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人間の顔は食べづらい



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【この小説が収録されている参考書籍】
人間の顔は食べづらい
人間の顔は食べづらい (角川文庫)

人間の顔は食べづらいの評価: 7.00/10点 レビュー 2件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

人間の顔は食べづらいの感想

んー…これは評価が分かれそうな小説ですね。

特殊な舞台での本格ミステリ。幾人による推理合戦や一筋縄ではいかない結末が非常に面白い。ただ、粗がとても目立ち、共感できない所が多々あります。細かい事を気にせずミステリの謎を楽しむのか、世界観を含めて楽しむのかで好みに影響するかと思います。

物語は、新型ウイルスの影響で肉が食べられなくなった後、自身のクローンを食用肉として認可された世界。食用クローンとして、人間を飼育して加工する施設で働くものを視点としたミステリです。
ドロドロした内容はないのですが、人を飼育したり加工したり食したりという雰囲気に気持ち悪さを感じる人は避けた方がよいでしょう。

個人的には特殊な世界観で、ぶっ壊れた刺激も好むので面白く読めました。登場人物達も倫理観が程よくずれているのもよいです。毎日食用人間の首を切断する加工部の人間と、こっそり育てられた食用人間のチャー坊。どちらも人間であるので牛や豚と違って言葉を話すんですよね。『てめぇは食べるために作られたんだ』といった会話が中々強烈です。

人々の会話は非常に面白い反面、世界観が舞台装置の記号・設定になってしまていると感じました。
人間を加工する部署がある。廃棄物処理センターがある。施設の入り口はここにある。という感じで舞台は説明調なのです。人間が飼育されているので、生生しい声が聞こえたり、匂いがどうだとか、その場の雰囲気がありそうなのですが、五感による空気感が感じられなかったのが残念です。
この工場は人間を加工しており、世界が注目するかなり特殊な工場だと思うのですが、セキュリティが甘々です。人が簡単に侵入できそうだったり、不審者がどうだとか、社員は自由に徘徊するなど、現実的に考えたらいろいろ納得できない所が生まれてしまい、齟齬が生じている気持ちになります。首だけ切り落として出荷って、毛や皮膚や内臓はそのままなの?冷凍じゃなくて常温?とか。細かい場が描かれず、謎解きの為に必要な設定だけが並べられていると思った次第です。
逆に言えば、描かれている事は謎解きの為に散りばめられた伏線だったり、推理合戦の材料だったりするわけなので、冒頭に書いたミステリの謎で楽しむのか、雰囲気も考慮して楽しんでいるかで作品の評価が変わると思う次第なのです。

細かい所はネタバレで。タイトルと表紙の気持ち悪さは好み。
文章は読みやすく強烈な設定が楽しめるので、今後の作品に期待です。

▼以下、ネタバレ感想

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egut
T4OQ1KM0
No.1:
(7pt)

人間の顔は食べづらいの感想

食糧危機により食用のクローン人間が作られるようになった日本を舞台とするミステリ。奇抜な設定と超展開からは想像できないほどロジカルな多重推理が面白かったです。SFだとよくある展開をミステリの真相として巧みに利用しているのも秀逸でした。

水生
89I2I7TQ

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