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この町の誰かが



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【この小説が収録されている参考書籍】
この町の誰かが (創元推理文庫)

この町の誰かがの評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(8pt)

ノンフィクションのような語りが成功している

アメリカ警察小説の巨匠がドキュメント・タッチのインタビュー形式での謎解きという新手法に挑んだ警察ミステリー。事件関係者の供述を時系列で並べて臨場感を出すことに成功した、斬新な(1990年発売)エンターテイメント作品である。
米国東部のどこにでもあるような平凡な町・ロックフォードで、一人の女子高校生が殺された。きちんとした家庭のお嬢さんだった少女は、ベビーシッター中にレイプされ殺害されたのだった。当初は、事件当時町に現れた不審な流れ者が容疑者と目されたのだがアリバイが確認された。事件は、この町の誰かが起こしたのではないか? 町は平穏な様相を一変させ、警察への批判、犯罪への恐怖、隣人に対する疑心暗鬼が沸き上がり混迷を深めていく…。
警察が殺人事件の謎を解くというオーソドックスなミステリーだが、事件の経過、捜査の過程を関係者の証言や会議の議事録で再現していくという、実録ものを読むような手法が成功している。事件の背景、犯行動機などは平凡だが、捜査の進展を同時進行で追いかけているようなリアリティがあり、最後までサスペンスが維持される。
警察ミステリーのファンなら読んで損はないとオススメする。

iisan
927253Y1

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