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警官の血
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警官の血の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.18pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全101件 41~60 3/6ページ
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祖父清二の深い愛情が強く印象に残ってます。民雄、和也と世代が変わると共に時代が移ろい、戦後の混乱期を、まさに「生きた」時代から、バブルで踊った「活きた」時代まで、その匂いがとても良く伝わってきました。ミステリとしてはあまりにも判り易く、「謎を解く」と言う楽しみはほとんどありませんでしたが、先にも書きましたが、時代の流れと、人の価値観と、そんな事がとても深く書き込まれていて、思わず読み進んでしまいました。 | ||||
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若干、終盤は話の展開が早過ぎた感があります。2部作なので仕方がないとは思いますが、上巻に比べると個人的にはちょっと物足りない印象を受けました。しかしながらこの作品を読んで作者の他の作品も読むきっかけにはなりました。 | ||||
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敗戦後すぐ、食い詰めて警官になった初代主人公の変死を皮切りに、 警視庁内の異常性・汚い闇仕事で、人生を狂わされる警官一家の年代記。 社会を守る警官という仕事を三代続ける事の誇り・意義をうたいあげるような、 感動的だったり渋かったりかっこいい話ではまったくありません。 知名度も高く、世評も高く、大型テレビドラマにされたりしてますが、 なんか宣伝やここでのレビューの数々と読んでみた内容がずいぶん違いますね・・・・。 物語の縦糸となる初代主人公の変死の真実も下劣でくだらなく、 ミステリらしく知って膝をたたいたり、昭和史と絡んだ驚きなんてものはないです。 三代目和也は祖父・父・自分とあんな目にあって、事実を知っても よく警官って仕事に執着し続けるなぁ。続編出たし。 こんな屑仕事から、とっとと転職した方がいいと思うんですけどね。 例によって佐々木作品おなじみ、「さっさと死ね、地獄に落ちろ」と言いたくなるような、 人間の屑の警官が登場します。 ・・・作者は何か警察に恨みでもあるのでしょうか。 これ読んだ後だと、もちろんフィクションですが、警官見たり交番見ると顔背けたくなりますね。 マトモな警官がこの世に一人もいない気がしてきます。 そういう意味ではインパクトのある作品ですが、どういうミステリファンに勧めていいか困ります。 うーん、 ・警察嫌いの人・若年者に警察の異常さを啓蒙したい世代の人・警察を今まで完全に信用してた人 でしょうか? 私、警察小説でくくられるジャンルはこれが初なのですが、 ミステリ+警察の暗部+ハードボイルド+アクションの「新宿鮫」シリーズの方が 警察を舞台にしたエンターテイメントとしてバランスがずっといいですね。 | ||||
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最近、難しい新書ばかり読んでいて疲れたので、「このミステリーが凄い」の裏表紙を立ち見して、過去のグランプリ作品からアットランダムに選んで読み始めた作品。親・子・孫の三代に渡って上野〜谷中の界隈で警官になった3人のそれぞれのストーリーを追った作品だが、目茶苦茶面白かった!上下巻ある小説なんて読み切れるかなあ、と読む前は思っていたが、下巻の中盤を過ぎた頃からはあとちょっとで終わるのが寂しいと思いつつも、先のストーリーを読みたい欲望を抑えきれないまま読み続けた。 面白いポイントは、戦後の色んな時代の世相や犯罪事件を時系列に追いながら、その時代時代に生きた人の熱い気持ちを追体験できるところだろう。特に、2人目の主人公が絡む学生運動の頃の事件は、非常に興味深く読み応えがあった。 読みやすくて面白い、警官ものの小説を読みたい人にお勧め。 | ||||
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文句なしに面白い。 ハッピーエンドかバッドエンドかで片付けられる簡単な話ではない。 親子の関係、正義とは、仕事とはなど、色々なことを考えさせられたヒューマンドラマだった。 | ||||
