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黄金旅風
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黄金旅風の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全23件 1~20 1/2ページ
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縦糸は長崎奉行を失脚させる話ですが、横糸で禁教下の国際都市長崎を楽しませてくれます。作者の造詣の深さや広さに圧倒させられる。以前に1冊長編を読ませてもらいましたが、作者の好む人物には「私」がないように思えます。所謂好漢。好漢を失うと悲しいですね。切なくなる。話は一転しますが、天草四郎ミュージアムで見たセミナリオのイメージがこの本では狂ってしまいました。まーそんな時代もあったのだろうと納得はしています。 長編ですが、読後のさわやかな喪失感は貴重な体験になりますよ。 | ||||
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ブックオフにもない本を読むことができ満足しています | ||||
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面白い 面白い 男の生きざま勇敢で惚れてしまう。 | ||||
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作者の作品としては、「出星前夜」→「狗賓童子の島」→「始祖鳥記」の順で読み、作者の魅力の虜になって本作を手に採った。作者の特長は、時の権力に対する批判精神が一貫している点と、壮大かつ緻密な物語構成力であろう。本作の時代設定は「出星前夜」の題材である「島原の乱」の10年前であり、上述した特長が活きている傑作である。 主人公は長崎代官兼貿易商の平左衛門。物語は南蛮貿易を享受していた長崎の海商達と貿易統制を図る幕府側との対立を縦軸に、南蛮貿易の利権に目が眩んで私腹を肥やし、切支丹弾圧を図る長崎奉行(竹中重義)一派と長崎の町民との対立を横軸に非常に精緻に描かれる。双方の軸の中心点が平左衛門である。平左衛門は長崎代官兼貿易商でありながら、私利私欲の無い世俗を超越した清廉かつ叡智の人物であり、ひたすら長崎(の民)を愛している。同時に、海神から愛されている人物でもある。数多のエピソードを織り込みながら、この平左衛門が竹中を追い詰めて行く過程が本作の一番の見所であろう。また、秀忠から家光へと政権が移行するに連れて、日本を取り囲む国際情勢の変化とそれに伴う幕府の方針変更をつぶさに描いた作品でもある。長崎だけを愛していた平左衛門が、実はこの時代の一級の国際人だったという皮肉も効いている。本作の切支丹弾圧を初めとする圧制が「出星前夜」へと繋がっている点にも注意したい。エピソードの中では、竹中配下の役人に騙されて、<踏み絵>用の聖母像を鋳造してしまった真三郎のサブ・ストーリーが光る。「この世で大切なものは金でも名誉でもなく自らの魂」という本作のテーマと巧みに共鳴している。 史実だったのかも知れないが、平左衛門の幼馴染みの風雲児で、長じて長崎の火消組惣頭となる才介が物語の途中で消えてしまった事を残念に思う読者が多いのではないか。既読の三作も傑作揃いだったが、物語の"纏まり"という点では本作が一歩秀でている感があり、代表作と呼ぶに相応しい傑作だと思った。 | ||||
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とても良い状態で届きました。歴史における長崎の状況がとても面白く読みました。 飯島氏の小説は、もっとたくさん読みたいと思いますが、片手間では行きません。 | ||||
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きれいな本で大変よかった。今後もよろしくお願いします。ではまた | ||||
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軽いタッチの本しか読んでいない人には読了も厳しいでしょうが、昨今の登場人物のキャラクターを「優しい」だのなんだの簡単な形容詞で言ってしまう技量しかない作家に?と思っている人には日本人でよかったと思う本だと思います。歴史的背景や緻密な描写は恐らく翻訳はできないでしょう。とにもかくにもこの作家は小説家というより職人だと思います。 作品としてはこれまでのところやはり『始祖鳥記』を超えるものではないので星4つ | ||||
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軽いタッチの本しか読んでいない人には読了も厳しいでしょうが、昨今の登場人物のキャラクターを「優しい」だのなんだの簡単な形容詞で言ってしまう技量しかない作家に?と思っている人には日本人でよかったと思う本だと思います。歴史的背景や緻密な描写は恐らく翻訳はできないでしょう。とにもかくにもこの作家は小説家というより職人だと思います。 作品としてはこれまでのところやはり『始祖鳥記』を超えるものではないので星4つ | ||||
