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(短編集)

嘘をもうひとつだけ



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【この小説が収録されている参考書籍】
嘘をもうひとつだけ
嘘をもうひとつだけ (講談社文庫)

嘘をもうひとつだけの評価: 6.11/10点 レビュー 9件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.11pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全6件 1~6 1/1ページ
No.6:
(7pt)

嘘をもうひとつだけの感想

短編ながらも深く楽しめる内容でした。少しの嘘から犯罪を暴くストーリーで展開もわかりやすかったです。

kmak
0RVCT7SX
No.5:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

品の良い短編集でした。

スッキリした短編集。
加賀恭一郎シリーズの一冊でした。
短編集というのを好まない当方ですが、無理なく読み終えることが出来ました。良品が揃っておりますね。
この方の作品は、基本的に読み易く、かつ大外れは無い。
今後も、過去に手にしていない物を読んでみたいです。

マッチマッチ
L6YVSIUN
No.4:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

嘘をもうひとつだけの感想

例え犯罪に結びつかずとも、誰しも小さな企みを心に秘めて生きている。幸せを求めるのは人の本能。不条理な世の中で生きていくには必要な技なのでしょう。それを犯罪に発展させない理性こそが社会で生きる人の術…そんな思いで読みました。
ラストの一作「友の助言」は登場人物三人の心の機微が見事に描かれている作品です。

はつえ
L7BVQMDY
No.3:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

本書の加賀恭一郎は実にネチッこい

東野作品のシリーズキャラクター、加賀恭一郎が登場する短編集。

まず表題作はマンションで起きた自殺としか思えない墜落事件の真相を加賀が探るというもの。
加賀とバレエと云えば『眠りの森』を思い起こさせる。あの続編かと思い、同書を当たってみたが、違った。
バレエと云う特異な競技の、誰もが目にするレッスンを殺害方法に絡めるとは心憎い。そして動機はまたバレリーナ特有のプライドゆえの物だった。その道を極めた者たちにしか解らない心境だろう。

次の「冷たい灼熱」は夫が家に帰ると妻が死んでいたというショッキングな幕明け。

女性が家に帰るとそこには交際中の男の死体が倒れていた、と「冷たい灼熱」と表裏一体のような作品が「第二の希望」。

さて本書における個人的ベストが「狂った計算」。
第三者の目の前で起きた痛ましい交通事故。しかしそれは不倫相手でお互いを愛し合うようになった中瀬と奈央子が計画した犯行のはずだった。しかしそれは当初計画していた犯行のようにはいかなかった、と二転三転する事件の真相が面白い。

最後を締めくくるのは「友の助言」。
5編中最も短い作品。交通事故と云う事件であり、唯一殺人事件が起きていない作品で、事件も内容もシンプルだし、物語もシンプル。
これを最後に持ってくるのは単純に一番新しい短編だっただけなのか。だとしたら出版社もしくは作者は余韻を考えて、収録順に配慮した方がいいだろう。


加賀恭一郎5連発。執念深い捜査が持ち味の加賀の切れ味鋭い捜査が味わえる。

加賀刑事は東野作品における刑事コロンボのようなものだろう。倒叙物ではないが現場や関係者の言動から違和感を掴み取り、そこから推理を組み上げ、被疑者が自己崩壊するように誘導する。彼の執拗な尋問によって被害者は次第に苛立ちを覚え、墓穴を掘ってしまうのだ。
その手際はまさに詰将棋のよう。敵に回すとこれほど嫌な相手はいないと思わされる刑事だ。

つまり加賀が付きまとう人物こそ犯人だと云っているようなものだ。これはパターン化されているとはいえ、なぜか主人公に犯人ではないことを証明してほしいと思わされてしまう。それは加賀のネチッこい捜査に一種の嫌悪感を抱くからかもしれない。

そう、加賀はネチッこいのだ。
ネチッこい刑事と云えば、背が低く、加齢臭漂わせる中年太りで脂ぎった顔にいやらしい笑みを浮かべ、バーコードハゲがおまけについている風貌を思い浮かべるが、加賀は全くの正反対で背が高く、剣道の段位者であり、好青年の風貌を持つ。このギャップゆえに加賀の登場に思わず快哉を挙げるのかもしれない。

収録作中個人的ベストは4編目の「狂った計算」。夫婦仲がしっくりいかない者同士の計画的犯行を扱ったものと内容としてはオーソドックスなのだが、東野圭吾氏ならではの実にトリッキーな計画である。
小説が文字で表現される物語であることを最大限に利用した内容である。さらにすごいのはそのトリッキーな計画のさらに上を行く真相が用意されていることだ。計画的な犯行が偶然によって瓦解することの皮肉が上手く語られている。

しかし先にもちらっと触れたが、倒叙物でもないのに、刑事コロンボのように犯人が自己崩壊していく様を読者に見せるというのは実は半倒叙物とでも呼ぶべき新しい叙述形式なのかもしれない。

この後も東野氏は短編集を出版し、最近でもガリレオシリーズの長編作品が出版されたばかり。その旺盛な創作意欲には感服する。

本書は傑作と呼べる作品が集められたものではないが、加賀刑事の現時点で唯一の短編集ということで加賀ファンには素敵な小品集と云えるだろう。


▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

嘘をもうひとつだけ、感想&備忘録


▼以下、ネタバレ感想

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ナタ
9AJ0TZ5W
No.1:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

嘘をもうひとつだけの感想

加賀恭一郎シリーズの短篇集です。
全作品通しての共通のテーマはタイトルにもある「嘘」です。
トリックを見破るというよりも、犯人がつく嘘の僅かな綻びを見逃さず加賀が看破するという流れです。
また、読み手に犯人は初めから丸わかりで、且つその犯人視点の作品が多い事を考えても、追い詰められていく犯人の心理状態の描写に重点が置かれた作品と言えます。
如何にも加賀らしい観察眼とねちっこさは、短編とは言えしっかりと表現されており、シリーズのファンにも納得の一冊だろうと思います。
ただやっぱりこのシリーズは長編で読みたいかな。感情移入できる間もなく終わってしまう。
加賀の人間味にどっぷりと浸りたいですね。

梁山泊
MTNH2G0O

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