ポリティコン

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ポリティコンの評価:

3.76/5点 レビュー 49件。 B ランク

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平均点3.76pt

Amazonレビュー一覧

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全83件 81〜83 5/5ページ
No.3
(5pt)

これは『桐野夏生版・創世記』か? 人間のむき出しの「業」を描く傑作小説

本書を読み終えた自分の感想は「人間の業こそミステリー」というものだった。
東北の山奥に、90年の前からひっそりと存在していた「唯碗(いわん)村」。
そこは自給自足の理想社会の建設を目指してつくられた村であった。
村の後継者・トイチと、この村に偶然流れ着いた少女・マヤを襲う過酷な運命。 
高齢化、人口減少、外国人妻、農業問題など、現代日本の縮図ともいえる問題。
当初、私はこの物語は、桐野氏の前作『東京島』の「島の中の東京」的に、
「村の中に、日本の縮図を埋め込んだのではないか」と思いつつ読んでいった。
しかし、トイチの圧倒的な土着的生命力と、マヤの純粋さな気持ちとの交錯により、
桐野氏の筆によって、さらなる高みまで、連れて行かれたようである。
本書は、もしかして『桐野夏生版・創世記』なのではないだろうか?
トイチがアダムでマヤがエバ。ふたりは「唯碗村」という「楽園」に住めるのか?
旧約聖書の創世記さながら、タフで魅力的な2人の男女は、
さまざまな経験を積みながら、「絶望の淵にある微かな希望」を見せてくれる。
本書は、ミステリーの女王にして、稀代のストーリーテラー・桐野夏生が、
究極の状況のもと人間の業の根本を美しく描くことに成功した、渾身の力作である。
ポリティコン 上 Amazon書評・レビュー: ポリティコン 上より
4163299009
No.2
(5pt)

圧倒的な生命力

桐野夏生初の上下巻となる本作は、五年の歳月をかけた大作だという。正直、上巻の途中までは、奥の深い「桐野ジャングル」を彷徨っている感覚だった。しかし、読み終わると、不思議な開放感と、誰かとこの小説の話がしたい、という欲求が沸いてくる。特に、ラストの凄さはなんだろう。こんなラスト、誰が予想するだろうか。それほどビックリ系だが、けど、腑におちる終わり方。それと、高浪東一という、どうしようもなく俗な27歳の男性主人公が、読み進めるうちに、愛おしくなっていくのだ。男(人間)の俗な部分を、これでもかこれでもかと書き込み、それを物語という炎で成仏させている感じがする。これは筆者が人間を見つめる視点が、実はとても優しいからできることだと思った。思い返してみると、桐野夏生の作品で、殺人シーンは極めて少なくないかな(「OUT」は、死体を切り刻むけど)。大長編だけど、あっという間に読み終えてしまった。うまく言えないのだが、とてつもない生命力に満ちた本だということは間違いないと思う。福井利佐さんの装画(切り絵)も、すごくかっこいい。
ポリティコン 上 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: ポリティコン 上 (文春文庫)より
4167900246
No.1
(5pt)

圧倒的な生命力

桐野夏生初の上下巻となる本作は、五年の歳月をかけた大作だという。正直、上巻の途中までは、奥の深い「桐野ジャングル」を彷徨っている感覚だった。しかし、読み終わると、不思議な開放感と、誰かとこの小説の話がしたい、という欲求が沸いてくる。特に、ラストの凄さはなんだろう。こんなラスト、誰が予想するだろうか。それほどビックリ系だが、けど、腑におちる終わり方。それと、高浪東一という、どうしようもなく俗な27歳の男性主人公が、読み進めるうちに、愛おしくなっていくのだ。男(人間)の俗な部分を、これでもかこれでもかと書き込み、それを物語という炎で成仏させている感じがする。これは筆者が人間を見つめる視点が、実はとても優しいからできることだと思った。思い返してみると、桐野夏生の作品で、殺人シーンは極めて少なくないかな(「OUT」は、死体を切り刻むけど)。大長編だけど、あっという間に読み終えてしまった。うまく言えないのだが、とてつもない生命力に満ちた本だということは間違いないと思う。福井利佐さんの装画(切り絵)も、すごくかっこいい。



ポリティコン 上 Amazon書評・レビュー: ポリティコン 上より
4163299009