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寛永5年、鎖国直前。舞台は長崎。鎖国前夜の物語だ。船大将の台湾への航海や、火消組の消化治安活動。禁教令が出た後の仏具座と鋳物師など、様々な町衆の生活が描かれており、主人公が誰だか少なからず戸惑いながら読んだ。読み進むほど、唐人、高麗人、ポルトガル人、オランダ人など、登場人物はうなぎ上りに増えていく。登場人物は入れ替わり立ち代り長崎の物語を紡ぐ。言うなれば、主人公は長崎という町そのものである。強欲な奉行やら、愚鈍な糞侍やらも出てくるし、人の命はとても軽い。けれども、長崎の町衆たちは活き活きとして、一生懸命に生きている。その様が恰好よく描かれている。姿かたちではなく、その精神が極めて魅力的なのだ。海に面して世界に繋がっている、その精神の一番の体現者であるのが、末次平左衛門であろう。最初は分厚さにためらったが、読めば読むほど引き込まれていった。処理されずに取りこぼされた伏線があった印象は否めないが、蝶のように儚いけれどもたくましい日々の物語に、美しい夢を見たように心が沸き立った。 | ||||
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時代小説はあまり読まないのですが出星前夜を読んで期待以上に面白かったので本書を購入しました。自分的には『出世前夜』は本作を越えていないと思いました。 帯の「選びされた粒よりの傑作を読み終えてなお、『黄金旅風』の頂点に揺るぎなし」という文句に偽りなしだと思います。人間が愚かなゆえに破滅していく救いのなさに無常を感じるのもいいのですが、本作の微力であることを認める謙虚さと、最善を尽くし最後まで諦めないポジティブな姿勢に共感しない読者はまれであると思います。絶望の中でさえ、前を見続ける本作のテーマはジャンルを超えて読者の心を掴むものと思いました。 本作を時代小説という狭いジャンルで手に取らないことは、旬を越えた名作を取りこぼすことになります。本に夢中になりたい人であるなら必読です。 | ||||
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立て続けに飯嶋和一の著書を読んでいる。これで三冊目だが、とりつかれたように一気に読んでしまった。今度の舞台は長崎。時は、三代将軍家光の頃。この時代の快男児の話だけど、彼の著作は、単純にその人物の胸のすくような活躍を描くだけではない。どの時代でも、権力の下で苦悩し、民を守ろうとする人間の、特に名の知れた武将ではない人々の悲しみを伝えている。なんて、重い読後感なんだろう。こんなに考えさせられる時代小説って読んだことなかった。「過去のあらゆる戦も、結局は既得権にしがみつく連中が、声高に大儀を掲げ、一般民衆を巻き込んで抹殺してきた歴史が繰り返されてきただけのことではないか」ということばは、深い。 | ||||
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本の雑誌増刊「おすすめ文庫王国2008年度版」の1位に輝いていたので購読。たしかに、描写の細かさ、考証の確かさがあり、固めの文章ながら読ませる力がある。しかしながら、ちょっと人物はでき過ぎというか、破滅せずに成功していくスーパーマンという、まるで山本一力のようなつくり方(もっときちんと書き込まれているが)でちょっと鼻白む。全体としては、先出のレビューにもあったが、少し枝葉が多すぎ、もう少し短いほうが印象に残るのにな、という感じがぬぐえなかった。海洋物の先駆者、白石一郎氏の著作(海狼記など)と比べて読むと、人物の捉え方が違って面白いだろう。 | ||||
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金や名誉よりも自分の愛するもの、守らなければならないものに誠実に生きようとし、それゆえ時に近視眼に陥り、私欲の肥大した権力者と衝突せざるを得なくなる主人公たち。 ストーリーの面白さもさることながら、こうした主人公達の生き様が格好良すぎる。 すでに社会体制が確立し、ある程度のゆとりすら見せていた「始祖鳥記」の時代と違い、まだ権力基盤が磐石ではなかったがゆえに、社会の締め付けを強めていった秀忠〜家光の時代。主人公達は権力闘争に否応なく巻き込まれ、傷つき、倒れていく。 「何とかして生き残り、より生きやすい社会を作ってくれ」と手に汗握りながら応援したくなること請け合いである。 | ||||
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飯島和一さんの作品を読んだのは初めてでした。本屋さんに入り本の雑誌が選ぶ文庫へストテン第一位の帯に吸い寄せられ買いました。でも面白かった。小学校に行った人は誰でも知っている朱印船(小学校行かない人いるのか?)でもこのような背景があったとは。世界の発展途上国を次々に植民地にしていったヨーロッパ その先駆けはコロンブスを雇ったポルトガルそしてスペイン。ポルトガルはインドのボンペイそして中国のマカオ スペインはフィリピンのマニラ。ポルトガルはスペインに併合される。 それに遅れる事オランダが東インド会社を設立ジャワのバタビアから中国そして日本へと食指を伸ばし各地で紛争が勃発。東南アジア 台湾に移り住んだ日本人町にも災難が(この日本人のなかには迫害されたキリシタンが大勢)。なぜキリシタンが秀吉そして家康に迫害されたのか それまで従順だった日本人がキリスト教により自我に目覚める。深いな 日本人が何も考えず一日を生きているのは江戸時代徳川家康に飼いなされたネコか! この作品はもちろん歴史小説としても面白いが内容も深いものです。 | ||||
