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火蛾



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【この小説が収録されている参考書籍】
火蛾 (講談社ノベルス)
火蛾 (講談社文庫)

火蛾の評価: 6.86/10点 レビュー 7件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.86pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(4pt)

火蛾の感想

私にとって当たり外れの大きいメフィスト賞受賞作品。

舞台は12世紀の中東。
イスラム神秘主義修行者を描いた物語なのですが、そもそもイスラム世界に明るい日本人なんているのだろうか?
これを題材に持ってくる辺り、さすがメフィスト賞って感じはしますが・・・
イスラム知識皆無でも問題なく読めます、というレビューは散見されますが、それにしては専門用語が説明もなく頻繁に登場しますし、説明されていたとしてもよく意味がわからないものが多いし・・・

「火蛾」とは「出口を求めて何度も火中に身を投じてその身を焼き尽くしてしまう蛾」の事なので、要は宗教者が「修行により真理を求めて彷徨う」物語という事だろう。
物語の中で3つの殺人事件が起こりますが、そもそもその舞台に登場する人物はわずか5人で、そのうちの2人は死体でしか登場しないし、1人は影でしか登場しません。
一応ミステリ的な解決はなされているとはいえ、実際そんなミステリ的な事などどうでもよくて、単なる、最高階級に到達するため?彼らが信仰する世界観を完成させるため?の「手段」以外の何物でもないって感じがします。
要するに「フーダニット」などどうでもよくて「ハウダニット」、何故殺さなきゃいけなかったの?が主眼。
その「何故?」は、私イスラム教徒ではないんで説明されても腹落ちしないです。
私にとっては全てが後出しジャンケンみたくなってしまいますから。

宗教とミステリの融合という事で高評価なのかと思いますが、私には高尚すぎました。

梁山泊
MTNH2G0O
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

火蛾の感想

幻想的といいますか宗教的といいますか、
本編にもあります蝋燭の炎の揺らぎの様な、
輪郭が定まらない不思議な世界でした。

ミステリのわかりやすい要素を挙げるとしたら、
穹廬(テント)の中でおきた密室殺人ですが、
このトリックも本書の不思議な世界により意識がぼやけ、
大胆な仕掛けが見えなくなってました。

端的に述べられる文とそこから生み出される幻想とで
不思議な魅了を受けます。読後の余韻も不思議なものでした。

egut
T4OQ1KM0

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