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ファントム・ピークス
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ファントム・ピークスの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.45pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全37件 21~37 2/2ページ
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ファントムというからには、想像上の化け物が出てくるのかと思ったら、それは早とちりだった。どこにもホラー小説だなんて書いてないもんね。パニック小説なのだが、事件の積み重ねや、登場人物、山村に生きる人々の描き方など実に細やかで丹念(丁寧すぎてやや時間がかかりすぎる気がしたが)。終盤はグロテスクに盛り上げてくれる。見事な筆力。最近新人賞の作品ばかり読んでいたせいか、その安心感に酔ってしまった。一人の優秀な作家を日本から失ったことが悲しい。 | ||||
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ページをめくるのがもどかしいほどに、話の展開が気になって仕方がない。 作者のそういうストーリー・テラーとしての力を感じさせる小説だ。 この小説は、山や自然を畏怖する気持ちを忘れてはならないという明確なテーマによって構成されている。 定石ながら、小説という表現形式において、これだけ理知的に委ねられた描写力は、見事なものだ。 自然との共生・共存は、誰もが声高に訴える環境問題ではあるが、この小説では、まるで映画や音楽のように感性に働きかけてくるものがある。 ノンフィクションとは違い、ややオーバーなドラマ性に傾いているきらいもあるが、ホラーの要素をふんだんに含んでいる小説なので、演出や脚色によって、身の毛もよだつ大掛かりな恐怖映画に生まれ変わる可能性を感じた。 作者の早逝が惜しまれるエンターテインメント小説だ。 | ||||
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何の前情報もなく手に取り、その主題に惹かれ購入しました。 最近は余り見ないアニマルパニックものですが、下敷きになってるストーリーは実際に北海道の旭川で起きた痛ましい事故を下敷きにした半分ノンフィクション。現実に即したリアリティーのある描写には手に汗を握りました。夜道を歩くのが怖くなるほど、闇への恐怖を煽る描写に生々しさを感じました。残念な事に作者の北林氏は既に他界されているとの事で、次作を待つ事ができない事に悔しさがつのります。。。読み終わった後、旭川の事故が気になり色々と調べ回ってしまうほどはまりました。ある意味、二度美味しかったですね。オススメです。 | ||||
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長野県安曇野を舞台に、次々と女性が失踪し、その事件の真相解明と同時進行で起こる事件と対処に、ぐいぐい引き込まれてしまいます。個人的には結末と真相の部分にもう少し重みを持たしても良かったと思うし、凛子が追っていた動物達にも、伏線を張り巡らしておいてもよかったかもしれませんね。なかなかおもしろかったです。個人的に100点満点中81点ってところですか。(^-^) | ||||
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巻末の解説文に影響された訳ではありませんが、 アメリカ映画のようなテンポのいい小説です。 安曇野の自然の中で起こる、 不可解な女性の連続失踪。 その謎の解決に取り組む主人公の一群。 妻を失った男、警官、役場の職員、動物学者。。。 被害者の視点も含め、 登場人物それぞれの視点で物語を勧める技法は、 Sキングを筆頭にしたアメリカンモダンホラー的。 イコールとっても映画的です。 テンポよくエンディングまで突っ走る物語は、 一気読みさせるパワーがあります。 自然の描写の美しさとか、 人物造形の書き分けの確かさとか、 素晴らしいと思います。 北欧の推理小説を読んでいるかのようでした。 | ||||
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初めての作家、 初めての自然を舞台にしたサスペンス、 新大阪の本屋で一押しでしたので購入しました。 話は無駄がなくテンポよく進んでいきます。 少し惨酷な描写もありますが、リアリティがあるので、 ハラハラドキドキさせられます。 どちらかと言えば男性向けの小説かなと思います。 ネタバレになるので詳細が書けず、すみません。 | ||||
