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その先は想像しろ



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【この小説が収録されている参考書籍】
その先は想像しろ (集英社文庫)

その先は想像しろの評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

チンピラとロックスターとマフィア

フランスの新鋭ミステリー作家の第2作。ミステリーというより、悪漢小説、成長物語的な犯罪小説である。
人気絶頂のフランスのロックスターがシチリア島で姿を消した。身代金の要求は無く、死体も見つからない、謎の失踪だった。が実は、その二年前に北フランスのカレーで2人のチンピラが、マフィアの金を盗んで逃走するという事件と、関係があったのだ。この二つの出来事を結ぶのが、金を盗まれたマフィアだった。チンピラとロックスターとマフィア、それぞれが欲望と人生をぶつけあったとき、物語は思わぬ方向に転がって行く。
主役となる人物が皆、泥棒というか犯罪に関わっている割には、暗さや凄惨さはない。かといって、ユーモラスな犯罪小説でもない。暴力や陰謀が繰り広げられるのだが、そのシーンが乾いているのである。それはきっと、チンピラ、ロックスター、マフィアのそれぞれが人生に何かを引きずっており、なおかつ自由な生き方を希求し、実現させようとしているからである。
文庫本で500ページの分量、元の文体の読みにくさ(訳文は上手い)もあって、読み通すには体力が必要だが、読んで損が無いことは確かだ。ミステリーというより成長物語ファンにオススメだ。

iisan
927253Y1

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