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警官の血
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警官の血の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全106件 61~80 4/6ページ
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終戦後から現代まで3代にわたる警官の人生を世相を交えいろいろなエピソードを交えながら綴った一大叙事詩。しっかりした、揺るぎのない文体が快感であり、最後の最後まで一気に読ませてくれる。数々の謎も最後でないと解けないと言う見事な展開。さすが数々の賞に輝いた作品である。 数々の苦難にあいながらも、主人公3代が自分の人生に、仕事に真摯に立ち向かう姿には本当に感動する。勇気づけられる。普段文句ばかり言っている自分が恥ずかしくなってしまう。 下巻最後エピローグでの和也を描いたところは涙が出るほど感動的である。 直木賞受賞で再度盛り上がっている今、是非ともお勧めする小説、本当に名作! | ||||
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三代にわたる警官に関する物語で、読み応えのある小説である。佐々木氏の小説は、実は読むのが初めてであるこを前提に書かせてもらうが、本作に関していえば描写が丁寧であり、ディテールにリアリティがあり好感が持てる。特に戦後の谷中や学生運動さなかの時代風景の描写は格別である。瑣末的で細かすぎるわけでもない点ところがこの作家のバランス感覚か。一方で、描かれる人物は淡白な描写を受ける。主人公たちの人生に対する目的や受容の仕方は、ある意味で悩みがなく芯が通っている。彼らの生き方には、清涼さを感じるものの、生ずるドラマが散発的で読者にとって意味をみつけにくい。しかし、彼があえて「血」というものを題名に持ってきた理由は明白である。代々受け継いだ「血」は、警官になることを通して描く自分の周りの小さな人生そのものであり、祖父や父が背負った人生を精算しながら自らも受け継ぎ濃くしてゆくという、人間としての連綿とした生き方である。代が変わるに連れて、清濁併せ持つキャラクターに磨きがかかっていく様は見事である。事件はここでは脇役でしかない。従って、ミステリーの真相が肩透かしをくらうようなものであったとしても、それゆえにこそ、といったところなのだろう。見事である。 | ||||
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警察官三代で一つの事件を追う大河小説です。 先ず、初代は安城清二で天王寺駐在所に勤めますが、謎の死を遂げます。 二代目は、民雄。 駐在所勤務を望みながら、公安部の指示の元、北大の赤軍派組織に潜入し、功績を挙げますがPTSDに罹り苦しみます。 それでも、父親と同じ天王寺駐在所勤務になり、父親の汚名を晴らそうとしますが、殉職を遂げます。 三代目は、和也です。 こちらも警務部の指示により、ある刑事の素行を内密に調査することになります。 そして、捜査の傍ら祖父の追いかけていた事件と祖父の死の事実を突き止めます。 そして、三代にして得た教訓は、「被害者の出た犯罪と被害者のない違法行為と」を天秤にかけて、どう対処すべきかを即座に判断するのが、現場の警官であるということです。 更に、「白と黒との境目の上」に立って捜査をしており、市民からの指示がある限り続けられると言う見解に至ります。 この本の面白さは、綺麗事だけではすまない警察の闇の部分を描ききっていることと、それが三代の警察官を通して、うねりの様な大きな波となって読者をその世界に呑み込んで行くからでしょう。 そこには、作者の素晴らしいテクニックとストーリー・テラーとしての力が、大いに貢献している訳です。 とにかく、楽しく素晴らしい「時」を与えてくれる「警察小説」です。 | ||||
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寝食を忘れて一気に読了。ミステリーとしては肩すかしがある点、和也パートが深みに欠ける点から4点としたが、これは単なるミステリーというよりは、戦後の日本人、我々の祖父母、父母、そして私たち自身を描いた一大大河小説として読まれるべきであろう。個人的には、どこまでも哀しい民雄のエピソードに涙、涙。 | ||||