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やはり大傑作。 本作の後日談にあたる『警官の条件』を読んだ余韻で、 もう一度読みはじめたら、途中でやめることができず、 最後まで読みきってしまいました。 上巻は、兵役体験のある清二と、その子民雄が主人公。 民雄は昭和40年代の学生運動最盛期に成人する。 下巻は、民雄と、その子和也が主人公。 時代は昭和から平成へと移り、犯罪者の質的変化、 警察機構の軋みなどが、存分に盛り込まれてゆく。 もし、ミステリーとして評価されたのなら、それはそれでいい。 しかし、犯人捜しだけに限ったら、大抵の読者は途中で、 「誰か」に(あるいは「なぜ」にも)気づくはず。 だからといって、この作品が二流なわけでは、決してない。 かつて自分は、この上下2冊を、戦後日本人が備えていた 「種」が、半世紀をかけてじりじりと変容し、 脆弱になりながらも、継承し続けた遺伝子の尊さ、 ……その軌跡を描いた“博物誌”として読んだ。 再読してみて、その感銘をいっそう新たにした。 | ||||
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ミステリーにとどまらない、壮大な作品。伝記ともちょっと違う「人生を読む」そして「警官の血」の物語です。 読み終わったときにタイトルの深さが染込んできました。タイトルはこれ以外ありえないでしょう! これほどのボリュームで、かつ重厚な筆調であるにも関わらず、一気に読んでしまう勢いを持っています。 起こったことを書いているだけ、会話を並べているだけ、のような読みやすい文章を求める方にはお勧めしません。 小説という手法でなければ描けないすばらしい作品です。 | ||||
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警官の血、そのタイトルに違わず、 地味なストーリーだが、味わえるその時代の空気感が心地よかったです。 戦後を通して発展してきた日本。 警察官という職業を選んだ人のストーリー。 それが3代続いていく。 時間軸としてはかなり長い。 清二の職を選んでいく姿が現代と違った価値観がよく伝わってきました。 ミステリー要素が少し稀釈と思われるが、「どうなってしまったのか?」と思った話しについて それなりに下巻に入ってから結末は気になってくる程度の読み応えはありました。 ヒーローものでもなく、派手さ、スリリング感も無いが 物語として矛盾もなく筋が通っているので、読んでいて興ざめしてしまうことはありません。 映画にもなった同著の「笑う警官」とは全く違った警察もの小説です。 この小説の主人公となる3人が決して警官として珍しい人生であったのではなく、 警官であることだけで、普通のサラリーマンとはかけ離れた人生となってしまうのかと思いました。 | ||||
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職場の上の人がこの本は面白いよと何かの時に言っていたのを思い出し購入しました。 民雄編に入ってからは舞台が北海道に移り、それも影響してか瞬く間に最後まで読んでしまいました。 日本人が牙を失っていない時代、思想の甘美に酔いしれる人、公安という存在、そして、組織に翻弄される人間。 何というか、単なる一辺倒ではない正義、そして、苦悩する人間、壊れゆく人格、人間という存在を警官を通して描いている作品だと思いました。 そう、こういう人間学的ドラマを私は求めていました。 本当に面白い作品です。感銘を受けました。お勧めです。 | ||||
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これはミステリーというより警察小説です。 謎は弱いですね。すぐわかりました。 でも、警察官三代の物語としては重厚で、 読み応えがあったと思います。 若干、最後の和也のお話があっさりとしすぎていて 物足りなさも感じましたが、 全体として満足なデキでした。 | ||||
