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死者を侮るなかれ
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死者を侮るなかれの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全14件 1~14 1/1ページ
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面白くはあるのですが、少々、長すぎるのでは?と感じました。でも、古い本をありがとうございました。 | ||||
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これは犯罪と復讐と裏切りの物語である。 この小説には何人もの印象的な人物が存在するが、中でも強烈な負のパワーを放ち読者を惹きつけてやまないのがストーリー母子。 情緒不安定なスピード中毒者、口を開けばスラングが飛び出す札つきのビッチ。 そんな母を忌み嫌いつつ呪縛されている娘のシェイ、互いの喉首に食らいつくように反発しあう母と娘が演じる剥き出しの魂のぶつかりあいが、あるいは本筋以上に手に汗握るもうひとつの命題として全編を貫く。 登場人物はいずれもなにがしかの破綻を抱えており、どこまでも利己的に突っ走っては罪を罪で隠蔽するための薄汚い策略を練り、弾丸をばらまき、人格の高潔さよりは品性の野卑さを露呈する。 破滅へとひた走る彼等の生き様を炙りだすのは比喩を多用したドライヴ感あふれる文体、ときに詩的な、ときに破壊的なリズムを生んできな臭い火薬のスパイスを散りばめる。 そしてこれは社会から排斥された者たち、社会に背を向けた隠者が再起を賭けて戦いに挑む物語でもある。 埋葬された真実を追い求めるヴィクを献身的にサポートするランドシャーク、二人が事件の捜査を経て信頼を築き友情を育んでいく過程、ランドシャークがヴィクに導かれ一歩踏み出すシーンは、エゴの塊のような人間ばかりが入り乱れる本作において敬虔な感動を与えてくれるだろう。 | ||||
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荘厳な叙事詩のように繰り出される濃縮された生硬な文章。「現実というフロアの上で社会システムが血のワルツを踊りはじめても、ディーとバージェスはじっと身をひそめている。」新感覚のハードボイルド・タッチの断言。「我思う──ゆえに我は所有せねばならぬ。これが新しいアメリカン・ドリームだ。」乾ききった叙情詩のように、過剰なまでの汚辱を描出する聖なる表現。たとえば、苛烈な生を刻むシェイとヴィクの官能。「彼女はそこに実在しながら透明になる。逞しい腱と骨の強さを残したまま、その流動体となる。(略)暴力的な彼女の喘ぎはビロードのように柔らかく、彼は彼女を所有し、彼女を破壊し、彼女を救い、彼女の重要な一部になりたいと願う。」この作品は文体が全てである。全編に流れる大音響の言葉のバラードが、読後、沈黙の余情を醸しだす。 | ||||
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荘厳な叙事詩のように繰り出される濃縮された生硬な文章。「現実というフロアの上で社会システムが血のワルツを踊りはじめても、ディーとバージェスはじっと身をひそめている。」新感覚のハードボイルド・タッチの断言。「我思う──ゆえに我は所有せねばならぬ。これが新しいアメリカン・ドリームだ。」乾ききった叙情詩のように、過剰なまでの汚辱を描出する聖なる表現。たとえば、苛烈な生を刻むシェイとヴィクの官能。「彼女はそこに実在しながら透明になる。逞しい腱と骨の強さを残したまま、その流動体となる。(略)暴力的な彼女の喘ぎはビロードのように柔らかく、彼は彼女を所有し、彼女を破壊し、彼女を救い、彼女の重要な一部になりたいと願う。」この作品は文体が全てである。全編に流れる大音響の言葉のバラードが、読後、沈黙の余情を醸しだす。 | ||||
