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6.81/10点 レビュー 48件。 A ランク
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文庫本の解説を読んでみると、本作の初稿完成時期が1995年12月となっている。
今から約30年前で、阪神淡路大震災があり、オウム真理教による地下鉄サリン事件があったあの頃である。
果たしてあの頃に、巷でVR(仮想現実)の話題が上がることはあったであろうか。
本書では、終盤の犯人とのやり取りが、カートに乗ってVRで行われる。この辺りは凄く新鮮。30年ほど前の小説とは思えない新しさだ。
AI(人工知能)についての記述は無かったが、その初歩的発想のロボットも出てくる。
著者の履歴を調べてみると、執筆当時は現役の名古屋大学工学部助教授。うーむ、これはバックボーンが全く異なる。
こういう肩書でありながら、こうした大衆向けの娯楽小説が書けるわけだ。その当時、著者は大学でどのような趣向で学生に講義していたのだろうかと、色々と想像してしまう。
さてそういうことを含めて、本書のミステリー本としての感想だが、内容的にはクローズド・サークルのミステリー小説であった。
当方、基本的に、この手の謎解き本格物というものは、余り好みでは無い。
しかしながら、今回は妙に楽しく読ませて頂けた。理系ミステリーを標榜するだけあって、ややマニアチックな用語や数値が頻出したが、さほど苦にはならなかった。
謎解きの説明も、そこそこに納得できた。
▼以下、ネタバレ感想