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TVを観た後に、原作を読む。展開は分かっていたので、推理小説というより、警察小説を読んだ感覚。 清二-民雄-和也と三世代に渡り続く警官人生。 清二の不可解な死、 父の真相を追い続けあと一歩という所まで追い詰めた民雄 祖父と父の軌跡を辿り、自身を振り返る和也 それぞれの時代背景への描写、心理を的確に描いている。上下巻と文書量は多いが、面白いのでさっと読める内容。 個人的には、和也と上司の加賀谷との心理的な駆け引き、その後の和也の成長について触れてほしかったけれど、それは DVD版の方で楽しめるのでまあいいかな? | ||||
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戦後間もなくの混沌とした時代。学生運動がさかんだった時代。そして平成の薬物犯罪の時代。ミステリーの要素もありますが、一要素に過ぎないと思います。むしろ、戦後から平成に至る時代背景と犯罪の傾向、その犯罪に立ち向かう3代に渡る警官を丹念に描いた作品でしょう。上下巻の長編ですが、密度の濃いストーリーに引き込まれ3日くらいで読破しました。読み応え十分の作品です。 | ||||
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自分自身の人生が思い通りにいかない。ましてや、子供の人生が父親の思う通りになんていかない。息子をもつ親として日々思っていることです。そして、この作品でもその通り。思う通りにいかない事ばかり。しかし、親子3代、警官の血は見事に引き継がれている。うらやましいと思いながら読みました。また、警官業務も思う通りにいかない中、皆がそれぞれの立場で最善をつくしていく、という姿にも好感を持ちました。長い長い3人の異なる人生を克明に追いながら、全てがつながり無駄の無い構成だとも思いました。時代の流れによる状況の違いも考慮に入れながら、計算されつくされている、と感じました。真相も、伏線の巧みさから素直に受け入れられました。なお、下巻3章の和也と由香のエピソードは”エロい”と思い、ドキドキしながら読みました。そこもこの作品を気に入った一因です。 | ||||
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三代それぞれのストーリー・キャラクターは非常に楽しい。ぐいぐい世界観に引っ張られます。それだけにこのお話をまとめてくれるであろう和也の章は期待感が上がりまくりでハードルを高めすぎてしまったかもしれません。縦軸として使われている事件の真相も比較的序盤で想像がつくし、タイトルに「血」を入れるほどの「濃さ」を感じることはできませんでした。うーん、とっても面白かったんだけど、マイナスひとつです! | ||||
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三代に渉っての警官の血筋を辿りながら、職務に忠実な警察官の日常と、日常を脅かす謎と陰を描いていく。このような人々によって治安が守られてきたのであろう。しかし一家ごと駐在所に住み込んで、近所と親しく交わり、銭湯にも出入りして会話を交わし、夫婦喧嘩の仲裁までした「駐在さん」は日本では殆どいないかもしれない。歴史の流れの中をストーリーは進んで行くが,要所要所に緊迫感がある。父と子という大きなテーマもある。全身全霊で駐在警官として生きていた父清二が、火事の最中に現場放棄したという汚名をきたまま、殉職ではなく自殺として処理されたこと。父が現場を放棄することなどあり得ない。何か重大な秘密が あったのだ。このことを心にわだかまりとして持ちながらも、子の民雄は警察官の道を歩み始める。優れた頭脳を持っていたことと、死んだ父の後を追って警察官の職を選んだことで、警察の信頼を得て、公安警察の潜入捜査官として働き始める。しかし、組織に入り、周りを欺いて情報を集める仕事の中で、自分のアイデンティティを保つことの難しさの故に、心を蝕まれていく。1、2代の警察官は、不器用なほどの誠実さを持ち、それが故に悲劇に出会うが、3代目和也はしたたかな強さを持ち、一筋縄でいかない世界に自らも策略を持って立ち向かって行く。 | ||||
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待望の文庫化。前評判が良かったので、かなり期待して読み始めましたが、期待通りの作品でした。昭和、戦後の混乱期から現在まで、3代に渡る警官の大河小説なのですが、その時々の社会不安の現況。戦後復興前の混乱期、学生による共産党運動、平成の暴力団の台頭など、戦後の警察記の様相も含まれており、60年以上にわたる日本の犯罪史を作品から垣間見ることが出来る。その中で、一人一人の警官としての生き方、人間としての職業倫理なども深く掘り下げてあり、特に人物が描ききられている。その中で3代に渡る血をめぐる大きなテ−マが流れており、作品の骨格を太いものにしており、読み出したらやめられない、面白さがあふれている。推理小説とも違う、警察小説のひとつの完成形とも言える作品であると思う。上下2冊、ボリュ−ムは十分!!そのペ−ジ数に負けない、充実の作品 | ||||
