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狼の帝国



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【この小説が収録されている参考書籍】
狼の帝国 (創元推理文庫)

狼の帝国の評価: 7.50/10点 レビュー 2件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.50pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(8pt)

ノワールであり、サイコでもある

フランスを代表する人気作家になったグランジェの長編第4作。ジャン・レノが主演した映画「エンパイア・オブ・ザ・ウルフ」の原作である。
フランスの高級官僚の妻・アンナは、夫の顔が突然見知らぬ人に見えたり、周囲の人の顔が溶けてしまったりする記憶障害に悩まされていた。夫とその友人である脳神経科医は脳の生検をすすめるが、何か納得できないアンナは検査を先延ばしにして逃れようとする。その頃、パリの貧民街で暮らす不法滞在のトルコ人女性が殺害される事件が、3ヶ月ほどの間に3件発生し、しかもどの被害者も顔に徹底的な暴力を加えられていた。連続殺人を担当することになった警部・ポールは、トルコ人社会に精通していた退職警部・シフェールに協力を求めたのだが、シフェールは現役時代からとかくの噂がある危険な男だった。アンナは夫の説明に疑惑を抱き、記憶障害の真相を解明しようする。ポールは自分勝手なシフェールに手を焼きながら事件の真相を探っていく。そして、二人の道は奇妙なところで交錯し、やがてトルコの麻薬密売組織が絡む国際的な陰謀が明らかになる・・・。
アンナを主人公と考えれば、夫を信頼できず、ひとりで謎の解明に立ち向かうヒロインの物語であり、ポールを主人公と考えれば、猟奇殺人事件捜査の物語である。つまり、それぞれ独立した作品として成立するような二つの物語が上手く組み合わされ、思いがけない展開が続出するスリリングなサスペンス作品になっている。
サイコファン、ノワールファン、サスペンスファンなど、幅広いジャンルのファンにオススメできる作品である。

iisan
927253Y1
No.1:
(7pt)

狼の帝国の感想

映画になった「クリムゾンリバー」の作者の4作目。
この作品も映画になっているようで、お馴染みのジャン・レノが引退した刑事の役をされているそうですが、原作を読む限りではどうも主人公は記憶障害に苦しむアンナのようです。

パリで不法移民であるトルコ人女性が連続して惨殺され、パリ警視庁の殺人課のポールは、トルコ人街に精通している引退した刑事シフェールに協力を求めます。移民の世界や、トルコの極右組織などがからみ最初は身元すらわからい状況から少しずつ捜査は進んでいき、記憶障害のアンナの話と交わるまでは構成も面白く非常にスリリングです。

が、真相がわかってからの展開はちょっとあっけなく、エピローグにいたってはちょっとありえない結末だなと感じました。
殺人事件を追いかける若き刑事のポールが主人公だと思っていたので、意外な展開に驚きました。

登場人物が皆かなり極端な人たちばかりなので、ストーリーは面白いものの、感情移入しずらい物語でした。

たこやき
VQDQXTP1

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