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前日島



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【この小説が収録されている参考書籍】
前日島
前日島(上) (文春文庫)
前日島(下) (文春文庫)

前日島の評価: 4.14/5点 レビュー 14件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.14pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全14件 1~14 1/1ページ
No.14:
(5pt)

読んで損はない、ペダンチックな歴史小説

中世のイタリアで、兵士が難破船にたどりつき・・・というお話。 

上記だけでは何の要約にもなっておりませんが、この後主人公がてんやわんやの内に、日付け変更線の島に行くという展開でした。

粗筋はなんとか追えましたが、作品を完全に読解出来たかは、心もとないです。すいません。この頃のこの周辺の政治・宗教事情が判ってないと少し厳しいかも。

この人の代表作の「薔薇の名前」を読んだ時も思いましたが、森羅万象の知識や情報がペダンチックに出て来るので「黒死館殺人事件」ぽい感じもしました。ただ「黒死館~」が無駄にそういう知識が出て来るのに比べて、この作品は内容に即した感じでペダンチックでしたが。

帯の惹句に世界的ベストセラーとありますが、どれだけの人がこの韜晦な小説を読破したんですかね、私も一応最後まで読んで、それなりに面白かったですが。

ともあれ、読んで損はない、ペダンチックな歴史小説。是非御一読を。
前日島Amazon書評・レビュー:前日島より
4163185003
No.13:
(5pt)

良品低価格

良いものを安価で購入でき満足しています。ありがとうございました。
前日島Amazon書評・レビュー:前日島より
4163185003
No.12:
(5pt)

挑戦中!

今、少しずつ読み進めているところ。
なかなか難しい内容ですが、他の方が勧めて
おられるので頑張ってみようと思っています。
読了できるといいな…。
前日島Amazon書評・レビュー:前日島より
4163185003
No.11:
(4pt)

読み安い!・・・と思わせて

エーコの「薔薇の名前」「フーコーの振り子」に比べれば断然読み安い導入の上巻。こんなにスイスイ読めて自分の読力に関心していたが・・・それも上巻まで。エーコの甘い罠だった。
前日島Amazon書評・レビュー:前日島より
4163185003
No.10:
(4pt)

素敵に読みづらい

他の方も指摘しているとおり些かならず読みづらい。
読み終えたあとで「おお読んだなあ」と自分を褒めてやりたくなる。
原因は主に構成である。時系列に合わせて筋立てだけをほぐすと意外とオーソドックスな「娯楽大作」の常道を採用している。

以下かなり内容に踏み込みますが、年代は1640年前半、主人公はイタリア・フランス国境あたり(?)の貴族の息子ロベルト。一人息子であるはずだが、子ども時代の空想、というか妄想のなかで「父の家を追われた私生児の異母兄フェッランテ」なるものを夢想している。(僕におこる悪いことはみんなフェッランテの陰謀なんだ、といった使用法のため)。このややならず空想癖のつよい主人公が父親の没後にパリに出るも、身に覚えのないフランス政府への反逆罪の疑いをかけられ、枢機卿マザラン閣下(イタリア人!)から「処刑かしからずんば密偵になるか」と迫られた結果、「イギリス人が進めているているらしい正確な経度の測定方法をさぐれ」と命じられ、任務を隠して航海に出る〈アマリリス号〉に乗り込むー―と、こうまとめると実にオーソドックス。しかし、そういう筋立てであったことが掴めるまでに軽く数章かかる。
 まず大枠として、主人公ロベルトの残した手記の断片を現代の作者が見つけ出して語りなおしている、といった体裁をとっている。ついで、冒頭が「アマリリス号の遭難」からはじまり、「手記」の内容に沿って過去の展開が挿入されてゆく。さらには後半、主人公ロベルトが作中で書いている「悪しき異母兄フェッランテの物語」が作品自体を侵食してゆく。この数重の枠組みの重なり合う物語のなかに、いかにも十七世紀らしい魔術と未分化の科学や天文学その他の薀蓄がこれでもかとばかりにちりばめられている。
 このように書くといかにもとっつきにくそうだが、構成を把握したいとか深い含意を理解してやろうとか意気込まずに読む場合には明るく楽しい作品である。遭難後のロベルトが流れ着く無人の廃船〈ダフネ号〉につみこまれた南半球の植物や極彩色の鳥や「ふくろのある巨大ネズミのはく製」の描写は夢のように愉しく美しい。また、タイトルとなっている「前日島」とは、つまり「子午線の向こうにあるつねに〈昨日〉の島」を意味するのだが、鼻先にありながら(泳げないので)たどり着けない「その島」に焦がれるロベルトが「けろけろくわ」と音声付でカエルの真似をしつつ泳ぎの練習をはじめるシーンなど、読んでいてほとんど幸せな気分になった。あくまで筋だけをジェットコースター的に楽しみたい方(この作者のファンにはあまりいそうもないが)には勧められないものの、まちがいなく極上の娯楽作品である。