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戦後直後の混乱期から昭和時代、平成時代の現在までの60年を親子三代が警察官として登場します。その時々の世相を反映したような事件や時代背景が面白く、戦後経済の縮図的な小説です。そして本書の本流は駐在官であった祖父の不可解な死の謎を親子が警察官として解明しいくというものです。警察官という完全なる村社会の中で生きていくことの難しさも非常にわかります。警察小説によくあるような事件の生々しさよりも、警察内部の組織で生きていく内部の生々しさが非常に新鮮で面白い小説です。 | ||||
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面白かった。上下巻を一気に読み切った。 戦後の混乱期から現代まで、三世代にわたる警官の人生を描いている。戦前の警察から変わったもの、変わらなかったもの。労働争議、学生運動、バブルの時代。警官三代の眼から見たその時々が、特異な形で描かれている。 事件の謎が受け継がれ、深まり、更に新たな事件が起こる。五十年以上もの時間が流れ、終末部に至って、物語の座標軸が幾度も回転する。そのたびに、新たな構図の下に事件が再配置されていく。題材から受ける印象とは違い、極めて考え抜かれた知的な作品である。ミステリーの醍醐味が味わえる。 更なる望みを言えば、登場人物の葛藤が、もう少しでも良いから描かれていれば、と思う。 | ||||
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親子三代60年にも渡り繰り広げられる熱き警官たちの生き様。それぞれの時代の闇に翻弄され、苦しめられながらも親から子へ引き継がれていく警官としての誇り。黒でも白でもなく灰色でもない境目でもがき、悩み、見放され、それでも強く生き、貫くのが人間だということを訴えかけられたような気がして、読み終わった後、なんともいえぬ高揚感がありました。謎解きという要素よりも、清二・民雄・和也の3代の物語をどう締めくくるのか、彼らの警官としての正義、倫理とは何なのか、という部分の結論が非常に納得がいく内容でした。私にとってこういった親子の物語が非常にタイムリーであったことも影響しているかもしれませんが、個人的には警察小説の代表作になるのではないかというくらいの傑作だと思いました。しいて不満を挙げるならば、もっともっと彼らの物語を読みたかったということくらいです。 | ||||
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警察官の親子三代にわたる大河小説。上巻ですばらしいのは、民雄の前半部分。怒涛のように展開するところは圧巻である。ただ、人物が深くかけていないところがあり、そこが弱点であるが、それを差し引いても☆5つ。 | ||||
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「笑う警官」「制服捜査」「警察庁から来た男」と読んできたが、どれもピンとこなかった。特にエンディングが安易な感じがしてダメだった。しかし、著者の最高傑作とされるこの作品は気になっていたので文庫化を機会に購入した。これがダメなら自分とこの作家とは相性が悪いんだろうなと思いつつ読み始めたのだが、この作品は良かった。今までとは違いエンディングが見事だった。すべてを知った和也が、自らが信ずる正義を守り、警察という組織で生き続けるためにとった行動は、警察組織の中で生き続けることのできなかった祖父・父に対する自分自身の回答、そして警察という組織に対する復讐のような気がしてならない。上下2巻にわたる大作に相応しいエンディングだ。 | ||||
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’07年、「このミステリーがすごい!」国内編第1位、「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門第3位に輝いた、佐々木譲の親子三代に渡る大河警察小説。戦後間もない東京であっさり警察官に採用された初代安城清二。彼はふたつの未解決事件、つまり昭和23年、上野公園の不忍池で殺された若い男娼の事件と、28年の谷中のまだ少年の国鉄職員殺人事件に何か共通するものを感じ、独自に調査をしていた。しかし、32年、自らが勤務する駐在所に隣接する天王寺の五重塔が炎上した夜、持ち場を離れて跨線橋から転落し、轢死した。