■スポンサードリンク
ミステリアス・セッティング
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
ミステリアス・セッティングの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.73pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全15件 1~15 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
暴力やエログロ、自己陶酔、分裂症などといったテーマが多かった阿部和重の著作の中で本作は異質と思っていました。が、ピストルズの登場によって腑に落ちました。こういうファンタジックな作風もありなのだと。 本作はケータイ小説でリリースされた作品の書籍化とのことです。若い女性をターゲットにしているそうで、地の文は短く、改行と会話が多めになっています。そのため阿部独特の文体が消え、読みやすいです。プロット上、阿部お気に入りのモチーフも登場しますので、成人男性が純文学作品として読んでも十分楽しめます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
キャプテンサンダーボルトを読んで、作者の作品を読んでみたくなりました。 が、 感想としては、伏線がたくさん張られているようで、実は伏線ではないような、 あるような、長編であれば拾ってくれるのでしょうが、多々放置されていて、 気になって仕方がありません。 ストーリーは面白く読めました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
シオリの一連の物語はすべてよく分からん謎の爺さんが公園で語ったものだ。 自分にも相手にも裏切られ散々な目に遭わされても最後の最後には 自分自身を信じることができた女の子がいたのだ。 そしてその信じる想いが人知れず世界をも救ったのだ。 そんな事が昔あったんだと。 読後、物語の世界が現実に入り込む。もしかしたら物語の中だけではなく 我々の世界もそういう誰かの信じ願う気持ちで 今日が成り立っているのではないか。ギリギリで危ない所を 助けてもらっているのではないか。だから私達もどこかの誰かに感謝して 同じように信じるその想いを今一度考えてみるべきではないか。 CMでいうジョージアの仕事論、アニメでいうまどかマギカの世界だ。 どうだろう?そんなシオリの物語をあなたは信じることができるだろうか? 信じる事への問いは他ならぬ我々に突きつけられている。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
バカな割に使うと思えない小難しい屁理屈や表現で思考して、内容も荒唐無稽で、本書だけではとてもついて行けない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
大傑作『シンセミア』『ピストルズ』の中間に位置するこの作品には相当期待をしていた。だが、その期待はあっさり裏切られた。阿部和重氏は間違いなく純文学作家であり本作も純文学だ。だが、このアイディアそのものが村上龍氏の基本構想にそっくり・・・。少女の手に謎の男から爆弾が渡されるといった構図は村上龍氏が『コインロッカー・ベイビーズ』以来得意としてきたSF的モチーフそのものだ。その上『グランドフィナーレ』同様、文章もしっかりしていない。『シンセミア』であれだけの巧さと凄味を見せた後で何故こんな凡作を書いてしまうのだろうか・・・?そして本作の次は超絶的に凄い『ピストルズ』である。『ピストルズ』読了後阿部氏への期待は物凄く膨らんでいるので、ぜひオリジナルの才能を信じて凄い大長編を待ちたい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
架空の時代の架空の世界でのリアルな話。主人公の何でも受け入れて位しまう女の子の描写や、人の弱みにつけこむ登場人物など、著者らしい世界観で描かれている。ただ、全体的に残念。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ケータイ小説、ということを読み終えてから聞いて納得。 話のテンポは軽く、女の子が好きそうな、可愛い内容。 途中、シリアス?な面も出てはくるものの、それも軽い。 サクサク読めるので、読後感は薄いかも。 しかし、だからと言ってこの小説が低レベルかというと、決してそうではない。 わりと面白かったのです。女の子の不幸な?顛末。 その不幸とされていることは、自分にも当てはまっていたりして。。。 例えば、大声で歌いたい(自分の理想をかなえたい)けど、それが他人には迷惑をかけていたり。 それが故に、自分の中で封印せざるをえなくなってしまったり。 ま、この小説は、あまり難しく考えず、パッと読んでクスリと笑って、それで十分じゃないですか? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
人が良すぎるが故に傷ついていく少女の物語。そう一言で言ってしまえば簡単なのだが、感傷的な話にとどまることなく、それ以上の深みを提供してくれる作者には感服する。僕はこの作品から、人を信じるという事の表裏を感ずる事ができた。全年代に読んでもらいたいと思える、寓話的な魅力がいっぱいつまった作品でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ケータイを使いこなすことができず、ケータイに振りまわされている自分としては、ケータイ小説というものが信じられなかったのだが、まさか阿部和重がケータイ小説を書くとは……ケータイで読むべきだった!あの小さな画面で無限のスクロールを重ねれば、もっとあのスリリングな展開を味わえたのに! もちろん女の子を主人公にしたストーリーはいつもながらにばかばかしく(もちろん褒め言葉。もっとも男の子が主人公のほうがいっそうばかばかしくて涙ぐましいけど)、主人公シオリのうっとおしいまでにピュアなキャラも、妹ノゾミとの淫靡な関係性も十分におもしろく、ここちよく読むうちに、加速度的に悲惨な運命に突き進んで行くところは阿部節全開。暗闇を駆け抜けるタイプのジェットコースターに乗ったみたいに、地方都市から東京へ、東京タワーの展望台から都内の地下鉄で二番目に深い所にあると言われている千代田線国会議事堂前駅の地下ホームへと、左右上下に振りまわされ、気がつくと減速した車両は明るい出口へ。はい、物語はおしまいです。 