前日島Amazon書評・レビュー:前日島より
4163185003
No.9:
(4pt)

しんどい。

何かを手っ取り早く得たい人には不向き。
読み終わって倒れこむようなしんどさ。

必ずどこかに知的興奮がある、しかし体調や時間帯によってすら変わり、
自分がいつそれに出会えるか分からない中、主人公と一緒にもがいている感じ。

落ち着いてもう一度読んだら全く別の物語と出合うことになりそう。
前日島Amazon書評・レビュー:前日島より
4163185003
No.8:
(5pt)

「もしかすると、世界はパイを焼く平鍋のようなものかもしれない。」

長大な物語、とにかく面白い。知的興奮がありますが、長大さに呆然としています。
今から数百年も前に、太平洋上の難破船の中で独り、本国に帰る当てもなく書き綴った文章(いや、小説か)、その原稿が長い時間を経て、物語として蘇るという仕掛けだけでも、夢物語のようにワクワクしてきます。自然科学から哲学、はては恋愛まで多岐に渡り、本当に面白く読ませていただきました。
 著者によって”再構成された”登場人物達の議論が面白く、私自身もこの物語の中で一緒に議論を交わしてみたいな、と願った程です。聖書をもとにしたこの世界の創造に関する議論から、「対子午線」をめぐる考察、神の存在の有無や、サイクロイド曲線を解析して世界の真理に近ずこうとする対話などは、全く17世紀そのもの。著者、エーコ氏の(同時に訳者の日本語表現を含め)様々な表現に興味をそそられます。もう引用してみたい表現で一杯なのですが、例えば、この世界を捉える様々な表現の中から、
”もしかすると、世界はパイを焼く平鍋のようなものかもしれない。”(下巻276ページ)
これなど本当に面白い表現です。
 主人公・ロベルトが、本国・ヨーロッパに帰れる当てが無いという、本来はとても絶望的な状況なのに、その絶望感はあまり感じられず、私にはむしろ、遠いヨーロッパの雑音から隔てられて、独り(いや、2人!)世界の真理に近づこうとしているような、思索に耽る楽しみを、思う存分「ダフネ」の上で味わっているようにも見えるのです。
 愛するリリアが、対子午線のすぐ向こう側の”前日”の島に流れ着くと言う、ロベルトの小説の構想(いや妄想!)から、ついにダフネを離れて対子午線を超えようと海に飛び込む、彼女が流れ着く”前日”に待ち構える、この場面に、私は、日付変更線の「秘密」に、一瞬だまされました。
前日島Amazon書評・レビュー:前日島より
4163185003
No.7:
(3pt)

な、長い…

訳者解説にあった、「読者も訳者も作者も疲労困憊」という表現に非常に共感を覚える。とにかく困難な読書である。何しろ、最初の100ページくらいまで読んでも、この小説のテーマが分からないのである。
2つの違う時間軸の話が平行に進み、ようやく統合されたと思ったら、今度は作中作がボリュームを増し、本編を乗っ取ってしまう。
頭がくらくらとしながらも、ヘタレな主人公の今後が気になってなんとか読み進め、最後には本を置いてばったりと倒れるという、トライアスロンのような小説である。読了した自分をほめたい。
前日島Amazon書評・レビュー:前日島より
4163185003
No.6:
(3pt)