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終戦後から現代まで3代にわたる警官の人生を世相を交えいろいろなエピソードを交えながら綴った一大叙事詩。しっかりした、揺るぎのない文体が快感であり、最後の最後まで一気に読ませてくれる。数々の謎も最後でないと解けないと言う見事な展開。さすが数々の賞に輝いた作品である。 数々の苦難にあいながらも、主人公3代が自分の人生に、仕事に真摯に立ち向かう姿には本当に感動する。勇気づけられる。普段文句ばかり言っている自分が恥ずかしくなってしまう。 下巻最後エピローグでの和也を描いたところは涙が出るほど感動的である。 直木賞受賞で再度盛り上がっている今、是非ともお勧めする小説、本当に名作! | ||||
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三代にわたる警官に関する物語で、読み応えのある小説である。佐々木氏の小説は、実は読むのが初めてであるこを前提に書かせてもらうが、本作に関していえば描写が丁寧であり、ディテールにリアリティがあり好感が持てる。特に戦後の谷中や学生運動さなかの時代風景の描写は格別である。瑣末的で細かすぎるわけでもない点ところがこの作家のバランス感覚か。一方で、描かれる人物は淡白な描写を受ける。主人公たちの人生に対する目的や受容の仕方は、ある意味で悩みがなく芯が通っている。彼らの生き方には、清涼さを感じるものの、生ずるドラマが散発的で読者にとって意味をみつけにくい。しかし、彼があえて「血」というものを題名に持ってきた理由は明白である。代々受け継いだ「血」は、警官になることを通して描く自分の周りの小さな人生そのものであり、祖父や父が背負った人生を精算しながら自らも受け継ぎ濃くしてゆくという、人間としての連綿とした生き方である。代が変わるに連れて、清濁併せ持つキャラクターに磨きがかかっていく様は見事である。事件はここでは脇役でしかない。従って、ミステリーの真相が肩透かしをくらうようなものであったとしても、それゆえにこそ、といったところなのだろう。見事である。 | ||||
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警察官三代で一つの事件を追う大河小説です。 先ず、初代は安城清二で天王寺駐在所に勤めますが、謎の死を遂げます。 二代目は、民雄。 駐在所勤務を望みながら、公安部の指示の元、北大の赤軍派組織に潜入し、功績を挙げますがPTSDに罹り苦しみます。 それでも、父親と同じ天王寺駐在所勤務になり、父親の汚名を晴らそうとしますが、殉職を遂げます。 三代目は、和也です。 こちらも警務部の指示により、ある刑事の素行を内密に調査することになります。 そして、捜査の傍ら祖父の追いかけていた事件と祖父の死の事実を突き止めます。 そして、三代にして得た教訓は、「被害者の出た犯罪と被害者のない違法行為と」を天秤にかけて、どう対処すべきかを即座に判断するのが、現場の警官であるということです。 更に、「白と黒との境目の上」に立って捜査をしており、市民からの指示がある限り続けられると言う見解に至ります。 この本の面白さは、綺麗事だけではすまない警察の闇の部分を描ききっていることと、それが三代の警察官を通して、うねりの様な大きな波となって読者をその世界に呑み込んで行くからでしょう。 そこには、作者の素晴らしいテクニックとストーリー・テラーとしての力が、大いに貢献している訳です。 とにかく、楽しく素晴らしい「時」を与えてくれる「警察小説」です。 | ||||
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寝食を忘れて一気に読了。ミステリーとしては肩すかしがある点、和也パートが深みに欠ける点から4点としたが、これは単なるミステリーというよりは、戦後の日本人、我々の祖父母、父母、そして私たち自身を描いた一大大河小説として読まれるべきであろう。個人的には、どこまでも哀しい民雄のエピソードに涙、涙。 | ||||
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