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神は銃弾
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神は銃弾の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.29pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全35件 21~35 2/2ページ
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『神は銃弾』というカッコいいタイトルとCWA新人賞を受賞したことが動機で購読。 なにせ、形容詞がちりばめられていて、読み進められない。表現が重く、 ページを繰る手にサイド・ブレーキがかかった感じ。 保安官事務所刑事のボブがデスク・カーボーイから追跡者へと昇華する様が痛々しい。 同時に、刺々しいケイスと愛娘を奪還する旅をつうじて融合していくプロセスと、 ラストの清々しさが秀逸。 | ||||
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カルト集団にさらわれた娘を取り戻すために、娘の父親とカルト出身のヤク中女が手を組んで復讐の旅に出る、 という単純極まりない話のはずなのに・・・すごく読みにくい。 どこかのハードボイルドの登場人物が言いそうな小憎たらしい台詞を更に濃くしたような文体がひたすら続く。 更に、作品で書かれる「病んだアメリカ」とバイオレンス描写がきつくて、 冗談ではなく本当に体力を消耗する(笑)。 疲れているときは読まないほうがいいです。 もともと、「復讐」とか「銃弾」とかの方面に期待してたのでだけど、かなりあっさり終わってしまって肩透かし。 でも、この物語で一番面白かったのは、ボブとケイスが会話をしている場面だった。 「宗教は白人がこの世を支配するために生み出したシステム」だと言い、「宗教も政治も、銃弾という神には敵わない」と豪語する、ひたすら現状認識の女であるケイスと、 人を殺めながらも常識や神にすがろうとする男であるボブとの心の交流が、 このひたすら容赦がない世界観の中で唯一の「救い」に見える。 カルト集団のボスで、存在感ありまくりのサイラス。そしてフェリーマン。 どいつもこいつもかっこいい! | ||||
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現在形で語られる散文詩的な文体が凄まじい。暴力と凶器の凄惨な世界に神はいない。全てに怒りが満ちあふれ、苦しみだけが支配しる状況での極限状態の人間関係。希望を求め、絶望から逃れるために地獄へと向かう二人。 読んでいるだけでこっちの精神もすり減ってしまいそうな厳しい小説だ。アクションシーンで生死の瀬戸際を渡るシーンも多いが、読みどころは精神的に生きるか死ぬかの争いう部分だろう。正義(神)を信じる主人公と、現実世界の闇を生きてきた元ジャンキー、悪の化身のようなカルト教祖、それぞれの世界観が衝突する。 そして、とにかくヒロインがカッコいい。 | ||||
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「このミステリーがすごい!」’01年海外編第1位。’00年度CWA(イギリス推理作家協会)新人賞受賞作。 ストーリー自体はいたってシンプル。カリフォルニア州クレイ保安官事務所の刑事ボブは教主サイラス率いるカルト教団<左手の古径>一味に別れた妻を惨殺され、愛娘ギャビは彼らに連れ去られる。ボブはギャビを取り戻すため、休職し、元信者で麻薬中毒から更生中の女ケイスの助けを借りて南カリフォルニアの砂漠地帯を転々とする・・・。 現在形で表現される乾いた文体と短い章立てで進行するふたりの追跡行は、ケイスが卑語だらけの台詞を吐いたりして、決して上品なものではありえないのだが、ハードボイルドでもなく、ロードノベルのごとき冒険的要素があるわけでもなく、エンターテインメントなパルプ・ノワールというより、壮大で崇高な散文詩を読んでいるような感じがした。 それは銃撃戦や追跡、逃亡など“表面”のアクションシーンもさることながら、日常をはるかに超えた異常な悪の世界での、もっと“深い”心理的なもの、登場人物同士(ボブとケイスだけでなく脇役たちも含めて)の心の動きが台詞を通してびんびん伝わってくるからだろうと思う。 欲を言えば、カルト教団<左手の古径>のスケールが、たいした教義といえるものもなく、教団と呼ぶにはあまりにも小さい。これでは狂気をはらんだサイラスをリーダーとした街の暴力グループに過ぎない。もう少し組織的な新興宗教の教団とするか、あるいは単に常軌を逸したアウトローたちという設定でもよかったのではないか。それでもこの物語の持つ強烈なうねりは決して色褪せることはなかっただろう。 それにしても、デビュー作でこれだけパワフルで魂のこもった小説を書いてしまうとは、ボストン・テランとはなんとたいした作家であることか。 | ||||
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日本製のハードボイルド原「りょう」や藤原伊織、旧き良き時代のハードボイルドの逸品。勿論これらも素晴らしい。 しかしながら、ただ普通の人が生きているだけで「ハードボイルド」な今のアメリカなら、この作品位の悲痛さがないと、もはやハードボイルドとは呼べないのかも知れない。 圧倒的な暴力、原則信用し合わない人間関係。これもリアリティだろう。 読みながら戸惑う事すらある、短いセンテンス。現在形の多用。(文体のクセは読んでもらわないと伝えにくいが) 原文のテンポを、うまく訳し出している和訳も見事な出来だ。 ただこの作品で一番素晴らしいのは、主人公の1人・ケイス・ハーディンという女性の存在である。元麻薬中毒・暴力カルト集団メンバーという過去を、しっかり引き摺りながら読者には、押し付けない。 にも関わらず彼女の溢れんばかりの、悲しみや怒りは深い共感となり感情移入を招く。 稀有な存在感のある女性主人公を感じるためだけでも、一読の価値が十分ある。ラストシーンも、この作品のテイストを損なわずに、読者の想いを受け止める見事な締めだと思う。 | ||||
