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ヴァイオリン職人と天才演奏家の秘密



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【この小説が収録されている参考書籍】
ヴァイオリン職人と天才演奏家の秘密 (創元推理文庫)

ヴァイオリン職人と天才演奏家の秘密の評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

音楽史の門外漢でも楽しめる

ヴァイオリン職人ジャンニ・シリーズの第二弾。今回は、天才ヴァイオリニスト・パガニーニと名器・カノン(大砲)を巡る歴史ミステリーである。
ジャンニの工房に、パガニーニ音楽コンクールの優勝者である若きロシア人エフゲニーが、名器・カノンの修理を依頼するために訪れた。修理は上手くゆき、エフゲニーのリサイタルは大成功をおさめる。その翌日、リサイタルに来ていたフランス人美術品ディーラーがホテルで殺害されているのが発見された。彼がホテルの金庫に預けていた黄金の箱から発見された、エリーザという女性がパガニーニに宛てた1819年の古い手紙には、エリーザがパガニーニに何かを贈ったことが記されていた。果たして、この贈り物が事件を解明する鍵になるのだろうか? 素人カルテット仲間である刑事アントニオに依頼され、ジャンニはヴァイオリンの歴史の知識を駆使して謎解きに挑むことになる。
ストーリーは、現時点での殺人事件捜査と天才演奏家パガニーニの波乱万丈の生涯の謎解きとを行き来するタイムトラベルで進行するのだが、音楽史部分の説明が丁寧なので、音楽史の知識が無くても問題なく楽しめる。さらに、エフゲニーと母親の葛藤、美術品売買業界の裏話などのサブストーリーも充実している。
前作同様、唯一知識と推理力だけを頼りに進められる捜査は華々しいところはひとつもなく、徹頭徹尾地味ではあるが、景色のいいベランダで香り高いコーヒーを楽しむような、静かで味わい深い喜びを与えてくれる。

iisan
927253Y1

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