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背の眼



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背の眼の評価: 6.56/10点 レビュー 9件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.56pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全6件 1~6 1/1ページ
No.6:
(7pt)

先入観をもたずにどこまで読めるか

今では次世代を担う作家の1人となった道尾秀介氏のデビュー作が本書。ホラーサスペンス大賞の特別賞を受賞して刊行された。ちなみに大賞は沼田まほかる氏の『九月が永遠に続けば』だ。

さてそんな彼のデビュー作は怪異現象を解き明かす霊現象探求所なる物を開業している真備庄介が登場し、そしてそのパートナーは道尾秀介という作者と同姓同名のホラー作家という、探偵=作家の構図を持った作品である。

背中に眼のような物が写った奇妙な写真の被写体になった者たちが次々と変死を遂げる。その事件の発端となった福島県の山中にある白峠村には忌まわしい天狗伝説があり、4人の子供がいなくなるという神隠しの事件も起こっていた。さらには隣の町では霊の視える少年がいて、2人に関わっていく。

物語は怪奇現象としか思えない土俗的な伝奇色を濃厚にしていく。私は上にも書いたようにこの後の作品が続々と『このミス』でランクインされる道尾作品の本作は当時京極夏彦の百鬼夜行シリーズを髣髴させるという世評もあって、本作をホラーと見せかけて合理的な解決が成されるミステリだと思い込んで読んでいた。

しかし物語はすっきりと解決されない。合理的な解決でありながらもどこか割り切れなさの残る、中途半端な読後感が残ってしまった。

この一見合理的でありながらも不確かな物に解決を求める真相に今の私は正直戸惑っている。齢四十を過ぎると人間の心の不思議さや状況が人の心に及ぼす思いがけない効果などに対しても頑なに否定せず、納得できるようになったと思っていたが、それでもなお腑に落ちなさが残る真相、物語の閉じ方である。
そして今さらだが本書がホラーサスペンス大賞の特別賞受賞作であることに気付かされた。つまり本書はやはりホラー小説だったのだ、と。

物語にふんだんに盛り込まれる地方の因習や伝承に加え、実在する童話に少年殺しの意外な真相を絡め、更には東海道五十三次の一幅の絵を福島の山奥に残る天狗の忌まわしい殺戮の歴史に重ねて殺人者の狂気へと導くプロットはとてもデビュー作とは思えないほどの完成度だ。
しかしやはりもやもやとした割り切れなさが残るのは正直否めない。
先入観と云う物は全く恐ろしいものだ。
次こそはまっさらな心で物語に臨みたいものだ。


▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S
No.5:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

背の眼の感想

道尾さんの作品立て続けに読んでます。いつも推理の斜め上を行く結末で、良い意味裏切られてます。
本作品も例外ではありませんでした。

ひろゆき
44KMPFT3
No.4:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

背の眼の感想

真備シリーズの第1段。著者のデビュー作です。
ホラーテイストで進むストーリーは当初ただのオカルトものかと思っていましたが、どちらかというとミステリー色の強い作品でした。
子供が殺されててく話に個人的には少々あわない感じでしたが、とても読みやすく文庫本で上下巻をあっという間に読み終わりました。ただ、解決してからのラスト100ページの説明が正直長かったです。

フレディ
3M4Y9ZHL
No.3:
(8pt)

背の眼の感想

巨匠の処女作ということであるが、ホラー小説として楽しませて頂いた。題名の背の目はあまりに描写、必然性が弱く、残念。

supoo0331
76NSOQ3P
No.2:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

背の眼の感想

ホラーとサスペンスとミステリーの要素が絡んだ作品です。
以前『向日葵の咲かない夏』を読んだ事があるのですが、こちらの話の方が好みでした。
読後は、ホラーらしい少し薄ら寒くなるような感覚もありながら、それだけじゃなく何ともいえない寂しさや切なさも感じました。
良作だと思います。




▼以下、ネタバレ感想

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ちんちろりん
NLFRSLFL
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

背の眼の感想

前半オカルト、後半ミステリの要素が強いか。
どちらの要素も面白く不思議な余韻だが満足だった。

Ariroba78
5M53WTS6

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