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前作の「神は銃弾」の日本語にはまさに殴打されるほどの衝撃と驚きを覚えた。その文体が今回も紙幅を疾走している。また、烈日の毒のような容赦ない台詞まわし。安逸な慣用表現とクリシェの懐に逃げ込もうとする言葉をあえて無一物の荒地に引きずり出し、破格のまた斬新な日本語で料理した翻訳者の類い稀な力量。その文章と多用される暗喩と隠喩の波間から立ち上がる強烈で覚醒的イメージ、そんな言葉の連打――。期待にたがわず素晴らしい訳書だ。テランは文章・イメージの斬新さだけが強調される嫌いがあるが、実は、本書の文章はとても読みやすい。あのボストン・テランが読み易い? 不思議だが本当だ。そこが翻訳者・田口俊樹氏の力量だ。あのテラン節を、もはや手なずけ飼い慣らしたのでは、と思われるような流麗かつ硬質で鋭利な、しかもありとあらゆる罵倒語・卑語の羅列にも関わらず、ある意味で美しい日本語・文章だ。また、すべて現在形で走り続ける小気味良い文体には、きっと目を見張るに違いない。さて、内容だが、本書は、小説自体の問う、お前の願いは何だという、全編を貫くテーマも胸にこたえるが、登場人物が各々の本心を希求しつつ、連綿と紡がれる物語と語り口も実に見事だ。テランは、また、確実に進化している。それに、終章近くの戦闘場面での文章は正に驚嘆ものだ。文章が疾走し跳躍している。凄まじいスピード感でクライマックス・シーンが描かれている。そこに差し掛かれば誰もが、この小説・訳書を読んだ至福を実感するに違いない。必読。 | ||||
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前作の「神は銃弾」の日本語にはまさに殴打されるほどの衝撃と驚きを覚えた。その文体が今回も紙幅を疾走している。また、烈日の毒のような容赦ない台詞まわし。安逸な慣用表現とクリシェの懐に逃げ込もうとする言葉をあえて無一物の荒地に引きずり出し、破格のまた斬新な日本語で料理した翻訳者の類い稀な力量。その文章と多用される暗喩と隠喩の波間から立ち上がる強烈で覚醒的イメージ、そんな言葉の連打――。期待にたがわず素晴らしい訳書だ。テランは文章・イメージの斬新さだけが強調される嫌いがあるが、実は、本書の文章はとても読みやすい。あのボストン・テランが読み易い? 不思議だが本当だ。そこが翻訳者・田口俊樹氏の力量だ。あのテラン節を、もはや手なずけ飼い慣らしたのでは、と思われるような流麗かつ硬質で鋭利な、しかもありとあらゆる罵倒語・卑語の羅列にも関わらず、ある意味で美しい日本語・文章だ。また、すべて現在形で走り続ける小気味良い文体には、きっと目を見張るに違いない。さて、内容だが、本書は、小説自体の問う、お前の願いは何だという、全編を貫くテーマも胸にこたえるが、登場人物が各々の本心を希求しつつ、連綿と紡がれる物語と語り口も実に見事だ。テランは、また、確実に進化している。それに、終章近くの戦闘場面での文章は正に驚嘆ものだ。文章が疾走し跳躍している。凄まじいスピード感でクライマックス・シーンが描かれている。そこに差し掛かれば誰もが、この小説・訳書を読んだ至福を実感するに違いない。必読。 | ||||
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エルロイって妙にスタイリッシュなのは、現代が舞台じゃないからですね。 リアルな今を描くとテランみたいにダーティになるのでしょう。 登場人物のキャラの立て方が非常にうまい作品。ストーリー以上に読ませる 作家です。 砂漠のように乾いた文体のスピーディさは、いいですマンソン。 | ||||
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エルロイって妙にスタイリッシュなのは、現代が舞台じゃないからですね。 リアルな今を描くとテランみたいにダーティになるのでしょう。 登場人物のキャラの立て方が非常にうまい作品。ストーリー以上に読ませる 作家です。 砂漠のように乾いた文体のスピーディさは、いいですマンソン。 | ||||
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読んでいる間、ずうっとエルロイの叩きつけるような短いセンテンスの銃撃の匂いを感じていた。ものすごい負のパワー。堕ちていく疾走感。物語がラストに向かって収束していく、焦点の定まり方がハンパじゃない。話そのものは、なんということはないものなのだが、それに絡んでいく母子を中心とした登場人物たちの語る「哲学」がスゴイ。チャンドラーが洒落た決め台詞の宝庫だとしたら、ボストン・テランは詩的で悪辣な戯言のアウトレット・モールだといえる。惜しむらくは「なんということのない話」だということで、登場人物たちのパワーの源(それは母子の確執だったり、復讐だったり、金だったりするわけだが)にいまひとつ感情移入できなかったーということだろう。何のために走っているのかわからないまま、終わってしまった。 でもその理不尽さが魅力のひとつなのかも知れないけれど。 | ||||