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動物パニック物である。一時期外国映画ではやったもので、「ジョーズ」、「グリズリー」、「アリゲーター」などなど、見たものは多数ある。「クジョー」や「キラービー」などもそうか。残念ながら、日本映画には傑作はなかった。 本書もモンスターが登場するわけだが、スーパーナチュラルな存在ではないため、リアル感がある。人間とモンスターとの戦い、というのがメインストーリーである。一応、最初はその正体は隠されているが、著者には正体をことさら隠す意図はなかったようで、比較的速い段階で正体は判明する。あとは、いかに人間がモンスターに立ち向かうのか、ということである。 主人公に一癖有る人物を持ってくるのも、パニック物の類型と言えるかもしれないが、王道である。 文章は非常に読みやすい。その分、パニック物に必須の臨場感、緊迫感、そしてスリル感に若干欠けるところがあるのは残念である。しかし、非常に映像的な描写であり、今すぐにでも特撮映画にしたいくらい、読んでいて頭の中にイメージが浮かぶ、という点が特徴である。 本書が処女作であることから、存命であれば後年もっと重量感のある作品を残せた可能性があることを考えると、本作のみでの逝去が惜しまれる。傑作か?と問われて即座に返事をしにくいが、なぜか心に残る作品である。 | ||||
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動物パニック物である。 一時期外国映画ではやったもので、「ジョーズ」、「グリズリー」、「アリゲーター」などなど、見たものは多数ある。 「クジョー」や「キラービー」などもそうか。 残念ながら、日本映画には傑作はなかった。 本書にはモンスターが登場するわけだが、スーパーナチュラルな存在ではないため、リアル感がある。 まあ、かなり無理をしてはいるのだが。 人間とモンスターとの戦い、というのがメインストーリーとなる。 このモンスターの存在に、ちょっとした仕掛けがある。 一応、最初はその正体は隠されているが、著者には正体をことさら隠す意図はなかったようで、比較的速い段階でモンスターの正体は判明する。 あとはモンスターの出自と、いかに人間がモンスターに立ち向かうのか、ということである。 主人公に一癖有る人物を持ってくるのも、パニック物の類型と言えるかもしれないが、王道である。 ただ、本作の主人公の欠点は、人間的な魅力に少々乏しい、ということだ。 これは、著者がまだ作家としてこなれていないため、内面描写が上手くない、ということによるものだろう。 文章は非常に読みやすい。 その分、パニック物に必須の臨場感、緊迫感、そしてスリル感に若干欠けるところがあるのは残念である。 しかし、非常に映像的な描写であり、今すぐにでも特撮映画にしたいくらい、読んでいて頭の中にイメージが浮かぶ、という点が特徴である。 本書が処女作であることから、存命であれば後年もっと重量感のある作品を残せた可能性があることを考えると、本作のみでの逝去が惜しまれる。 傑作か?と問われて即座に返事をしにくいが、なぜか心に残る作品である。 | ||||
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ハリウッドの底力を感じさせるのは、超大作よりもB級作品だと思う。よくレンタルビデオ屋に1本だけ置いてあるやつだ。スリラー、ホラー、SF、サスペンスとジャンルは問わない。たいして有名な俳優が出ているわけでもなく、見るからに金のかかっていない映画だが、スリリングなストーリー展開だけで見る者をぐいぐい引っ張っていく。2時間を飽きさせない。 この小説にはそんなハリウッドB級映画の面白さを感じた。 あまりたくさん小説を読んでいないので、愛書家に非難されれば甘んじるが、日本にはいいスリラーの書ける作家、つまりアメリカにおけるキングやクーンツのような作家がいないと思っている。日本のエンタテイメント小説はネコもシャクシもミステリーで、スリラーは極めて少ない。 この小説は明らかなスリラーだ。3ページ目からさっそく事件が起こるが、そこですぐにこの小説の悪役は、人間では無いかまたは人間離れした外道であることが読者に明示される。この小説は人間の犯罪者を悪役にしたミステリーではない。スリラーそのものなのだ。 さて、カバーの略歴によると、この小説はある新人賞の最終選考に残ったが、著者が病を得て急逝したため、遺作となってしまった小説なのだそうだ。 面白いスリラーが無いと嘆いている者として、次回作を読んでみたい作家であった。 合掌。 | ||||
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この本にはびっくりするような仕掛けはありません。ものすごく細かい点まで心理的に掘り下げて書いてあるとか、伏線がそこかしこに張り巡らされているわけでも、時代設定や環境設定に特別なところはないし、登場人物が何か特別な過去を背負っていて、とっても魅力的…っていうわけでもありません。 でも、この本は「買い」です。(というよりは、「買い」でっせぇ〜っていう感じ)読み手をどんどん引き込んで、最後まで飽きさせることはありません。 なぜなのかなぁ〜?って考えてみると、確かに本のオビにも書いてあったように、「謎の部分」は結構最後まで明かさないので、気になってどんどん読み進んでいくような部分はあります。それにプラスして登場人物の描き方がとても上手いと思います。性格がはっきり書かれていて、伝わりやすい上に基本的にはみんな「いい人」として描かれているので、感情移入がしやすいこともポイントが高い点です。 まぁ、「名作」とか「記念的作品」っていうほどとは言えないまでも、ツボを押さえて丁寧に書いていけば、特別な仕掛けや設定は無くても充分に良い本が書けるという、お手本のような例だと思います。買って「損」はしません。…なんてね! | ||||