清二が謎の死をとげるまでの第一部から、その息子である民雄もまた警察官となるものの、公安部から北大の過激派グループへの潜入を命じられ、赤軍派による大菩薩峠事件にかかわった後、精神を病んで、父と同じ駐在所勤務となり、父の死の真相に肉薄しながら殉職する第二部、そして民雄の息子の和也もまた、安城家で三代目の警察官となる第三部へと続く。それぞれの部では、一家三代それぞれの読み応え充分の独立した数々の事件・エピソードも語られるが、縦軸となるのは清二の死の謎と、彼が追いかけたふたつの未解決事件なのである。三代60年の歳月をかけて、和也が辿りついた祖父と父の死に隠されていた衝撃的な事情とは・・・。本書は、初代の死をめぐる事件が作品を貫いているが、清二、民雄、和也が命じられた任務の遂行は、世相をたどった戦後史であり、時代ごとに変化を遂げていった警察史であり、世間を騒然とさせた重大事件をあつかう犯罪史であり、かつ安城一家三代の家族史である。本書で私は、単にスケールの大きな大河小説にとどまらない「警官の血」を受け継ぐということの矜持と、リアルに描写されたその時代時代を生きた彼らの警察官人生に思いを馳せた。 | ||||
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’07年、「このミステリーがすごい!」国内編第1位、「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門第3位に輝いた、佐々木譲の親子三代に渡る大河警察小説。 戦後間もない東京であっさり警察官に採用された初代安城清二。彼はふたつの未解決事件、つまり昭和23年、上野公園の不忍池で殺された若い男娼の事件と、28年の谷中のまだ少年の国鉄職員殺人事件に何か共通するものを感じ、独自に調査をしていた。しかし、32年、自らが勤務する駐在所に隣接する天王寺の五重塔が炎上した夜、持ち場を離れて跨線橋から転落し、轢死した。 清二が謎の死をとげるまでの第一部から、その息子である民雄もまた警察官となるものの、公安部から北大の過激派グループへの潜入を命じられ、赤軍派による大菩薩峠事件にかかわった後、精神を病んで、父と同じ駐在所勤務となり、父の死の真相に肉薄しながら殉職する第二部、そして民雄の息子の和也もまた、安城家で三代目の警察官となる第三部へと続く。 それぞれの部では、一家三代それぞれの読み応え充分の独立した数々の事件・エピソードも語られるが、縦軸となるのは清二の死の謎と、彼が追いかけたふたつの未解決事件なのである。三代60年の歳月をかけて、和也が辿りついた祖父と父の死に隠されていた衝撃的な事情とは・・・。 本書は、初代の死をめぐる事件が作品を貫いているが、清二、民雄、和也が命じられた任務の遂行は、世相をたどった戦後史であり、時代ごとに変化を遂げていった警察史であり、世間を騒然とさせた重大事件をあつかう犯罪史であり、かつ安城一家三代の家族史である。 本書で私は、単にスケールの大きな大河小説にとどまらない「警官の血」を受け継ぐということの矜持と、リアルに描写されたその時代時代を生きた彼らの警察官人生に思いを馳せた。 | ||||
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このミス1位,直木賞候補と話題になっていた本。警察関連のミステリーは好きなので,一気に読みました。上巻は昭和20年代前半から始まり,いわゆる初代(清二)の部分が上下巻を通してちばん面白い。戦後の混乱期を描いている傑作。「マークスの山」,「姑獲鳥の夏」をそれぞれ読んだ時と同程度の衝撃はあり。おすすめ。 | ||||
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読んでから数日経っていますが、面白い警察小説です。親子三代、それぞれのストーリーを描いた警察小説なんて初めて読みました。それでいて、その時代の背景もしっかりしていて、素晴らしいの一言です。もっと早く読めば良かったと思っています。物語は安城清二から始まる。清二の妻・多津の妊娠をきっかけに警官になる。上野警察署に配属、やがて念願の駐在所勤務になる。父の死後、民雄は警官の道を選ぶ。しかし、父の警官人生とはまるで違う過酷な環境に身を置く事になる。清二から民雄に時間が流れるだけでなく、彼らに関わった人物の時間も流れている。清二が駐在所で担当した万引きの中学生が民雄の前に警官として現れる。清二に憧れて警官になったと言う言葉に、父の死の真相を知りたいと強く思う民雄。上巻は民雄の話の途中まで。下巻も読まずに入られない。 | ||||
