■スポンサードリンク


ひとり旅立つ少年よ



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
ひとり旅立つ少年よ (文春文庫)

ひとり旅立つ少年よの評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

■スポンサードリンク


サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(8pt)

映画化してもらいたい、傑作青春ロードノベル

独特の小説世界を築いて人気があるボストン・テランの2018年の作品。19世紀後半、南北戦争前のアメリカを舞台に、12歳の少年がニューヨークからミズリーまで一人で旅し、様々な戦いの中でアイデンティティを確立していく傑作ロードノベルである。
詐欺師の父親と12歳の少年・チャーリーはニューヨークで、奴隷制度廃止のための資金を南部の活動家に届けるという名目で大金を巻き上げた。金を持って逃げようとした父子だったが、大金を狙う悪党2人に襲われ、父が殺されてしまう。辛くも悪党から逃げられたチャーリーは、それまでの自らの悪行を償うために、一人で約束通り金を届けようと決心する。執拗に追いかけて来る悪党から逃げながら、奴隷解放をめぐって騒然としたアメリカ南部をたった一人で旅する少年は、様々な人々の助けを得て自らが課した任務を全うするべく戦うのだった・・・。
基本的には、悪党に追われる少年の逃避行がメインのロードノベルかつ犯罪小説だが、詐欺を働いていた自分を変えたいという贖罪の物語でもあり、少年が青年へと変わる成長物語でもある。さらに、暴力や犯罪を描いた傑作を発表してきたボストン・テランらしく残酷なまでの現実を描いた社会派ミステリーでもあり、少年の成長が感動的だが、単に清々しい成長物語だけでは終わっていない。ストーリーは波乱に富み、登場人物も多士多彩で飽きることが無い。ぜひとも映画化してもらいたい作品である。
ミステリーの枠に収まらない傑作青春ロードノベルとして、多くの人々にオススメしたい。

iisan
927253Y1

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!