狼の帝国



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初公開日(参考)2005年12月
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長編小説

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狼の帝国 (創元推理文庫)

2005年12月07日 狼の帝国 (創元推理文庫)

パリに住むアンナは不可解な記憶障害に苦しんでいた。高級官僚である夫は、脳の生検を勧めるが…。同じパリの街で不法滞在のトルコ人女性たちが次々に顔をつぶされた死体となって発見された。この猟奇事件がアンナの記憶障害と奇妙に交錯し、驚くべき真実が明らかになる!世界的大ベストセラー『クリムゾン・リバー』のグランジェが、ふたたび世界のミステリ界を震撼する。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.50pt

狼の帝国の総合評価:8.78/10点レビュー 9件。Bランク


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全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(8pt)

ノワールであり、サイコでもある

フランスを代表する人気作家になったグランジェの長編第4作。ジャン・レノが主演した映画「エンパイア・オブ・ザ・ウルフ」の原作である。
フランスの高級官僚の妻・アンナは、夫の顔が突然見知らぬ人に見えたり、周囲の人の顔が溶けてしまったりする記憶障害に悩まされていた。夫とその友人である脳神経科医は脳の生検をすすめるが、何か納得できないアンナは検査を先延ばしにして逃れようとする。その頃、パリの貧民街で暮らす不法滞在のトルコ人女性が殺害される事件が、3ヶ月ほどの間に3件発生し、しかもどの被害者も顔に徹底的な暴力を加えられていた。連続殺人を担当することになった警部・ポールは、トルコ人社会に精通していた退職警部・シフェールに協力を求めたのだが、シフェールは現役時代からとかくの噂がある危険な男だった。アンナは夫の説明に疑惑を抱き、記憶障害の真相を解明しようする。ポールは自分勝手なシフェールに手を焼きながら事件の真相を探っていく。そして、二人の道は奇妙なところで交錯し、やがてトルコの麻薬密売組織が絡む国際的な陰謀が明らかになる・・・。
アンナを主人公と考えれば、夫を信頼できず、ひとりで謎の解明に立ち向かうヒロインの物語であり、ポールを主人公と考えれば、猟奇殺人事件捜査の物語である。つまり、それぞれ独立した作品として成立するような二つの物語が上手く組み合わされ、思いがけない展開が続出するスリリングなサスペンス作品になっている。
サイコファン、ノワールファン、サスペンスファンなど、幅広いジャンルのファンにオススメできる作品である。

iisan
927253Y1
No.1:
(7pt)

狼の帝国の感想

映画になった「クリムゾンリバー」の作者の4作目。
この作品も映画になっているようで、お馴染みのジャン・レノが引退した刑事の役をされているそうですが、原作を読む限りではどうも主人公は記憶障害に苦しむアンナのようです。

パリで不法移民であるトルコ人女性が連続して惨殺され、パリ警視庁の殺人課のポールは、トルコ人街に精通している引退した刑事シフェールに協力を求めます。移民の世界や、トルコの極右組織などがからみ最初は身元すらわからい状況から少しずつ捜査は進んでいき、記憶障害のアンナの話と交わるまでは構成も面白く非常にスリリングです。

が、真相がわかってからの展開はちょっとあっけなく、エピローグにいたってはちょっとありえない結末だなと感じました。
殺人事件を追いかける若き刑事のポールが主人公だと思っていたので、意外な展開に驚きました。

登場人物が皆かなり極端な人たちばかりなので、ストーリーは面白いものの、感情移入しずらい物語でした。

たこやき
VQDQXTP1
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.7:
(4pt)

パリ→イスタンブールを舞台にした国際謀略もの

アンナはパリに住む高級官僚の妻。普段は運転手付の車で移動し、気晴らしのためにチョコレートショップで働いているような優雅な生活。そんな彼女に、記憶が飛ぶという奇妙な症状が現れる。時々、夫の顔が思い出せず、まわりの風景がゆがんで見えたりする。夫の友人である著名な医師に治療を受けるのだが、脳に問題があるようなので頭に穴を開けて組織の一部を調べる検査をした方がいいと言われて不信感を抱く。
一方、トルコ移民が多く住む地区では、密入国で働いていたトルコ女性が顔を切り刻まれ、惨殺される連続殺人事件が起きていた。正義感の強い刑事ポールは調査に行き詰まり、トルコ人街に詳しい引退した刑事シフェールに助けを借りようとしていた・・・。

先にジャン・レノが登場する映画化された作品を見ていて、その後、これが映画「クリムゾン・リバー」と同じ原作者であることを知って本も手に取ってみました。スケールの大きな国際謀略物になっていて、大変読み応えがありました。
最初、パリのエリート階級の優雅な生活が出てきて、それから対極とも言えるどん底の密入国者の世界が描かれ、これがどういうふうに繋がっていくのかまったくわかりませんでした。実際、真相らしきものがわかってくるのは中盤あたりになってからです。猟奇殺人の話かな・・と漠然と思いながら読んでいたら、物語はとんでもない奥行きと広がりを見せていきます。ネタばれになるといけないので、あまり書けませんが・・。

パリのイメージから想像できない移民の悲惨な状況が描かれていて、一般国民が平穏に暮らしている生活の裏というか下には、貧困から移民したり密入国してきた人々の厳しい生活が隠されているのだとわかります。不利な立場に置かれ、搾取され、それでも本国の希望が持てない生活よりはマシだとやってくる人々。たとえ成功したとしても、差別やコンプレックスからくる屈折した思いは避けることができない、生まれた国によってこれだけ人生が違ってしまうのは不公平で理不尽なことです。
後半はいきなりスケールが大きい話になるのでとまどうかもしれません。また、主要登場人物が次々と無慈悲にあっさり殺されてしまうので、「えっ、そんなのありか?」という気持ちになりますが、そういう意味では作者は、「ああ、おもしろかった」で終わるエンタメよりも、いかにも国際社会の裏で起きているかもしれないノン・フィクションのような話を書きたかったのかもしれません。

