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クロイドン発12時30分



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クロイドン発12時30分の評価: 8.33/10点 レビュー 3件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.33pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全3件 1~3 1/1ページ
No.3:
(7pt)

リアリズム故の地味


 不況の煽りを受け経営者チャールズの工場は閉鎖寸前、頼みの綱は叔父の財産だったがあえなく断られる。 先の短い一人の老獪と将来のある従業員たちを天秤にかけたチャールズは・・・。

古典中の古典の倒叙ミステリです。 一章にて叔父が殺されます。 当然犯人はチャールズなのですが二章以降のチャールズの計画・行動・心理描写が素晴らしい。 人間の一喜一憂、警察の領分や法廷の様子を丁寧に描いている。 ミステリにありがちな過剰な装飾や目立ちたがりな探偵や警部は登場せず現実に則った警察と容疑者の攻勢が描かれる。 派手さを削いだリアル故の地味、解決に至るまで精緻を究めた一作。 ★は7つ。

りーり
9EDFH0HC
No.2:
(8pt)

安心して読めるミステリー

ミステリーの基本でした。面白かったです。

わたろう
0BCEGGR4
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

クロイドン発12時30分の感想

じっくりと彼、チャールズが犯行に至る動機や方法を模索する様子を描き、死体が発見されたあとも尚彼の視点で捜査を見守る彼の心の内の恐れや、あるいは楽観的な気分になる心情などきめ細かく描写してある。
ロンドン警視庁のフレンチ警部も登場するが、最後の最後に関係者が集まった席で彼に注目した理由や第二の事件が起きた背景、そして論理的にかれの犯行のすべてを暴き出していく過程を披露するに留まっている。
とにかく1934年の作品とは思えないきっちりとした内容で、法廷のシーンなども検事側と弁護側の論理的な傍証の検証を繰り広げる様は読み応えがある。思わず無罪を勝ち取り真犯人は別に居るのか?などと思ってしまった。犯人にとって捜査圏外に居ようとする思惑、行動が捜査側から見れば逆に注目する理由になるという皮肉な現象も確かにそのとうりで、このあたりもキッチリと書き込んでいるクロフツの筆の確かさに感動すら覚える。倒叙小説の古典的名作は今読んでも本当に読み応えのある一冊であった。

ニコラス刑事
25MT9OHA

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