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評判のよい作品で、早く読みたかったのですが、 タイトルから想像する内容は、恐らく地味な人間物語ものかと 考えていました。 しかし、一旦読み始めたら、その地味になりがちなテーマを 素晴らしい筆力での人物描写とエピソードで、ぐいぐいと 引き込まれました。 私は作品中の民雄と近い年代なので、民雄編の赤軍派や その近辺の事件やエピソードを、自分の記憶をたどりながら 興味を持って読み進めましたが、清二の警官としての考えや、 行動が現代の警察が失ってしまって久しい、本来の姿なんだと 思えます。 現職の警官に読んでもらいたい作品ですね。 | ||||
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これをつまらない、物足りないという方がいるのもよく分かる。話はドラマチックでも、情熱的でもない。祖父、父、子3代に渡り警官になった男達の人生を、実際にあった事件を挿入しながら、終始淡々とした筆致で進む。真っ直ぐな正義感を貫き通せた祖父。任務が長期化し、自らの精神を病んで行く父。何年もの苦悩の果てに、ようやく理想とした警官人生を送れるようになったのだが…。そして3代目。時代が進むにつれ犯罪は複雑化、潜在化し、捜査する側される側が…。どこが、何がというのはうまく言えないが、こんなに作品世界に引き込まれたのは久しぶりだ。平日にも関わらず上下巻を2日で読覇。2代目の、学生運動華やかなりし頃の時代情勢が最も興味深く、任務に自分の方が食い潰されてしまった感があるのだが、それに引き換え3代目のふてぶてしさが悲しいような…。しかし生き抜いてこそ、ではある。 | ||||
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上巻を読んだだけですので途中の評価なのですが、戦後の騒擾史の描写と安城家の三代にわたる警察官人生の系譜が巧みに撚り合わされて、大変奥行きのある大河的なエンターテインメントになっていると思いました。特に、過激派に対するスパイ活動にのめり込めばのめり込むほど精神を病んでいく二代目安城民雄の不安神経症にかかわる描写にはリアリティーが感じられ、一気に読まされました。下巻をこれから読むのが楽しみです。 | ||||
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どんどん読み進めてゆける物語とは、 謎が深まり先が気になって仕方がない場合、自分が取り込まれて没頭してしまうか、のいずれかだ。 最近は冒頭で投げる、途中であきらめる、あるいは自分の都合でいつでもどこでもすぐページを閉じることができるなどという作品まであるから面白いといえる作品に巡り合うのが貴重だ。 その点、これは一気に読める作品だった。 それぞれの時代を反映した事件が三代の警官にうまく取り入れてあり、特に2代目の物語はこれだけで一つの作品になりそうな面白さであった。 しかし、読み終わった時点では何かが書き足りていないような淡白さが残った。 時代や事件、警官たちのそれぞれの生き方を踏まえた全体の描き方は、読み終えた時点で予定調和のようにきれいなおさまり方をしていて肩すかしをくらった気分もあった。 どこかが破たんしていようが、圧倒的な筆力で描き切り読者を翻弄してゆく、というやや暴力的な部分がもう少しあればこれは本当の力作になりえたのではないだろうか。 少しずつ、少しずつ物足りない部分があって、それを一気に消化できるほどの終わり方ではなかったのかもしれない。 それぞれの料理は美味いが、全体のコースになると印象が残らないといった感じ。 | ||||
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これってスチュアート・ウッズの「警察署長」に似てない? | ||||
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上巻を読んでいたときは、これはすごい傑作だと思って読んでいました。 しかし、最後の方、事件の謎の答えがしょぼくていただけない。 ここまで引っ張っておいて(多少ヒントらしきものがあるが)、そんな真相かと悲しくなってしまった。 | ||||
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北大のシーン、大菩薩峠のシーン、五重塔のシーンなどメリハリがあり、飽きさせない内容です! ぜひ、読んでほしいですね!! | ||||
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