話が広がりすぎたためか、所々にご都合主義があるのと、ひとつ問題が解決されず、最後に「それもいいかもしれない」というような一言ですまされていて、これが納得いかなかったので星ひとつ減らしましたが、大変おもしろい小説であることに変わりないと思います。国際謀略ものが好きな方にはおすすめです。
狼の帝国 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:狼の帝国 (創元推理文庫)より
448821407X
No.6:
(4pt)

複雑で緻密な構成と、ビジュアル感覚がグーです

映画「クリムゾン・リバー」を観ておもしろかったのと、
本書のキャッチコピーをみて読んでみました。
どう考えても関係のない2つのイベントが、物語が進むうちに
交錯して真実が明るみに・・というのは、よくあるお話ですが、
この狼の帝国では、予想より、複雑で緻密、壮大な物語へと
突き進み、読者を飽きさせません。
医学や化学、先端医療、さらに、政治、民族、地政学的な
博識を盛りだくさんに織り交ぜながら、実際に起こった事件と
からませて、重厚な物語を進めていきます。
フィクションくささを残しつつ、実際にこういうこともあり得る
ような気を読者にもたせると同時に、ビジュアル面を強調した
筆致で、映画をみているような感じで、ぐいぐいとラストまで。
ラストはどんでん返し、といえなくもない結末。
映画をぜひ観てみたいと思いますが(特にジャン・レノ)、
この分量と盛り込まれた
インテリジェンスの質量を映画にするのは、相当な力量が必要
なのではないか、と思いますけど。
狼の帝国 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:狼の帝国 (創元推理文庫)より
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No.5:
(4pt)

複雑で緻密な構成と、ビジュアル感覚がグーです

映画「クリムゾン・リバー」を観ておもしろかったのと、

本書のキャッチコピーをみて読んでみました。

どう考えても関係のない2つのイベントが、物語が進むうちに

交錯して真実が明るみに・・というのは、よくあるお話ですが、

この狼の帝国では、予想より、複雑で緻密、壮大な物語へと

突き進み、読者を飽きさせません。

医学や化学、先端医療、さらに、政治、民族、地政学的な

博識を盛りだくさんに織り交ぜながら、実際に起こった事件と

からませて、重厚な物語を進めていきます。

フィクションくささを残しつつ、実際にこういうこともあり得る

ような気を読者にもたせると同時に、ビジュアル面を強調した

筆致で、映画をみているような感じで、ぐいぐいとラストまで。

ラストはどんでん返し、といえなくもない結末。

映画をぜひ観てみたいと思いますが(特にジャン・レノ)、

この分量と盛り込まれた

インテリジェンスの質量を映画にするのは、相当な力量が必要

なのではないか、と思いますけど。
狼の帝国 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:狼の帝国 (創元推理文庫)より
448821407X
No.4:
(5pt)

ジャン=クリストフ・グランジェ、2本目の映画化作品

昨年公開された「エンパイア・オブ・ザ・ウルフ」の原作です。ジャン=クリストフ・グランジェにとっては、「クリムゾン・リバー」に次いで二作目の映画化作品になります。
この作品も、三人の女性の連続殺人事件と、記憶喪失の女性の二つの物語が、やがて一つの物語に集約してゆく形態を取ります。
この小説の面白さは、この主人公の女性に施された記憶消失手術と、その過去の生活を見つけるための科学技術、もう一つはとてつもない整形技術と言った最先端の技術が謎解きの大きな要素になっているところでしょう。映画は、序盤とラストの繋がりが十分ではないのですが、原作の方はしっかりしています。そのあたりは、ラストを劇的なものにしようとした映画に問題があったのではと思います。
ジャン=クリストフ・グランジェの作品は、三本目の映画化が進んでいて、タイトルは「石の公会議」です。主役はモニカ・ベルッチで、カトリーヌ・ドヌーヴが共演しています。フランスでの公開は今年とのことですが、日本ではいつ公開ということになるのでしょうか。
狼の帝国 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:狼の帝国 (創元推理文庫)より
448821407X
No.3:
(5pt)

ジャン=クリストフ・グランジェ、2本目の映画化作品

昨年公開された「エンパイア・オブ・ザ・ウルフ」の原作です。ジャン=クリストフ・グランジェにとっては、「クリムゾン・リバー」に次いで二作目の映画化作品になります。

この作品も、三人の女性の連続殺人事件と、記憶喪失の女性の二つの物語が、やがて一つの物語に集約してゆく形態を取ります。

この小説の面白さは、この主人公の女性に施された記憶消失手術と、その過去の生活を見つけるための科学技術、もう一つはとてつもない整形技術と言った最先端の技術が謎解きの大きな要素になっているところでしょう。

映画は、序盤とラストの繋がりが十分ではないのですが、原作の方はしっかりしています。そのあたりは、ラストを劇的なものにしようとした映画に問題があったのではと思います。

ジャン=クリストフ・グランジェの作品は、三本目の映画化が進んでいて、タイトルは「石の公会議」です。主役はモニカ・ベルッチで、カトリーヌ・ドヌーヴが共演しています。フランスでの公開は今年とのことですが、日本ではいつ公開ということになるのでしょうか。
狼の帝国 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:狼の帝国 (創元推理文庫)より
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