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破果



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破果

破果の評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
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No.1:
(8pt)

65歳の老女は45年のキャリアを誇る、凄腕の殺し屋だった

特異すぎる主人公のキャラ設定だけで読みたくなる、韓国発のノワール・エンタメ作品。1013年の発表当時はさほど話題にならなかったものが、SNSでじわじわ人気が高まり、2018年に改訂版を刊行、以後海外でも翻訳が相次ぎ、韓国では映画化されたという。
本作の魅力の第一は65歳の小柄で平凡な老女が凄腕の殺し屋だという、常識を突き破った主人公像にある。依頼された殺しは迅速に、手際よくこなし、しかも心理的な葛藤とは無縁のプロフェッショナルとして45年のキャリアを積み重ねてきた爪角(チョガク)だが、寄る年波には抗えず、体力はもちろん気力も衰え始めていた。捨て犬を拾い、トラブルに遭った老人を助け、ターゲットや家族の苦しみに心が揺れ始めたのだ。そんな時、同じエージェンシーに属する若き殺し屋・トゥが、なぜか爪角に突っかかり、挑発を止めようとしなかった。トゥは何を狙っているのか、確信がないまま爪角はトゥと最後の死闘を繰り広げることになる…。
訳者あとがきによると作者は「文章に関して心に決めているうちの一つは、〈読みやすくしない〉ことだ」というだけあって、リーダビリティは決してよくないが我慢して読み通せば、十分に報われる深い読後感を味わえる。
ノワール小説ではあるが、女性、老化などさまざまな問題に気づかされる傑作として、幅広いジャンルの読者にオススメしたい。

iisan
927253Y1

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