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著者の作品はこれが初読でしたが、ぎっしり文字の詰まったページと本の厚みにも関わらず、読み手を一気に引き込んで逃がさない文章の引力ともいうべき力を、久々に強く感じることができました。鎖国直前の息苦しさの中、最後の輝きを放つ長崎、その水面下では権力者の思惑にまみれた切支舟狩りが行われている。登場人物の末路も様々。しかしタイトルにもあるように、この本は金色の光、希望の物語だと思います。故郷西海の、目映い夕景を思い出しました。 | ||||
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傑作しかない作家と書いていた人がいましたが、まさにそのとおりです。日本にも外洋に出て行った大航海時代があったのかと知り、胸が躍りました。司馬遼太郎の「菜の花の沖」と読み比べると面白いと思います。著者の他の作品と共通するのは、自身の仕事を通し、社会を見つめて問題意識を感じ、時の権力者の考えに相容れぬものだったとしても、少しでも理想に近付くよう行動する、骨太の人達が描かれていることではないでしょうか。閉塞感を感じる日常の中で、元気をもらった気がします。史実を拾い上げ、丹念に調べて、創造を膨らませて作られる物語には、圧倒的な力を感じました。 | ||||
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私腹を肥やし長崎の民を苦しめる竹中釆女(竹中半兵衛の孫)を倒せ!長崎代官・末次平左衛門の熱いストーリー。「不肖者」平左衛門が用意周到に竹中を追い詰める。 私腹を肥やす欲にくらんだ醜い人間が多く登場する中で、平左衛門の私心を持たない行動が爽やかでした。複雑な利害が交錯する中、縦横に策を張り巡らす平左衛門。細やかな時代考証もすごい。 しかし、枝葉の話が多すぎる。火消組惣頭・平尾才助の話は別として、船大将の濱田彌兵衛や蝋型鋳物師・真三郎の話は、本筋の話の伏線にもなっていない。 濱田彌兵衛の航海記などは、本筋の話よりも面白いのだが、これらの枝葉の話をふくらまし過ぎているため、冗長な印象も受けた。 ま、書きたい気持ちは分かるけど。 | ||||
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私の年間の読書量は150〜200冊ですので結構な読書家だと自負しています。そんな私が「まだかまだか!?」と常に新刊を首を伸ばし手ぐすねひいて待ち望んでいる作家は飯嶋和一と中村隆資のふたりくらいのものです。私の飯嶋和一に対する評価は「超々寡作なれども作品はどれも一級品」です。特に「雷電本紀」と「始祖鳥記」は衝撃的作品であり、私の読書歴の中でも最高評価に分類されます。さて本書「黄金旅風」は「雷電」、「始祖鳥」に続いて書かれた作品です。4年前の刊行直後一読し「雷電」、「始祖鳥」に比べると「一寸パワー不足、二番煎じ、尻切れトンボかなぁ」と感じ、必ずしも彼の作品としては高い評価を与えませんでした。つい最近、近々「黄金」の続編にあたる(らしい)「出星前夜」が刊行されるという広告が出た為、改めて「黄金」を再読してみました。…いやはやめちゃくちゃ面白かった。大変な筆力です。決して平易な文章、内容ではないのですが、いつまでも読んでいたい読書の楽しみにたゆたっていたいと思いゆっくり時間を掛けて読みつつも、いつの間にか時を忘れ我を忘れ気が付くと分厚い本を読み終えていました。こういう作品、作家はそう多くありません。…しかし、4〜5年毎に作品を発表しただけでその印税で生活できるのかなぁ(しかも残念なことに彼の作品は一般大衆受けしてミリオンセラーになるようなものではありません)と余計な心配をしてしまうのですが、もう少し筆まめになってもっと印税を稼ぎ、末永く傑作を世に送り出し続けていただきたいと望むばかりです。飯嶋和一さん宜しくお願いします! | ||||
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圧倒的な考証と緻密な描写力 いずれも氏の作品に共通する一番の魅力ですが 最も描写が生きるのは、子供や女性に 対する眼差しが注がれるとき たった数行の描写でも泣かせます | ||||
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舞台は江戸時代の長崎。末次平蔵(平左衛門)と平尾才介の、愚痴を言わない爽やかな生き方が力を与えてくれる。 | ||||
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