずれくる窒息を予感して息苦しい感じだった。
そんな形容が浮かんでくることばの力。

読むと気鬱になった。
この気鬱しうる若々しい力こそ、20代-30代前半の作者の作品だなあと思って調べたら、作者33歳デビュー作にして、早世34歳という、峻烈さだった。
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.698
(1pt)

全く身体的リアリティを欠いた、作者の脳内独白遊び

半分まで読んだ時点で、耐え切れずに投げ出してしまった。
人物も背景も全くリアティが欠如していて、小説と呼ぶに値しない。
主人公の性格付け自体、プロフィールと全く一致してない。
こんなマヨネーズメンタルの人物に、重要な軍務など任せられるはずがない。
一人称自体も、いい年をした大人が自称「ぼく」で思考するなど有り得ない。
会話が会話になっていない。人間がこのように自分の考えをを全て言葉にすることなど、到底有り得ない。
抹殺の対象人物も、「妹がナチスの収容所で死んだ」設定になっているが、作中の世界観は近未来であり、使われているテクノロジーは、少なく見積もっても戦後100年以上経過している。

小説とは、たとえそれがどのように空想的な物であっても、納得できるリアルな描写の積み重ねによって描かれていなければ、話にもならない。文中の描写には、身体的なリアティが全面的に欠如している。
この作品は、すべてがキャラクターの言葉を借りた、作者の独白の積み重ねであり、全く共感を感じない。
この文章を読まされるのは、読者にとって苦痛以外の何もでもない。
本作は「小説家になろう」の無料小説やラノベにも劣る、構造的な欠陥小説と言わざるを得ない。
およそ支払いに値しない、最低の読書体験であった。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.697
(1pt)

全く身体的リアリティを欠いた、作者の脳内独白遊び

半分まで読んだ時点で、耐え切れずに投げ出してしまった。
人物も背景も全くリアティが欠如していて、小説と呼ぶに値しない。
主人公の性格付け自体、プロフィールと全く一致してない。
こんなマヨネーズメンタルの人物に、重要な軍務など任せられるはずがない。
一人称自体も、いい年をした大人が自称「ぼく」で思考するなど有り得ない。
会話が会話になっていない。人間がこのように自分の考えをを全て言葉にすることなど、到底有り得ない。
抹殺の対象人物も、「妹がナチスの収容所で死んだ」設定になっているが、作中の世界観は近未来であり、使われているテクノロジーは、少なく見積もっても戦後100年以上経過している。

小説とは、たとえそれがどのように空想的な物であっても、納得できるリアルな描写の積み重ねによって描かれていなければ、話にもならない。文中の描写には、身体的なリアティが全面的に欠如している。
この作品は、すべてがキャラクターの言葉を借りた、作者の独白の積み重ねであり、全く共感を感じない。
この文章を読まされるのは、読者にとって苦痛以外の何もでもない。
本作は「小説家になろう」の無料小説やラノベにも劣る、構造的な欠陥小説と言わざるを得ない。
およそ支払いに値しない、最低の読書体験であった。
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.696
(5pt)

ブンガク、いやテツガク本と言ってよいだろう

9.11以降、先進国は、徹底的な統治によってテロの殲滅に成功した。一方、後進国ではジェノサイドや内戦が急増するという事態が発生している。その背景には一人の男の存在が。米特殊部隊の暗殺者は虐殺の文法を用いて、世界にテロを撒き散らす男を追う…という近未来SF。

噂通りの傑作に違わぬ傑作だ。人間が根源的に持つ暴力の本能。これを発露させる言葉が存在するというアイディアは、荒唐無稽と切って捨てられない、真に迫る力強さがある。

ブンガク、いやテツガツ本と言っても良いだろう。SFが苦手であっても手に取って損はない。
今更ながら著者の早世を残念に思う。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.695
(5pt)

ブンガク、いやテツガク本と言ってよいだろう

9.11以降、先進国は、徹底的な統治によってテロの殲滅に成功した。一方、後進国ではジェノサイドや内戦が急増するという事態が発生している。その背景には一人の男の存在が。米特殊部隊の暗殺者は虐殺の文法を用いて、世界にテロを撒き散らす男を追う…という近未来SF。

噂通りの傑作に違わぬ傑作だ。人間が根源的に持つ暴力の本能。これを発露させる言葉が存在するというアイディアは、荒唐無稽と切って捨てられない、真に迫る力強さがある。

ブンガク、いやテツガツ本と言っても良いだろう。SFが苦手であっても手に取って損はない。
今更ながら著者の早世を残念に思う。
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.694
(4pt)

面白い

さすが名作sf
言葉で虐殺を起こさせる
ジョンポールがすごい
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.693
(4pt)

面白い

さすが名作sf
言葉で虐殺を起こさせる
ジョンポールがすごい
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.692
(5pt)

虐殺を行うモジュール

傑作、その言葉以外にこの作品を表す表現は無いだろうと確信している。だが、傑作、という表現に当て嵌めていいものか、悩ましく思う事も確かだ。
この作品を産み出した作者様に最大限の感謝を表したい。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.691
(5pt)

虐殺を行うモジュール

傑作、その言葉以外にこの作品を表す表現は無いだろうと確信している。だが、傑作、という表現に当て嵌めていいものか、悩ましく思う事も確かだ。
この作品を産み出した作者様に最大限の感謝を表したい。
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.690
(4pt)

幸せは、だれかの不幸を必要とするのか。

リアリティと世界の狭さについて考えさせられた。

確かに評価されるだけの切れ味の良さ。続編らしい、ハーモニーも是非読みたい。

個人にとって、主人公にとって、
世界は開いているのか、閉じているのか。
幸せは、だれかの不幸を必要とするのか。

最後の問いは、私にとって重い
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.689
(4pt)

幸せは、だれかの不幸を必要とするのか。

リアリティと世界の狭さについて考えさせられた。

確かに評価されるだけの切れ味の良さ。続編らしい、ハーモニーも是非読みたい。

個人にとって、主人公にとって、
世界は開いているのか、閉じているのか。
幸せは、だれかの不幸を必要とするのか。

最後の問いは、私にとって重い
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.688
(5pt)

もっと伊藤計劃を知りたかった

くっ、、、
伊藤計劃、天才じゃないか。
三島由紀夫の『金閣寺』やJ・D・サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』や村上春樹の『ノルウェイの森』や太宰治の『人間失格』や馳星周の『不夜城』など、本当に限られた作品にしか宿らせることのできない、まるで作者が作品にピッタリ憑依しているような感覚を読者に覚えさせる語り・・・
なんでこんなに早く亡くなってしまったんだ。
以下ネタバレあり。

科学の進歩によって罪悪感をかかえる自由さえも奪われた管理社会においてクラヴィスは終始、罪悪感を、得ようと求めている。対照的にジョンは罪悪感、つまり良心を消すことを求めており、そこに虐殺の文法が合致した。
クラヴィスを断罪し、罪悪感を持たせてくれる可能性のあったルツィアを失い、続いて母の愛が幻想であったことを知り、クラヴィスが罪悪感や良心を持つ可能性は絶たれてしまう。本来良心が占めるはずのぽっかり空いたその間隙に虐殺の文法がかっちりはまることになる。
つまり、ポールは存在していた良心を消すため、一方クラヴィスは無くなっていた良心の空白を埋めるようにして、それぞれ虐殺の文法のウイルスに侵されてしまう。
虐殺の文法の使用方法は対照的だが、どちらも実際にはたいした違いはなく、良心から隔絶された妙に乾いた人間とも呼べない虐殺器官を持った存在が残されるだけである。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841