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雷電本紀



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雷電本紀の評価: 4.48/5点 レビュー 27件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.48pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全23件 21~23 2/2ページ
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No.3:
(5pt)

日々を無為だと感じている人には危険な麻薬です

伝説の相撲人、雷電の半生を描いた大傑作!飯嶋作品に共通するのは、権力への抵抗。抑圧者と被抑圧者の相克。だけど、それは一揆などにみる闘争ではなく、人が人であろうとするために、限られた生を懸命に生き、その生き様を見せつけるという手法によって、権力への抵抗を見事に描き出している。『始祖鳥記』の主人公、鳥人・幸吉の半生を描きたかった飯嶋は、どうしても江戸という時代をリアルに描くことができず、苦悩していた。そして、江戸の世界観をリアルに描くべく、緻密な研究を重ねた。その過程で、実験的に書き上げられたという本作品だが、緻密な時代考証には頭が下がります。我感嘆!忘れてしまった何かを取り戻したければ、読むべし!雷電の生き様は、魂を熱く揺さぶられます。
雷電本紀 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:雷電本紀 (小学館文庫)より
4094033130
No.2:
(5pt)

一人でもたくさんの人に読んでもらいたい

著者の『神無き月十番目の夜』を読んだとき、同書が自分の今年のベストに間違いないと思った。そしてもっとこの著者の作品を読みたくて購入したのが本書である。とはいえ背表紙解説を読んだ時点では、自分が本書を楽しめるかどうか、正直いって半信半疑だった。しかしいざ手にとってみると驚いたことに、2ページ目をめくった時には、すでにそんな思いを持っていたことすら頭から消え去っていた。雷電だけでなくもう一人の主役ともいうべき鍵屋助五郎をはじめ、その番頭麻吉、後半から登場する千田川関らの登場人物たちもとびきり魅力的。本書が『伝記』ではなく『小説』だということは百も承知の上で、気が付くと純粋な伝記として捕えている、そう信じたいと願っている自分がいる。読んでいる間中、感動という言葉だけでは表現しきれない気持ちが沸いていた。それはまるで、自分がその場にいて全てを目で見、耳で聞き、肌で感じているような錯覚を覚えるほど強烈な感覚だった。雷電本人の記録や時代背景の資料、現地への数度の取材を基に、足掛け6年の歳月を費やして出版されたという本書。そこに描かれた人、町、時代、スケール、何をとっても今年の、いや、過去のベストに挙げたい作品である。一ページ目の焼け野原のシーンですでに惹きつけられたが、最後の最後、ラスト一行がまた心にしみた。できることなら、いつまでも読み終えたくないくらいだった。
雷電本紀 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:雷電本紀 (小学館文庫)より
4094033130
No.1:
(5pt)

伝説の彼方にあった雷電が初めて我々の前に現れた

史上最強と言われる力士雷電。生涯にわずか10敗という彼がなぜ横綱ではなく大関なのか。長い間の疑問だったが、本書を読んでおぼろげながらわかったような気がする。時代は天明年間、浅間山の大噴火とそれに続く凶作によって貧窮のどん底にあった信州から、彗星のごとく現れた雷電。伝説の彼方にあった雷電が、生身の人間として、生き生きと描かれる。当時の大横綱谷風、小野川などの力士たち、雷電のよき理解者、鍵屋助五郎をはじめとする人間たちがまた魅力的だ。今とは違う当時の相撲事情もよくわかる。最後の釣鐘をめぐるエピソードが興味深い。著者の人間に対する深い洞察とやさしい眼差し、権力に対する反骨精神が窺える。これは寡作家である著者の変わらないスタンスである。
雷電本紀 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:雷電本紀 (小学館文庫)より
4094033130

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