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読んでいる間、ずうっとエルロイの叩きつけるような短いセンテンスの銃撃の匂いを感じていた。ものすごい負のパワー。堕ちていく疾走感。物語がラストに向かって収束していく、焦点の定まり方がハンパじゃない。 話そのものは、なんということはないものなのだが、それに絡んでいく母子を中心とした登場人物たちの語る「哲学」がスゴイ。チャンドラーが洒落た決め台詞の宝庫だとしたら、ボストン・テランは詩的で悪辣な戯言のアウトレット・モールだといえる。 惜しむらくは「なんということのない話」だということで、登場人物たちのパワーの源(それは母子の確執だったり、復讐だったり、金だったりするわけだが)にいまひとつ感情移入できなかったーということだろう。何のために走っているのかわからないまま、終わってしまった。 でもその理不尽さが魅力のひとつなのかも知れないけれど。 | ||||
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風邪で脳髄を侵されて会社を休み、一日で読むに値する。但し徹底的に凝縮、昇華した登場人物。好き嫌いが色の混じりあいを拒否するようにスパーッと分かれる。超アンフェタミン中毒母アンド進化型鋳型娘、墓穴男、ゲイ、汚染土壌不正公共事業、etc etc 舞台は現代アメリカの最先端恥部がテンコモリ。最後は登場人物の心根はどんな端役の一人一人までもが常時オンライン ネットワークのように共有していたのを知る。 エピローグでジャック ニコルソンの写真(シャイニング)でフェイドアウトする。 | ||||
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風邪で脳髄を侵されて会社を休み、一日で読むに値する。但し徹底的に凝縮、昇華した登場人物。好き嫌いが色の混じりあいを拒否するようにスパーッと分かれる。超アンフェタミン中毒母アンド進化型鋳型娘、墓穴男、ゲイ、汚染土壌不正公共事業、etc etc 舞台は現代アメリカの最先端恥部がテンコモリ。最後は登場人物の心根はどんな端役の一人一人までもが常時オンライン ネットワークのように共有していたのを知る。 エピローグでジャック ニコルソンの写真(シャイニング)でフェイドアウトする。 | ||||
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暴力を客観視して極限まで高める。現在形の文でたたみこむ。読者を確実に選ぶ、これほどまでに強く重い、爽快感のある小説。 はめられ、殺されかけたヴィク。母親に捨てられたシェイ。過去が元で心の闇に取り込まれるランドシャーク。すべてが同じ軸に繋がる。その軸へと突き進む姿は痛々しくもあるが、何故か清清しい。前作と同じく、今回も「銃弾こそがすべての壁を取り払うことの出来る神」を言外に主張している。だが、カルト臭がしない。それは登場人物がカルト教団関係者でないだけでなく、設定が生々しいからだろう。 前作を既読か、エルロイや馳星周が好きな方でなければ、読むのに覚悟がいる小説。それができれば、心地よいカタルシスが待っている。 | ||||
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暴力を客観視して極限まで高める。現在形の文でたたみこむ。読者を確実に選ぶ、これほどまでに強く重い、爽快感のある小説。 はめられ、殺されかけたヴィク。母親に捨てられたシェイ。過去が元で心の闇に取り込まれるランドシャーク。すべてが同じ軸に繋がる。その軸へと突き進む姿は痛々しくもあるが、何故か清清しい。 前作と同じく、今回も「銃弾こそがすべての壁を取り払うことの出来る神」を言外に主張している。だが、カルト臭がしない。それは登場人物がカルト教団関係者でないだけでなく、設定が生々しいからだろう。 前作を既読か、エルロイや馳星周が好きな方でなければ、読むのに覚悟がいる小説。それができれば、心地よいカタルシスが待っている。 | ||||
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