電車が駅に着いてしまったり、充電が切れたり、接続がうまく行かなかったり……という状況でケータイに振りまわされつつ読みたかったかも……と思いながら、最後まで指でページをめくり続けてしまった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読み始めてすぐに、これは文学ではないな、と思った。読み終えた今でもその印象は変わらない。これはエンターテインメント小説である。その分、阿部和重の小説としては物足りない。携帯の小説サイトに連載したということも関係あるのだろうか? 文学とは呼べない軽さ。それがいい意味での軽さになっていない。文体は平易になっているものの、内容まで薄くなってしまってはしょうがない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ストーリーはヘンテコだがわかりやすく、読みやすい作品。後半は何度か吹き出してしまうような可笑しさ(自称ポルトガル人のマヌエルだとか、スーツ型核爆弾を受け取ってしまった主人公が本気でうろたえている所だとか)があって面白かった。 しかし、それにしても阿部和重という作家がこういう作品を書くと、何となくその意図を深読みしたくなってしまう。それとも発表形式も雑誌連載という形ではないし、このヘンさは作者の遊び心というものだったのだろうか。 私は、「純粋な少女」「自己犠牲」「世界の破滅の危機」だとか幾つかのサブカル的なポイントを意識的に配置して、一種スカスカした感動ストーリーを作り出す、というような作者の悪意も含んだ意図すら感じられるような気がする。あるいは、語り手の老人が語っているのは舞台の2011年よりもさらに何十年も後の日本であるはずだから、「未来のリアリティー」というのはこういうもので、現在の私たちには一種の違和感を与えるものなのだ、ということなのかもしれない。ともかく、私はこの物語を真面目に受け取ることはできなかった。 しかし、やはりあっという間に読み終わるくらいに面白かったから、あまり野暮な詮索はやめた方が良いのかもしれない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
阿部和重さんがはじめて女の子が主人公の小説を書きました。 彼女は吟遊詩人を夢見る、 動物が大好きな純粋無垢な女の子。 この作品の存在は、 女性の阿部和重ファンにとってはとても嬉しいはず! これまでとは比べ物にならないほど「女子向き」です そのせいか、 今までの阿部作品にはない繊細さと優しさがありました。 主人公のシオリはどんなに過酷な状況に置かれても、 決して人を恨むということをしない。 むしろそういった発想を持たない。 彼女が悲しい思いをしてしまうのは、 純粋さ故に人を信じすぎて、人に利用されてしまうから。 汚れのなさが自らを不幸へ追い込んでしまう・・・。 最後の彼女の選択は本当に彼女らしすぎて呆れちゃうほどだけど、 でも私はこんな生き方しかできなかったバカなシオリが大好きです。 後半はスーツケース爆弾なんて物騒なものが彼女を翻弄し、 どんどん破滅へと向かっていくのだけれど、 ラストは穏やかで美しかったなぁ シオリの悲痛だけど優しい泣き声が耳に届いてきそうで・・・。 ただし、ちょっと気になったのは 他の阿部作品より明らかに「読みやすい」こと。 大爆笑とはいかないけれど、 読者が思わずニヤリと薄い笑みをこぼしてしまうような 独特の堅苦しい言い回しが今回はあまり感じられない。 主人公が純真無垢な少女だから あえて堅苦しさのない書き方をしたのかもしれない。 作品の世界観を考えればこれで正解なのかもしれないけど、 コアな阿部ファンとしては少し物足りなさも感じました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
敬愛する作家の最新作。本書も物語としても良質であります。日常の生活感から物語は広がり、やがて大きな世界へと繋がっていく。本書の主人公のシオリとその大きな世界との繋がりは誰も知らない。結果をしったストーリテラーが独りいるだけだ。しかしながら本書のシオリの日常の描写はつらさ、悲しさが切実にせまってくる。後半の物語とのギャップが凄い。日常から、非日常。日常の感覚は我々も生活しているので本当にこんなことがあったら辛いだろうなーという感覚を共有できるが、後半の世界観はまるで棒高跳びで日常を超えてきた感覚に襲われる。しかしながらその感覚は「無理だろ」というものではなく、「しっくり」くるものである。破綻していないのである。その大きな世界観は彼独特のものである。他のレビューでもあったが、本書は凄く「読みやすい」。その分だけ彼の世界観を知りたい人の「入門書」となりえる書であると思う。今日は山形県天童市でサイン会。あー楽しみ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
阿部和重がこんなにストーリーテーラーだったとはと。といのが第一印象。 驚きの小説です。昔からの阿部ファンには賛否両論分かれそうな 内容ですが、グランドフィナーレにあった優しさみたいな部分が本書では満開な気がしました。途中からスパイ小説の様な感じですが、ある意味ひとつの夢。 ひねくれ男が見た一夜の夢の中の出来事のような感じかな。。 個人的にはたくさんの人に読んでほしいです。感動するもよし、阿部さんの作風が変わった?と思うもよし。映画1本見るよりこちらを是非! (最初はどうして今こういう小説なんだろうと思いましたが,あまり深く考えない方がいいのかもしれませんね。) | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
異様な音痴であるということに内向し、まるで『白痴』のムイシュキンのように他人を信じて止まないために騙されて金をせびられてしまう主人公の少女は、やがて世間の底辺に近いところを這い回るように生活する。そして、ある出会いの過程で世界の明日を左右する「危険物」を持たされてしまう。その処理をどうするか? これらは、とある公園でのとある老人の語るお話と言う設定であり、語りは騙りに通じる入れ子の構造になっている。しかも、これらはメールによってその少女から、少年だった老人に伝えられるという結構。 限りなく閉じてゆく世界で少女が最終的に自ら選び取ったのは、自己犠牲による世界の救済である。この物語から何を読み取るかは各人に任されているのは当然のこと。緩い文体が、後半から意外な迫真力を帯びだして一気に読ませる。『シンセミア』では、前半の物語の大きさが次第に力を失って通俗に走っていたのとは違い、この作品では小さなトラウマ物が巨きな問いを投げかけているように思った。これは世界の片隅で世界の為に戦う少女の物語(騙り)。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!