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安曇野の大自然を背景に恐怖の物語が展開する。謎の提示と解決のプロセスが丁寧で良い。読者が違和感なく物語に入り込め、中だるみもなく終盤まで一気に突き進む作者の技量は素晴らしい。映像的な作品との評価があるが、文章はかなり達者な部類だろう。宮部みゆきさんが絶賛する傑作パニック物。理屈抜きに面白いので、映画化を期待する。 | ||||
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表紙の絵が小説の雰囲気を実によく現わしている。 安全に歩き回れるはずの山で、何が起きているのか? 得体のしれない恐怖が日常の安全をじわじわ侵食していく過程が丹念に描かれている。 恐怖の正体がわかった後もテンションが保たれており、一気に読める秀作。 最後まで読み終えた後で表紙を見返すと、なにやら不思議な感覚にとらわれる。 | ||||
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良い小説でした。この著者がとても冷静に なおかつ愛情を持って自然を観察し 人物を表現している事に好感が持てた。この話の中にもでてくるが たぶん苫前村三毛別の事件を参考にしてるか あるいは啓発されてイメージを作ったのではないかと思う。その事件をもとに吉村昭が「羆嵐」を戸川幸夫が「羆風」を書いたのだけど それらは木村盛武という営林署の署員が作った資料をもとにしていた。後に木村氏は「慟哭の谷」というノンフィクションを出すが、私はそちらを先に読み 後から羆嵐や羆風を読んだ。吉村昭の羆嵐は悪くなかったけど ノンフィクションを読んだ後では うすめられたコーヒーのようだった。このファントムピークスを読んだ人が一様に映像が浮かぶというのは この著者の自然や生き物に対する知識がしっかりしている事と 冷静にノンフィクションのようなリアリティを求めたからではないかと思う。読んでいて 実際にあった話ではないかという錯覚に陥る部分もあり だからこそ話にのめり込めた。ミステリーの中には読んでいる時はその世界に引き込まれてしまうが 読後の余韻のないものもある。でもこの小説にはしっかりしたテーマがあり余韻も充分楽しめる。映画化を望む声があるけど 恐ろしさだけが強調されるような話にはしてほしくないと思った。残念なのは この著者の新作がもう読めないと言う事だ。まだまだ執筆者として進化しそうな人だけに本当に惜しい。ちなみに 映画化するならキャストは江口洋介と深津絵里というのはどう? | ||||
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すごく迫力のある1冊でした。読んだ後は、映画を1本見終えたような気分に。堀金村は近所なので、風景がありありと浮かんでちょっと怖いくらいでした。地名は全て実在の場所なんですよね。面白かった。ちなみに私は、周平は、江口洋介、凛子は柴咲コウ、の設定で読んでいました。 | ||||
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非常にスリリングで、映像的な小説。サスペンス、ミステリ、アクションと、複数のジャンルをミックスした作風がおもしろい。個人的には、物語のツボをもとに思い切った脚色をして映画化してもらいたいと思う。なお勝手な脳内キャスティングでは、主人公の三井周平は哀川翔、山口凛子は永作博美、丹羽刑事は役所広司、でした。 | ||||
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テレビで紹介していて気になり、手に取りました。作者の方は昨年お亡くなりになっていて、友人達の働きかけて出版にこぎづけたと聞きました。きっとお友達の多い方だったのでしょう。パニックものですが、どこかやさしいのですよね。文面から人柄が伝わってきました。信州のある山で、女性ばかりが失踪する事件が続きます。中盤まで一人ずつ失踪していく課程と、その波紋が丁寧に描かれています。薄暗い森に潜む犯人がひたひたと自分の方に迫ってくる、そんな不気味な雰囲気が途切れることなくあり、ドキドキしながら読み進めました。後半は大きな動きがあり、ラストまで息をつかせません。あっという間に読み終えてしまいました。妻を亡くした主人公・周平が静かに、でも強い意志を持って敵と立ち向かうラストは圧巻でした。あとがきにもありましたが、これは映像にすると迫力があるでしょうね。ちょっとグロテスクですが。楽しく読ませていただきました。ご冥福をお祈りします。 | ||||
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アルプスをバックに抱える山に遊びに行く時には、思いがけないことがあり、また、心して山に入ります。それは自然の見えざる何かが人間をあざ笑うような怖さと大きさなのですが、この小説にはその感覚を見事に突かれてグイグイと最後まで引いて行かれました。ストーリーも、著者の自然への造詣と経験が顛末がわかりそうになりながらもそれをカバーして引っ張る醍醐味があります。途中からは、鮮やかに安曇野の山と動物の動きが頭に映像化されて”映画”をみていると錯覚をしました。この作品は、著者の映画への哀愁と興味を体現しているようです。 小さい娘も、最初は怖いといいながら、2-3日本を抱え毛布を持ち歩きながら(笑)、最後まで読破。この著者の本をもっと読みたいというくらいですから、どうやらこのようなミステリーエンターティメントにはまったようです。 | ||||
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