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グランド・フィナーレ
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グランド・フィナーレの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.36pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全26件 21~26 2/2ページ
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初期作品の自我の暴走(妄想)の悲喜劇の面白さから、芥川受賞作品としてふさわしく(?)そこらへんのテーマにけりをつけたのかなと思います。他者の欠落した性欲。セカチューに代表されるの相手のないナルシズムという美しすぎる恋愛。閉じた世界での集団自殺。ここら辺のテーマに阿部氏なりの主張がきちんと書かれている気がします。シンセミアはあえて暴走させて皆殺しにしてしまった何とも読後感の悪いものでしたが。欲を言うならもっと初期作品にあった悲喜劇的ユーモアが欲しいのですが。 | ||||
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確かに読みやすく、読者を寄せ付けない、疎外感を与える…いや、最後まで客観性を持たせたままでいさせてくれる文体は見事であると思う。 しかし、一部で言われているような「阿部和重は女児殺害事件を予見していた!」というのは、こじつけだろう。 人間の性癖は簡単には直らない。これは、ロリコン男の話である。 | ||||
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今回の阿部和重の受賞は、4回目のノミネートということもあり、選考委員も、実力のある作家だから、ここらで賞を与えないと、という判断も合ったようです。その判断は一定の意味を持つことを前提に読後感を。受賞作である『グランド・フィナーレ』を一気に読みました。文章は難解でもなかったのですが、整理するために、2回読み返しました。阿部和重の文章はとても巧みで、力量のある作家だということは分かりました。ただ、奈良の少女誘拐殺人事件を思い起こすようなキャラクターの設定でもあり、正直のところ、感動した、その世界にのめり込んだという作品ではありませんでしたね。「純文学」という世界が、非日常の世界を描くことで、フィクションとして存在している、というのは理解していますが、作者の描く世界の中に身を置くことを躊躇するような作品の一つでもありました。一般大衆と遊離したような文学、というものは、「現代音楽」や「現代美術」といったジャンルでも同様の傾向の作品が見受けられます。分かる人に分かれば良い、一部の専門家や編集者の評価、すなわち玄人受けするような作品が、受賞作となると、文藝賞の一般離れを加速するような気がします。芥川賞の選考基準とはなんなのでしょうか。音楽なら技術と表現力で優劣がハッキリするのですが、芥川賞のような作品の評価は、「作曲」部門と「演奏」部門の総合評価のようなもので、選考者の感性と好みに大きく左右される気がします。日本で一番権威がある文学賞の選考基準がまだ理解できていません。なお、読みの浅いところはご寛容ください。 | ||||
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わかっていてもやってしまう。いや、そうなってしまう。男なら誰しも経験のある、あの苦い経験と似ている。好きな子を泣かしてしまったあのときに・・・。泣かせる気などさらさらない。むしろ好かれたいのだが、彼女は泣き、周りの子達は非難の目。友達の男は自分にあきれているあの光景。誰にもそういう面があるのではないか。本書のように、幼児に対することは稀であろうが、恋愛や友情など日常生活には、どこでも存在すると思う。そのせいか、読んでいると感情移入していまう。その視点は人間としての視点は言うまでもないが、父として、夫として、友達として、そして男として。あなたはどの視点から見るのだろうか?。文藝春秋の選評に村上龍が、一番大切な部分がないと書いていたが、それぞれの視点を追うという点ではアリではないか?(ぼくは不満でしたけどね) | ||||
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芥川賞が将来阿部和重に賞を与えていなかったとなったら,困るので,これで受賞となった感がある作品です.阿部和重の作品の中で特に優れているわけではないでしょう.音楽のような小説を構築することに成功していて,現代の小説的小説を味わいたい方はお手に取らねばならない本ではないでしょうか. | ||||
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人によって好き嫌いが分かれる作品だ。基本的に観念小説である。言葉で世界を描写する礎は、作家の観念である。どんなに事実を取材しても、結局は個の捉えた現象を言葉に置き換えるに過ぎない。こういう堂々巡りの思念で書かれているから、言葉がやたらと小難しいのである。書き手が一人称にこだわってしまい、客観描写を排しているので、かなり読みにくい。 大江健三郎に一脈通じるが、それにしては世界観が違いすぎる。大江は切迫した感情で世界を心配している。対して阿部は作中人物のYにも、世界のことは断片を知っているが、結局自分に関わる世界にしかリアリティーがない、と語らせている。 1章のロリコンキャラクターは情けなくてよかったが、2章になると更正しようとするところが中途半端な気がした。 併録の他3編にいたっては、もう何がなんだかわからない。でも、妙に文学チックな気分にはなれる。 | ||||
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