そうですねぇ・・

「薔薇の名前」が一番面白かったんじゃあないでしょうか。次の「フーコーの振り子」は第一作以上の力作と思いますが、エンターテイメント性では劣ります。そしてこの「前日島」、アイディアはすごくよくわかるのですが、そのアイディアの生かし方、つまりせっかくの「日付変更線に貫かれる島」が生かされていないように思うのです。「薔薇」の明快な結末、「フーコー」の恐るべき結末のような必然性がわたくしにはよくわかりませんでした。
 ということで、前二作よりも評価は落とさざるを得ません。
 ところで、まだ本邦未紹介の新作の出来はいかがなものなのでしょうか。楽しみですね。
前日島Amazon書評・レビュー:前日島より
4163185003
No.5:
(4pt)

読了できた自分を褒めたい(わはは!)

言うまでもなく、途中で投げ出し、ギブアップする本もあるわけで、
ギブアップするには捨てがたく、
さりとて物語に引き込んだ後でも中々楽にさせてくれず、
あっぷ・あっぷしながら読み終え、達成感というより疲労、
またエーコのブラックを考えると徒労感さえ感じてしまいます。 1600年頃生きたイタリアの片田舎の貴族、ロベルトが時代のなかでのた打ち回った手記を近代の作家の手で書いた。という形式ですが、
当時の大航海時代に子午線がどこかということをめぐって、ガリレオ
やら錬金術、カバラ神秘主義者のような怪しげな人物やイエズス会の
当時の思考など、エーコの手により活き活きと描写されます。この知識の大盤振る舞いが手を離させない理由だったのかもしれません。合掌
前日島Amazon書評・レビュー:前日島より
4163185003
No.4:
(3pt)

すんごい。

個人的には、非常に好きです。ガウディの建築みたいな本です。
主人公ロベルト君はしょうもない人間です。作中のエピソードもトホホな感じでいっぱいです。しかし、くだらない話を延々と積み重ね、それを膨大な知識で裏打ちすると、目の前にあるのは奇妙で、存在感のある物語の世界。ただ、物語はぐにゃぐにゃと波のように展開していますので、読む人を選ぶとは思います。ですので、☆三つ。それさえクリアできれば、☆五つです。
前日島Amazon書評・レビュー:前日島より
4163185003
No.3:
(5pt)

……読み辛いが

興味深いことを教えてくれる場面もいくつかあるが、退屈な場面も多くあり、全体的に極めて読み辛い。
 苦しみながら少しずつ読んだ。
 すると読んでいく内に作品の良さが理解出来始めて来た。
 途轍もない絶望と、それに抗おうとする意志をリアルに感じることが出来たのだ。
 読後の充実感は凄まじかった。 同著者の「薔薇の名前」よりこちらの方が好きである(ちなみに「フーコーの振り子」はまだ未読だ)。
 もう二度と読みたくないが、読んで良かったと心から思える一作である。
前日島Amazon書評・レビュー:前日島より
4163185003
No.2:
(4pt)

とても読みにくい、でもすばらしい

とんでもなく読みにくかったけど、すばらしかった。この人の本は、高度なユーモア、哲学、感覚がちりばめられていて、ちょっと切ない。
最後まで読む根性があればきっと心にジーンとのこります。
前日島Amazon書評・レビュー:前日島より
4163185003
No.1:
(4pt)

とても読みにくい、でもすばらしい

とんでもなく読みにくかったけど、すばらしかった。この人の本は、高度なユーモア、哲学、感覚がちりばめられていて、ちょっと切ない。
最後まで読む根性があればきっと心にジーンとのこります。
前日島(上) (文春文庫)Amazon書評・レビュー:前日島(上) (文春文庫)より
4167661519

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