木足の猿
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全1件 1~1 1/1ページ
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デビュー作にして日本ミステリー文学新人賞受賞作。明治初期を舞台にした一種の探偵ものだが、時代背景や人物描写が巧みでとても新人とは思えない。何よりも気に入ったのは、探偵の推理力が人間離れしていないこと。見事な構成で、無理なく驚くべきラストへと導かれて行く。この主人公でぜひシリーズ化してほしい。 | ||||
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江戸末期から明治初期にかけてのハードボイルドミステリ。 身分制度がなくなり、激動の時代背景がよく描かれている。時代小説としてはよくできている。 ただ、主人公の奥井隆之のキャラが弱い。片足を失った中年の侍という独特の設定に興味を覚えたが、強いのか弱いのかイマイチはっきりとしない。序盤の「剣術の達人」を思わせる描写が、後半に生きてこないのは残念。 ミステリとしても一応のどんでん返しはあるが、布石が弱く、二度読みを強いられる(この人誰だっけ?そんなことあったっけ?みたいな)。 色々描いたが、決して駄作ではない。 文体が初期の頃の東山彰良によく似ているので、今後すごい作品を生み出すのではないかと期待している。 | ||||
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特に盛り上がりもなく、文章もうまくない。 時代背景、内容そのもの、読ませる描写・進行がないと思います。 | ||||
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幕末から江戸初期に友人の敵を追う主人公が巻き込まれた在留英国人殺害事件を追うことになる。しかも犯人とともに敵を追えるという一石二鳥の提案付で。主人公が友人の敵を追う理由を徐々に書き込まれて行く。同時に江戸時代と明治の世になっても矛盾だらけの世の中であることを元侍という視点とともに草とよばれる潜入スパイの視点からも述べられていく。この本を読みながらひょっとしたら今現在の批判を意識しているのかと思った。最後はどんでん返しを用意されている。本書はシリーズ化も可能だと思った。 | ||||
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明治初期に東京、横浜で相次いだ英国人連続殺人事件。切り落とした首をさらすという残忍な手口だった。 隻脚の居合の達人、奥井は、命の恩人である友の水口を斬った矢島を十七年もの間探していた。 そんな折り、玄蔵という男が奥井に接近し、英国人未亡人から依頼を受けたので、一緒に連続殺人犯を探そうと持ちかけてきた。犯人一味の中に、仇の矢島らしき男がいたというのだが…。 物語は、旧幕時代の奥井の回想を交えつつ進行する。徳川の厳しい身分制度の下、先祖代々底辺での汚れ仕事を負わされてきた者たちの悲哀が、これでもかというほど描かれる。そして倒幕により身分制度が瓦解するや、その者たちの憤りが、新しい世に激しい呪詛となって噴出する。一方で元侍は、支配層から転落し、明日の飯にも困る有り様。 しかも、四民平等の世になっても、白人からは、日本人全員が「黄色い猿」と侮蔑される。どこまでいっても下層からは抜け出せない。 ミステリー的要素もあるが、奥井や玄蔵たちを通じて、徳川時代から明治期にかけてのこのような宿業をとことん描ききったところに、本書の凄みがある。読者を捕らえて離さない物語の運びといい、かなりの力量である。 本書が著者のデビュー作のようだが、次回作が楽しみである。 | ||||
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時代は明治9年、連続して英国人が殺害され生首が晒されるという猟奇事件が発生する。攘夷派の不平士族が疑われる中、侍で左足が義足ながら居合の達人の奧井が探偵として事件を追う。しかも、その事件の背景には友の仇敵の影が見え、謎究明と共に仇討ちのために奔走する。 第20回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作らしく、奧井が地道な調査や論理的思考で事件を解明してく様子もあり、また、侍としてのアクションシーンも盛り込まれています。只、猟奇事件の真相解明だけでしたら普通水準の作品だとは思いますが、ラストにはもうひとひねり展開が加わり本作の肝になっています。 そこには、江戸幕府が終焉し、新しい時代の波に飲み込まれ翻弄される侍や忍びの矜持や想いが織り込まれ、熱く切ないもう一つのストーリーがあります。 | ||||
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