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アメリカの今の現実では、こんな世界が存在しているのかと思わせる 作品です。 日本の作品しか読みなれていない私は、読む切るのに休みで4日間も かかってしまいました。まあ、アメリカに生まれていれば、一歩間違えればこんな世界に足を 踏み入れていたこともあるということを想像すれば、寒気のする作品 でしょう。読むのもこれだけ大変だったのですが、訳す方ももっと大変だったと 巻末を読んで納得しました。ツインピークスっぽい作品が好きな人にはいいかもしれないです。 | ||||
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「死者を侮る・・」を先に読んでしまったのが悔やまれる。決してこの「神は銃弾」がつまらない訳ではない。しかし、テンポというか、たたみ掛ける過呼吸みたいな文段は「死者・・」が圧倒的に進化しているので、順番は守った方が良い。されば、「死者」が二倍、三倍と楽しめます。でも、どうして女性がこうも格好がいいんだろう。女々しいのは男、雄雄しいのは女。 テランの母がここに居た。 | ||||
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マンソン以降、アメリカってカルトにスター性を求めてますよね。 マンソンの伝記で自らが神格化されて戸惑ってる様子があり、面白かったです。 アメリカで国内便にのったとき、カリフォルニアの荒涼とした大地を眼下に この下にどれくらいの死体が埋まってるのかとふと思ったことあります。 乾いた文章は砂漠的。最後の章はちょっと物足りなかったけど、それはそれで狙いでしょうね。 | ||||
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ミステリー好きで、たいていの作者のあらゆる文体(例えばエルロイの『ホワイト・ジャズ』でさえ)読める自信がある私ですが、本書は読み難かった。登場人物の心情を克明に描いていて、アクション的描写と併せて読み応えがあり、その点、すばらしいのだが、・・・・・・読み難かった。その点、ベテラン翻訳者=田口俊樹さんも「訳しにくかった」と言っています。 | ||||
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ペーパーバックの中で,初めて観念的な小説を試しに読んで見ました。 James Patterson,せいぜいJohn Grishamの世界に親しんでいるものにとっては,最初の抽象的な表現は,面食らいました。読み進んでいるうちに,表現の機微も少しは判る様になりましたが,やはり読み進み難かったです。ストーリーは、母親が殺されカルト集団のリーダとなったCyrusと娘を奪われた元刑事のBobとの娘を取り戻す話しで,ヤクチュウ,レイプ,儀式,戦いが織り込まれています。 美しい表現もあり,それはそれで良いですが,次のJohn Grishamの小説を心待ちにしています。 | ||||
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物語の三分の一まで読むのに一ヶ月かかった。その後は半日だ。こういう暴力小説に慣れていないという事もあるけれど、文体が現在形で、スラングが多く、魅惑的な形容詞がちりばめられ……つまりその世界に浸るには少し時間がかかった、ということだ。ただし、その世界に入れば後は一直線の物語である。単純だし、結論はほぼ見えている。しかしぐいぐいとキャラクターが生きていて、終わった後は不思議な爽快感が残る。小説を読む喜びというものを少し思い出した。 | ||||
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いわゆるハード・ボイルド小説ー主人公が自分なりの規範をもち、それを頑なに守り通す。チャンドラーやハメットにはじまるそういう物語も、現代にたどり着けば様々な形態となり、主人公達が守るべき規範も様々になってきた。それらは様々であっても、ひとつの基準で線引きをされていた。それは「神」だ。女性を守る、友達を守る…彼らの規範は、そういうキリスト教的なものから派生していた。シリアル・キラーやカルトの狂気も、もとをただせば「神」への愛憎だった。ーでは、その基準を取り去ってしまったら?麻薬・レイプ・殺人…本書はそう複雑でないストーリーを追いながら、「神」が基準となっている「われわれの世界」を糾弾する。エンタティメントでありながら、「狂気の基準」を偏執的に掘り下!!げる。その語り口は硬質で、青臭さを感じさせるところもないではない。が、映画の脚本のト書きのような文体は、とてもビジュアルで、サム・ペキンパーとデヴィッド・リンチを合わせたような味わいを持っている。この次は?と期待せずにはいられない。 | ||||
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強引な展開ながら生き生きとした表現は、確かに魅力だが、これが「このミステリーがすごい」の2001年のベスト1じゃあ、このミスベストの投票者の好みを疑うね。せめて8位前後なら理解できるのだがね。ボブ・ハイタワーとケイス・ハーディンのミスマッチコンビは面白い設定だし、娘を探してそれこそ地獄までも赴くのも共感できるのだが。カルトとシリアルキラーの渾然一体もの(こんな表現はふさわしくないとは思うが)テーマは他でもあまりに多すぎてややうんざりだね。 | ||||
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詩を読んでいるかのような叙情的な文体には好き嫌いがあるかもしれないが、 心を掻きむしられるような迫力を感じる。 ローレンス・ブロックでお馴染みの田口俊樹氏の翻訳がGOOD! 主人公の二人が極限状態でぶつかり合いながら、ふっと心を通わすシーンが 痛々しく、思わず涙してしまう。 私が知る限りこのヒロインは、かつて出会った中でサイコーにかっこいい女性。 まるでロードムービーを見ているかのように、情景が目に浮かぶ作品。 | ||||
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血を求めるカルト集団。儀式と殺人。 別れた妻を殺され、実の娘を連れ去られた男が、このカルトリーダーを追う。 陰惨な話である。 なのに、娘を取り戻す為に全てを捨てて突き進む男の凶暴性には、一種の爽快感さえ感じてしまう。 人間の本来の個の力を改めて思い起こさせてくれる、人間復活の物語である。 | ||||
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