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(短編集)

窓から見える最初のもの



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【この小説が収録されている参考書籍】
窓から見える最初のもの

窓から見える最初のものの評価: 6.00/10点 レビュー 1件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(6pt)

一気読みは必至だが、驚きに欠ける第7回アガサ・クリスティ大賞作

この作品は構成が凝っています。主な登場人物は4人。
この4人を主人公とするストーリーが並列的に進行していきます。
相沢ふたば、藤倉和博、連城美和子、御通川進の順番でそれぞれ約10ページ前後を
費やされた賞が、1人7章、トータルで28章で完結されるわけです。

4つのストーリーは一見何の接点もありません。
心に悩みを抱え心療内科に通う若い女性、相沢ふたば。
幻の名画を探す中小企業社長藤倉和博。
喫茶店を開業したいという客のために奔走する不動産会社員連城美和子。
なりすまし事件の被害者になってしまう会社員御通川進。

当然ながら興味はこの4つの物語の接点は一体何なのかということに
尽きるわけです。そこで読者としては一刻も早く先が読みたくなるというわけです。
そういう意味では一気読みは必至ですし、面白いと思いましたね。

ただこれはお読みいただければすぐ分かる事なのでネタバレにはならないと
思いますが、この4つの物語には温度差があるんですね。
ある人物の章だけがより深く書き込まれていて、ああこれがこの小説の中心なんだと
分かってしまうんですね。それが誰かは言いませんけど。

結局それ以外の人物の章は、これに付随しているおまけみたいなものであって、
そのつながりも大きな意外性もなく、無理に4つに分けた意味もあまり感じられませんでした。
あくまでも構成のための構成という感じですね。

他の候補作を読んでないので判断は難しいですが、荒削りなものより完成度の高い
無難な作品が選ばれたのだと思いますね。

4つの異なる事件が最後に鮮やかに集束という小説は飛鳥高の『細い赤い糸』という
名作がありますので是非それを読んでいただきたいですね。

いわし雲
78XRDN1A

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