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(短編集)
イキルキス
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イキルキスの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.89pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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舞城作品は好きなので満足です。 | ||||
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舞城作品をミステリ作品と非ミステリ作品と大別するなら後者で文学作品よりの短編集。書かれた時期と刊行日はそこそこ離れており、二つ目三つ目は比較的初期の作品ということは何となくわかるような荒々しい勢いが感じられる。あのセンスある脳内垂れ流しのような一人称の文体で舞台設定や時間の経過も表現するから、短篇とはいえそれぞれの物語としての情報量はかなり多い。人生におけるある程度の期間を描くが、文体は軽快でも扱っている内容自体はかなり重い。題が下品と謎に満ちているが読めば納得。 一つ目の作品は序盤で連続で人死にが起きるというミステリで扱われそう始まりだが、その現象の謎に向き合う話で、舞城の他の作品にもしばしばみられる「真理」に対する推理を試みる。そこから様々な要素をブレンドしながら話は広がり、青春小説も取り込んで得意の独特な世界観を堪能できる。 最後の話はたぶん珍しく女性視点で、過激な飛び道具は控えめのリアリズム重視という点でも珍しいのだが、友人との付き合い方を一考させる身近で誠実な話。これから読んだら「鼻ク○ご飯」とか言い出す作者とは思えないかもしれない。 | ||||
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単行本で持ってはいるけれど表題の通り書き下ろし二編を 読みたくて文庫版を購入。感想としては「アンフーアンフー」 が日常がサラっと神話チックになるのがおもしろく感じられた のに対して、「無駄口を数える」は愚痴というか反省というか を延々聞かされ続ける感じでおもしろくはなかった(まあそこ はタイトル通りなのだけど)。 | ||||
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『イキルキス』他2編。 表題作は正直、あんまり。 死んでいくクラスメイトたちとその再生はおもしろいけど、ヒロインとの絡みもおもしろいけど、 童貞云々に関する言及は昨今様々な作品で蔓延しすぎていて食傷気味。 むしろ『パッキャラ魔道』がよかった。生や家族や生き方や仕事に対する向き合い方の中に、 カオスながら確かな本音がたくさん紛れているような気がした。 『鼻くそごはん』は連続して後に読んだ『パッキャラ魔道』の面白さのせいでどっかいった。 | ||||
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長編「ディスコ探偵水曜日」を読む前に、 まだ読んでいなかった中編集であるこの本を読むことにした。3作品で構成。 表題作が2008年発表だが、ほか2作は2002年、2004年発表だった。 ---------------------------------------- で、3作を比べてみると この10年間、この人の小説家としての展開はなかったのではないかというのが 正直な感想。 “進歩”という言葉は安易に使えない難しい言葉だが やはり進歩がないのでは と思えてしまう。 構成を考えて書くという仕上がりではないので 感性に任せて書き、興が乗れば、いいものにもなるが 外すとダラダラとショーもないことを書き連ねる文になる といわれても仕方のない部分はこの3編にあったと 私は思う。 やはり、この人には物語を書いてもらいたい。 中編くらいなら、物語など意識せずとも軽く書けてしまう筆力ではあるが、 正直この本、読むのはなかなかつらくなる部分があった。 表現が過激ということではなく、文章として。 異論のある人もいるかもしれないが退屈で。 過剰な表現や暴力描写は連続してあると逆にまたか、と思われるところもあると思う。 またか、と思わせる描写はいくつもあった。 あとは文体、文のビートの問題ですが 読んでいるときのコンディションもあったのかもしれないのでそこは微妙です。 10年前のものと近作を比べて“成長”が感じられないというのは どうなんでしょう。 すでに完成されていたというわけでもないので、 永遠に未完成ということを選んでるんですかね。 好きな作家で 期待して読んだだけに残念。 ------------------------------------- 現在「ディスコ探偵」を呼んでいる途中。 これとは大違い。すごいですね。 この中編集で、この作家を語るのは間違いですね。 | ||||
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三つの短篇集です。心に残った話と、出来れば忘れてしまいたい話とが相まっての星三つ。個人的には三編目の「パッキャラ魔道」が良かった。舞城さんは、家族物を描かせると上手いですね。 | ||||
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中編3編の本。 表題の「イキルキス」と「鼻クソご飯」が秀逸。 「イキルキス」 西暁中学2Aの女生徒ばかりが次々に変死する。 でもこれは死の謎ときよりも、中学生の恋愛事情が注目すべき個所。 「中学生の恋愛なんて所詮本物じゃない」と妙に悟りきっている主人公、福島のルサンマチン。 蔵の中でのシーンがこの上なくエッチです。 こんなにエッチな本は初めて読んだかも、というほど。 「鼻クソご飯」 冒頭、すごく汚いです。 グロいではなく、小学生のばっちい行為を生々しく描いています。 読み飛ばしてもそれほど問題はありません。 かわいがっていた弟を殺されてしまった兄の、やり場のない復讐。 結局、弟を殺した男と同等の行為を程度の差はあれ、自分でも行っていることに気づき、発生するルサンマチン。 太宰治の作品に共通する所があるように思いました。 (内容や表現の差はあるけれど) 窓から漂ってくる金木犀の香りと、なぜかマッチする作品集でした。 | ||||
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「好き好き大好き超愛してる」や「熊の場所」と通じる作品集。 鼻クソご飯の最初の汚い描写だけは飛ばし読みしたけど、 それ以外は安定したおもしろさ。 グチャグチャにしたい衝動、そこはかとなく漂う離人感、ありえない事件、 謎解きのような謎解きでないようなストーリー。 一回目はとにかく引き込まれてしまうので最後まで読むことに必死。 そして再読したくなる作家さん。 | ||||
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ちょっと前の舞城節みたいなものを満喫した。舞城くんはこうでなくっちゃ。それぞれやっぱりなんとも非現実的な事柄があり、それのもっともたるものは「イキルキス」の中学のクラスの女の子六人が次々に死んでいってしまうというものなのだが、そういった悲惨な事件なり事故なり 犯罪なりが起こり、それを介して主人公たちが成長と内省を繰り返していくというパターンはある意味王道だ。それぞれがセックスや暴力や不幸や災いに満ちていたとしても、それに立ち向かう青春の光や家族の愛や人を思いやる気持ちなんかが等価に描かれるので、読んでいてまことにあっぱれな気持ちになってくる。あの手この手で描かれる物語は、ある意味めちゃくちゃな文法で自由奔放きわまりないのだが、それが一定のリズムを刻むから、読み手としては暴走ともとれる仮想のドライブ感にのせられて、あれよあれよとページを繰ることになる。とにかく、汚くて辛くていいことなんかまったくない人生だとしても一生懸命正しくまっすぐに自分を信じて、人を愛して生きていかなきゃいけないなと素朴に感じさせてくれたりするからやっぱりすごく素敵なのだ。これからも彼の本はずっと読んでいきたい。 | ||||
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