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終わりなき夜に少女は



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終わりなき夜に少女は

終わりなき夜に少女はの評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

信仰の救いと狂信。一神教の呪縛の恐ろしさ。

「われら闇より天を見る」で話題を呼んだ著者の邦訳第二弾、作品としては前作の前の第2作。信仰厚い閉鎖的な田舎町で起きた15歳の少女失踪事件をメインにアメリカの宗教、倫理、抑圧、暴力の絡み合いを描き出す社会派ミステリーである。
1995年のアラバマ州の小さな町で「ごめんなさい」とだけ書き残して15歳の美少女・サマーが失踪した。警察は家出事案として取り扱うのだが、サマーの双子の妹・レインは同級生で遊び仲間のノア、パーブとともに姉を探そうとする。というのも、数年前に連続少女誘拐事件があり、犯人「鳥男」が目撃されたものの逃亡し、未解決のままだったのだ。当時から捜査にあたったブラック署長はその事件を機にアルコール依存になり、町民からは必要最低限の努力しかしないと目されていた。一方、サマーとレインの父親で暴力的なジョーは弟のトミーや仲間を集めて捜索隊を指揮し、結果を得られない日々に不満を募らせていた。そんな一触触発の町の上空に巨大な嵐雲が居座り、住民は不安と恐怖に怯え切っていた…。
行方不明の姉を探すレインと仲間たち、平穏に問題解決したいブラック署長の視点でのエピソードが交互に繰り返され、そこにサマーの独白が挿入される。そこで明らかになるのはいまだに尾を引く「鳥男」であり、抑圧的な宗教の呪縛であり、陰謀論的な悪魔騒ぎで、アメリカの宗教ベルト地帯におけるキリスト教の功罪が露わにされる。物語の展開スピードが遅く、最初は人間関係やキャラの把握に時間を要するが中途からは分かりやすくなる。
前作「われら闇より天を見る」を想定すると期待外れだが、アメリカ人の宗教と人間の理解を知るミステリーとして、一読の価値あり。

iisan
927253Y1

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